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尿素を用いたひび割れ低減コンクリートの配合選定試験

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Academic year: 2022

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尿素を用いたひび割れ低減コンクリートの配合選定試験

清水建設技術研究所 正会員 ○田中博一 清水建設 正会員 根本浩史 三島英将

九州旅客鉄道 正会員 野田宏昭 岡山大学 正会員 綾野克紀

1.はじめに

近年、土木学会「2007 年制定コンクリート標準示 方書」や日本建築学会「建築工事標準仕様書・同解 説 JASS5 鉄筋コンクリート工事 2009」では、コン クリートの収縮に関する考え方が見直されており、

コンクリートのひび割れ制御に対する関心が高まっ ている。筆者らは、尿素の高い水溶性と非揮発性に 着目し、尿素コンクリートのひび割れ低減効果に関 する研究を行っており、尿素コンクリートが温度ひ び割れだけでなく、乾燥収縮ひび割れに対しても効 果があることを明らかにした1),2)

本報告では、実構造物に尿素コンクリートを適用 する際に、尿素の混入量、粗骨材の種類を要因とし て実施した配合選定試験について述べる。

2.試験概要 2.1 要因と水準

要因と水準を表-1示す。要因は尿素混入量および 粗骨材の種類とした。粗骨材の種類は、石灰石砕石 と安山岩砕石を質量比 4:6 で混合した混合粗骨材と 石灰石粗骨材のみを用いたものの 2 水準とした。

U0(混合)は、実施工で使用するレディーミクストコ ンクリート 30-12-20N に対する標準配合であり、乾 燥収縮をさらに低減する目的で、石灰石粗骨材のみ を用いた場合についても検討した。

2.2 使用材料および配合

使用材料を表-2、配合を表-3に示す。尿素は水に 溶解して液体の容積が増加するので、同一スランプ を得るために尿素の容積分だけ単位水量を減少させ た 2)。また、はく落防止対策として、ポリプロピレ ン製の短繊維を混入率 0.05%(455g/m3)として用い た。短繊維混入前のスランプおよび空気量の目標値 は 12±2.5cm および 4.5±1.5%とした。

表-1 要因と水準

U0(混合) 0

U20(混合) 20 U30(混合) 30

U0(石灰石) 0

U20(石灰石) 20 U30(石灰石) 30

記号 尿素混入量

(kg/m3) 粗骨材の種類 混合粗骨材

(石灰石+安山岩)

石灰石粗骨材

(石灰石)

表-2 使用材料

材料 記号 仕様

セメント C 普通ポルトランドセメント 密度3.16g/cm3 混和材 U 尿素 密度1.32g/cm3

細骨材 S 山砂 表乾密度2.60g/cm3 吸水率2.71% FM2.53 G1 石灰石砕石 表乾密度2.70g/cm3 吸水率0.50%

Gmax20mm

G2 安山岩砕石 表乾密度2.65g/cm3 吸水率0.51%

Gmax20mm 混和剤 Ad AE減水剤 合成

短繊維 PP ポリプロピレン繊維 密度0.91g/cm3 形状 換算直径0.0648mm×12mm 粗骨材

表-3 配合

W C U S G1 G2

U0(混合) 46.9 168 0

U20(混合) 42.7 153 20

U30(混合) 40.5 145 30

U0(石灰石) 46.9 165 0

U20(石灰石) 42.6 150 20

U30(石灰石) 40.3 142 30

43.4 1.49

単位量(kg/m3)

記号 W/C

(%)

s/a (%) (w+u)/c

容積比 (%)

43.0 358

352

754 410 615

766 1037 -

2.3 測定項目

測定項目は、スランプ(JIS A 1101)、空気量(JIS A 1128)、温度(JIS A 1156)、圧縮強度(JIS A 1108)

および乾燥収縮(JIS A 1129)とした.スランプ、

空気量および温度は、短繊維混入前に測定した。圧 縮強度および乾燥収縮は短繊維混入後のコンクリー トを用いて測定した。

キーワード 尿素、石灰石、乾燥収縮、ひび割れ

連絡先 〒135-8530 東京都江東区越中島 3-4-17 TEL03-3820-6970 土木学会第66回年次学術講演会(平成23年度)

‑859‑

Ⅴ‑430

(2)

3.結果および考察 3.1 フレッシュ性状

スランプを図-1、コンクリート温度を図-2に示す。

スランプは尿素の混入量によらず、所定の範囲を満 足する結果となった。コンクリート温度は、尿素混 入量 20~30kg/m3で普通コンクリートより 2℃~3℃

低下した。これは、練混ぜ時の尿素と水の吸熱反応 による温度低減効果であると考えられる。なお、空 気量はいずれについても目標範囲を満足した。

3.2 圧縮強度

圧縮強度を図-3、図-4に示す。ばらつきはあるも のの、尿素コンクリートの圧縮強度は普通コンクリ ートとほぼ同等であった。尿素コンクリートでは,

尿素の容積分だけ単位水量を減少させるので,水セ メント比は小さくなるが,水と尿素を合わせた液体 の容積は普通コンクリートの水の容積と同等である ため,尿素が圧縮強度に与える影響は小さいものと 考えられる。

3.3 乾燥収縮

乾燥期間 182 日後の乾燥収縮ひずみを図-5に示す。

乾燥収縮ひずみは、粗骨材の種類によらず、尿素混 入量の増加に伴いほぼ直線的に小さくなった。尿素 に よ る 乾 燥 収 縮 ひ ず み 低 減 効 果 は 、 尿 素 混 入 量 20kg/m3の場合で約 15%、尿素混入量 30kg/m3の場合 で約 20%であった。さらに、尿素および石灰石粗骨 材を用いることで、乾燥収縮ひずみは 500×100-6以 下となり、標準配合である U0(混合)と比較して乾 燥収縮ひずみは著しく低減した。

4.まとめ

実施工に適用する配合は、図-5より尿素と石灰石 を併用することで十分な収縮低減効果を期待できる こと、尿素は製造時にミキサ内に手投入するので、

投入手間を省力化するために混入量を極力少なくし たいことなどを総合的に判断し、尿素混入量 20kg/m3 で石灰石粗骨材を用いた U20(石灰石)を選定した。

参考文献

1)綾野克紀、 Mwaluwinga,S.、亀高誠治、阪田憲次:

高流動コンクリートの水和熱低減に関する研究、

コンクリート工学年次論文報告集、

Vol.17、 No.1、

pp.87-92、1995

2)河井徹、阪田憲次:尿素を用いたコンクリートの

諸特性、コンクリート工学年次論文集、Vol.29、

No.1、pp.639-644、2007

0 3 6 9 12 15 18

0 10 20 30 40

混合粗骨材 石灰石粗骨材

スランプ(cm)

尿素混入量(kg/m3) 図-1 スランプ

18 20 22 24 26 28

0 10 20 30 40

混合粗骨材 石灰石粗骨材

コンクリート温度(℃)

尿素混入量(kg/m3) 図-2 コンクリート温度

0 20 40 60

0 10 20 30 40

圧縮強度(N/mm2 )

尿素混入量(kg/m3) 混合粗骨材

材齢7日 材齢28日 材齢91日

図-3 圧縮強度(混合骨材)

0 20 40 60

0 10 20 30 40

圧縮強度(N/mm2 )

尿素混入量(kg/m3) 石灰石粗骨材

材齢7日 材齢28日 材齢91日

図-4 圧縮強度(石灰石骨材)

-1000 -900 -800 -700 -600 -500 -400

0 10 20 30 40

混合粗骨材 石灰石粗骨材 乾燥収縮ひずみ(×10-6 )

尿素混入量(kg/m3) 乾燥期間182日後

図-5 乾燥収縮ひずみ 土木学会第66回年次学術講演会(平成23年度)

‑860‑

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参照

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