九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
熱CVD成膜過程のモデル解析
秋山, 泰伸
https://doi.org/10.11501/3130971
出版情報:Kyushu University, 1997, 博士(工学), 論文博士 バージョン:
権利関係:
第3 ��:ジルコニア(Zr02)およびイットリア(Y201)必肢のLPMOCVD成膜実験とモデル解析
3.1研究の背京
本論文の1-J的の aつは、 多様なCVD系に適用可能な汎用的な反応のモデル化手法を確立することに ある。 本研究では、 その共体的な解析対象としてイットリア安定化ジルコニア(YSZ)のLPMOCVO(Low Pressure Meta1 Organic CVO)を取り上げることにした
Metal O rganic CVO 法(MOCVD法)は、 比較的分解温度の低い有機金属化合物を原料とし、 高品質薄 膜の生成を行なう日的で開発された省エネルギー性や操作性に優れたCVD法の一つであり、 無機化合 物を原料とするCVDと比較して、 手軽さ等の聞で有利な方法である。
YSZ はジルコニア(Zr02)を主成分とし、 数モル%のイットリア(Y203)を国溶させたセラミックスで、
耐熱、耐腐食|ゾ主被桜Jl英のほか次世代燃料電池用の同体屯解質としても脚光を浴び 63.64)、種々の薄膜化校 術が検討されている。YSZの機能は組成に強く依存するためその薄膜の生成には組成制御が重要な課題 となっている。 また、 固体電解質としての応用を考えた場合、 多孔質状の支持基板上に如何に薄くかっ 微常に薄!肢を成長させるかという事も主要な問題となる。 これらの問題を解決するには、 YSZCVOの 反応モデルを惜築し、 シミュレーションを併!日する事で、 組成及び膜厚に及ぼすCVDの操作因子の抽 出を行なうことが重要である。 その結果として、 反応容器内でのマクロスケールでの膜厚、 組成の制御、
またミクロなI'�凹上でのミクロスケールでの成Jl莫形状( 膜厚分布)、 組成の制御が可能になると思われる。
Zr02あるいは安定化ジルコニアを対象にしたMOCVDに関しての既往の研究としては、 アセチルア セトン系の錯休を原料に用いたBalog65.66)やBenDorら 67)の研究がある。 また、Pジケトン錯体の一種 であるジピパロイルメタナ ト錯体(Zr(CIIHI902)4、 通称、 Zr(DPM)4 ; ruPAC名は Zirconium tetraki (2,2,6,6- tetramethyl -3,5-heptadionate) 、 お よ び Y(C'IHI902h、 同じく Y(DPM)3 ; Yttrium tris(2,2,6‘6・
tetramethyl-3,5-heptad ionate))を用いて生成したZr02、Y203およびYSZの結晶学的研究を行なった鎌田ら 的の研究、 テトラブトキシジルコニウムを用いたTak ahashiら 69)による研究等がある。 しかし、 いずれ の研究でも、 CVD反応器設計に必要不可欠な反応機構の検討や反応のモデル化等は行なわれていない。
YSZのような多成分CVDの反応解析を行なう場合、 各々単成分のCVOについてモデル化および解 析を十分行なうことが重要であると恩われる。 そこで本章ではYSZの構成成分であるZr02及びY20J の単成分CVDに関して詳細な成膜実験を行い2章で仮定した反応モデルおよびシミュレーションコー
ドを使用して反応解析を行なった。
38
3.2成膜実験
ー一一一一一一
図3-1、 3-2 に本研究で用いた実験装置およ び反応器の概略図を示す。 原料としてはジピパ ロイルメタナトジルコニウム {Zr(CIIHI902)4 ; 分子量824.42、 以下Zr(OPM)4と略記する。}、
および同イットリウム{Y(CIIHI902)心分子量
638.81、 以下Y(DPM)3と略記口)を使用した。
両原料共に(株)トリケミカル研究所製の高純度 品をそのまま使用した。 これらのDPM錯体は 室温で固体であり蒸気圧も低い。 また比較的 低j品(4 50K以上 )で変成することから、 ロ]白色な
限り高温でかつ 450K以下の ー定渇度に保ち 蒸気圧を確保する必要がある。
広い蒸発面積を維持するために、 原料微粉末
2gをアルミナボール(O.5mmおよび卜25mm)粒子 群中に分散させて、 容積約90cm3のステンレス 製の蒸発器に充填した。 この蒸発器はアルミ丸 棒を加工した恒温容器に入れ温度コントロー ラー及びリボンヒーターを用いて、 適温に加熱 される。 蒸発した原料ガスは窒素ガス(N2)に よって反応管まで運ばれる。 原料ガスは酸素ガ ス(02)とN2の混合ガスによって反応器直前でき らに希釈される。 図3-1中、 点線で示す配管部 分は蒸発した原料の再凝縮を防ぐために、 リボ
ンヒーターで蒸発器温度より1 0Kほど高めに、
加熱されている。
供給するN2及び O 2はマスフローコントロー
フ�(SEC4 00mk3、 STEC(株)製)により流量調整し
Evaporator
図3・I Zr02、Y203およびYSZのCVD装置の概略[ズ|
Reactor
ZZ曲e
Heater
AHHV
ハハHV
Wluth ()】、ìf.llTI Dcpth: 3 りμm
図3・2反応器の概略図
的!l !llÿJ 1) 0 n 0n�
1000
800
。 17
axial position [cm] 34
図3-3反応器の温度分布
39
LEE- -ah』←ι �
1 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・圃 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 -
!j央IjJのZrまたはYのむ 物質収支= ( 蒸発した原料量
一
トラップした原料id;ー
フィルタで補集した物質の(社) qJのZrまたはYの泣た。系内はロータリーポンプによって排気し、圧力は反応器出flにおいて絶対圧トランスデユーサー(パ ラトロン102A、 MKS(株)製)によって測定し、 反応器 出口下流にあるパルプの開閉量を調節する事で反
また核磁気 フィルタ補集物質は、 原料と同じくアセトンにIf[浴であること(Zr02 及びY20�は不溶)、
応器内の全面ーの調節を行なった。反応器後方に日開き10μmの多孔質膜( フロロポアFPl000、 住友電気
共鳴および赤外スペクトルの測定より、原料に非常に近い物質であるとの分析結果が作られた ことから、
工業(株)製 )を泣き凝縮したガスや気相中で発生した粉体を捕らえるためのフィルタとした。 また、 原料
フィルタ補集物質は原料と同J物質であると推測した。 Zr02の成tJ莫において、 物質収立;は反応器内の 中の不純物を取り除くためと、蒸発過程の定常状態を確保するために、 成膜前に蒸発器 及び反応器温度
全圧に強く依存した。|付径 8mmの反応器をmい山L I J ( O.4kPa
�
15kPaとした. 場合90件以上の物質収支が設定値に達する問と、 成膜後に室温 まで温度が低下する までの聞は、 流路を切換えて、 供給ガスは全
この原凶としては、J I:)Jがおい場合 しかし、 4.0kPaでは5 0%、 24kPaでは6%になった。
が得られた。
て液体N2トラップのラインに流した。 実験中の全蒸発量からこのトラップ内に補集された原料の重量
は、 フィルタで補集不Il[能なほど微細な Zr02の粉ぷが気相中で生成した可能性カì...,号えられる。 また、
を減算することで成膜実験中の原料の蒸発量を算 出 した口
Y203成膜の場合もZr02ほど敏感ではないが物質収支式に圧力依存性があり4. 0kPa以ドでは90%以 図 3
・
2 に示すように円筒型電気炉 (全長 34cm)内に石英管を設置し反応器 (ホットウ オー
ル型円管式 2 I T主
♀
I京料:Y(DPM) 1
総jオt ;1[: :300SCCM 反応提温度 :873K ttl [ 1 fE . 1.3kPa 原料:Zr(DPM) 4
主主流量 300SCCM 反応器温度 :873K 出口圧:1.3kPa 0.5
0.4
N E 02 ..c Eu E 0.3
占0.1 反応器)とした。 電気炉の作製の際、 単
一
の温度調節器を使用するのみで反応器内に十分な長さの均熱部が得られるように、 発熱線の巻数及びピッチを場所によって変えるなどの工夫をした。 図3・3に反応 器j晶度を102 3K、 873K、 773K に設定したときの電気炉内全体の温度分布を示す。いずれの温度に設定
40 50
20 30
02Î,良J立Illlol切l
」ι10 20 30 40
O2濃度[mol%]
ob
10 表3・l実験条件423K 413K 773 -1023K
0
.
4 - 24kPa 図3-4 Zr02の成膜速度のO2濃度依存性 凶3-5 Y2 0]の成目失速度のO2濃度依存性15 0 - 105 0SCCM 0- 45 0SCCM 0-0.5 [ー]
0.5
・
8h上の物質収支が得られるが24kPaでは5 0%になった。本研究での反応解析には、Zr02の成股に対して Evaporation temperatures
Zr(DPM)4 Y(DPM)3
Temperature of film growth Total pressure at reactor outlet Gas f10w rate
Nitrogen Oxygen
Mol fraction of Oxygen Time of film growth した場合でも士3K程度の均熱部が20cm以上得られていることが分かる。
反応管内の成膜速度分布を測定す るためイi失反応器を次のように-[よ した。外管としては太さの異なる ; 種類の石英管(長さ40 0 mmで内径 8mmと17mm )を使用し、 その内徒と ほほ同じ外径をもっ石英短管(長さ約
一
方、Yゥ01に対しては4.0kPa以下の成膜実験の結果を用いた。は1.5kPa以下で、
2 0mrnで外符 7.8mmと16.7mm )を用
本CVD系では成膜速度および膜の色は気相中の酸素濃度に強く依存した。図3-4、 3-5に最大成股迷 意した。石英短管を装填した外管を電気炉の中に挿入して石英短管の内壁上に膜を析出させた。実験前
度の酸素濃度依存性を示す。Zr02の場合10%以上の酸素濃度では無色透明膜が析出し、 成膜速度も酸
素濃度に依存しない。しかし、 酸素濃度 0%での成膜速度は、 10%以上の酸素濃度ドでの成膜速度の下 算出した口 また、 図3-2に示すように、 必要に応じて石英短管のいくつかをシリコン(Si)チップ(幅5mm
この条件では、 Zr(DPM)4の熱分解 により白己酸化されZr02が合成されるが、 十分 分程度に減少する。
×長さ 2 0mm )やステンレスチップ(幅5 mrnX長さ2 0 mm)に置き換えて、 その上に成膜させてXRD測定
な量の酸素が得られないため、 成膜速度が遅くなると考えられる。 酸素濃度 0%で析出した膜は黒色膜 ミクロスケールのトレンチを持つSi チップを設置しステップカバレッジを走査型電子顕
に供したり、
この膜は空気中でアニ
ー
ルすで、 無配向性の非常に弱い単斜晶または正方品のXRDパターンを示す。
微鏡(SEM)で観察したりしたロ 実験条件を表3-1に示す。
る(973K,5hrs )と黒色膜から、 透明膜へ変化する。このことからDPM錯体内の酸素のみでは卜分な酸化 本実験条件内でzr02 及びY203の成膜速度は成膜時間によらず
一
定であることを確認した。実験の健 反応が進行せず、 膜中に大量の残留カーボンあるいは酸素欠乏による欠陥があると考えられる。一方、YZ03は無酸素雰囲気では殆ど成膜しない。酸素濃度20%程度まで成膜速度は酸素濃度の増加 41
司・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・E
一g rist--トal--rlkut
o
-a ハU
{(・2aEU)\凶E]530
R変化を セミミクロ天秤により測定し反応管内の流れ方向のローカルな成膜速度を 英短管の
後の
全性を次の物質収支により確認した。
4 0
可園田
(a)
』』JFhrF
500 400
『
973K
nU ハり nu nU 勾コ 丹4
[PEau]~
日 記 ー
} L6
{OC寸}(O-m) {刊刊問}一一寸}(CC寸)
(一-N}
100
(a) 973K 20�以上では厳禁濃度依存性は消滅するq また、 低酸素濃度で析出した膜が黒色で
と共に速くなるが
この場合も残留カーボンある アニールすると無色透明膜に変わるのは Zr02の成膜結果と同様であり、
いは酸素欠乏による欠陥があるものと推測される。図3-6に異なる温度で Si基板の上に成膜させたZrQ、
膜の表面及び断面iの定管制電子顕微鏡(SEM)写真ならびに対応するX線阿折(XRD)のパターンを示す。
析出膜は位状の構造を持ち、 脱!亨が厚いほど、 また析出温度が高いほど柱状結晶の俺は大きいDまた、
50 40
28 [dcgJ
または正方品(どちらの結品系か区別は困難) 。
ZrOヲl撲は析出温度によらず単斜品、
ノド成膜条件下では、
ー ー
ー ー
『ー
873K (b)
500
400
nu的…vnU
FL 今、“
{Eau}~ 内''-
100 (b) 873 K
の (002)又は(020)に配向することがわかる。 関3-7にはY203の結果を示す。 Zr02と同じく高温で柱状結 また、 析出温度によらず立方品の(222)面に配向している。
973K
(。NC)H(円。。)
nu nU
E
c. にJ
h喝 50
低温で微細1粉末状の結品となっている口
(a) 973K
日Hn
ム 60
(じ)
50 28 [deg) 40
hU nu ぺ,,- 10 150
ー
ー
_p._、}
2θ[deg) 40 100
E ロー u 50 (c)773K
873K (b)
100
E
c.. u
.... 司 50
膜の断面
図3・7 Y203の表面および断面のSEM写真およびXRDのパターン {(a)973K、(b)873K、(c)773K、 いずれも圧力1.OkPa}
膜の表面 (b) 873K
3.3表面反応速度の検討
ミクロトレンチ法でZr02及びY203成膜時の表面反応速度を検討する。 図3-8に823Kで4椅傾のア スペクト比のトレンチの上に成膜させた Zr02のステップカバレッジおよび対応するシミュレーション 結果を、 また図3-9には923Kでの結果を示す。
60 (c)
E40 にJ
‘、
20 (c)823K 80
め入力する必要がある。
カパレyジのシミュレーションでは、成膜前駆体の質量および衝突i責任を
40 50 2(:) [deg]
。 30
本研究ではZr02の成膜についてはZr(DPM)4*、またY203の成膜に関しては{Y(DPM)3h'という成膜前駆
膜の表面 膜の断面
これは後の3.5の成膜前駆体の推定の節で、両手 ここで* は活性化した状態を意味する。
体を仮定した。
図3-6zrOヲの表面および断面のSEM写真およびXRDのパターン { (a)973K、(b)873K、(c)823K、 いずれも圧力l.OkPa}
43
』且』一一一一一一 þ
ー←←且」
ョ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・E
42
述するが、 Ì:.たる成膜lìíj・,��体がZr02の1&11交に1ï.1しては原料、 またY20�の成膜に関しては原料の二足件
とHじ程度の大きさの分fであると同定されたために、具体的な分子構造はわからないが原料に非常に 似通った物質ということでこの様な去記をJfIし、ている。Zr(DPM)4搬及び{Y(DPM):d2·の衝突直径は、原料 と[oJじ分r構造を仮定して、 LyndersonのノJ法70)を用いて各々1.15X10勺n、 1.33X 10・9mと推算した。
[:;(1にぶされるように、反応温度がいj じであるならば、アスペクト比の異なるトレンチ上の成膜形状 (ス
テップカバレyジ) も、 イ同のηのイ点で;淀川できている。カバレッジの形状はトレンチ内での前駆体の 拡散と衣l[!J}え応j生皮の比に依存している3拡散に比較して表面反応が遅ければ、前駅体は反応して膜に
変わる前にトレンチ深くまで到 達し、 トレンチ内で前駆体濃度が場所によらず一定となり、 ステップカ パレノジの良いJI支が形成される口逆に、拡散速度に比較して表面反応速度が速いと前駆休がトレンチ深 部に到達していく前に、 側壁上部で反応して膜に変化する。そのために、 トレンチ入口付近では前駆体 波j支が波く、 トレンチ底付近では濃度が滞くなり、結果としてステップカバレッジの悪い膜が形成され る。 衣IJri反応速度は成膜温度に強く依イがするために、低温(823K、 図3-8)ではηが小さく、 ステップカ パレyジの良い膜が形成されるのに刈-して、 高温(923K、 図3・9)ではηが大きくステップカバレッジの
思い膜となる。 両結果ともアスペクト比が大きくなるとステップカバレッジは悪化する。 これはアス ペ
クトiヒが大3くなるにつれて、IJfJ孔rírÎ払/I)� ì�I�:&而債の他が小さくなり、 トレンチ内部に侵入してきた 前似体のうち、 側樫で反応してj院になる初介が多くなり、トレンチ内深部での成膜前駆体の濃度が減少 するためである。
じ<1 3-10 および 3・1 )にY20lの実験で得られたステップカバレッジおよび 対応するシミュレーション
結果をぷす。Zr02と同様に、 各成膜溢j立に応じて適切なηを設定する事で、 様々なアスペクト比のト レンチ上の!良厚分布の実験結果を再現できることがわかる。
段々な形状のトレンチ上でのステyプカバレッジを観察し、その形状をシミュレーションすることで、
主となる成牒前駆体が一種類であるか、 それとも複数個存在するかという情報を得ることができる。複 数個の成眼前駆体が存在し、かっそれらが全く異なるηを持つ場合、アスペクト比の異なるトレンチに
対するステップカバレッジを単一のηを用いて再現する事は不可能である。なんとなれば、アスペクト 比の大きいトレンチに対してηが大きい前駆体はトレンチ内部には殆ど侵入できないが、アスペクト比 の小さいトレンチでは、ηが大きい前駆体でも内部に侵入して成膜に寄与できる。つまり、アスペクト 比によって、ηの異なる各前駆体のトレンチ内部での成膜に寄与する割合が変わることになるロ このこ とは、 複数のηの異なる成膜前駆体が存在する場合、 ステップカバレッジを再現できる見かけ上のり
44
がアスペクト比によって変わることを意味する。しかし、 本実験のMOCVD系、 つまりDPM鈷体から のZr02およびY20Jの育成の場合には、 ηはアスペクト比に依存しないことから、 成股!日j政体は a純績 だと考えるのが妥当だと思われる。
園圃・幽岨 喧
、 2μm 図3-8Zr02のステップカバレyジの実験結果および対応するSMC法の結果
(T = 823K、 p= ) .0kPa、 η=0.055) 45
司・・・・・・・・・・・・・・・・園 田 ・・・・・・・・・・・・・・・・E 三一
'
、 2μm
同3-9zr02のステyプカバレッジの実験結果および対応するSMC法の結果 (T=923K、 P= 1.0kPa、 η=0.80)
46
5μm
図3-10y 203のステップカパレノジの実験結果および対応するSMcì去の結果
(T= 773K、 P = 0.5kPa、 η=0.14)
5μm
図3-11 Y203のステップカパレッジの実験結果および対応するSMC法の結果
(T= 923K、 P= 0.5kPa、 η= J .0)
47
凶3・12にZr02およびY20J成膜時の付蔚確率および、式(2-4)で、変換した表面反応速度定数の温度依存 性を示す。また、それぞれの 表面反応速度定数はアレニウス型の温度の 関数として次のように表されるー zr02の成膜に対しては、
け 171000
kS.Zr(DPM)4* = 15 x 10" exp(一一一一一) RT Y20Jの成膜に対しては、
" 121000
kS.!Y<DPM)ヌ)2" = 6.1 x 10" exp(一一一一) RT
T< 940K (3-1 )
T< 870K (3-2)
反応性付右確率は温度が高くなると共に大きくなっている口Zr02の成膜については940K、 Y203の成 膜に関しては870Kでそれぞれ付着確率は1.0となっ
102ー1000 900 800
1=:'"
寸100E ている。 これ以上の温度では表面に衝突した前駆体
は全てその場で膜になり、 それ以仁の温度になって 10'
もこの挙動は変わらない。 そのため付着確率から換 算した表面反応速度定数 も各々940K、870Kで頭打
ちとなり、 それ以上の温度では前駆体分子の熱速度 がj品伎のk好に伴って述くなるのに比例して 、 若f 大きくなるだけである。Zr02およびY203の成膜時
(c)
""< む勺
l I Y?O、IzrO, I
| η I ---Â-I - ・ - 1
| k� --A-I-e ー|
10- :3
の可を比較してみると940K以下では、Y20,の成肢に対するηが人さく、おOOK近辺では101;:;'ほとJのI12 が見られる。また940K以上では両反応系ともηは1.0となりそのぷはなくなる。またo }j_ lílÎ J:i.応速度 定数もこの結果を反映した結果となり、低温ではZr02成膜の表面反応速度定数はY20,成1I英より小さい また940K以上でZr02成膜時の表面反応速度定数はY20:�成朕系のそれよりわずかに大きい。これは、
Y203の前駆体として仮定している{Y(DPM)ìb*はZr02の前駆体と与えているZr(DPM>...より大きな分f 量を持つために、 同じ温度での熱速度が小さいことに起因する。
トレンチ
5μm
'11 r , r
(a) 973K (η= 1.0)、 0.53kPa(Kn = 1.3)
凶3-14トレンチと正方形ホールのカバレJジおよび対応するSMCi去の結果 49
(b) 823K (η= 0.055)、 0.53kPa(Kn = 1. 1)
1.0 I' t,Ta -× - nu 、河 ku aza
(c) 773K (η= 0.01)、 0.53kPa(Kn = 1.0) 正方形ホール 図3・12 ks、 ηの温度依存性
図3・13 Y 20,のステップカバレッジの圧力依存性 {T= 973K (η= 1.0),
(a) P = O.4kPa (Kn = 0.7) , (b) P = 4.0kPa (Kn = 0.07),
(c) P = 23kPa (Kn = 0.012))}
48
[ヌ)3・13には成股jillL伎をT = 973Kで う主に保ち、 操作目力を変えた場合のY20lのステソプカバレッ ジを示すo [正ノJが向い場合(f:;g 3・1 3- (c))、 、lι均n �tl行花が短くなり、 拡散係数が減少するために、 トレ ンチ内部へ前駆体か入り難くなり、 ステ〆プカハレノジが悪くなる。 本CVD系では、 圧力は反応速度 定数には彩特を及ぼさず、 図3-12で、/示される温度のみの関数であるηを用いてシミュレーションでき たD 成政形状のJ1:え]依存性、 (つまりKn依存性)については付録1 でも触れている。
l:xJ 3-14にZr02をトレンチ及び、正}j形ホールト.に成長させた場合の、 成膜形状のSEM写真並びに対
応するシミコレーション結果を示す。 シミュレーシヨンにはミクロトレンチ法で決定した図3-12に示 されるりをJIlしEた。 シミュレーション結果と'長験結果は良く一致している。 トレンチ幅と辺の長さが同 じにした場合のJEプj形ホールとトレンチのカバレッジを比較した場合、ホールのカバレッジの万が悪い 特に、 図3・14-(b)においてホールとトレンチの差が顕著である。 これは2章に記したようにホールの}j がトレンチより立体角の点で不利であることと、 開Jし面積/内部表面積の値がホールの方がトレンチと 比l段して小さいため、 ホール内に伝入してくる前駆体が内部衣由ーで反応し、急激に濃度が減少すること による。
以1--に示したように、 実験で得られたミクロトレンチ上の成膜形状と2章で作成したSMC法による カパレソジシミュレーシゴン粘呆を比較する'Jïで、 Zr(DPM)4からのZr 02およびY(DPM)JからのY201 の熱CVDについて表面反応速度定数k.d反J,btt付着確ギη)の値を決定することができた。
ここに記したようにミクロトレンチ法を使用することで、CVD反応器内の気相反応や物質移動に無 関係に、 表而での速度過程のみを抽出し速度定数を決定できた。 また、 SMC法のコードおよびここで 決定した反応性付右確率の値を使用することで保々な成膜条件でのカバレッジ予測が可能であること が、 圧力を変えた場合の結果や三次元ホールのカバレッジの説明もできることから確かめられた。
次に、円管内の成膜速度分布を利用して、 気中日反応過程について知見を得る方法について検討する。
3.4気相反応速度の検討
2.4節に記した反応管内の成膜速度分布のシミュレーシヨンコードを用いて、 実験で得られた成膜速 度分布を再現できるように、 気相反応速度定数をパラメータとしたフイツテングを行なう。 基礎式(2 - 48 ) � (2 - 50)を不等間隔格子を用いて差分化した。 計算領域は半径方向に100、 流れ方向に12500に分 割した。 流れ方向の最小の格子サイズは1 X 10-5mである。 差分化した式をCrank-Nicholson法を用いて 数値的に解いた。本計算で使用した物理定数を表 3-2 に記す。気体の熱伝導度(ゐ)、熱容量(Cp)、粘度(}1<j)
50
-ついては実験条件のj副長での常気に付する物'1"1--似をmし1た。ここで11] \,、た丸小IIJ.メ!必解析iJ�の特徴は、
気相反応速度定数を唯一の未知定数とし、実測の反応�{r内成j浪速度分布を肢も良くt1}J_flできる気相反応 速度定数をフイティングにより決定するということにある。シミュレーション中の浪j支岐界条件で必要 な表面反応速度定数には前述のミクロトレンチ法で定めた11旬以:1 3-12、 式3・l、2)を用いた。 気相反応速 度定数は温度に対してアレニウス型を仮定した。 最初に適、月な気中IIJiJf,速度定数を仮定して、計算で件 られた成膜速度分布と実験で得られた成膜速度分布を比較し、 気相!反応速度定数中の頻度l}q f-(kc;o)、 活 性化エネルギー(品川、 速度分イ1]の計算値と実験他の差が小さくなるように、JI主大何[;f?:liLにより変化 させ、kcoおよびIilloの最適値を求めた(最大傾斜法による非線引の故小;乗法)0 Zr02の反応竹流れ}j 向の成膜速度分布を図3-15に示す。 棒グラフが実験により得られた歪泣換算の成膜述度分布、 その!隔 が基板として用いた石英短管一個の長さを表す口図中の三本の線はtìíJ述のごつのモデル(モデル1 :実線、
モデルII:点線、モデル田:破線)を用いた場合の計算結果である。計算にmいた前馬区体の拡散係数として は、Zr02の成膜についてはZr(DPM)4*の値、 Y203の成膜については(Y(DPM)3hの他をFuller の推算 式加をもとに推定して用いた。
破線は原料( あるいは成膜前駆体:本研究では原料と成膜前駆体とは同じ拡散係数と仮定。)の物質移 動(拡散)のみによって成膜速度が作速される場合( モデル皿)の結決であり、 実験結米とは令く '1文して いない。特に入り口付近での相違が大き"'0拡散のみで成肢をえh!えにすると、 入口近傍がil止も浪j止が尚く、
最大成膜速度を示すことになる。 しかし、 実際の実験結果は、化学反応が関うする世により低温の入r1 (�447K)付近では殆ど成膜せず、 より高温の、設定温度(823K�973K)近辺まで温度が上がり成股し始め ている。 点線 (モデルII)はミクロトレンチで決定された表而反応速度と原料および成)]英tìíj.�I�体の拡散 を考慮に入れた計算結果である。 成膜前駆体の拡散のみを考慮した破線よりは、 実験結果に近づくもの の、全実験を通して反応管入口付近の低温領域の実験結果を説明できず、 また設定温度が低い場合の全 域で、の実験結果 (図3・15-(a))の説明がで、きない。実線 (モデル1 )はモデルEで考慮した表面反応および 物質移動というこつの速度過程に加えて、さらに原料から成膜前駆体へ変わる気相反応過科が絡むとし て計算した結果である。 モデルEに比較して低温部での一致性、 および低温で、の実験結果に対する一致 性が改善されている。このことからこれらのCVD系では、 成膜に気相反応が絡んでいることが判明し た。入口濃度が同じならば、 反応温度が高いほど、 圧力が高いほど、 また流量が少ないほど最大成膜速 度は大きくなり、 その位置は反応管入口に近づく。逆に反応温度および圧力も低く、 流星が多いと成膜 速度は反応管全体で、均一に近い分布となるロ管径を小さくした場合は、 大きい管径の場合に比較して、
51
長3・2シミュレーシ弓ンに使用した物件値
空気の熱11-、導度(んi(W/(m' S))).
λG = (0.580T + 72 .736) x 10-4 Q = 900sccm
T= 973K (1',川=447K) p川=0.7kPa. POIII = 0.5kPa Re川=73
短管内直径13mm u州=25.2m1s
CA/II = 0.46 X 10.smol!m3 yA山=0.25 X 10.4
「 vr \ ドい「
1J 44
ti
nu nu
nU
{(』fgshE}【0.4
Q = 900sccm T = 873K (T", = 443K) P川=0.7kPa. p,仰,,=0.5kPa Re", = 73
短管内直径J3mm U," = 25 9rnls
C,.,川=0 85 X 10.5mol!m】
VA川=0.47XIOA
0.4
Q = 900sccm T = 82.ìK (T,n = 441K)
P附士o7kPa. f',川,=O.5kPa Re川=73
恒管内直径13即n U川=26.3m1s
さ0.3 ド CA戸()
IOX 10 4moUm'.c 11 必
モ ド YA川=()57XIO'�
ιJ r、
百 0.2 ト \
E L 、、
...,
1 ...、.,...0. 1 ト J 、
0.4
空気の熱容量(Cp(J/(mol' s))):
Cp =29. .58+6.l9xlO \T-500) 均気のそル濃度(p(mollm.1))
p = 1.2027 x 10 1 P / T
。句
17axial position[cm]
17 34 axial pòsìtion[cm]
nu ハU ハU
axial positionf cm 17 I
川市
空気の粘度(μ(μPas)):
μ=3.85xl0 2T+7.28
原料(DA:Zr(DPM)川Y(DPM)1h')及び成膜前駆体 {(DA.:Zr(DPM)4" {Y(DPM)ìh'jの拡散係数(m2/s)
Zr(DPM)4.Zr(DPM)4'の拡散係数
DA
=D;
= 2.42 X 10-1 (T /293.15)175 / Pl {Y(DPMhlz・{Y(DPMh12'の拡散係数DAニD:
= 1.98 x 10-1 (T /293.15) 175 / P]Q = 900sccm T = 973K (Ttn = 447K)
P川=1.0kPa, P"III = 0.9kPa Retn = 73
短管内直径13mm
U,"
=
16.9m1sさ0.3
t CA附=O.12X 10.4mol!rπm】3号 H
yμA山tυ戸,急む0.2
いE
-.
0.1
。。 。
Q = 900sccm
0.4
T = 873K (T,川=443K) P川=1.0kPa, PIJII, = 0.9kPa Re;" = 73
短管内直径13mm 1.1",= 17.2m1s
CA山=0.14X IO-4moνmヲ YA川=O.5IXI0.4 Q = 900sccm
0.4
T = 823K (T,川=443K) Pm 1.0kPa、P"川=O.9kPa = Re川=73
短管内直径13mm
17 axial position[cml
1.1",= 17.4m/s
CA州=0 1 1 X IO.4mol!rn' 1yA川=0.41 X 104
1 1
、
、 、
::::: 0.3 』時
.c
E
急0
.2...,
E 0.10.4
。%
17 axial position[cm]
Q = 1 500sccrn T = 973K (T;n = 447K)
P", = 1.1 kPa, P,υ川=0.9kPa
Re川=121 短管内直径13rnm Uill = 27.0mls
CA川=0.66X 10・5mol/mJ YA附=0.23 X 10.4
0.4
さ
0.
32 u E
�
0
.2
E
『0.1仏Jー
�O.3
.c
ε
急0.2
5... 0.1ト\、、:ι子三
Q = J500sccm T = 873K (T", = 447K)
P,川,“,=1.0kPa, Pυ Reιf川11一121
短管内直径13rnrn u川=27.5m/s
C;lm= O.70X IO'�moUm' γ'AIII = 0.25 X 10.4
。白4
Q = J500sccm 7ニ821K (7;" = 443K) P川1 OkPa, P,m, = 0.9kPa
Re", = 121 短管内1ft'!壬13mm U川=27 RmI�
正〉川=O.81X 10‘mol/m、
)'A", = 0 ìOX IO'�
0.4
l
mpLV
nnu
7.別 110 nド qu VA 免M
4 。%
0.00
axial position[cm] 17
u;,,=21.0mls
CA;n = 0.34 X 10-4moVm3 Q = 300sccm
',0,/11 = 0.82 X 10-4 T = 973K (Tin = 447K)
\ Pin = 1.5kPa, Po川=0.5kPa
� Re", = 57
1
, ,r ....,....ト
,.1\. ー的5mmiトL
í:' 11
f
U0
5 h Eh、
! 1.1;11 = 22.8m1s Q = 3∞sccm
i G,n=0 46×107m凶m3 T = 873K (九=判7K)
\ ;' NAm = 0.12 X 10" P,. = 1 .4kPa, P
0'"
= 0.5kPa\
\: γ�\
;11 トーキ『 Re,,, = 57,�V I ・1サ 短管内直径5.5rnm .,、l 耳、、
." , ,.・ヲ
J l' I
11 I I、、
axiaJ position[cm]
IO.5 E にJ
tiò E
-,
3
4
Q = 300sccm T= 823K (T,問=443K)
P", = 1.3kPa, POII' = 0.5kPa Re,n = 57
短管内直径5.5mm
17 axìal po'sition[ cm 1
I UIII= 23 7m1s
i CA戸0.51X 10-4moνmJ 11YA問=0.14X10.3
, ・
、 . ・
、、� I �
‘、
.c
Ne u 0.5 h E
0.0 0
(b) 873K (a) 823K
zr02の反応管内の成膜速度分布の実験結果 とシミュレーション結果(つづき)
(c) 973K 図3-15 zr02の反応管内の成膜速度分布の実験結果とシミュレーション結果
因子J5
《,nυ
4 ハU [苦』}2
1'[KI
司,A.nU nu --的〉ヒ」ζ { } { l
34
U山=9.0 m1s Q = 900sccm CA川=0.57 x 10.4mol!m1 l' = 973K (T,川=447K)
山=0. 11X 10べ P," = 1 9kPa, Pυ111 = 1.9kPa Re", = 73
短管内直待13mm
17 axial position[cm]
卜O
?‘ £
50.5
3ゐE
0.0
0 U", = 9 Omls
CAm = 0 48 X 104mollm1 YA附=0.93X104
Q = 900sccm T = S71K (T,川=447K) P,川" = 1.9kPa, Pυ Reι,川,川,= 73
短管内直待13mm
ハU
EL
E泊ε
I u'" = 9.1 m1s Q = 900sccm
I CAIf'= ()フ1X 10.mollm司 T= 773K (T,川=447K)
: ¥\-A,川A山削If戸,
Re叫t川11= 73
X \ 短管内直径13mm
\\、E・
1.0
..t:
êO.5
h E
...,
34 Aリ2
図3・17kc、 ksの温度依存性
1.1 1.2
) { • l
10' Ui" = 21.6 m1s Q = 900sccm
CAIII= 0.26X 10'�molJm" m' T = 973K (7';" = 447K) 河川=0.12XI0.3 Pi,,=0.8kPa、P"III= 0.7kPa
Re川=73
短管内直径13mm
17
1.0 [1
.c
5 0.5
通E
恒国、
17 axial position[cm]
= �vvsccm T = 873K (1�" = 447K) P", = 0.7kPa, P"", = 0.5kPa Re", = 73
短管内直径13mm U",= 25.7m/
CA川=0.16 X 10-4molJm1 YA川=0.88X 10.4
1.0
..t: '-
50.5 h E U川=26.Srn/s Q = 900sccm
CA川=0.13 X IO.4mol/m1 T = 773K (1',川=447K) yA川=0 75X104 P川=0.6kPa司P"/II= 0.5kPa
Re川=73
何管内直径13mm
17 axial position!cml
~ h
dm. 、. k A -
、、
‘、‘、、 、、 .J
1.0
..t: I
50.・1 h E
恒『
17 axial position[cm]
0.0
nu ,zz、 ) { 0
1.0 L い 505L\、- bo t :' '-
E t ・ 凋 r_
O町
11川=21.0m/s Q = 300sccm CA", = 0.52 X 10.4molJm3 T = 973K (T", = 447K)
h'AIII = 0.12 X 10・1 P川=1.5kPa司P""I= O.5kPa
t"\l Re,,, = 57
\. r・\.1
よ刊で寸 短管内直径5.5mm
'" ・1、、E・
U,,, = 22.8m1s
CA川=0.59 X 1O.4moνm3 YA川=0.15 X 10・1 Q = 300sccm
l' = 873K (T", = 443K) P", = 1 .4kPa, P.υ111 = 0.5kPa Re", = 57
短管内直径5.5mm ..t:
E u
百O.
ε -.17 34 axial position[cml
U川=24 71n/s Q = 300sccm CAIf, = 0.38 X 10.4mol/rn1 T = 773K (T,,, = 447K) YAII' = O. 1 I X 10ミ p川=1.3kPa, P"III = 0.5kPa
Retn = 57
短管内[町手5.5mm
1.5
34
Y203の反応管内の成膜速度分布の実験結果 とシミュレーション結果(つづき)
-- ur
axial position[cm] 17 0・vo
(b) 873K 17 34
axial position[cm]
(a) 773K
Y203の反応管内の成膜速度分布の実験結果とシミュレーション結果 図3・16
最大成膜速度位置より下流で成膜速度が急激に減少する傾向が見られる。これは管径が小さくなる事に
17 axial position[cm]
(c) 973K 図3-16
より拡散距離が短くなり、 原料や前駆体の濃度減少率が増大することに起因する。
これら3つの反応モデルに基づく計算結果と実験結果の比較により、 ノドZrOゥCVD系に関しては、 物 質移動、表面反応および気相反応が成膜速度分布を決めるのに重要な役割をはたしていること、2章で 仮定した反応モデルのうちモデルIを使用する事で反応管内およびミクロトレンチ上のローカルな成 膜速度分布を説明できることが分かった。 図3-16にY203CVD系に対するZr02系と同様の反応管内の
55
L 一 þ ← J二旦
1 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・E二 一
54
成JJ失速度分布のモデル�,.算の結果を実験結果と比t校してポす。この系でも、 実線が実験結果を最も良く 再現しており、 気相反応が成膜速度を決定するのに重要な役割を果たしていることがわかる。図3・17 に作られた気相反応速度定数および前述のミクロトレンチ法で決定した表面反応速度定数を同時に示 す。また式 (3・3)、(3-4)にZr02およびY201成膜時の気相反応速度定数を温度の関数として示す。
Zr02の成膜に対して、
け 138000
kG,Zr(DPM}4ニ7.4x 10" exp(一一一一一).
RT (3-3)
Y203の成膜に対して、
川 122000
kG,IY(DPM)3)2 = 8.1 X 10JV exp(一 一一一一),
RT (3-4)
となる。低温 (<880K)でのY20,の成脱に対する気相反応速度定数は、Zr02成膜の気相反応速度定数よ り大きい。また、 高温では逆にZr02の速度定数の方が大きくなる。
本市の段後に、 成朕前駆体をZr(DPM)4、{Y(DPMhhとIUJ定したjj1.去について説明する。
3.5 J刈真前駆体の推定
高温では化学反応が十分速く、 成膜速度分布が前駆体の拡散によって律速される。円管式反応管の成 膜速度分布から前駆体の拡散係数は以下のようにして求められる。
等温管型反応容器内において層流速度分布、 濃度分布が十分発達した領域(x >> 0)での、 成膜速度の 対数値を管軸方向距離に対してプロットした時に得られる直線の傾きと、拡散係数には次式の関係があ
る。 71)
D = -=ー
�
(lnGr) に,, 2u一一-1dx " Sh (3・5)
この式中でのSherwood (Sh)数は3.66 である。(3-5)式によって実験結果を整理することで成膜前駆体 の拡散係数D,が求められる。
本研究では、高温反応条件下で成膜させた場合の反応管定温部の成膜速度分布と、 成膜前駆体として、
56
「原料j、 「原料の:量体」、 「成膜した酸化物そのものjを仮定し、 それらの拡散係放をmし、た場合 のモデjレill( 成膜速度が成膜前駆体の拡散で、律速されるモデル)に基づく成膜述j交をJl"N数プロットし て実験結果と比較し、 その傾きが最も適合するものを成膜前駆体と同定したロ このプj法は、 (3-5 )式と本 質的には同一の原理に属するものである。
図3-18に973Kでの管筏の異なる二穐類の反応1Yでのも0"の成膜速度の刈数仰を示す。また、3純 類の成膜前駆体を (Y(DPM)3 実線)、 ( {Y(DPM),h:破線)および (Y20じ点線)似定してrll.t?�したモデ ル固に基づく成膜速度分布を同時に示す。
Y203 UIII = 21.6 mJs Q = 900sccm CA川= 0.26X 104mollmJ T = 973K (T,川=443K)
...J!Aill=0.12XI03 P川= 0.8kPa.P,UI' = 0.7kPa nu
Uμ,= 21.0 mJs Q = ]OOsccm CA'I/ = 0.52 X 1 0.4rno1/m 1 T = 973 K (T,川= 447K)
山川=0.12X 10、 P", = 1.5kPa Pμ"' = O.5kPa
z
E u
'bbO.1 E
エ=
E U
biJO.1 E
(Y(DPM)3b 図3・18YP3の成膜速度分布の実験値および拡散律速モデルによる計算値(11')H� RiJ�)
973Kでは気相反応速度定数も表面反応速度定数も卜分大きく、定温部で‘の成股�Jえ分イtjは成股!日j駆 体の拡散速度によって律速されている。図より明らかなように成膜前駆体として{Y(DPMhhを仮定す れば実験値の傾きが最も良く再現できることがわかる。同様の手法をZr02系に適川し、Zr(DPM)4の拡 散係数で成膜速度の傾きを説明できることがわかった。これらの結果より、 上記の反応モデルにおいて 成膜前駆体をそれぞれZr(DPM)4および�{Y(DPM)3}zと同じ程度の大きさと推定し、 それぞれZr(DPM)4*
および{Y(DPM)3}z.という成膜前駆体を仮定してシミュレーションを行なった。また、 気相反応速度が 原料の一次に比例することより、 原料はZr(DPM)4、{Y(DPM)J}zの形で蒸発し気相中に存在するものと 仮定している。
3.6まとめ
①日ジケトン錯体であるZr(DPM)1、Y(DPM)3を原料として熱CVDによりZr02、 Y20可を成膜し、
実験条件の膜質、 構造に及ぼす影響について検討を行なった。低圧(0.4 - 24kPa)で、 一定以上の
57
L b
ー←一二二旦
E・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・r-
イットリア安定化ジルコニア(YSZ)薄脱のLPMOCVD成JJ失実験とモデル解析 酸素濃度(Zr02については100/c以f�、Y10,については259千以上)があれば興色透明の膜が析出し 第4章
4.1研究の背景 ー定になることがわかったd低温で析出した膜は微粉末により構成され、
品j品で析出した膜は柱状構造を持つ。また、 いずれの膜も温度によらず特定の面に配向して 成1失速度も最大値で
た。
第3章で、は単成分の酸化物膜(Zr02、Y20, )のCVDを対象に、 反応のモデル解析を行なった。本車で は、Zr02およびY203から構成される多成分膜、 イットリア安定化ジルコニア(YSZ)肢のCVDを対象に、
②第2 i�:て似定した反応スキームおよび開発したシミュレーションコードを用いてDPM錯体か
らのZr01およびY20,の熱CVDの反応解析を行なった。化学反},t,、 物質移動並びに熱移動を
その反応のモデル解析を行なう。
彩服した反応管内の成膜シミュレーションと、 モンテカルロ法による気相の分子運動、 表面反
CVDによりYSZ等の複酸化物薄膜を合成する場合、 膜j手や組成の値およびそれらの成)J史的11付分布の j芯写をィち1志したステップカノ可レッジシミュレーションにより、Zr02およびY203のそれぞれ単
しかし、 二成分系CVDの成膜過程を定量的に解析し、 制御法の 均一性を制御することが要求される。
ミクロスケールでの成膜速度分布の説明を行なうことができた。反 成分朕のマクロスケール、
提言を行なった報文はこれまで始ど見られない。 近年、 国体電解質膜として期待される YSZのみなら 応、スキームとしては、 原料が気相反応を経て成膜前駆体になり、 成膜面に移動して膜になると
ず、 高温超電導体分野などでCVDによる多成分系複酸化物薄膜合成に対する期待も高く、 多成分系の いう第2草で仮定したモデルIで成膜速度分布を説明できることがわかったD また、 それぞれ
シミュレーション手法の確立が急務となっている。
CYDに対するモデル化手法や、 定量的な解析、
の酸化物11史成Jl英1I,ÿ.の気相並びに表的i反応速度定数を独立に決定した。 これらの速度定数および
Zr02 ss.
Zr01SS.、
今下らはTi02およびZr02からなる複酸化物(液相からの析出では組成に応じて、
開発したシミュレーションコードをf-IJいることで、様々な実験条件に対する予測を計算機シミ
Ti02 SS. + ZrTi04、 Ti02 SSなどの団体が析出する71)。 但し、 Zr02SS'はZr02を主成分として
+ ZrTi04、
ュレーションで行なうことができる。
Ti02を微量成分として含む回溶体、Ti02SSはTi02を主成分としてをZr02微早成分として介む[1,[i存体を
。)1七牧(1':Jilbln'L(く850K)で、はY20,のれ相・点[úiの1111j}又応速度定数はZr02の反応速度定数より大きい
意味する。) 系でのCVDによる成膜実験を行ない、 Ti02-Zr02の成膜速度は、fdJ lJ:の原料からの例々の ことがわかった。 反応温度が高くなるにむ心、両酸化物の速度定数の差は縮まり、 気相反応速度
成膜速度の合計より遅いことを見出した72)。 一方、Jungらは定比化合物であるLiNb03のCVD過程を 定数は870K付近でZr02の成膜の万が大きくなる。表面反応速度定数については付着確率が1.0
解析し、 析出した膜の成膜速度ならびに組成はLi20および Nb20S単体の成膜速度の重ねあわせでは全 になるまでY203の成膜の方が常に大きい。
しかし、 同じ二成分系のCVDであっても、Zr02-Y203系の場 く再現できないことを報告している74 )。
合はLi20-Nb20S系やTi02-Zr02系と事情が異なると思われる。これらの二成分系の相図を比較すると、
Ti02・Zr02系およびLizO- Nb205系では組成により結晶の化学組成や結品構造が変わるのに対して(原則 的には複数の定比化合物からなる混合物を形成し得る)、Zr02-Y203系では全組成域で固溶体(YSZ)が形 成される。多成分膜合成の場合は、単成分膜合成の場合と違い複数の原料種を同時に供給することによ
「同相の組成や構造により成膜前駆体の表面反応過
「気相中で成膜前駆体のアダクトができる」、
、hHソ
「複雑な結晶構造実現のための速度過程の出現などにより成膜速度が変化するj等の可 程が変わるJ、
能性がある。また、ZrTi04 やLiNb03 等のように定比化合物として生成するには原子の配置が規制され YSZ等の固溶体の表面 るために、 単成分成膜時とは表面反応過程が根本的に異なると恩われる口 方
反応に関しては、自由な配列及び組成で国体を析出可能であるので、 定比化合物よりも成分間の相互作 用が小さい可能性が高い。そこで本研究では、 第3章で解析したZr02、Y203の熱CVDの反応モデル、
59
L-- Ah』← ー」
1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・E
58
速度パラメータを使mして 、単成分成膜速度の重ねあわせで YSZの成膜速度、組成分布の推算を行い 実験結果と 比較検討する。
4.2 成膜実験
表4.1にYSZのl刈真実験の実験条件を示す。Y(DPM)1の蒸気圧はZr(DPM)4の蒸気圧より高い。そこ で、Zr02を主成分としてY20司の析出組成を数mol�に押さえるために、Y(DPM)3の蒸発器温度を低め に設定し実験を行った。全実験を通して 酸素濃度は 50mol%に固定したD各々の成分原料の供給速度は、
実験前後の蒸発器重量変化から算出し た。 50mol%の酸素雰囲気中で得られた 膜は無色透明であった。 X線回折(XRD) 分 析よりY20ヌを5mol%以上含むYSZ は、本実験条件内では成膜温度によら ず立ノ7品で(200)面に配向しているこ と が分かった。 1023Kの山'ji昆で析出し た膜は柱状構造を持ち、7 73Kの低温で析 出した膜は微細結品が積み重な ったよう
表4.1実験条件
Evaporation temperatures
Zr(DPM)4 Y(DPMh
Temperature of film growth Total pressure at reactor oullet Gas flow rate
Nitrogen Oxygen
Molc fraclion 01' Oxygen Time offilm growlh
423K 383-393K 773 -1 023K 0.4 kPa
300 SCCM 300 SCCM 0.5 [・]
2 - 8h
な 膜構造を持つ事がSEMによる観察で確認できた。また、低温で成膜した場合、Si基板との密着性が 恵く剥離しやすい。 これらの結果は既往の研究の結果68.75)と良く一致している。
4.3反応のモデル化
Zr02、Y203の成膜速度 分布 は、物質移動、気相反応および 表面反応が連結した逐次反応モデル、つ まり第2章で仮定したモデルIによって定量的に説明できた。YSZのCVD過程をZr02、Y203の単成
分のCVD過程の重ねあわせで表現できると仮定すると 、次のような反応スキームが構築できる。
{Y(DPM)3L
Zr(DPM)4
気相反応 表面反応
� {Y(DPM)3}2 ‘1.
= kr vCv rr;;: v* = k � v*Cv* . G,Y - "'G,Y'-'Y I S,y* - "'S,y*""'y*
YSZ
� Zr(DPM)4
4
rGpZr =KG,zr Czr rs,zrホ =ks,zr*Czr*
60
rC.Y、rGZrはそれぞれY(DPM)lから Y20JおよびZr(DPM)4から ZrO ,を単独で成映するときの気付!以応 速度、 kG.y、kG.Zrは気相反応速度定数、また、rs Y'� rS.L*rは衣面反応述!文、 ks y'、 kSI'rは衣l出反応速度 定数である(式3-52、53、64、6 5、図3・33)。 また、Cy、Cy 、CZr'� C7r*は、各々{Y(DPMhlz、{Y(DPM)ì12*、
Zr{DPM}4、Zr{ DPM}4本の濃度 を表す。
4.4 YSZの反応管内の成膜速度 および組成分布
4.3節で仮 定した反応スキームに従い、反応管内の成膜速度 と組成分布のシミュレーシオンを行い その結果と実験結果を比較する白 まず、2章で作成した単成分のCVDについてのFj管式反応符探|人jの 成膜速度分布のシミュレーションプログラムをYSZ (二成分 )のCVDの成膜速度の計算に対J,�',できるよ
うに改良する。
4.4.1 シミュレーション
円管内成膜速度過程を記述する基礎式は次のように与えられる。
エネルギ一方程式:
θT 1δ θT
U一二K一一(r-�- ) み rar' dr
原料Zr(DPM)4、{Y(DPMhhに対する拡散方程式:
dC. _ 1δ θC.
u-ーとdx ニD� A 一1\ r dr一(r一一ι)- k' ar / -U,r; A I\ � 1\ C A
ただし、添え字A はZr(DPM)4または{Y(DPM)3h を表すものとする。
成膜前駆体Zr(DPM)4.� {Y(DPM)3h*に対する拡散方程式:
θC.. _ 1θ θC ..
Uで�dx =DA*一一(rー」ニ)". r dr' ar / +kη,",,11 ACA11
添え字A* はZr(DPM)4*または{Y(DPM)3h*である。
また、境界条件は、
x == 0: T = 'Tn' C A ... AO. ... A A = C A(l C A' = 0
61
(4-1 )
(4・2)
(4-3)
(4-4)