学 位 論 文 審 査 要 旨 公開審査日 2017 年 9 月 27 日(水)
報告番号:
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甲 ・乙 第 1731 号 氏名: 三浦 悠里論文審査
担当者 主査 教授 後藤 浩 印
副査 教授 福武 勝幸 印
副査 教授 坪井 良治 印 審査論文の題目:Epidemiological trends observed from molecular characterization of MRSA isolates
from blood cultures at a Japanese university hospital, 2012 to 2015
(2012 年から 2015 年に血流感染症から分離された MRSA 株の遺伝子型の変化に関する検討)
著 者:Yuri Miura, Tetsuo Yamaguchi, Itaru Nakamura, Shinobu Koyama, Kiyoko Tamai, Takashi Okanda, Tetsuya Matsumoto
掲載誌:Microbial Drug Resistance(in press, 2017)
論文要旨:
近年、健常人に感染しやすい市中感染型 MRSA(CA-MRSA)の報告が増加している。本研究では最 近の東京医大病院(当院)の血液検体から分離された MRSA 株を用い、PCR 法で SCC mec typing お よび病原遺伝子(TSST-1 遺伝子、PVL 遺伝子)の検出と薬剤感受性の測定を行い、2011 年の全国 53 施設(全国)の検体との比較を行った。その結果、全国では院内感染型である SCC mec type II が 76%、市中感染型である type IV が 20%を、当院では SCC mec type II が 65%、type IV が 30%を占めた。病原遺伝子の TSST-1 陽性株は全国の 60%に対し、当院は 48%であった。病原 性の強い PVL 陽性株は全国で 1%、当院では 5%で分離された。SCC mec type IV の市中感染型 MRSA 株の経年的な解析では、近年では TSST-1(+)の株が多く検出され、PVL(+)の株もわずかな がら検出されており、いずれも世界各地で流行している株と同一であった。
以上、国内の MRSA による侵襲性感染症においても市中感染型 MRSA が一定の割合で分離され ることを明らかにした。病原因子を有する株が増加傾向にあり、その原因として海外で流行し ているクローンの影響も考えられ、今後も MRSA 株の分離状況を把握し、解析する必要性がある。
審査過程:
・侵襲型 MRSA において市中型 MRSA が3割近く分離されている現状を初めて明らかにした。
・市中感染型と院内感染型の MRSA の定義と、国別分離状況、部位別分離状況について適切に回 答することができた。
・近年検出された市中感染型 MRSA において、TSST-1(+)や PVL(+)の株が多く検出されたことに 関して、適切な回答と考察を述べることができた。
・今後の検討課題として、臨床症状との関連を注視する必要性を説明することができた。
価値判定: