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テ ニ ス の シ ン グ ル ス に お け る プ レ ー ・ス タ イ ル に 関 す る研 究

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(1)

テ ニ ス の シ ン グ ル ス に お け る プ レ ー ・ス タ イ ル に 関 す る研 究

一 関 西 学 生 男 子 プ レ ー ヤ ー の 意 識 に つ い て 一

   

浜 田 吉 治 郎 、 中 山厚 生

SomeResearchonPlayingStylesofTennisSinglesPlayers

‐theconsciousnessofKansaimalestudentsplayers‐

    ぎ

YoshijiroRamada,AtsuoNakayama

Abstract

Recently,thepaceoftennisgameshasbeenprogressinggreatlyandracketsmadefrommetalor chemicalshavetakentheplaceofwoodenones.Fromaround1982/3,playstyleso‑called"service/net play"or"biggame"hasbecometheyearningofallplayers.

ThistimeIconductedaninvestigationontheconsciousnessortherecognitiononKansaimale studentplayers'gamestylesandgotthefollowingresults.

1.Consciousnessoftheirpresentgamestyle:amongthetournamentplayers."all‑round‑offensive type"arepervasive.Amongthepreliminaryplayers,consciousnessof"baseline‑defensivetype"

arepervasive.

2.Idealgamestyleofalltheplayersis"all‑round‑theoffenseanddefensebothsidetype".

3.Consciousnessofachievement:Therateoftheplayerswhothinktheyhaveachieved41%‑60%

ofversatileplayingabilityatpresentisonly50%andtherateofthosewhothinktheyhave achievedthisabilitylessthan40%is37%.

4.Prospectofbetterachievementinthefuture:alltheplayersarethinkingthattheywillbeable toachievemorethan41%ormore.

Inordertobeafirst‑classplayer,itisnecessarytotrainintheaspectofthebrain(the intellectualside),throughinthegametheyaremoststronglyconsciousofmentalfactors,followed bythetechnologyandphysicalstrength.

*近 畿 大 学 健 康 ス ポ ー ツ 教 育 セ ン タ ー

'KinkiUniversity

.InstituteofHealthandSportsScience

;}天 理 大 学 体 育 学 部

"TenriUniversity

,FacultyofHealth,BudoandSportsStudies

(2)

近 畿 大 学 健 康 スポ ー ツ教 育 セ ン ター紀 要3巻1号(2004・3)

テ ニ ス の シ ングル ス にお け る プ レー ス タイ ル に関 す る研 究

一 関 西 学 生 男 子 プ レ ー ヤ ー の 意 識 に つ い て 一

邦 文 抄録

テ ニ ス の シ ング ル ス に お け る プ レー ス タ イル に つ い て、 現 在 の基 調 と理 想 に 関 す る プ レー ヤ ー 自 身 の意 識 を把 握 し よ う と考 え て 調 査 を行 い 、 主 と して 次 の 結 果 を 得 た。1.理 想 の プ レー ス タ イ ル は、 「オ ー ル ラ ウ ン ド ー攻 守 量 面 型 」 で、 「理 想 の41%が 実 行 成 就 可 能 」 とい う意 識 を 持 っ て い た 。2.ゲ ー ム の 中 で は 、 精 神 面 、 技 術 ・体 力 面 、 頭 脳 面 の順 に意 識 が 強 く現 れ 、 一流 選 手 の 条 件 と して 知 的 側 面 の トレー ニ ング の必 要性 に 示 唆

を えた 。

1緒 言

近 年 、 テ ニ ス は レ ベ ル ア ッ プ が 著 し く 、 男 女 と も に パ ワ ー 化 、 ス ピ ー ド化 の 傾 向 に 加 え て 用 具 の 発 達 な ど と の 複 合 に よ っ て 、 多 彩 な テ ク ニ ッ ク が 可 能 に な る と と も に 、 プ レ ー ス タ イ ル の 選 択 の 幅 が 広 げ ら れ た 。

こ の よ う な 現 状 の 中 で 、 ト ッ プ レ ベ ル 乃 至 は こ れ に 次 ぐ レ ベ ル と 考 え ら れ る 学 生 の 一 流 プ レ ー ヤ ー の 中 で 、 学 生 女 子 の プ レ ー ス タ イ ル と そ れ

く  ラ

に 対 す る 意 識 に つ い て す で に 報 告 し た 。 そ の 時 点 で は 、 学 生 女 子 の プ レ ー ヤ ー は 、 現 状 は グ ラ ン ド ス トロ ー ク を 主 に し た ベ ー ス ラ イ ン プ レ ー が 大 部 分 で 、 こ の プ レ ー を 基 礎 に し た オ ー ル ラ ウ ン ドプ レー を 目標 に お き 、 サ ー ビ ス ・ネ ッ トプ レ ー に 対 す る 実 行 成 就 の 可 能 性 は 高 い と は 考 え て い な か っ た 。

著 者 は 、 現 在 ま で に テ ニ ス に 関 し て 広 い 観 点 か ら ア プ ロ ー チ を 繰 り返 す 中 で 、 文 献 に 見 ら れ る ボ ー ル ス ピ ンや 戦 術 の 研 究 な ど に よ っ て ゲ ー ム と の 関 わ り を 追 求 し、 ま た 、 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン を 用

い た選 択 反 応 動 作 の 一 連 の 実験 を通 して ス ピー ド

く   

化 へ の対 応 を検 討 し、 さ らに 、 内 語 や 不 調 意 識 の 研 究 な ど思 考 力 や 意 識 に 関 して 知 的 側 面 か ら ア ブ

ほ ラく

ロ ー チ し て き た 。

一 般 的 な 動 向 か ら は 、 ラ ケ ッ トの性 能 、 コー ト 面 の ス ピ ー ド化 な ど か ら 、 プ レ ー ス タ イ ル の 理 想 像 と して は 、 常 に ス ピ ー ド と パ ワ ー を 求 め て ネ ッ

ト プ レー へ 向 か う 指 向 性 が あ る と推 測 さ れ る 。 木 製 ラ ケ ッ ト と ク レ ー コ ー ト主 体 の 時 代 に は 、 ビ ッ グ ゲ ー ム と 呼 ば れ る サ ー ビ ス ・ネ ッ トプ レ ー の プ レ ー ス タ イ ル に 対 す る 憧 憬 が 常 に あ っ た 。 こ れ は 、 ラ ケ ッ トが 木 製 か ら 反 発 力 の 強 い ス チ ー ル 製 に 変 わ る1982/3年 頃 を 境 に し て 、 バ ッ ク コ ー トか ら ネ ッ ト プ レー に 移 行 す る た め の ア プ ロ ー チ シ ョ ッ ト に 関 す る 日 米 に お け る 記 述 が 急 激 に 増 加 し た こ と に つ い て の 報 告 に よ っ て 、 す で に 検 証 し

くら  

た。

今 回 は 、 ゲ ー ム の 中 で よ りパ ワ フ ル で ス ピー ド が 高 い と考 え られ る男 子 学 生 の プ レー ス タイ ル に 対 す る 意 識 を 収 集 し、 自身 が 現 在 基 調 と して用 い て い る プ レー ス タ イル と理 想 と して い る プ レー ス タイ ル に 対 す る 意 識 を把 握 しよ う と考 え た。

五 研 究 の 方 法

学 生 男 子 プ レー ヤ ー の プ レー ス タ イ ル に 関す る 意 識 傾 向 を抽 出 しよ う と考 え て 、 調 査 を行 っ た 。 調 査 の方 法 、 手続 き、 お よび 、 整 理 の 方 法 は次 の 通 りで あ る。

1.調 査 用 紙 の作 成

プ レー ヤ ー の基 礎 資 料 、 プ レー ス タ イ ル に対 す る意 識 の 内容 お よ び プ レー ヤ ー 自身 の 意 識 傾 向 を

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テ ニ ス の シ ン グ ル ス にお け る プ レー ス タ イル に 関 す る 研 究

取 り出 す 目標 に 沿 って 検 討 し、 質 問 項 目を設 定 し た。

(1)基礎 資 料 に つ い て

プ レー ヤ ー の レベ ル や 練 習 の 現 状 把 握 の ため の もの で 、大 学 名 、 学 年 、 利 き腕 、 テ ニ ス歴 お よ び 最 高 戦 績 、練 習 内 容 な どの 項 目に よ った 。 (2)自身 の基 本 的 な プ レー ス タ イル につ い て

プ レー ス タイ ル に 関 連 して 、体 力 面 、 頭 脳 面 、 精 神 面 お よ び そ こ か ら生 まれ る技 術 面 ・戦 術 面 を 含 め て 総 合 的 に プ レー ヤ ー 自身 の 現状 を把 握 し よ う と考 え た。 さ らに 、理 想 の プ レー ス タ イル と実 行 成 就 度 を 中心 に現 状 と将 来 につ い て の 意 識 を引 きだ そ う と考 え て、 次 の よ うな 内容 の 質 問項 目 を 設 定 した 。

① 現 在 の プ レー ス タ イ ル

② 相 手 の プ レー ス タ イ ルで 、 対 戦 す る と き得 意 と す る プ レー ス タ イ ル と苦 手 な プ レー ス タイ ル

③ 勝 利 の た め に、 身 につ け て い る要 素 と欠 け て い る 要 素

④ プ レー ス タ イル を変 更 す る機 会

⑤ 技 術 的 要素 と して 、 自身 が 考 え る理 想 と比 較 し て 、 各 ス トロ ー ク に お い て 自 身 に 欠 け て い る 要 素

⑥ 現 在 の 自身 の プ レー ス タ イ ル と理 想 の プ レー ス タイ ル との違 い と原 因

⑦ 理 想 の プ レー ス タ イル

⑧ 理 想 の プ レー ス タ イル に つ い て 、 自身 の 現 在 の 実 行 成 就 度 と将 来 考 え られ る 実 行 成 就 度 質 問 項 目の 設 定 の方 法 につ い て は 、 プ レー ヤ ー が 自 由 な感 覚 で 回答 で き、 プ レー ヤ ー 自身 の 意 識 や 主 観 を引 き 出せ る よ うに 配慮 した 。

2.調 査 の 手 続 き

調 査 の 目的 に沿 っ た 内容 を把 握 す る た め に 、 調 査 対 象 は、 技 術 レベ ル の範 囲 を広 く して 、 レベ ル の 違 う学 生 男 子 プ レー ヤ ー に対 して ア ンケ ー ト調 査 を行 っ た 。

(1)調査 の 対 象

関 西 学 生 テ ニ ス 連 盟 加 盟 大 学 の うち 、1部 校 か ら5部 校 まで の 中 で ラ ンダ ム に選 ん だ7校 の主 力 選 手84名 を対 象 と した 。

(2)調査 の 期 聞 予 備 調 査

平 成15年7月1日 〜7月10日 調 査用 紙 の 配 布

平 成15年8月1日 〜8月15日 調 査 用 紙 の 回収

平 成15年9月1日 〜9月30日

3。 資 料 の整 理 と考 察 の観 点

プ レー ヤ ー 自身 の 基 調 に な る プ レ ー ス タ イ ル 、 対 戦 相 手 と して得 意 な ス タ イ ル と不 得 意 なス タ イ ル につ い て は、 オ ー ル ラ ウ ン ドプ レー 、 ベ ー ス ラ イ ンプ レー 、 サ ー ビス ・ネ ッ トプ レー の 三 つ の タ イ プか ら分 類 し、 攻 撃 型 、 守 備 型 、 攻 守 両 面 型 の 三 つ の タ イ プ と ク ロ ス して考 察 した 。

プ レー ヤ ー が 勝 利 の た め に 身 につ け て い る要 素 と欠 け て い る要 素 につ い て は、 お も に、 体 力 面 、 技 術 面 、 精 神 面 、 頭 脳 面 の 何 れ か に 関 して 、 プ

レー ヤ ー 自身 が 最 も重 要 と考 え て い る一 〜 二 の 回 答 数 と、 数 的 に は 少 なか った 具 体 的 な項 目に つ い て 報 告 した 。

技 術 的 要 素 と して 、 考 え られ る理 想 に対 して 自 身 に 欠 け て い る 要 素 に つ い て は、 各 ス トロ ー ク の 技 術 要 素 か らの 選択 項 目 を整 理 した 。

理 想 の プ レー ス タ イル との 違 い の 原 因 につ い て は、 体 力面 ・技 術 面 、 精 神 面 、 頭 脳 面 にお け る設 定 項 目か ら選 択 され た もの を整 理 検 討 した 。

理 想 の プ レー ス タイ ル は 、 自身 の プ レー ス タイ ル と同 様 に オ ー ル ラ ウ ン ド型 、 ベ ー ス ラ イ ン型 、 サ ー ビ ス ネ ッ トプ レ ー 型 の 三 つ の タ イ プ と 攻 撃 型 、 守 備 型 、 攻 守 両 面 型 の 三 つ の タ イ プ と を ク ロ

ス させ た。

現 在 と 将 来 の 実 行 成 就 度 に つ い て は 、0(ゼ ロ)か ら100の 間 で 、 考 え られ る 度 合 い を 数 値 で 表 し た 回答 につ い て考 察 した 。

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近 畿大 学 健 康 ス ポ ー ツ教 育 セ ン タ ー紀 要3巻1号(2004・3)

皿 結果 と考察

プ レー ヤ ー の レベ ル と練 習 に つ い て の 基 礎 資 料 と して の調 査 結 果 は 、経 験 年 数 は 、 最 長 年 数16年 か ら最 短 年 数0.5年 の 間 で 、平 均 は6年 で あ っ た 。

戦 績 は、 関西 学 生 選 手 権 本 戦 出 場 が22名(全 日 本 学 生 選 手 権 出 場2名 を含 む)、 予 選 出場 選 手 が 62名 で あ っ た 。 練 習 日数 は 、 週 平 均5.4日 で 、 一 日 の 平 均 練 習 時 間 は4.7時 聞 で あ っ た 。 練 習 の 内 容 は、 概 して 、平 日は ス トロー クが 主 体 の 基 礎 的 技 術 的 練 習 が 多 く、 休 日は ゲ ー ム 形 式 や 総 合 的 練 習 が 中心 で あ っ た 。

これ らの学 生 男 子 プ レー ヤ ー に 対 して 、 プ レー ス タ イ ル に つ い て の 調 査 を 行 っ た結 果 か ら 、 プ レー ヤ ー 自 身 の プ レー ス タ イル に 対 す る意 識 と理 想 像 に 関す る意 識 を 中 心 に 次 に 考 察 を加 えた い 。

1.現 在 の プ レ ー ス タ イ ル に つ い て

プ レ ー ヤ ー 自 身 が 自 覚 し て い る 現 在 の プ レー ス タ イ ル を 取 り 出 し て 整 理 し た の が 表1で あ る 。

本 戦 選 手 に お い て は 、 「オ ー ル ラ ウ ン ド ー 攻 撃 型 」 が 最 も 多 く(36.3%)、 次 い で 「オ ー ル ラ ウ ン ド ー 攻 守 両 面 型 」(18.1%)、 「ベ ー ス ラ イ ン ー 攻 守 両 面 型 」(18.1%)で あ っ た 。 オ ー ル ラ ウ ン ドプ レ ー の 中 で 攻 撃 を 主 に す る ス タ イ ル は 、 ま さ し く プ レ ー の レ ベ ル の 高 さ を 表 し 、 一 流 選 手 の 特 徴 と み る こ と が 出 来 る 。 ま た 、 オ ー ル ラ ウ ン ドも し く は ベ ー ス ラ イ ン プ レ ー の 中 で 攻 守 両 面 型 を 示 す バ ラ ン ス の 良 い ス タ イ ル も 同 様 の 特 徴 と 考 え ら れ る 。

予 選 選 手 で は 「ベ ー ス ラ イ ン ー守 備 型 」 が 最 も 多 く(27.4%)、 「ベ ー ス ラ イ ン ー 攻 守 両 面 型 」 (22。5%)、 「オ ー ル ラ ウ ン ド ー 攻 守 両 面 型 」(20.9%) の 順 で あ っ た 。

予 選 選 手 の 技 術 レ ベ ル で は 多 く は ネ ッ トプ レ ー が 難 し く、 こ こ で は 、 本 戦 選 手 と の 問 に テ ニ ス の

レベ ル 差 が そ の ま ま 現 さ れ た と み ら れ る 。 ま た 、 「オ ー ル ラ ウ ン ド ー 攻 守 両 面 型 」 に 対 し て 本 戦 選 手 ・予 選 選 手 と も に20%前 後 を 示 す 中 に 、 あ ら ゆ る 状 況 へ の 偏 りの な い 対 応 と 競 争 を 必 要 とす る テ ニ ス の 基 本 面 が 伺 え る 。

表1.現 在 の プ レ ー ス タ イ ル

攻 守

ス タ イ ル

a.攻 撃 型 b守 備型 c攻 守 両 面 型

本戦 予選 本戦 予選 本戦 予選 合計

Aオ ー ル ラ ウ ン ド型 8(36.3%) 6(9.6%) 2(9.0%) 4(6.4%) 4(18.1%) 13(20.9%) 37(44.0%)

B.ベ ー ス ラ イ ン 型 1(4.5%) 6(9.6%) 1(4.5%) 17(27.4%) 4(18.1%) 14(22.5%) 43(511%)

C.サ ービ ス・ネットプ レー型 0(0%) 0(0%) 0(0%) 0(0%) 2(9.0%) 2(3.2%) 4(4.7%) 合 計 9(40.9%) 12(19.4%) 3(13.6%) 21(33.9%) 10(45.5%) 29(46.8%)

21(25.0%) 24(28.6%) 39(46.4%) $4

2.対 戦 相 手 と し て 苦 手 な プ レ ー ス タ イ ル に つ い

表2に 、 対 戦 相 手 と し て 最 も 苦 手 と考 え て い る プ レ ー ス タ イ ル を 整 理 し た 。

本 戦 選 手 の 中 で は 、 「ベ ー ス ラ イ ン ー 守 備 型 」 が 苦 手 と 意 識 す る 者 が 最 も 多 く(40.9%)、 あ と

は 攻 守 両 面 型 の 全 体(全 体 で54.5%)に 分 散 し た 。 ま た 、 攻 撃 型 と 答 え た 者 は 全 くい な か っ た 。 予 選 選 手 の 中 で は 「サ ー ビ ス ・ネ ッ ト プ レー 一攻 守 両

面 型 」 が 多 く(27.4%)、 全 体 と し て は 、 攻 守 両 面 型(468%)、 守 備 型(33.9%)で あ っ た 。

本 戦 選 手 に お い て も 予 選 選 手 に お い て も、 最 も 特 徴 の あ る 所 で は 、 自 分 の プ レー ス タ イ ル の ち ょ う ど 裏 返 し の 結 果 が 現 れ た 。 木 製 の ラ ケ ッ ト で ク レ ー コ ー トの 時 代 に は 、 一 般 に は 、 同 じ型 の 選 手 が 苦 手 と さ れ 、 例 え ば 「粘 りの プ レ ー に は 粘 り の プ レ ー で 対 応 」 な ど と 言 わ れ る こ と が 多 か っ た が 、 弾 み の 良 い 金 属 や グ ラ ス フ ァ イ バ ー の ラ ケ ッ

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テ ニ ス の シ ン グル ス にお け る プ レー ス タ イ ル に 関 す る研 究

トを用 い て 、 部 分 的 に は簡 単 に逆 転 す る こ とが 可 能 に な っ た ゲ ー ム 展 開 が 多 い 昨 今 は、 よ く似 た プ レー ス タ イル で の 所 謂技 術 優 先 の 「取 っ た り取 ら

れ た り」 の 展 開 よ りも、 全 く違 っ た ブ レー ス タィ ル に 徹 す る 方 に苦 手 意 識 が 見 られ る の は、 む しろ 精 神 面 の 圧 迫 感 な どが 原 因 と推 察 で きる。

表2.相 手 と して 苦 手 なプ レ ー ス タ イル

攻 守

ス タイ ル

a.攻 撃 型 b.守 備 型 c.攻 守 両 面 型

本戦 予選 本戦 予選 本戦 予 選 合計

Aオ ー ル ラ ウ ン ド型 0(0%) S(12.9%) 1(4.5%} 9(14.5%) 5(22.7%) 9(14.5%) 32(38.0%)

B.ベ ー ス ラ イ ン 型 0(0%) 4(6.5%) 9(40.9%) 12(19.3%) 2(9.0%) 3(4.$%) 30(35.7%)

C.サ ービ ス・ネットプ レー型 0(0%) 0(0%) 0(0%) 0(0%) 5(22.8%) 17(27.4%) 22(26.1%) 合 計 0(0%) 12(19.4%) 10(45.5%) 21(33.9%) 12(54.5%) 29(46.8%)

12(14.3%) 31(36.9%) 41(48.8%) 84

3、 対 戦 相 手 と し て 得 意 と す る プ レ ー ス タ イ ル 表3に 、 対 戦 相 手 と し て 最 も 得 意 と考 え て い る プ レ ー ス タ イ ル を 整 理 し た 。

本 戦 選 手 の 中 で は 「ベ ー ス ラ イ ン ー攻 撃 型 」 が 多 く(31.8%)、 前 項 と 同 じ精 神 的 圧 迫 感(プ レ ッ シ ャ ー)の 面 が こ こ で は 逆 に 少 な い こ と が 原 因 と 考 え ら れ る 。 予 選 選 手 で は 、 「ベ ー ス ラ イ ン ー 守 備 型 」 が 多 く(29.0.8%)、 苦 手 な 相 手 と は 丁 度

逆 の 結 果 を示 した 。 これ は、 レベ ル の 高 い 本 戦 選 手 と は全 く観 点 が 違 っ て 、 「サ ー ビ ス ・ネ ッ トプ レー 一攻 撃 型 」 の 高 い レベ ル を不 得 意 と し、 ペ ー ス の 速 い 強 い攻 撃 が 少 な い ス タ イ ル に は プ レ ッ シ ャー の 感 じ方 が 少 ない こ との現 れ で あ ろ う。

また 、 全 体 と して は、 本 戦 ・予 選 選 手 と も攻 撃 型 を 得 意 と して い る者 が い く らか 多 か っ た。

表3.相 手 と して 得 意 とす るプ レ ー ス タ イル

攻 守

ス タイ ル

a.攻 撃 型 b.守 備 型 c.攻 守 両 面 型

本戦 予選 本戦 予選 本戦 予選 合 計

Aオ ー ル ラ ウ ン ド型 3(13.6%) 10(16.1%) 0(0%) 4(6.4%) 0(0%) 4(6.4%) 21(25.0%)

B.ベ ー ス ラ イ ン 型 7(31.8%) 15(24.1%) 3(13.6%) 18(29.0%) 4(1$.1%) 5(8.0%) 52(61.9%)

C.サ ービ ス・ネットプ レー型 0(0%) 0(0%) o(o%) 0(0%) 5(22.7%) 6(9.6%} 11(13.0%) 合 計 ユ0(45.5%) 25(40.3%) 3(13.6%) 22(35.5%) 9(40.9%) 15(24.2%)

35(41.7%) 25(29.8%) 24(28.6%) 84

4.勝 利 の た め に 身 に つ け て い る 要 素 に つ い て 表4に 、 プ レ ー ヤ ー 自 身 が 順 調 に 勝 て る 状 況 で 自 覚 で き る 勝 利 の た め に 重 要 な 要 素 を 取 り 出 し て 整 理 し た 。

全 体 で は 、 精 神 面 が 多 く(33.3%)、 技 術 面 (24.7%)と 体 力 面(23.6%)が ほ ぼ 同 じ で 、 次 い で 頭 脳 面(18.2%)の 順 で あ っ た 。

予 選 ・本 戦 選 手 そ れ ぞ れ の 中 で は 、 と も に 精 神

面 の 要 素(本 戦 選 手 中33.3%、 予 選 選 手 中33.3%) が 多 か っ た 。 本 戦 選 手 で は 、 あ と は 体 力 面

(22.2%)、 技 術 面(22.2%)、 頭 脳 面(22.2%)に し く分 散 し た 。 予 選 選 手 で は 、 技 術 面(26.3%)、

体 力 面(24.5%)、 頭 脳 面(15.7%)の 順 で あ っ た 。 プ レ ー ヤ ー は 、 勝 利 で き る と き に は 、 自 分 自 身 の 精 神 面 の 作 用 が 多 大 で あ る と考 え 、 頭 脳 面 の 作 用 は よ り少 な い と 考 え て い る か あ る い は 意 識 す る

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近 畿 大 学 健 康 スポ ー ツ教 育 セ ンタ ー紀 要3巻1号(2004・3)

機 会 が 少 な い こ と を表 して い る と考 え ら れ る。

具 体 的 内容 に は 無 回 答 もあ った 。 多 か っ た項 目 に は 、 精 神 面 で は、 「最 後 まで 集 中 力 が と ぎれ な い」、 「大 事 な ポ イ ン トで 強 気 に なれ る」、 「落 ち着 い て状 況 判 断 で き る 」 な ど 、技 術 面 で は 、 「サ ー ブ の コ ー ス が よ く威 力 が あ る」、 「シ ョ ッ トが 安

定 ・ミス が 少 な い 」、 「練 習 時 の もの が 試 合 に使 え る 」 な ど、 体 力 面 で は 「ス タ ミナ の持 続 」、 頭 脳 面 で は 「相 手 を よ く観 察 で き る」 が あ っ た。

全 体 を通 して 一 般 的 な ゲ ー ム の 勝 利 の 条 件 が 現 さ れ 、 ゲ ー ム全 体 と緊 迫 した 局 面 の 両 方 を通 して 重 要 と考 え られ る 要 素 が 表 出 した 。

表4.勝 利 の た め の要 素

本 戦 ・予選% A.体 力 面 B。技 術 面 C.精 神 面 D.頭 脳 面 合 計

本戦選 手 8(22.2%) 8(22.2%) 12(33.3%) 8(22.2%) 36(100%) 予選選手 14(24.5%) 15(26.3%) 19(33.3%) 9(15.7%) 57(100%) 合 計 22(23.6%) 23(24.7%) 31(33.3%) 17(18.2%) 93(100%)

5.勝 利 の た め に 欠 け て い る 要 素 に つ い て 表5に 、 プ レー ヤ ー 自 身 が 勝 て な い と き に 自 覚 で き る 勝 利 の た め に 自 身 に 欠 け て い る 要 素 を取 り 出 し て 整 理 した 。

全 体 で は 、 前 項 と 同 じ く 、 精 神 面 の 回 答 が 圧 倒 的 に 多 く(33.9%)、 次 い で 技 術 面(23.5%)と 体 力 面(22.6%)が ほ ぼ 同 じ で 、 最 後 が 頭 脳 面

(19.8%)で あ っ た 。

本 戦 選 手 で は 、 精 神 面(39.3%)、 体 力 面 (27.2%)、 技 術 面(18.1%)、 頭 脳 面(15.1%)の 順 で 、 予 選 選 手 で は 、 精 神 面(31.5%)、 技 術 面

(26.0%)、 頭 脳 面(21.9%)、 体 力 面(20.5%)の

で あ っ た。

プ レー ヤ ー が 勝 利 で きな い と き も、 精 神 面 の 作 用 が 欠 け て い る こ とが 多 大 と 自覚 す る者 が 多 く、

ほ ぼ 前 項 と同 じ傾 向 を示 して い る。

精 神 面 で 具 体 的 な 回 答 と して 最 も 多 く挙 げ ら れ た の は、 部 分 的 で は な く、 ゲ ー ム全 体 を 通 した 精 神 面 全 体 を含 ん だ 「弱 気 に な る」、 技 術 面 で は

「技 術 全 般 が 劣 る 」、 体 力 面 で は 「ス タ ミナ の 持 続 が 出 来 な い 」 で 、 前 質 問 項 目 と 同 じ理 由 の 裏 返 しで あ っ た 。 頭 脳 面 で は 「戦 術 が 考 え ら れ な い 」 で 、 ゲ ー ム に お い て 概 して 考 え られ る一 般 的 な基 本 的 内容 が確 認 され た 。

表5.勝 利 の た め に欠 け て い る要 素

本 戦 ・予 選% A体 力 面IB.技 術 面 C.精 神 面 D.頭 脳 面 合 計

本戦選手 9(27.2%) 6(18.1%) 13(39.3%) 5(15.1%) 33(100%) 予選選手 15(20.5%) 19(26.0%) 23(31.5%) 16(21.9%) 73(100%) 合 計 24(22.6%) 25(23.5%) 36(33.9%) 21(19.8%) 106(100%)

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テ ニ ス の シ ン グ ルス にお け る プ レ ー ス タイ ル に 関 す る研 究

6.プ レー ス タ イ ル を 変 更 す る機 会 につ い て プ レー ヤ ー が どの よ うな 機 会 に プ レー ス タ イ ル を変 更 す る か に つ い て 、 プ レー ヤ ー 自身 が 思 い 当 た る もの を全 て取 り出 し整 理 した もの を、 表6に 示 した。

プ レー ス タイ ル は 、予 選 選 手 にお い て も本 戦 選 手 にお い て も、 ゲ ー ム状 況 が 不 利 にな った と き に 変 更 す る場 合 が 多 く、項 目 と して は 「攻 撃 して も 自分 が 思 う よ う に ポ イ ン トが取 れ な い 」 が 多 か っ た(本 戦 中34.7%、 予 選 中26.1%)。 複 数 回答 の 中 の 「少 し変 化 を 付 け た い」(本戦 中23.9%、 予 選 中 23.8%)と い う 回 答 は、 不 利 な状 況 の 打 開 と重 複 した 。 これ は、 ゲ ー ム に お け る不 利 な状 況 で の 局 面 打 開 の 方 法 と して 、 「ペ ー ス を変 え る こ と」 に よ るの と一 致 す る。

「重 要 な ポ イ ン トの 時 」 の 回 答 者 は 質 問 項 目1

との 関 連 で は殆 ど が サ ー ビ ス ・ネ ッ トプ レー 型 で 、 こ こで は 、 積 極 的 な プ レー を好 む レベ ル の 高 い プ レー ヤ ー に お い て は、 緊 迫 した重 要 な 局面 に お い て も精 神 的 余 裕 な い しは強 い積 極 性 が 伺 わ れ た。

「そ の 他 」 回答 と し て 、 「気 分 が 乗 っ て きた ら」

「相 手 が 明 ら か に弱 い と き」「疲 れ た と き 」 な ど、

戦 う よ り も楽 し む段 階 的 な 回 答 が あ っ た 。 ま た 、 予 選 選 手 の 中 に、 「プ レー ス タイ ル を変 え る こ と

は な い 」 と回 答 し た 者 が8名 い た が 、 自 身 の プ レー を貫 き通 す 堅 い 意志 と考 え る よ りも む しろ低 い 技 術 レベ ル と狭 い 意 識 と捉 え られ 、 よ り高 い技 術 と よ り広 い意 識 の 内 容 を 身 に つ け るた め に、 技 術 練 習 と併 行 した頭 脳 面 や 思 考 力 にお け る指 導 の 視 点 に示 唆 を得 た。

表6.プ レー ス タ イル を変 更 す る機 会

項 目内容 本 戦 予 選 合 計

重 要 な ポ イ ン トの 時 3(6.5%) 9(10.2%) 12(8.9%)

攻 撃 して も思 う よ うに ポ イ ン トが 取 れ な くな った 時 16(34.7%) 23(26.1%) 39(29.1%)

追 い込 ま れ る プ レーが 続 く時 6(13.0%) 7(7.9%) 13(9.7%)

少 し変 化 をつ け た い 11(23.9%) 21(23.8%) 32(23.9%)

不 意 をつ い て見 た い時 8(17.3%) 15(17.0%) 23(17.2%)

そ の 他 2(4.3%) 4(4.5%) 6(4.5%)

プ レー ス タ イ ル を変 え る こ とは な い 0(0%) 9(10.2%) 9(6.7%)

合 計 46(100%) 88(100%) 134(100%)

7.理 想 と比 較 し た 自 身 に 欠 け て い る 技 術 的 要 素 に つ い て

技 術 的 要 素 に つ い て 、 「理 想 」 と 考 え て い る 各 ス トロ ー ク と比 較 し て 、 プ レ ー ヤ ー 自 身 に 欠 け て い る と 考 え ら れ る 要 素 を 全 て 取 り 出 し た も の を 、 表7‑1〜 表7‑4に 示 し 、 考 察 し た 。

(1)サ ー ビ ス に つ い て

本 戦 選 手 で は 、 「フ ァ ー ス トサ ー ビ ス の 確 率 」 (23.5%)、 「サ ー ブ の コ ー ス 」(17.6%)、 「サ ー ブ の 緩 急 」(17.6%)の 順 で 、 予 選 選 手 で は 、 「フ ァー ス

トサ ー ビ ス の 確 率 」(25.1%)、 「サ ー ビ ス の コ ー ス 」 (20.2%)、 「サ ー ビ ス の ス ピ ー ド」(18.1%)の 順 で あ っ た 。

こ こ で は 、 本 戦 選 手 ・予 選 選 手 と も に 、 サ ー ビ ス の コ ー ス と 正 確 性 の 面 で 理 想 か ら の 距 離 を 感 じ て い る こ と が 把 握 さ れ た 。 ま た 、 ラ ケ ッ トの 素 材 で ス ピ ー ド機 能 が 改 善 さ れ た 中 で も 、 な お か つ 、 ス ピ ー ドへ の 憧 れ は 、 よ り レベ ル の 低 い 予 選 選 手 に 強 く現 れ た 。

(8)

近 畿 大 学 健 康 スポ ー ツ教 育 セ ン ター紀 要3巻1号(2004・3)

表7‑1、 理 想 と比 較 して 自身 に欠 けて い る技 術 的 要 素1

サ ー ビ ス の技 術 的 要素 本 戦 予 選 合 計

フ ァ ー ス トサ ー ビ ス の 確 率 12(23.5%) 36(25.1%) 48(24.7%}

サ ー ビ ス の コ ー ス 9(17.6%) 29(20.2%) 38(19.6%)

サ ー ビ ス の ス ピ ー ド 7(13.7%) 26(18.1%) 33(17.0%)

ボ ー ル の 回 転 量 6(11.7%) 1$(12.5%) 24(12.4%)

サ ー ビス の 種 類 6(1L7%) 17(11.8%) 23(11.9%)

サ ー ビス の 緩急 9(17.6%) 13(9.0%) 22(11.3%)

その他 1(1.9%) 0(0%) 1(0.5%)

特 に な い 1(1.9%) 4(2.7%) 5(2.6%)

合 計 51(100%) 143(100%) 194(100%)

(2)グ ラ ン ドス トロ ー ク に つ い て

本 戦 選 手 ・予 選 選 手 と も に 、 「深 い ボ ー ル を 打 つ 」(本戦 中14.1%、 予 選 中12.2%)、 「チ ャ ン ス ボ ー ル を 決 め る 」(本戦 中10.5%、 予 選 中11.0%)の 順 に 高 い 数 値 を 示 し た が 、 全 体 に は 多 く の 要 素 に 分 散 す る 傾 向 を 示 し た 。 こ れ は 、 グ ラ ン ドス ト ロ ー ク

そ の ものが 、基 本 か ら トッ プ レベ ルの 発 展 段 階 ま で全 て の段 階 で必 要 と され 、 さ ら に用 法 と して も オ ー ル ラ ウ ン ドな 幅 の 広 さが 必 要 と され る こ とか

ら、 プ レー の 中 で 占 め る割 合 が 多 く適 応 範 囲 の 広 さ を求 め られ る ス トロー クで あ る こ と を示 して い る。

表7‑2.理 想 と比 較 して 自 身 に 欠 け て い る 技 術 的 要 素2

グ ラ ン ドス トロー クの 技 術 的 要 素 本 戦 予 選 合 計

ス トロ ー ク の ス ピ ー ド 9(10.5%) 18(7.1%) 27(8.0%)

ボー ルの 回転 量 6(7.0%) 18(7.1%) 24(7.1%)

緩 急 をつ け る 4(4.7%) 17(6.7%) 21(6.2%)

深 い ボー ル を打 つ 12(14.1%) 31(12.2%) 43(12.7%)

強打 4(4.7%) 16(6.3%) 20(5.9%)

シ ョー ト ク ロ ス 4(4.7%) 16(6.3%) 20(5.9%)

パ ッ シ ン グ シ ョ ッ ト 9(10.5%) 23(9.0%) 32(9.5%)

ド ロ ッ プ シ ョ ッ ト 3(3.5%) 16(6.3%) 19(5.6%)

ス ピ ン ロ ブ 2(2.3%) 9(3.5%) 11(3.3%)

相手 を振 り回す 6(7.0%) 18(7.1%) 24(7.1%)

チ ャ ンス ボ ー ル を決 め る 9(10.5%) 28(11.0%) 37(10.9%)

攻 め る ス ト ロ ー ク 8(9.4%) 20(7.9%) 28(8.3%)

守 り の ス ト ロ ー ク 7(8.2%} 20(7.9%) 27(S.0%)

そ の他 1(1.1%) 2(0.7%) 3(0.9%)

特 に な い 1(1.1%) 1(0.3%) 2(0.6%)

合 計 85(100%) 253(100%) 338(100%)

(9)

テ ニ スの シ ン グ ル ス にお け る プ レー ス タ イ ルに 関 す る研 究

(3)ボ レ ー に つ い て

本 戦 選 手 ・予 選 選 手 と も に 「決 め る ボ レ ー 」 (本 戦 中16.3%、 予 選 中 ・:%)が 最 も 多 く 、 次 い

「深 く滑 る ボ レ ー 」 「フ ァー ス ト ・ボ レ ー 」 「ボ レ ー の コ ー ス 」 な ど が 多 か っ た が 、 全 体 と し て 、 ボ レ ー に お い て 必 要 と 考 え ら れ る 攻 撃 の た め の 要 素 が 表 れ 、 ボ レ ー 本 来 の 特 徴 を 示 し た 。

表7‑3.理 想 と比 較 して 自身 に 欠 け て い る技 術 的 要 素3

ボ レー の技 術 的 要 素 本 戦 予 選 合 計

ボ レ ー の ス ピ ー ド 4(7.2%) 16(8.1%) 20($.0%)

ボ レ ー の コ ー ス 8(14.5%) 25(12.7%) 33(13.1%)

緩 急 をつ け る 3(5.4%) 11(5.6%) 14(5.6%)

深 く滑 る ボ レー 6(10.9%) 32(16.3%) 38(15.1%)

角 度 の あ るボ レー 5(9.0%) 21(10.7%) 26(10.4%)

フ ァ ー ス トボ レ ー 7(12.7%) 29(14.7%) 36(14.3%)

ドロ ツ プ ボ レ ー 6(10.9%) 18(9.1%) 24(9.6%)

相手 を振 り回す 2(3.6%) 9(4.5%) 11(4.4%)

決 め る ボ レー 9(16.3%) 33(16.8%) 42(16.7%)

そ の 他 2(3.6%) 1(0.5%) 3(1.2%)

特 に な い 3(5.4%) 1(0.5%) 4(1.6%)

合 計 55(100%) 196(100%) 251(100%)

(4)ス マ ッ シ ュ に つ い て

本 戦 選 手 ・予 選 選 手 と も に 、 「確 実 性 、 安 定 性 」(本戦 中279%、 予 選 中41.0%)、 「ス マ ッ シ ュ の コ ー ス 」(本戦 中27.9%、 予 選 中32.6%)が 高 い 数 値 を 示 し た 。 最 後 の シ ョ ッ トに な る こ と が 多 い ス マ ッ シ ュ は 、 一 般 に は す で に ス ピ ー ドや 強 さ を 備

え た シ ョ ッ トで、 そ こに 求 め られ る要 素 が そ の ま ま現 れ た と考 え られ る。

こ の よ う に 、 プ レ ー ヤ ー 自 身 が 理 想 に 対 し て ま だ欠 け て い る と 自覚 す る技 術 要 素 が 示 され る 中 に、 ス トロ ー ク の特 性 と と もに プ レー ヤ ー が ゲー ム に求 め る よ り高 い 目標 を伺 う こ とが で き る。

表7‑4、 理 想 と比 較 して 自身 に 欠 け て い る技 術 的 要 素4

ス マ ッ シュ の技 術 的 要 素 本 戦 予 選 合 計

ス マ ッ シ ュ の ス ピ ー ド 7(21.2%) 13(13.6%) 20(15:6%)

ス マ ッ シ ュ の コ ー ス 9(27.9%) 31(32.6%) 40(31.2%)

ス マ ッシ ュ の種 類 や 変 化 3(9.0%) 10(10.5%) 13(10.2%)

ス マ ッシ ュ の確 実性 、 安 定 性 9(27.9%) 39(41.0%) 48(37.5%)

そ の他 0(0%) 0(0%) 0(0%)

特 に な い 5(15ユ%) 2(2.1%) 7(5.5%)

合 計 33(100%) 95(100%) 128(100%)

(10)

近 畿 大 学 健 康 ス ポ ー ツ教 育 セ ン ター 紀 要3巻1号(2004・3)

S.理 想 と 比 較 し た 現 在 の 自 身 の プ レ ー ス タ イ ル に つ い て

現 在 の プ レ ー ヤ ー 自 身 の プ レ ー ス タ イ ル と理 想 の プ レ ー ス タ イ ル の 違 い の 原 因 と し て 考 え ら れ る 要 素 の 全 て を 、 体 力 面 ・技 術 面 、 精 神 面 、 頭 脳 面 に お い て 取 り 出 し た も の を 表8‑1〜 表8‑3に し 、 次 に 考 察 し た 。

(1)体 力 面 ・技 術 面 に つ い て

本 戦 選 手 ・予 選 選 手 と も に 、 「フ ッ ト ワ ー ク 」 (本 戦 中15.3%、 予 選 中13.0%)、 「ス ピ ー ド ・パ

ワ ー 」(本戦 中10.9%、 予 選 中10.8%)の 順 に 高 い 数 値 を 示 し た 。 「体 力 全 般 の 不 足 」 も 上 位(本 戦 中12。0%、 予 選 中7.6%)を 示 した が 、 技 術 面 と 体 力 面 が 複 合 し た 要 素 が よ り上 位 に現 れ た 。 ま た 、 本 戦 選 手 は 全 体 の 多 くの 要 素 に 分 散 し た の に 対 し て 、 予 選 選 手 に は 前 記 に 次 い で 「ボ レー カ 」 「サ ー ブ カ 」「決 め るべ き所 で の技 術 的 自 信 」 な ど、 所 謂技 術 力 に 関 す る項 目が 多 か っ た の は、

現 実 の技 術 レベ ル の 差 と理 想 の 問が そ の ま ま現 れ た と見 る こ とが で き る。

表$‑1.「 理 想 」 の プ レー ス タ イル と体 力 面 ・技術 面 の 違 い の 原 因

体 力 ・技 術 面 の 要素 本 戦 予 選 合 計

体 力全般が足 りない 11(12.0%) 21(7.6%) 32(8.7%)

筋 力 ・腕 力 が 足 りな い 8(8.7%) 21(7.6%) 29(7.9%)

体 格 ・リー チ が 足 りな い 3(3.2%) 11(3.9%) 14(3.8%)

ス ピ ー ド ・瞬 発 力 が 足 りな い 10(10.9%) 30(10.8%} 40(10.9%)

フ ッ トワ ー ク が 足 り な い 14(15.3%) 36(13.0%) 50(13.6%)

パ ワ ーが 足 りな い 5(5.4%) 17(6.1%) 22(6.0%)

練 習 が 足 りな い 9(9.8%) 19(6.8%) 28(7.6%)

サ ー ブカ が足 りな い 9(9.8%) 24(8.6%) 33(9.0%)

ス トロ ー クカ が 足 りな い 4(4.3%) 21(7.6%) 25(6.8%)

ボ レ ーカ が 足 りな い 6(6.5%) 29(10.5%) 35(9.5%)

スマ ッ シ ュカ が 足 りな い 6(6.5%) 19(6.8%) 25(6.8%)

確 実 に決 め るべ き所 で 技 術 的 自信 が な い 6(6.5%) 25(9.0%) 31(8.5%)

そ の 他 0(0%) 1(0.3%) 1(0.3%)

特 に ない 0(0%) 2(0.7%) 2(0.6%)

合 計 91(100%) 276(100%) 367(100%)

(2)精 神 面 に つ い て

本 戦 選 手 ・予 選 選 手 と も に 、 「弱 気 に な っ て し ま う 」(本 戦 中26.3%、 予 選 中22.6%)が 高 い 数 値 を 示 し 、 次 い で 、 「思 い 切 り」(本 戦 中23.6%、 選 中21.7%)「 決 め る と こ ろ で 精 神 的 自 信 」(本 戦 中 18.4%、 予 選 中19.1%)「 失 敗 の 怖 さ 」(本戦 中13.1%、

予 選 中18.2%)の 順 で あ っ た 。 こ れ ら は 、 ゲ ー ム 全 体 を 通 し て の 精 神 力 の 基 礎 と と も に 、 部 分 的 な 緊 迫 し た 状 況 で の 精 神 的 起 爆 力 、 精 神 的 パ ワ ー 、

克 服 や 忍 耐 力 な どゲ ー ム を通 して の 精 神 の 抑 揚 に 関連 し、 テ ニ ス の精 神 面 の特 徴 で あ る精 神 の多 面 性 を示 して い る と考 え られ る 。

(11)

テ ニ スの シ ング ル ス に お け る プ レー ス タ イ ル に関 す る研 究

表8‑2.「 理 想」 の プ レ ー ス タ イル と精 神 面 の 違 い の 原 因

精神面 の要素 本 戦 予 選 合 計

失 敗 す る の が怖 い と思 っ て し ま う 5(13.1%) 21(18.2%) 26(17.0%)

不 安 ・出 来 な い と思 っ て し ま う 3(7.8%) 11(9.5%) 14(9.2%)

弱 気 に な っ て し ま う 10(26.3%) 26(22.6%) 36(23.5%)

思 い切 りが な くな っ て し ま う 9(23.6%) 25(21.7%) 34(22.2%)

確実 に決 めるべ き所 で精神的 自信がない 7(18.4%) 22(19.1%) 29(19.0%)

その他 1(2.6%) 1(0.8%) 2(1.3%)

特 に な い 3(7.8%) 9(7.$%) 12(7.8%)

合 計 3$(100%) 115(100%) 153(100%)

(3)頭 脳 面 に つ い て

本 戦 選 手 で は 「イ メー ジ トレー ニ ング不 足 」 が い くらか 多 い が 、 全 体 に分 散 して い る と見 られ 、 大 き な 特 徴 は示 し て い な い 。 こ れ は、 頭 脳 面 で

は 、 理 想 像 に も 自 身 の 姿 に も特 に 意 識 を持 っ て い る傾 向 が 少 な い と も受 け取 る こ とが で きる。 予 選 選 手 で は 「作 戦 で 確 実 に ポ イ ン トが とれ な い 」

(18.8%)、 「決 め るべ き所 で 理 論 的 自信 が な い 」 (17.9%)な どが 多 く、 全 体 と して 試 合 の 途 中 で考 え られ な か っ た り、 分 か っ て い て も試 合 中 にで き

な か った りす る こ とが 多 い と考 え られ る 。 学 生 男 子 プ レー ヤ ー の 頭 脳 面 の 内容 と方 法 に 関 す る全 体 の 傾 向 と して は、 判 断 や 決 断 の 問題 以 前 に 、 理 解 不 足 や トレー ニ ン グ不 足 が 伺 わ れ る 。

この よ う に、 学 生 男 子 プ レー ヤ ー の プ レー ス タ イル の 「理 想 」 と 「現 実 」 につ い て は 、体 力 面 ・ 技 術 面 に つ い て は 意 識 が 高 い が 、 精 神 面 や 頭 脳 面 で は 、 テ ニ ス にお け る一 般 論 的特 徴 を 示 す の み で 、 一 流 選 手 と して の 理 解 や 実 践 の 度 合 い は 少 な い と考 え られ る。

表8‑3.「 理 想 」 の プ レー ス タ イル と頭 脳 面 の 違 い の 原 因

頭脳面 の要素 本 戦 予 選 合 計

イ メ ー ジ ト レ ー ニ ン グ 不 足 $(20.5%) 17(14.5%) 25(16.0%)

攻撃の仕方が分か らない 6(15.3%) 11(9.4%) 17(10.9%)

攻撃の仕方が基本的 に分か らない 3(7.6%) 9(7.6%) 12(7.7%)

守備 の仕方が基本的 に分か らない 6(15.3%) 10(8.5%) 16(10.3%)

返球 の予測が出来 ない 4(10.2%) 14(11.9%) 18(11.5%)

作 戦 で 確 実 に ポ イ ン トが 取 れ な い 5(12.8%) 22(18.8%) 27(17.3%) 確 実 に 決 め る べ き所 で 理 論 的 自信 が な い 2(5ユ%) 21(17.9%) 23(14.7%)

そ の 他 1(2.5%) 1(0.8%) 2(1.3%)

特 に な い 4(10.2%) 12(10.2%) 16(10.3%)

合 計 39(100%) 117(100%) 156(100%)

(12)

近 畿 大 学 健 康 ス ポ ー ツ教 育 セ ン タ ー紀 要3巻1号(2004・3)

9.理 想 の プ レ ー ス タ イ ル に つ い て

理 想 と し て 考 え て い る プ レ ー ス タ イ ル を 、 オ ー ル ラ ウ ン ド型 、 ベ ー ス ラ イ ン 型 、 サ ー ビ ス ・ネ ッ

トプ レ ー 型 の 三 つ の ス タ イ ル と 攻 撃 型 、 守 備 型 、 攻 守 両 面 型 の 三 つ の タ イ プ を ク ロ ス さ せ た 回 答 の 結 果 を 示 し た の が 表9で あ る 。

本 戦 選 手 で は 、 「オ ー ル ラ ウ ン ド ー 攻 守 両 面 型 」(45.4%)、 「オ ー ル ラ ウ ン ド ー 攻 撃 型 」(31.8%)

「サ ー ビ ス ・ネ ッ トプ レ ー 一攻 守 両 面 型 」(22.7%) の 三 つ の タ イ プ の み で あ っ た 。

予 選 選 手 で は 「オ ー ル ラ ウ ン ド ー 攻 守 両 面 型 」 (30.6%)、 「オ ー ル ラ ウ ン ド ー 攻 撃 型 」(25.8%)、

「ベ ー ス ラ イ ン ー攻 守 両 面 型 」(17.7%)、 「ベ ー ス ラ

イ ン ー攻 撃 型 」(11.2%)の 四 種 類 で あ っ た 。 全 体 と し て は 、 オ ー ル ラ ウ ン ド型 と 攻 守 両 面 型 が 圧 倒 的 に 多 か っ た 。

前 述 の よ う に 、 歴 史 的 に は 、 木 製 の ラ ケ ッ ト で 土 の コ ー ト の 時 代 に は ビ ッ グ ゲ ー ム と 呼 ば れ た サ ー ビ ス ・ネ ッ トプ レ ー の ス タ イ ル が 理 想 と さ れ 、 さ ら に 用 具 の 進 歩 と コ ー ト面 の ス ピ ー ド化 へ と 時 代 が 進 み 、 よ りパ ワ ー ・ス ピ ー ド化 さ れ た 攻 撃 型 の ス タ イ ル が 理 想 と さ れ る 方 向 性 が 垣 間 見 え た が 、 今 回 の 調 査 に お い て は 、 「オ ー ル ラ ウ ン ド 型 一攻 守 両 面 型 」 と い う テ ニ ス 本 来 の オ ー ル ラ ウ

ン ド性 が 現 れ た と 言 え る だ ろ う 。

表9.「 理 想 」 と す る プ レ ー ス タ イ ル

攻 守

ス タイ ル

a.攻 撃 型 b.守 備 型 C.攻 守 両 面 型

本戦 予 選 本戦 予 選 本戦 予選 合計

A.オ ー ル ラ ウ ン ド型 7(31.8%) 16(25.8%) 0(0%) 0(0%) 10(45.4%) 19(30.6%) 52(61.9%)

B.ベ ー ス ラ イ ン 型 0(0%) 7(11.2%) 0(0%) 0(0%) 0(0%) 11(17.7%) 18(21.4%)

C.サ ービ ス・ネットプ レー型 0(0%) 0(0%) 0(0%) 0(0%) 5(22.7%) 9(14.5%) 14(16.6%) 合 計 7(31.8%) 23(37.1%) 0(0%) 0(0%) 15(68.2%) 36(62.9%)

30(35.7%) o(oaio> 54(64.3%) 84

10.理 想 の プ レ ー ス タ イ ル に 対 す る 現 在 の 実 行 成 就 度 に つ い て

プ レー ヤ ー 自 身 が 考 え る 「理 想 の プ レ ー ス タ イ ル 」 に 対 し て 、 現 在 ど の 程 度 実 行 で き て い る か に つ い て 、 そ の 割 合(パ ー セ ン テ ー ジ)を 記 し た も の を 整 理 し た の が 表10で あ る 。

41%〜60%の 実 行 成 就 を し て い る と 考 え て い る プ レ ー ヤ ー は 本 戦 選 手 の う ち59.0%、 予 選 選 手 の う ち45.1%で 、 と も に 半 数 前 後 が こ の 範 囲 を 示 し た 。 本 戦 選 手 の31.7%と 予 選 選 手 の38.6%は 、 理 想 の プ レ ー ス タ イ ル の40%以 下(0%〜20%お び21%〜40%)の 範 囲 の 実 行 成 就 度 に あ る と 答 え て い る 。 ま た 、61%以 上(61%〜80%お よ び81%〜

100%)と 考 え る プ レ ー ヤ ー は ほ ん の 僅 か(本 中9.0%、 予 選 中16.0%)で あ る こ と が わ か る 。

す な わ ち 、 現 状 で は 、 約 半 数 の プ レ ー ヤ ー が

「理 想 の 半 分 近 く ま で 実 行 成 就 」 で き て い る と

考 え 、 「理 想 の 約 半 分 以 上(61%以 上)で き て い る」 と考 え る プ レー ヤ ー は殆 ど な く、 本 戦 選 手 の 約30%お よび 予 選 選 手 の 約40%の プ レ ー ヤ ー が 、

「理 想 の40%以 下 の 実 行 成 就 度 」 と認 識 して い る こ とが 確 認 で きた。

表10.「 理 想 」 に対 す る現 在 の 実 行 成 就 度

一戦 ・ 予選

% 本 戦 予 選 合 計

0%〜20% 3(13.6%) 13(20.9%) 16(19.1%)

21%〜40% 4(18.1%) 11(17.7%) 15(17.9%) 41%^‑60% 13(59.0%) 28(45.1%) 41(48.8%)

61%〜80% 1(4.5%) 5($.0%) 6(7ユ%) 81%〜100% 1(4.5%) 5(8.0%) 6(7.1%)

合 計 22(100%) 62(100%) 84(100%)

(13)

テ ニ ス の シ ン グ ルス にお け る プ レ ー ス タ イ ル に 関 す る研 究

11.理 想 の プ レー ス タ イ ル に対 す る 将 来 の 実 行 成 就 度 につ い て

プ レー ヤ ー 自身 が 考 え る 「理 想 の プ レー ス タイ ル 」 に 対 して 、 将 来 ど の程 度 実 行 で きる か に つ い て 、 自身 の 考 え る割 合(パ ー セ ンテ ー ジ)を 記 し た もの を整 理 した のが 表11で あ る。

将 来 理 想 に 対 して41%〜60%の 実 行 成 就 が で き る と 考 え た プ レー ヤ ー は本 戦 選 手 の う ち45.4%、

予 選 選 手 の う ち40.3%で 、 残 りの 全 て の プ レ ー ヤ ー が61%以 上 の実 行 成就 度 と回 答 した 。

プ レー ス タ イ ル の理 想 に対 す る現 在 と将 来 の 実 行 成 就 度 に対 す る 自身 の 意 識 に お い て 、 現 在40%

以 下 と考 え て い る プ レー ヤ ー は、 将 来 は41%以 上 出 来 る と考 え 、 他 の プ レー ヤ ー も現 在 よ り上 昇 し て 将 来 は も っ と高 い 割 合 で 実 行 成 就 出 来 る と考 え て い る こ とが 確 認 で き た。

表11.「 理 想 」 に対 す る将 来 の 実 行 成 就 度

一戦 予選

% 本 戦 予 選1合 計

0% ̄20% 0(0%) 0(0%) 0(0%)

21%〜40% 0(0%) 0(0%) 0(0%)

41%〜60% 10(45.4%) 25(40.3%) 35(41.7%) 61%^'80% 6(27.2%) 19(30.6%) 25(29.7%}

81%〜100% 6(27.2%) 18(29.0%) 24(2$.6%) 合 計 22(100%) 62(100%) $4(100%)

].V要 約

テ ニ ス の シ ン グル ス にお け る プ レー ス タ イ ル に 関す る学 生 男 子 プ レー ヤ ー の 意 識 乃 至 は認 識 につ い て、 自身 の 考 え る理 想 の プ レー ス タ イ ル、 現 在 の完 成 度、 将 来 の 実 行 成 就 の 可 能 性 な ど に対 す る 意 識 を捉 え よ う と考 え た 。

今 回 、 主 と して 、 男 子 学 生 の プ レ ー ス タ イ ル の 現 状 お よび将 来 の 実 行 成 就 度 を中 心 に、 プ レー ヤ ー 自身 の意 識 調 査 を行 い 、 考 察 し た結 果 を次 に 要 約 した。

1.勝 利 の た め に 身 に つ け て い る 要 素 と欠 け て い る要 素 を通 して 、 また 、 理 想 との 比 較 を通 し て得 られ た結 果 か ら、 勝 敗 の た め の 要 素 は、 共 通 して 「技 術 面 ・体 力 面 」 を中 核 に、 「精 神 面 」

が 最 も多 く意 識 され 、 「頭 脳 面 」 の 要 素 の意 識 が 少 ない こ とが わ か っ た。

2.現 在 の プ レー ス タ イ ル につ い て は 、 本 戦 選 手 で は 「オ ー ル ラ ウ ン ドー攻 撃 型 」、 予 選 選 手 で は 「ベ ー ス ラ イ ン ー守 備 型 」 と、 自覚 して い る プ レー ヤ ー が 多 か っ た。

3。 プ レー ヤ ー 自身 が 考 え る 「理 想 の プ レー ス タ イ ル」 につ い て は、 歴 史 的 に仮 説 と して 考 え ら れ た 「サ ー ビス ・ネ ッ トプ レー 一攻 撃 型 」 の 指 向 も存 在 す る が 、 「オ ー ル ラ ウ ン ドー攻 守 両 面 型 」 を考 えて い る傾 向が 最 も強 く表 れ た 。 4.「 理 想 」 に対 す る 実 行 成 就 につ い て の 意 識 と

して は、 現 在 の 実 行 成 就 度 が40%以 下 と考 え て い る プ レ ー ヤ ー が 約3分 の1(37%)い る が 、 将 来 は全 て の プ レー ヤ ーが そ れ以 上 に 出 来 る と 考 え て い る。 す な わ ち、 学 生 男 子 の プ レー ヤ ー は 、 全 員 が 、 将 来 、 「理 想 の プ レー ス タ イ ル 」 に 対 して 約50%以 上 の 度合 い で 実 行 で きる と考 え 、 高 い レベ ルへ の 上 昇 を確 信 す る 意 識 が あ っ た 。

こ の よ う に、 学 生 男 子 の テ ニ ス プ レ ー ヤ ー に お い て は 、 毎 日 トレー ニ ング を行 っ て技 術 レベ ル の 高 さ を保 ち、 技 術 ・体 力 を 中心 に精 神 面 に対 す る 意 識 の 高 さ を保 ち なが ら、 一 方 で は 、頭 脳 面 に 対 す る 意 識 は い くらか 低 く狭 い傾 向が 垣 間 見 え る 中 で 、 他 方 で は 、 全 て の 面 の 要 素 を含 ん だ テ ニ ス の オ ー ル ラ ウ ン ド性 に直 面 して い る様 子 が み られ た 。

す な わ ち 、 オ ー ル ラ ウ ン ドな要 素 が 必 要 な 中 で 、 低 調 を 示 す 知 的 側 面 にお け る理 解 と トレー ニ ング

を 、 さ らに 深 く広 く促 進 す る こ とが 、 特 に一 流 選 手 の 聞 に必 要 と読 み と る こ とが 出来 る 。 筆 者 は 、 長 年 に わ た っ て 、 テ ニ ス の 知 的 側 面 の重 要 性 を主

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張 して きた が 、 い み じ くも この 傾 向 を通 して適 切 さが現 され 、 若 い 学 生 プ レー ヤ ー の課 題 と して示 唆 を得 た 。

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近 畿 大 学 健 康 スポ ー ツ教 育 セ ン タ ー紀 要3巻1号(2004・3)

参考文献

(1)中 山 厚 生1992「 テ ニ ス の プ レ ー ス タ イ ル に 関 す る 意 識 の 研 究 一 関 西 学 生 女 子 トー ナ メ

ン ト ・プ レ ー ヤ ー の 意 識 の 現 状 に つ い て 一 」 天 理 大 学 学 報 第170輯

(2)中 山 厚 生 、 河 瀬 雅 央1981「 テ ニ ス の レ シ ー ブ に お け る 反 応 動 作 に つ い て 」

天 理 大 学 学 報 第131輯

1983「 対 ス マ ッ シ ュ 」 天 理 大 学 学 報 第139輯 1984「 対 ボ レ ー 」 天 理 大 学 学 報 第142輯 1985「 対 フ ォ ア ハ ン ド ・グ ラ ン ドス ト ロ ー ク 」

天 理 大 学 学 報 第146輯

1986「 対 バ ッ ク ハ ン ド ・グ ラ ン ドス トロ ー ク 」 天 理 大 学 学 報 第150輯

1984"MovementandReactionTimein Tennis"19$401ympicScientificCongress,

UniversityofOregon,USA (1984オ リ ン ピ ッ ク 科 学 会 議)

(3)中 山 厚 生1982「 テ ニ ス の 内 語 に 関 す る 研 一特 に 『マ ッ チ ポ イ ン ト』 に お け る 意 識 に つ い て 一 」

天 理 大 学 学 報 第135輯

(4)中 山 厚 生1994「 テ ニ ス の シ ン グ ル ス に お け る 不 調 意 識 に つ い て 一 女 子 の 『緊 迫 し た ゲ ー ム 状 況 』 に お け る 不 調 意 識 と 克 服 意 識 に つ い て 一」

天 理 大 学 学 報 第176輯

(5)中 山 厚 生1990「 テ ニ ス の ア プ ロ ー チ ・ シ ョ ッ トに 関 す る 研 究 一 日 本 お よ び 米 国 に お け る テ ニ ス 誌 か ら 一 」 天 理 大 学 学 報 第164輯 (6)中 山 厚 生 「テ ニ ス の ア プ ロ ー チ ・シ ョ ッ ト

に 関 す る 研 究 」 前 掲 書

(7)中 山 厚 生1981『 知 的 ス ポ ー ツ マ ン の た め の テ ニ ス 論 』 道 和 書 院

(8)中 山 厚 生1985『 テ ニ ス ・ ト レ ー ニ ン グ 』 道 和 書 院

(9)中 山 厚 生1991「 テ ニ ス に お け る 思 考 力 と 精 神 力 」'90年 度JapanProfessionalTennis

AssociationCONVENTIONセ ミ ナ ー 日 本 プ ロ テ ニ ス 協 会

(1① 中 山厚 生1993「 テ ニ ス の 頭 脳 面 」 日本 テ ニ ス学 会 第5回 テ ニ ス研 究 会

1994シ ン ポ ジ ウ ム 日本 テ ニ ス 学 会

[報告]テ ニ ス の科 学 第2

参照

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