• 検索結果がありません。

表2 各ケースの最終・最大流木捕捉数の比較

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "表2 各ケースの最終・最大流木捕捉数の比較"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)Ⅱ‑143. 土木学会第71回年次学術講演会(平成28年9月). 橋梁部の流木捕捉状況と水面形変化に関する小型開水路実験 東京理科大学大学院理工学研究科土木工学専攻 東京理科大学理工学部土木工学科. 学生員○桜庭 拓也 正会員 二瓶 泰雄. 1. 序論 近年の異常豪雨に伴う水害・土砂災害では,流木由来の災害が顕著になりつつある.山間部を流れる中小 河川では,川幅が流木サイズと比べて相対的に狭いため,豪雨により大・小規模の流木流出が生じると,橋 梁部において流木がトラップされ,それがきっかけで洪水氾濫が生じている事例が多い.2013 年伊豆大島の 土砂災害では流木を伴う土石流が発生し,小流路(大金沢)沿いでは,大量の流木が橋梁に捕捉され河道閉 塞やそれに伴う洪水氾濫が発生した 1).しかしながら,橋梁部においてどのように流木が捕捉され,流木捕 捉時にどの程度橋梁部上下流部の水面形変化が生じるかに着目した研究は少ない.一方著者らは,橋梁部を 有する開水路内に模擬流木を投下するという流木実験を実施した.その結果,流木捕捉数増加に伴う水面形 変化を捉え,その水面形や捕捉状況からゲートタイプとの類似性を検討した.しかしながら,計測事例が少 なくゲートタイプの分類に至らず,橋梁部における流木捕捉軽減策の検討も未着手であった.本研究では, 二種類の表面粗度を有する橋梁部を設けた流木投下実験を実施し,流木捕捉数と水面形変化の関係を定量的 に明らかにすると共に,流木捕捉に対する橋梁の表面粗度の影響を調べる.また,モデル化対象のスルース ゲートとラジアルゲートを橋梁部に設けた実験も行い,ゲート前後の水面形と流木実験の結果を比較する. その他の断面 橋梁断面 2.研究方法 60 (1)流木投下実験:本実験では長さ 9.0m,幅 0.60m, 29.5 高さ 0.44m,勾配 1/1000 の小型開水路を用いる(図1). 10 21.5 7.6 過去の被災箇所における橋梁部幅や高さを鑑みて,水路 全体に幅 10cm,高さ 21.5cm の木箱を設置して幅を狭く 流木投 下位置 した.X=500cm 地点に橋梁部(幅 29.5cm,高さ 13.9cm, 橋梁 長さ 5.5cm)を設置し,橋梁部や側壁から越流しないよ flow うにした.模擬流木には,竹串 3 本を輪ゴムで束ねたも の(以下,これを1本と数える.等価直径 0.601cm,長 i0=1/1000 100 さ 10cm)を用いた.流木投下条件としては,X=1m にて 500 X[cm] 流木 10 本を 5 秒間隔で瞬間投下し,これを 150 秒間(計 図1 実験水路の概要 300 本投下)実施した.流木捕捉状況を比べるために, 表1 実験条件 橋梁部表面を滑らかなテープでカバーしたもの(Case A) 実験内容 実験条件 実験ケース と橋梁上流側・底面上にサンドペーパーを貼り付けて粗 サンドペーパー無 Case A1-A5 流木投下実験 サンドペーパー有 Case B1-B5 度を高くしたもの(Case B)を設定し,各々5 回の実験 h =4,5,6,7 各1ケース ラジアルゲート した(表1).流木投下前の平均水深が 7.6cm となるよ ゲート実験  h スルースゲート =4,5,6,7 各1ケース う に 流 量 を 0.015m3/s ( 限 界 水 深 hc=6.4cm ) と し た 1.2 30 (Fr=0.77).流木捕捉状況や水面形を計測するために, 30 最 大 3 台 の デ ジ タ ル ビ デ オ カ メ ラ ( HDR-XR550 , SONY 社製)と 6 台のタイムラプスカメラ(1s 間隔, h h CBR-TLC200,brino 社製)を水路脇に設置した. (2)ゲート実験:モデルゲートとして,図2に示す スルースゲート ラジアルゲート 1/4 円柱のラジアルゲート及びスルースゲートを橋梁部上 図2 用いたゲートの概要 流側に設置し,水面形を計測した.ここでは,ゲートの 開口部 h を 4,5,6,7cm と変えたがスルースゲートの h =4cm の場合には越流が生じたためデータ解析の 対象外とした.流況条件や計測状況は流木投下実験と同じに設定した.. キーワード:流木,橋梁,洪水氾濫,スルースゲート,ラジアルゲート,表面粗度 連絡先 :〒278-8510 千葉県野田市山崎 2641 TEL:04-7124-1501(内線 4069)FAX:04-7123-9766. ‑285‑.

(2) 土木学会第71回年次学術講演会(平成28年9月). ‑286‑. 表2 各ケースの最終・最大流木捕捉数の比較. Case名 最終捕捉数 最大捕捉数 Case名 最終捕捉数 最大捕捉数. 水深[cm]. A1 0 0 B1 125 125. 橋梁. 12 10. A2 0 1 B2 73 73. A3 0 1 B3 15 15. A4 0 2 B4 0 4. A5 0 1 B5 63 63. t=20s(N=19本) t=45s(N=41本) t=65s(N=59本) t=95s(N=77本) t=115s(N=102本) t=135s(N=118本). 8 6 4 420. 460. 500 540 流下距離[cm]. 580. 図3 流木捕捉数 N と水面形の時間変化(Case B1). t=95s. t=135s. 図4 状況. 水位上昇量dh[cm]. 3. 結果と考察 (1)橋梁部の表面粗度が流木捕捉に及ぼす影響:流木 捕捉と橋梁表面粗度の関係を調べるために,サンドペー パー無と有における最終・最大流木捕捉数を表2に示す. これより,サンドペーパー無では全ケースにて最終捕捉 数は0であるが,サンドペーパー有では5ケース中4ケー スにおいて流木捕捉が確認された.このように,橋梁部 の表面粗度の違いで流木捕捉状況が大きく変化するため, 流木捕捉削減策として橋梁部表面の凹凸を減らす方法が 有用である可能性が示唆された. (2)流木捕捉数 N と水面形の時間変化:最も流木捕捉 数が多かった Case B1 を対象として,水面形(水深の縦 断分布)の時間変化を図3に示す. t=20s では,橋梁直 上のみ水位上昇が確認されたが,t=45-95s では上流部の 上昇範囲が広がると共に,橋下流側では水位が低下して 射流が発生し,跳水を経て常流に移行した.t=115s にな ると,上流側での水位上昇量は大幅に増加し,水位ピー ク位置がより上流側にシフトすると共に,下流側の水位 低下量や跳水スケールも大きくなり,顕著な変化が生じ た.その時の流木捕捉状況の変化を図4に示す.t=95s では水路左岸側に流木が集中していたが,t=115s では全 面的に流木が捕捉された.その上,橋梁前面における流 木捕捉により橋梁下部の開口部面積が減少したため,大 幅な水位上昇が生じたものと考えられる. (3)流木捕捉数 N と水位上昇量の相関関係:流木捕捉 が生じた 4 ケースにおける捕捉された流木体積 V と水位 上昇量 dh の相関図を図5に示す.これより両者の相関 関係については,実験ケース間の差はなく,近似式の R2=0.873 と高いことから,流木体積 V と水位上昇量 dh には明確な正の相関関係がある.また,この近似式は下 に凸になっているため,流木が捕捉されるほど水位上昇 量も大きくなる非線形効果が現れている. (4)水位上昇量とピーク位置の関係:流木実験(Case B1)における水位上昇量 dh と橋梁からピーク水位まで の流下距離 dX の相関関係をゲート実験結果と合わせて 比較したものを図6に示す.流木実験の結果はラジアル ゲートの結果に近いものの,両ゲートの結果に挟まれる 形となっているため,流木捕捉状況は両ゲートの中間的 なゲート形状に近いことが示唆された. 4.まとめ 流木実験では,流木捕捉削減策として橋梁部表面の凹 凸を減らす方法が有効であることが示唆された.また, 流木捕捉本数と上流側の水位上昇量の間には非線形効果 が現れることが確認された.さらにモデル化対象のゲー ト実験より,流木捕捉状況はスルースゲートとラジアル ゲートの中間的なゲート形状に近いことが示唆された. 参考文献:1)平成25年10月台風26号による伊豆大島豪雨 災害緊急調査団ら:平成25年10月26号による伊豆大島豪 雨災害調査報告書,pp.1-90,2014.. 側面(左)と上面(右)における流木捕捉. 4 3. CaseB1. 2. CaseB2. 1. CaseB3 CaseB4 近似曲線. 0. 0. 100 200 300 400 捕捉流木体積V [cm3]. 図5 捕捉流木体積 V と水位上昇量 dh の相関関係 水位ピーク位置dX[cm]. Ⅱ‑143. 25 20 流木実験(CaseB1) ラジアルゲート スルースゲート. 15 10. 5 0 0. 1. 2 3 4 5 水位上昇量dh[cm]. 6. 7. 8. 図6 水位上昇量 dh と水位ピーク位置 dX の相関 図.

(3)

参照

関連したドキュメント

の残留 油脂類などがないこと 除錆度 黒皮付鋼板など ISO 8501-1 Sa2・1/2 (Sa3) 素地調整 無機ジンク鋼板 ISO 8501-1 Sa3. 面粗度

  越流開始から終了までの間で堤防上における最大 の越流水深,最大越流水深に関して狭窄部形状(河道

Field surveys, experiments and numerical calculations were conducted to examine driftwood accumulation in a river channel, with respect to the existence of sandbars. We

 そこで、本研究では断面的にも考慮された空間づくりに

3.2 風下側橋梁のたわみ応答に並列橋利が及ぼす影響   風下側に位置した現橋のたわみ応答を図5に示し,新橋のた

伊万里湾 の流動構造 に及 ぼす風 の影響 に関 する研究 Study of wind influences.. on a flow in

2011年東北地方太平洋沖地震により発生した津波によ り,日本列島太平洋沿岸における海岸林に倒伏・流失など

ックの界面エネルギーとして消費される。ここで,界面エネルギ ーとは異なる 2 相間の境界に存在するエネルギーであり,硬化体