九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
マンホールのエネルギー損失特性と雨水管路網の合 理的設計手法に関する研究
荒尾, 慎司
https://doi.org/10.11501/3150967
出版情報:Kyushu University, 1998, 博士(工学), 論文博士 バージョン:
権利関係:
第3節 上・下流管の水平面接合角度の違いやマンホール水位の変化がマンホール部のエネ ルギー損失に及ぼす影響
3 . 1 従来の研究成果
管水路流れにおける2方向接合マンホール部のエネルギー損失(圧力損失)に関する従来の研究1),叶10),凶) は第2章で述べた通 り であるが、 も う 少し整理したものを表-3.6に示す。 従来の研究では、 上・ 下流管の水 平面接合角度を180度かあるいは90度とした例がほとんどであるO その他の接合角度についてはAc休ke陀ばlげ7 Arc冗d泊d油h加1児町e訂rらl8()\、松本l行凶5幻) 1がうド宮検討している程度で、 上・ 下流管の鉛直方向の接合については、 そのほとんどが管底 接合であるOまた、 マンホール水深と損失係数との関係を検討しているのは、必-cherら18)、Lindv叫e)、Johnston らg) だけで ある。 したがって、 上・ 下流管の水平面接合角度が変化したときの2方向接合落差マンホール部 で、のエネルギー損失とマンホール水深との関係は現在でもほとんど解明されていない。 そこで、ここでは、2 方向接合円形落差マンホールにおいて、 上・ 下流管の水平面接合角度を180度、135度、90度の3種設定し、
上・下流管の水平面接合角度の違いがマンホール水深とエネルギー損失との関係に及ぼす影響を実験的に明 らかにする。
表-3.6 2方向接合マンホール部のエネルギー損失(圧力損失)に関する従来の研究(管水路流れ)
研究者 上下流管の 上下 流管の 水平面接合角度 鉛直方向の接令状況
S(1n9a5885. 1Erり 180度.90度 菅底接合
1961)
Ackers 180 度度 .135 度. 管底接合
(1959) 128
Archerら 1 8 00度度 .150度 . 管底接合
(1978) 12
Hare 90皮 管底接合
(1983)
Howarthら 180度 管底接合
(1984)
Lindvall 180度 管底接合
(1984)
Marsalek 180度.90度 管底接合
(1984,1985)
3 . 2 実験装置および実験方法
3 . 2 . 1 実験装置
マンホール水純深) の 記述の有(図 無 記述なし
一
1 失関 D. 係係 数<y 有 <8.5
婦の とり水深と
一
記述なし 鍋の 1 <失
関y係凡 係 J 数 有<6 とり水深と 記述なし
研究者
水上平下面接流管合角の度 松本
9 l 0BO度 度,120度,
(1984)
字井ら 180度 (1987)
Johnstollら 180度 (1990)
Bo Pedcr古enら 180度 (1990)
村(19上90ら )
180度
著者 180度.90度
(1993)
榊原ら 180度 (1996)
上下流向管の 鉛直方 の接合状況 段差接合(段差小)
管底接合.段差接合
管底接合
管中心接合
管底接合
管底接合.段差接合
管底接合
マンホール水範深囲) の 記述の有( 無 y!D=1
記述なし
損lと〈失y の,/
0係関
d 数係有と水り深 損lと
〈失のy!D係関d 係数なと水し深
Z損と 〈失のy/ lJ関 係
係数なと水し深
3損と〈失のy!D係関〈数係7 と水深 なし 損lと
〈失のyρ係関〈係数6 と水深 なし 注)yはマンホール水深でインパート底面から水面までの距離、Dは管1歪 である。一一一は不明
雨水管路で、は種々の内径を有する管路やマンホールが用いられているが、 ここでは「下水道施設計画・設 計指針と解説-前編-J 6)で定められている内径枇mのl号マンホール(円形)と内径25cmの接合管路(円 形) と 検討対象とする。 なお、 内径12仕mの2号マンホールと内径35crnの接合管路においても 、マンホール 径比(マンホール径/管径)がやや異なるだけなので、 後述する実験結果を利用することができるつ実験装 置として、 上・下流管の水平面接合角度を180度、 135度、 90度としたものを用いるが、 180度については、
- 50-
2.2.2で使用したものをそのまま利用する。90度の 実験装置の概要を図- 3.25 (平面図)に示す。90度の
実験装置においても、 管勾配は水平で、 上流管長および下流管長は180度のものとほぼ同じであるo 180度、
135度、90度いず、れの場合にも上流管径D u、下流管径Dd はともに5 cm、 マンホール内径bは18cmであり、
実物(1号マンホール)の1/5の模型である。図-3.26は、それぞれの接合角度における管路の接合状況と マンホール底面汗タ|犬(平面図(上)、 側面図(下))を示している。
sumo-H
流量調節バルブ ポ
/
低水槽 フ。
図-3お 実験装置の概要 (90度、 平面図)
18cm
S!Du=O
180度(TypeA)
18cm
S!Du=O
135度(Type B)
18cm
インノ〈ート S/Du=D
9 0度(Type C)
図- 3.26 管路の接合状況とマンホール底面形状
- 51ー
内‘J n,ι 内/』
実験方法2.2.2では、越流水憎内のJ�高を同定して、流量:を変化させることによりマンホール内の水深を変化さ せたが、本実験では、 図-3.27に示すように流量を固定して、 堰高を変化させることによりマンホール水深 を変化させる方法を用いる(1 実験方法の詳細は以下の通りであるコ低水槽に貯i留した水をポンプにより上流
水槽、 上流管、 マンホール、 下流符、越流水槽の!iIITで何]京させた後、 流量調節バルブにより所定の;尻 市;に立 流j兄安定後、越流水1刊からの流LH水をバケツで受け、 流量を算出し、流量規校に応じて--iJTE中::!?た 定する
りi託呈iftlJ定を4回から10回科度繰り返し、それらの平均イ直を流量測定値とする:> 2 . 2 . 2でも述べたように、 とし、 それが所定の水深比 h/D u (0豆11/Du豆6 ) になるように迎流水槽内のllIi8Jを調節するの マンホール水深hおよびマンホー ル部のエネルギー損失係数Kの算定方法はそれぞれ2.2.2、 2.2.3で述べた通りである,-,以上のように、
(図-3.27参照) 上流管頂(内壁頂部)から水面までの距離をマンホール水深h
流量を一定にしながら20白押-皮のマンホール水深について上記の子ill�を繰り返し行う。なお、 lつの段差に っき流hl�Qを0ふ1.0、1.5、2.01/sの4極ね度変化させているこt これらの流量は実物と似引の問にフルード の1日fUAIJが成り立つと仮定して設定しており、雨水管路の設計基準で定められている流速の純問0.8-3.0m/
また、 いずれ
(表-3.7, 3.8参照、 なお、 表中のpは原型、mは模型を表わしている).:
sをほぼ満足している
2の4段階 のJ妥合何度においても段差比S/Dd (S :上・ 下流管の段差、 Dd :下流管径)をO、0.5、
変化させている。
マンホール
水深変化 h= - h1+h2+h . - b
3
hはOcmから上流 管径D..の6倍程 度まてや変化 堰高変化
u
D一一-AIl-- ヱ一一-
マンホール水深の測定 (Qは一定) 図-3.27
- 52-
表-3.7 模型の縮尺と流j�の比率 表-3.8 ブルードの相似�Ijによる流速の花開
,.-ー模型 原型 縮尺A 流速の比率
bm
�
A D m寸Y 一�=fI
Dm Dp Dp p
流量Qm 流i!Vm Vm= vp X rx (m/日)
(νs) (m!s) VA=0.38 ゾÆ=0.45
0.5 0.26 民Jj、;荒j! fii小流i宝
l号 2号 l号 2号 1号 2号
十3.6
す90す =3.6 1τ2す�3.43
35すーす1 τR γーすl 0.45 0.38 1.0 0.51Vm =0.8 XO.38 V m = 0.8 >< 0.45
=0.30 =0.36
1.5 0.76 最大流速 lÏ'i大流j宝
Vm=3.0X0.38 Vm=3.0:-'<0.45
1
2.0 1.02 = 1.14 = 1.35
3 . 3 管水路流れにおけるエネルギー損失特性
3 . 3 . 1
上・下流管の水平面接合角度が180度と90度の場合の比較
以下では上・下流管の水平面後合角度を180皮σypeA)と90皮σy戸C)とした場合について、 マンホール水 深比11/Duとエネルギー損失係数Kとの関係について考察する4コ段差比S/Dd=O(図-3.28参照)では、
卯度の方が180度よりも損失係数は0.2 --- 1.8程度大きくなっている090度の場合、 マンホール底面に本研究 と同様のインパートを考慮した従来の研究1)ではマンホール径比b/Du(=120、1.33、 2.26、4.59)は木実 験条件と異なるが、 損失係数は1.4 - 1.7程度になっており、 本実験結果とほぼ同程度の値である。図- 3.28 に示すように180度と90度では損失係数が極大となるときの11/Duは1程度異なるので、 11/Duが1.3 - 3引す近の間で両接合角度の損失係数の差が特に大きくなっているo 90度では、 上流管からの流入水はマン ホール出口へ到達するまでにインパートの聞を流下する部分とインパートの影響を受けずに直接マンホール 下流壁へ衝突し運動エネルギーをほとんど失う流れに大別される。 これに対して180度では、 上流管からの 流入水の中で下半分の流れは、90度と同様そのまま下流管へ直接流出するするので、 インパート底面の壁面 摩擦による若干の損失があるο上半分の流れは、マンホール下流壁へ向かつて拡大しながら流下するので、運 動エネルギーの小さい一部の流れがマンホール下流壁へ衝突し、 エネルギー損失を生じると考えられるf)ま た、180度で損失係数が短大となる水深付近(h/Du=05~0別では、 流量が多いとマンホール内の水表 面付近にスケールの大きな水平方向の回転ìl目が発生しており、 明らかに渦の影響であることがわかる。しか し、流量が少ないときには、 このような渦の発生は見られず\マンホール内部の複雑な流れが損失係数の地 大に関与していると推察されるコ段差比が0.5 (図-3.29参照)のとき90度での損失係数は段差比Oに比べ て0.2程度大きくなるのに対して、180度では特にh/Duが1.3付近より大きいところで損失係数がより地加 するため、接合角度の違いによる損失係数の差は段差比Oに比べてかなり小さくなる。段差比が1 (図-3.30 参照)や2 (図-3.31参照)では、段差比Oや0.5の場合と異なり、90度の方が180度よりも損失係数はやや 小さくなっているO これは、 上流管からの流入水が下流管へ流出するまでの平均的な流下距離が90皮の方が やや短くなるため、 いいかえれば、 単純な渦の流れとなっているためと考えられる。 このことはマンホール 径比b/Duが本実験条件とは異なる著者の実験結果(b/Du=1.8 、2.4)でも指摘している附。また、段差 比Oに比べてh/Duの変化に伴う損失係数の変化幅はかなり小さくなるコ
- 53-
2 3 4 5 6
hρu
図- 3.28 Iくとh/Dの関係u
(S/Dct=O)
2.4 2.2 2.0 1.8 1.6 1.4 凶1.2 1.0
0.8 0.6 0.4 0.2 0.0
。 2 3 4 5 6
h!Du
図- 3.30 Kとh/Dの関係u
(S/Dd=l)
2.4 2.2 2,0 1.8 1.6 1.4
� 1.2
1.0 0.8 0,6 0.4 0.2 0.0
。 2 3 4
h/Du
5 6
図- 3.29 1くと11/D uの関係 (S /D d = 0.5)
nu
kυA『今ムハU00ζUA『今ムハU00ぷUA斗ウムハU 2222111110
0000
凶
2 3 4
h!Du
図-3.31 Kと11/Duの関係
(S/Dd=2)
6 5
3 , 3 . 2 上・ 下流管の水平面接合角度が135度と90度の場合の比較
tJ、下では上・下流管の水平面抜合角度を135皮σy戸B)と90度σypeC)とした場合について、 マンホール/J<
i菜比h/Duとエネルギー損失係数Kとの関係について考察する。段差比S/Ddがo (図-3.32参照)では、
上・下流管の水平面接合角度を90皮とした方が135度よりも頃失係数Kは0.1 -0.4程度大きくなっている心 いずれの接合角度でも、 上j混ぜからの流入水の下半分の流れのほとんどはインパートに沿って流下すると考 えられるが、 90度では曲率半径が小さいためrrllがりの影響が135度に比べて大きく、 損失係数が大きくなる 要因のひとつになっているι一方、流入水の上半分の流れは90度の場合には、流れのほとんどがマンホール 下流壁へ一度衝突し、 運動エネルギーを失うと考えられるら 一方135皮では接合角度が90度よりも緩やかな
- 54-
ことから、流入水の上半分の流れの巾でインパートに近い一部の流れはインパートに沿ってそのまま下流行 へj荒出するため、運動エネルギーの煩失が90度に比べて小さくなると忠われるの損失係数の1"1豆大値はいずれ の接合角度でも11/Duがl付泣から2付近の間にあり、接合角度の速いによる差は見られない:段た比0.5 (図- 3.33 参照) で は、90皮の方 が135皮よりも 損失係数は0.1 --- 0.4程度大きくなる程度であり、 両扱介角度 の煩失係数の差は段差比Oとほどんど変わらない。段差比1 (同-3.34参照)と2 (図-3.35参照)の災験
結果が示すように、段差比が大きくなるにつれて接合角度の速いによる損失係数の差は小さくなっており、こ れは、 段差比が大きくなるにつれて、 インパートの効果がなくなるためであるむ
2.0 2.0
1.8・ 1.8
1.6・ 1.6
1.4・ 1.4
1.2・ 1.2
� 1.0
0.8・ 0.8
0.6・ 0.6
0.4・ 0.4
0.2 0.2
0.0 -+---1--�-'---"+----r 0.0
。 2 3 4 5 6 。 2 3 4 5 6
h/Du hIDu
図-3.32 Kとh/Duの関係 図-3.33 Kとh/Dの関係u
(S/Dd=O) (S /D d = 0.5)
2.4 2.2 2.0 1.8 1.6 1.4
凶 凶 1.2
1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0
。 2 3 4 5 6 。 2 3 4 5 6
h/Du h/Du
図-3.34 Kとh/Dの関係u 図-3.35 Kとh/Dの関係u
(S/Dd=l) (S/Dd=2)
ζJ 戸、J
3
.
3.
3 エネルギー損失係数Kの等値線以仁の実験結果をもとに3f市煩の水平面接合角度それぞれについて、流毘:1.∞l/sのときのエネルギ-JR 失係数iくの等{直線を図- 3.36 --- 3.38に示すり接合角度が180皮の場合(図- 3.36参!m)、マンホール水深比h /Duによって損失係数が大きく変化する領域は段差比S/Ddが0.7付近より小さいところにあるrこの�;[1j-11長 でぶ涼によって煩失係数が大きく変化する下な原閃は、 マンホール内でスケールの大きなÙ�;) (流下方向に/I�
右に分離する渦や単一方向回転;(1町)が光生するためであるに この筏合角度でのもう一つ特:微は、11/Duが2 付近よりも大きくなるといずれの段差比においても損失係数が水深の影響をほとんど受けないことであるコ 135度の場合(図- 3.37参照)、180皮とはかなり依子が異なり、いずれの段差比においても損失係奴はマン ホール水深によって変化しているコこの接合角度では、損失係数の値はl.0
�
1.8の問で変化しており、180反 よりも損失係数の変化問はかなり小さくなっている。また、煩失係数が1.5--- l.8と大きくなるひとつの飢域が11/DU が0--2付近に形成されていることもこの接合角度の特徴であるコ90度(図-3.38参照)では、135 度よりも全体的に損失係数がやや大きくなることは、前にも述べた通りであるが、段差比がO
〈し、しカか3もlh1/Duが1付j近立よりづ小、さいときのさ等1�司イ値直線の変化j状j犬:況は13お5度とはカか亙なり異なつているる'ζ(JそのFJlI打 は、この領域では90度の方が安定した渦が発生するため水深が変化しでも損失係数にそれほど差が生じない と思われる。
6
5
4
コ 凸\ 戸{
2
E nu ハU
0.5
sρd
1.5 2
図- 3.36 Kの等{直線(180度)
fo 戸、J
6 5
4
23
ウ
。
。 0.5
S/Dd
1.5 2
図- 3.37 Kの等値線 (135度)
6 5
4
� 3
32
。
。 0.5
S/Dd
1.5 2
図- 3.38 Kの等値線(90度)
守/戸、J
第4節 まとめ
Yenl9}が指摘しているように、 雨水管路内の流れを高精度で計算しうる手法を開発しでも、 マンホール部
のエネルギー損失特性を的確に表現できなければ、雨水管路網の設計や数値シミュレーション結果に多大な 誤りをもたらすことになる。本章では、 従来より問題となっている2方向接合円形落差マンホール部のエネ jレギー損失特性を実験的に明らかにしたO
本章で得られた結果を総括すると以下の通りであるO
(1) 2方向接合円形落差マンホール部において、 マンホールと接合管路に関わる種々の構造要素(上・ 下流 管の水平面接合角度、 マンホール径比(マンホール径/上流管径)、 上・下流管の管径比および段差比(段 差/下流管径)) を考慮し、 管路内の流れ (定常j九態) を開水路流れから管水路流れに変化させた結果、特 に、 上・下流管の水平面接合角度と段差の影響で、マンホール部のエネルギー損失は大きく変化する。
(2)上・下流管に段差がない場合には、 流量の増加に伴いマンホール部のエネルギー損失は2次曲線的に増 加する。段差がある場合には、 マンホール部のエネルギー損失は流量の増加に伴い減少する領域と増加す る領域が存在し、 上・下流管ともに管水路流れで、 しかもマンホール水位が上流管頂付近にある場合にマ ンホール部のエネルギ一損失 は最小とな るO
(3)従来の研究でも指摘されているように、 上・下流管がともに管水路流れで、 しかもマンホール水位が上 流管頂よりもやや高いところにあるときには、 マンホール径比によってはマンホール内の水表面付近にス
ケールの大きな渦が発生し、 この影響でマンホール部のエネルギー損失がかなり増加する。
(4)管水路流れ下で、マンホール部のエネルギー損失を定式化するために、 エネルギー損失係数を増加させる ようなスケールの大きな渦がマンホール内で発生しない範囲のマンホール水位においてマンホール部のエ ネルギー損失係数を求めた結果、 上・ 下流管の水平面接合角度が180度の場合、 上・ 下流管の段差が管径 の2倍程度までは段差の増加に伴いエネルギー損失係数は増加するが、段差が管径の2倍から4倍の範 では、段差の増加に伴いマンホール内での水流の整流効果によりエネルギー損失係数は緩やかに減少する。
(5) 90度の場合、180度と は異な り、段差比がOでもエネルギー損失係数 は かな り大 きくな り、エネルギー損 失係数が極大値を示すときの段差比は05. 付近にある。
(6)上・下流管の水平面接合角度が180度では、段差が小さい場合に、マンホール径比の大きい方がマンホー ル部のエネルギー損失も大きくなるが、 90度では、 その傾向が180度とは逆になるO
(7)上・下流管の水平面接合を180度、135度、90度と3種変化させて、 マンホール水位とマンホール部のエ 不ルギー損失との関係を詳細に検討した結果、 段差比がOの場合、180度と90度では、 エネルギー損失係 数が極大値を示すときの水深は異なり、 エネルギー損失係数にも大きな差を生ずる。 また、 段差が大きく
06 戸、J
なるにつれて、 両者のエネルギー損失係数の差は小さくなり、段差が管径の2倍以上になると、 90皮では 単純な単一方向の渦が発生しやすいためエネルギー損失係数は180度よりもやや小さくなる〉
(8) 135皮と90皮では、135皮の方がエネルギー損失係数はやや大きくなる程度であり、 マンホール水深の変 化に1'1そうエネルギー損失係数の変化状況はいずれの接合角度でもほとんど同じであるの
- 59-
第4章
2方向縫合円形落差マンホール部のエネルギー損失の定式化第1節 はじめに
現在までに種々の雨水管附同の数的計算手法(SWMM、 MOUSE、HYDROWORKS等)が問先され、j乏;J(p:
成や浸水量-等の検討がなされているコしかし、第2章2.4でも示したように、 マンホール部のエネルギ一日 失に関する従来の研究が不十分なため、 マンホール部のエネルギー損失が適正に評価されておらず、 浸/J(予 測計算結果の信頼性に疑問が残るiお合も少なく ない。 従来の研究では、 開水路流れおよび管水路流れにおけ る2方向筏合マンホール部でのエネルギ、一頃失水頭ム Eは単純に下流管の速度水頭に比例するとしてしてい るー問水路流れにおけるマンホール部のエネルギー損失に関して詳細に検討しているのは、Marsalek1) (上・ 下 流管の水平面接合角度は90皮)、 Christodoulou:!) (上・ 下流管-の水平面接合角度は180皮と90皮) であるr 印刷odoulou1)は、 上・ 下流げの段左を3種、管勾配を1 % --- 6 06の範囲で設定して、 開水路流れにおけるマ
ンホール部のエネルギー煩失を定式化している。 しかし、 低平地では、 一般的に地形勾配がl nf}以下のJJ]j介
がほとんどであるので、 この研究成果は技が同では都市部の中・ 上流域にしか適用できないう そこで、 第2 節では、第3章2 . 1 . 4で示した開水路流れ(ただし、 段差があるときに下流管が管水路流れで上流管が問 水路流れとなる場合を含む)の実思鋭、古果(図-3.5---3.8 (180度)、 図-3.13と3.14 (90度)参照)をもとに、
マンホール部のエネルギ-jD失の定式化を試みる。また、 上・下流管ともに管水路流れの場合にも、 従来の 研究では、上述したように悶水路流れと同じ定義でマンホール部のエネルギー損失水頭を算定している円 し かし、 この算定方法で、はマンホール水深、 マンホールの入口損失や出口損失、 上・ 下 流管の段差、 上・ 下流 管の管径比等が考慮されおらず、 このままではマンホールに関わる各種構造寸法が変化するときには利用で きないοそこで、 第3節で、は直管流れ(上・ 下流管の水平面接合角度は180度)において噴流モデルを利用 することにより、管路内の流れが管水路流れ(ただし、 11/Du孟2、定常状態)のときのマンホール部での エネルギー損失係数の定式化を試みる。 また、 流向が90度変化する流れにおいては、 後述するように噴流モ デルを利用した定式化ができないので、 限定された段差比の範囲ではあるがエネルギー損失係数の設計値を 提案する『コ最後に、 第4節では都市部の中・ 上流域を想定し、 2方向および3方向接合マンホールを考慮し た雨水管路網の仮想モデルを設定し、 従来の研究成果やこれまでに述べてきた本研究成果をもとに、 管水路 流れ(定常流) でのマンホール部のエネルギー損失が雨水管路網の計算水位に及ぼす影響を検討する。
- 60-
第2節 開水路流れにおけるエネルギー損失の定式化
2 . 1 考え方
第3章2.1.3でも示したように、 マンホール部のエネルギー損失ムEの定義は、管路内の流れが問水路 流れ(図-4.1参照)、管水路流れのいずれの場合も同じである。また、 図-4.2のように上流管が開水路流れ で、下流管が管水路流れの場合も同様の方法で、エネルギー損失水頭ムEを算定している。 ここでは、 上・ 下 流管に段差を伴う図-4.1や同-4.2に示すような流況において、 ムEと流量Qとの関係を定式化する なお、
第3章2. 1 . 4の実験結果でも明らかなように、 段差比o(管底接合)では、 開水路流れにおけるマンホー ル部のエネルギ、-1:員失は管協の「引奈損失に比べて非常に小さくほとんど無視しでもしてもさしっかえないと 考えられるのでここでは特:に議論しない。
マンホール マンホール
エネルギ一線 エネルギ一線
下流管 ムE ムE
"'_ Q E 今ι "'_ Q E 「,h
図-4.1 上- 下流管ともに開水路流れ 図- 4.2 上流管が開水路流れ、 下流管が管水路流れ
2 . 2 定式化
問水路流れにおけるマンホール入口および出口での全エネルギーEJ、E2はそれぞれ(4.1 )式、(4.2)式 のようになる円
円‘δ+
AAh-σb σb nノ“/l、円/】
/ / ハw、
ハ》、
+ + vd 一一一一 VJ hHし】
hHM (4.1 )
(4.2)
ここに、Y]、y 2はぞれぞれマンホール入口、出口における水深、 A]、 Azはぞれぞれマンホール入口、出 口における流下断面積である口したがって、 マンホール部でのエネルギー損失水頭ムEは(4.3)式のように 表わせる。
6EミEJ-Ez=Q2/ (2 g) (1/A}2-1/Az2) +yJ-y2+S
=Q2/ (2g) (1/AJz-l/A22) +αlQ m l-α2 Qm2 + S
キαQn+S
ムE-S=αQn (α<0, n>O) (4.3)
- 61-
(4.3 )式の遁用範囲はl孟 S/Du壬 」であり、流量が小さくマ ンホール出 口より下流側でn.h況が発 生する場合には適用で、きない(例えば、 後述の図- 4.3や4.4で(4.3)式からかなり外れているデータト
なお、
第 3章2.1.4で得られた実験結果(実験1 ---tl、実験9および10)をもとに(4.3 )式のnとαを芥定した結 果を表-4.1と図- 4.3 --- 4.8に示すり上・下流管の水平面接合角度が180皮で、管径比Dct/Du=1
- 3)の場合、 本実験の範四ではマンホール比b/Duが最も小さいとき(実験1) n は最大値2.31となって おり、他の実験条件に比べて流早川加に1'1':うエネルギー損失水野!の減少率は長も大きくなるう下流作何が上 (実験1
i主管径よりもやや大きい実験lでは、 上・ 下流管が同一径の実験1 --- 3よりもnの値は大きく、 j定日明加に 伴うネルギー損失水頭の減少宰はより大きくなることがわかるc 上・ 下流管の水平面接合角度が90皮では、
2種類のb/Duを比較するとb/Duの大きい方がnの値も大きくなっており、 この傾向は180度と同じで あるコしかし、 b/Duの違いによって90度の方が180度よりもnの値には大きな差を生じ ており、 上・下流 管が90度曲がっていることの影響がここに現われていると思われる。
nとαの算定結果 実験 上 - 下流管 Du b Dd b Dd
番号 の接合角度 Du Du n α
5 5 1.4 1.0 2.31 -3.13
ト一一ーー
2 5 9 5 l.8 1.0 1.62 -3.32
ト一一ー一ーー 180度
3 5 12 5 2.4 1.0 1.89 -3.34
』ーー一一
4 5 9 6 1.8 1.2 2.45 -0.66
9 5 9 5 1.8 1.0 1.48 -4.36
トーーーーーー 90皮
10 5 12 5 2.4 l.0 2.11 -3.53
表-4.1
:..._.A
..一 :....x
: Å.
E
ハUハU---A ハU'E-A
(gu)凶寸l∞
, ,
, I
, ,
, ,
, ,
, ,
・ 4
, ,
・ .
, ,
・ 8
, I , I
・ .
一一. -...ー...一一一一...,.
・・ ..
・ .
. . . . . . . . -. .
・・ ・・・・・・・・・・・・・・1. ... ...
. . . . . . . . . . . . .
0.1
. .0.01 100
210
υ
凶q
的
ハU -E・E・ 10
0.1 0.01
ハU-EE-nU
QO/s) Q(l/s)
SームEとQの関係(実験2 ) 図-4.4
SームEとQの関係(実験1 ) 図-4.3
今んζU
100
(Eυ)凶寸l∞
10100
,,-.10
5
、Jυ
凶 d
∞
ハU 'EE-A
---nu
-IA nu ハU -EE-- ハU
ハU--a且
--E且nu
''Ea nU ハU l nu
Q(l/s)
SームEとQの関係(実験4 )
-・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
: 0
: A J 図- 4.6
ハUハU -EEA ハUtaA
(gu)凶寸l∞
Q(l/s)
SームEとQの関係(実験3 )
• • • • • • • • • • • • • • • • ・・・・ ・・・司・・・・・・・・・・・・・・・ • • • • ・ . 1・Hd
旦U ロ
図-4.5
0.1 0.01 100
210
υ
凶 寸 的
.且E.ハU
100.1 0.01
ハU'EEa
旬--aハU
Q(l/s)
SームEとQの関係(実験10) 図-4.8
Q(Vs)
SームEとQの関係(実験9 ) 図- 4.7
丹、dぷU
第3節 管水路流れにおけるエネルギー損失の定式化
3 ' 1
直管流れ
3 . 1 . 1 考え方
管水路流れでの2方向接合マンホール部のエネルギー損失係数Kは、 マンホールに関わる各種構造要素や 流況に支配されているが、第2章2.3.1でも示したように、 これらの支配要因から無次元数を抽出すると (4.4)式のように表現されるO
K=f(V u/fEI7u, V u D u/ν· h / D u ' b / D u' D u / D d' S / D d' B / 180.
管路形状, マンホール形状. base shape. benching形状) (4.4)
ここに、Vuは上流管の断面平均流速、gは重力加速度、Duは上流管径、Ddは下流管径、νは流体の動粘 性係数、hは上流管頂(内壁頂部)から水面までの距離、 bはマンホール径、 Sは上・ 下流管の段差、 。は 上下流管の水平面接合角度であるo (4.4)式において管水路流れではフルード数V u/JII了uの影響は無 視することができる。レイノルズ数Vu D u/νは充分1より大きく、マンホール水深比11/D uもその影響を 無視できるほど大きいと仮定する。 また、 上・下流管の水平面接合角度。を180度、 管路形状、 マンホール 形状をともに円形、basesha戸、benching形状は変化しないとすると、(4.4)式は、 次式のように3種類の無次 元数の関数となるtコ
K=f (b/Du' Du/Dd' S/Dd) (4.5)
村上らJ)は、 本実験と同様の流向になるように管路の両端にエルボをとりつけて曲管路(管路はすべて同 一径)を作成し、 エルボ聞の間隔を変化させることによりエルボ間の損失係数を実験的に検討・している。 そ の結果によれば、エルボ問の間隔Lが管径Dの4倍(段差比S/Ddでは5に相当)程度で損失係数は短小値 をとることが示されている(図-4.9参照)。これよりも間隔が大きくなると管路の壁面摩擦の影響で損失係 数は緩やかに増加するO本実験で、はマンホール内に自由水面を有してはいるが、段差がある程度大きくなる と段差部分に相当する管路内の流れは村上ら3)の示した管路内の流れと類似した挙動を示すと考えられるコま た、上下流管が同一径で段差比が4のときマンホール内の流況観察から損失係数を増大させるようなスケー ルの大きな渦(例えばロート状の渦)は発生しないことを確認しているO このときの損失係数は1.8程度と なっているコ段差比がより大きくなると極小値をとった後、 損失係数は壁面抵抗のため緩やかに増加すると 考えられるの この極小値は、 村上らの実験結果や第3章2.2.4の図-3.18、 3.19の結果より大幅に減少す るとは考えられないので以下では極小値を1.8と仮定して議論を進めることにする。
- 64-
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2.0
1.6 1.8
1.4 1.2 凶
1.0
nu ---A
9 8 7 6 Lρ 3 4
0.8 2 0
'EA l --A
9 10 8 7 6 5 4 2
SlDd (S ==L+D)
曲管路での損失係数と段差比の関係(村上ら) 図- 4.9
3 . 1 . 2 定式化
ここでは 、 マンホール部のエネルギー損失を以下のように考えることにする。入口損失を上流管からの流 入水の急拡後の流れがマンホール下流壁へ到達するところまでの損失、マンホール内損失をマンホール下流 壁へ到達した流れがマンホール内で旋回流となることによる損失や段差が大きいときの壁面摩擦による損失、
出口損失をマンホール出口から下流管内で急縮、 急拡が発生するところまでの損失と考えるc そして 、 それ ぞれの損失が代表速度の速度水頭に比例して定まると考える。 マンホール部の入口、 出口のエネルギー損失 係数をそれぞれKu (b/Du' Du/Dd' S/Ddの関数)、 Kd (b/Du' Du/Dd' S/Ddの関数)、 マ ンホールの壁面摩擦による損失係数をKb(S/bの関数)とする。段差比S/Ddがlから4の範囲では段 差比4(上・下流管が異径の場合3.33)のときに比べて損失係数は最大10%程度大きくなるので(第3章2 .2.4の図-3.18、3.19参照)、これを渦による損失係数の増加分Ks(b/Du' S/Dd (> 1)の関数)と するコ以上より、 マンホール部のエネルギー損失水頭ムEを次式で表わすことにする。
6E=Ku (Vu2/2 g) +Kd (Vd2/2 g)+Ks (Vu2/2 g) +Kb (Vb2/2 g) 1Ku+ (Du/Dd) 4Kd! (Vu:?/2g) +Ks (Vu2/2g)
+ft (S/b) (Du/b) 4 (Vu2/2 g) 一一
(4.6)
ここに、vb 2/2gはマンホールでの鉛直下向き流れの速度水頭、f bはマンホールの壁面摩燦損失係数で、
あるコ
宇井ら�1は、 上流管からマンホールに流入する流れを噴流とみなし、その噴流が拡大しつつ、下流側流出 - 65-
管口に到達した時に、 マンホール下流壁に妨げられずスムーズに流下する運動エネルギーの訓介が、 段差や マンホーjレ径と如何に関係するかを検討している:宇井ら�)のモデルでは、nl1流は静止流体rl'に流入すると 仮定しているが、 マンホール内ではこのようなリi純な取り扱いはできないと考えられるの字引ニら4)の研究で は、 マンホール径比b/Duが1.5で段差比S/Ddが0.5の場合に写真により噴流の中心付近の流れがマン ホール出口へ到達するまでに鉛直下向きに30%程度移動する様子が確認されている心マンホール下流側では 上昇流の影響で水面が上昇し、 静水圧も増加する。増加した圧力は噴流に対して鉛直下向きの外力となって 作用するため噴流はそのままマンホール下流壁へは直進せずやや降下すると考えられる。 この静水圧の増加 分を理論的に定式化するのはかなり難しいので、 ここでは、 取扱い易い簡便な方法で定式化することを目的 として、以下の考え方に基づきMargason�)の式を導入する。Margason5)は、軸対称水平噴流(流下方向をx軸 とする)が下降一様流( x軸に付して鉛直下向きをy軸とする)の中に直角に流入するときの11員流の中心線 の位置(( X, y ) 、 座標原点、は噴流開始地点のノズルの中心) がどのよ うに変化するかを 検討している (� - 4.10参照)。
十十. i i .--.
ノスル X
y
図- 4.10 横流入の影響を受ける軸対象水平噴流
静水圧の増 加分が噴流に士、j して鉛直下向きに一様に作用するとは考えにく いが、 ここでは、 この静水圧の 断1]0分がM訂gぉon5lの下降一様流に等しいと仮定して議論をすすめることにする(J Margasonは風洞実験から
(4.7)式を提案している-
X / d == 1.59α0 1i7(y/d)033 (4.7)
」こに、αは噴流の中心線上の流速を一枚流の流速で害IJったもの( 2くα< 10)、dはノズルの直径で、(4.7) 式においてd=Duとし、 y/D uについて整理すると、
- 66-
y / D u == 0.245 (1 /α067)303(x/D u)303 (4.8)
となる。(4.8)式のy/Du は噴流の中心線がマンホール下流壁に到達したときの鉛直下向きへの移動距離を 表わしている。(4.8)式で問題となるのはαの評価方法である。ここでは、噴流のポテンシャルコア内の流れ と下降流の速度比をαとし、 これがマンホール径比b/Duの2 乗(面積比) に比例するものと仮定する。 本 実験で用いた4種類のマンホール径比b/Du=l A 1.8、2.4、3.6に対してαはそれぞれ1 .96、3.24、5.76、12.96 となる。 このαを(4.8)式に代入するとy/Duはそれぞれ0.l7、 0.13、 0.l0、 0.0 7 となるO また、 噴流外縁の 鉛直方向の移動距離はマンホール程度の流下距離では中心線とほとんど変わらないと考えた( 図-4.11参照)。
マンホール
水面の上昇 (静水圧の増加)
噴流の外縁B 噴流の外縁
上流管
図- 4.11 Margasonの式による噴流の鉛直方向の移動距離y
段差比がOから(4.8)式で算定されたy/D uの範囲では、上流管からの流入水はマンホールを流下する際 にインパート壁面の影響を受けると考えられるので、 この範囲では壁面噴流かあるいはそれに近い状態と推 定できるコ壁面噴流のポテンシャルコアの中心線は流入管の中心線よりも壁面に近いところにあり、 前述の y/D uの範囲では段差比Oと損失係数はほとんど変化しないと考えられるOそこで、この範囲では損失係数 の実測値をもとに上・下流管が同一径と異径(Dd/D u = 1.2)の場合についてそれぞれ作成した(4.9)、(4.l0) 式を用いることにする(図- 4.l 2、4.l 3参照)。
K==
0.105 (b /DJ K ==
0.1ω(b/D)(4.9) (4.10)
上・下流管が同一径でマンホール径比b/D u = 1.4の場合、 (4.9) 式を用いると K= 0.105 X 1.4 = 0.147 と なるo段差比4のときのKの実測値Ko は1.84 (第3章 2 . 2 .4の図- 3.18 参照) なのでK/Ko= 0.147/
1.84:::: 0.080となる。また、b/Du=3.6の場合は、同様にしてK/K0 = 0.378/1.90 = 0.l 99となるo段差
- 67-
比がi付近より大きいところでの渦による煩失係数の増加分Ksはb/Du、S/Ddの関数と考えられるが、
ここでは工学上安全側を考えb/Du、 S/Ddによらずksを一定値と仮定するつ
0.5
y
ノ/
y4・ レ/
/ -メ
/ /
nU8 7 6 5 4 3 2 1 0
nu nu nu nu nu nu nu nu lr
リ晶
ρ 』U,、Jnu --Ea nu -K
0.4
0.3
� 0.2 0.1
。 。 2
b/Du
3 4
図-4.12 実測値によるKとb/Duとの関係 (S/Dct= O . 実験1 ..._ 4 )
0.9
/
• / / .
/ /
/
v.
J〆v
レ/
K=O.160 Ib/Du}
2 b/Du
3 4
図-4.13 実測値によるKとb/Dとの関係
(S/Dd=O, 実験5---7)
第3章2 . 2 .4の図- 3.18、3.19において、 実験1 --- 4では段差比4.∞、 実験5-7では段差比3.33にお ける損失係数K。で正規化したものをそれぞれ図-4.14と4.15に示すりまた、以上に示したモデルを笑験lと し実験5と7にj直用した計算結果をそれぞれ図-4.14と4.15の実線として示すれ ただし、 図-4.14と4.15 の段差比Oにおける計算値K/K。は、(4刻、(4.10)式をそれぞれ段差比4.∞、3.33の実測値で正規化したも のである。図-4.l4と4.l5においてS/Dctカ{ 1付近より小さいところでの損失係数の計算値K/Ko (実線 (b/Du' Du/Dd' S/Dctの関数))は(4.6)式において入口損失係数k uと出口損失係数Kdの合計を推 定していることになる。前述したように上・下流管が同一径で段差比4のときKuとK dの合計をl.8と仮定し ているので、 kuとKctの合計は計算値K/K。を用いると次式のようになるO
1.2
1.1
よ
(f i fl �
Ir
Dfj/5D/Ll=l D .0 11ρu孟2ーーj
K O :S!Dd=4でのエネル
7 ギー損失係数Kの実i即lJ1直
自
企 MW叩 DDDW fuiU
=z= = 14
ロ
1.8 実測値�
司� 一一-ーーー8
bbρJD uu =14 =3.6 3.6 24 (正規化)計算値E I I 1
0.8 0.9 ぞ0.6 。0.7
� 0.5
0.4 0.3 0.2
0.1 0o 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 S/Dd
図-4.14 計算値と正規化された実視IJ値 の比較(実験1 --- 4 )
1.2 1.1
0.9 0.8
\ J0.7 0.6
b乙 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1
v ,、
〈子同一一
f
、"11:>ロ /)
!厄
Dd/Du=1.2 h/Duと2K 0: S / D d =3.33でのエネ ルギー損失係散Kの実視IJ値 口 bρu=�.8 実j則値
4
r ー-一一0 O bρ=2.4 bρ�=3.6 bρuu z =blD. .=3.6 3 l.8 (正規化)計算他E ' 5
0
o 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 S/Dd
図- 4.15 計算値と正規化された実測値 の比 較 ( 実験5 ---7)
- 68-
での実験誤差は最大10%程度である。段差比がlより大きいところでは、 マンホールでの損失水頭が大きく なるためマノメータの読み取り誤差の影響は相付的に小さくなり、実験誤差は5 00程度となる: 上 ・下流管 が同一'径の場合に計算値と実測値を比較すると、段差比がl付近よりも小さいところでは計算値は実測値を ほぼ包持したものとなっており、この範囲の段差比での計算値と実測値の差は最大10()o符度で、ある(閃-4.16 参照)ο段差比がl 付近よりも大きくなると設計値を実測値よりも最大200ó程度大きく与えていることに加え て、この範囲の実験誤差が5%程度あるので、 設計他とフミj則自との誤差は最大25%程度になる,) これまで議 論してきたように直管流れにおいてマンホール部のエネルギー損失を定式化する際に種々の仮定を用いては いるが、本モデルでも上・下流管が同一径の場合には、 誤差25()6程度の範囲で、エネルギー損失係放を唯定す ることができる。 上・ 下流管が異径の場合には段差比によっては計算値の方が大きくなるところもありやや 問題が残る。 これを解決するためには、 マンホール内部の複雑な流れの構造や下流管での損失を解析できる 数値計算モデルを構築するしかない。
3 . 2 流向が90度変化する流れ
上・下流管の流向が90度変化する流れの場合には、いずれの段差比においても、上流管からの流入水は一 度マンホール下流壁へ衝突し、流入水の持つ運動エネルギーをすべて失うためマンホール部のエネルギー損 失係数は必ずlより大きくなるのしたがって、段差比がOとlの問では直管流れに適用したようなI�'l流モデ ルを用いることはできない〉 しかし、 流向が90度変化する流れにおいても (4.ロ)式を利!日することができ る0: (4.12)式において直管流れと異なるところはK/K。の評価方法だけであるむ これ以外については、 上・ 下流管の流向が変化しでも式形はほとんど変化しないと考えられる。第3章2.2.4の図- 3.23に示すよう
に段差比がl以上では、いずれの段差比でもエネルギー損失係数はほとんどが1.7前後の値となっている~し たがって、 直管流れの場合と同様の考え方でK/Ko= 1とおけば (4.12)式は (4.13)式のようになるο
llE= 11.0+0.7 (Du/Dd) 41 (VU:!/2 g) +K5 (Vu�/2 g)
+ f b (S/b) (Du/b)4 (V u :!/2 g) (4.13)
また、 本実験条件よりも 大きなb/Duを考慮するとKs (S/Dd主主1 )は直管流れと同様、設計上安全側 を考え(4.13)式の右辺11.0+ 0.7 (D u / D d) 41の209úを与えることにするむ なお、 (4.13) 式の適用範囲 は、S/Dd = 0、 1 �玉S/Dd壬4、 1孟Dd/Du孟1.2、l.8三五b/Du壬3.6、2壬11/Du豆6であるι』段 差比がOより大きくlより小さい範囲では、噴流モデルでは定式化できないため別のモデルを構築する必要 がある円
- 70 -
第4節
マンホール部のエネルギー損失が雨水管路網の計算水位に及ぼす影響4 ' 1
雨水管路網の仮想モデルの設定
雨水管路網には種々の構造寸法を有する管路やマンホールが用いられている (第3章2. 1 . 1の同一3.1参 昭):ここでは管径の比較的小さいものが設置されている都市部の中・上流成を想定した雨水管路網の仮想モ デルを図-4.18のょっに設定する心 本モデルでは、 2方向按合マンホールを19箇所(No.16を除く、 うちl 菌所は90度曲げ接合(No.6))、 3方向接合マンホール(No.l6)をl箇所設けているコマンホール径はすべて 批m、管径はNO.l "'-NO.15が3仇m、NO.16"'- NO.20が4仕mである。また、管勾配はNO.l "'- NO.15を1/170、
No.l6"'_ No.20を1/2∞としたコ2方向接合マンホールの中で上・下流管の水平面接合角度が180皮のものは、
上下流管の段差を3種類(管康扱合、管伐のよ|三分、 管径分)設定し、 それぞれの段差について図- 4.18に示 すモデルを与える〉 ただし、 No.6とNo.16のマンホールに接合する管路は常に管底接合としている。
、An A斗・ハU ム止 ムjw1山而 r、、寸/. rql
w,
IEBEBEE----v流下
|
粗度係数=0.013(共通)1
管径=O.4m
マンホール径=0.9m マンホール径/管径=2.25 管長=30.0m
勾配=1/200
マンホール径=0.9m マンホール径/管任=3.α}
管長=30.0m 勾配=1/170
図-4.18 雨水管路網の仮想モデル
-71-
4 . 2 計算条件
現行の雨水管路の設計基準では、管路内のl断面平均流速をO.8m/ s ---3.伽1/Sの範四で設定する必要があ り、下流側に位置する管路のi混迷はそれより,1-.流側にある管路の流速に等しいかより大きくしなければなら ない610: そこで、 ここでは前述したそれぞれの段差について管路の流速(定常流)を表-4.2のように設定す る:実際には、 雨水管路網ではそれぞれの管路に関わる集水面積分の降水量(地下への浸透量や蒸発散量を 除く)が管路に流入するため管路内の流れは非定常流となり、管路内の流速は表-4.2のように単純なものと はならいが、ここでは、後述する計算水位の比較を理解しやすいようにするためこのように設定している〉な お、計算時に境界条件として与える雨水管路網の下流端水位は下流側の管径と同じ0.4m (管頂)とする':1
表-4.2 計算条件(管路内の流速)
流速(m/s) 管路番号 管底接合 段差接合
段差:管径の 段差:管径分 半分
1--10 1.20 1.60 2.00 11 --15 1.20 1.60 2.00 16--20 1.35 1.80 2.25
4 . 3 マンホール部の損失係数の設定
我が国では、 雨水管路として円形管路を用いる場合、 上流管からの流入水がマンホール内をスムーズに流 下できるようマンホール底面には接合管路の1/2のインパートが設けられている円 図-4.18に示す問点管 路網の仮想モデルにおける2方向及び3方向接合マンホール底面のbenc凶19形状をそれぞれ図-4.19に示す〉
角端型 9 0度曲げ接合
2方向接合マンホール 3方向接合マンホール 図-4.19 マンホール底面のbenc凶19形状
-72 -