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学位論文内容の要旨

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Academic year: 2021

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     博 士 ( 獣 医 学 ) 片 山 茂 二 学 位 論 文 題 名

オーエスキー病ウイルス糖蛋白gC を主成分とする サブユニットワクチンの開発

学位論文内容の要旨

  オーエスキ ー病ウイル ス(ADV)の糖蛋白gCを主成分とするサブュニットワ クチンを開 発した。株 化細胞にADVを感染させ、赤血球凝集反応(HA)とイム ノブ口ッテイング法によって糖蛋白gC多量に産生する細胞を選択した。ブ夕由 来の株化細胞(PK−15,CSK,EPK)の可溶化抗原が1,280〜2,560 HA価を示し、

他種の動物 由来の株化 細胞の可溶化抗原(80‑640HA価)より高く、gCを多く 産生すると考えられた。マウス抗gCモノク口ーナル抗体を用いたイムノブ口ッ テイング法によってブ夕由来株化細胞がより大量のgC蛋白を産生することが確 められた。以上の成績から、gC抗原を収穫するためにPK―15細胞を用いること とした。

  gCがへパリンに結合すること(Mettenleiterら,1990)を利用して、ヘバリン・

アフイニティーカラムク口マトグラフイーによるgCの精製を検討した。得られ た成 績 から 、 可溶 化には1%トリトンX―100・0.4MNaCl含有りん 酸緩衝液 (pH7.4)を、溶出液には2M NaCl含有りん酸緩衝液(pH 7.4)を用いることとした。

  試製ワクチ ンはPBSで 透析したgCリ ッチ抗原をISA70オイルアジュバント

(セピック社、フランス)と3:7の割合で混合・乳化してwater in oil型乳剤と した。マウスとモルモットに試製ワクチンを接種し、中和抗体の産生と致死量 の」ttDV攻撃に対する防御効果を調べた。マウスには15,OOOHA単位を、モルモ ットには75,OOOHA単位を筋肉内に注射し、10あるいはlOOLDsoの強毒ウイルス を腹腔内あるいは皮下に攻撃した。マウスは攻撃時の中和抗体価が2 ‑16倍で あり、攻撃後に全頭が生残した。モルモットは攻撃時の中和抗体価が8〜 64倍

(2)

であり、攻撃後にマウスと同様、全頭が生残した。

  マ ウ スに 試 製 ワク チ ンを 接 種 し、 細 胞障 害 性Tリ ンパ 球(CTL)の 誘導 に つい て調 べ た 。Balb/cマウ ス に15,OOOHA単 位を2週間 隔4回筋肉 内に注射 した後、

脾細 胞 を 採取 し 、ADVを 感 染さ せ た 健康 マ ウス の抗原提 示細胞と 混合培養 して エフ ウ ク ター 細 胞と し た 。標 的 細 胞はgC遺 伝 子 を連 結 した 発 現 プラ ス ミ ドで Balb/3T3 clone A31細胞をト ランスフ ウクトし て得たA31/gC細 胞を用いた。CTL 応答の検出は51Cr release assayによった。その結果、本試製ワクチンはマウスに CTLを誘導することが判った。

  6週齢ブタを用しrて128,000、12,800あるいは1,280HA単位/ドーズに調製した 試 製 ワ ク チ ン のADV感 染 防 御 効 果 を 調 べ た 。 各 群2頭 の ブ タ に2週 間隔2回 、 筋肉 内 に 試製 ワ クチンを注 射した。 対照の2頭 は非感染 細胞可溶 化抗原とISA70 の混 合 乳 剤1 mlを 同 様に 注 射 した 。 最終 注 射の1週間後に 全頭を10゜TCID。の 強毒 ウ イ ルス で 鼻腔内攻撃 した。攻 撃時、高 用量群(128,oooHA)は32倍 の中 和抗 体 価 を示 し 、攻撃後13日 間ウイル スの排泄 はなく、 耐過・生 残した。 他の 用 量 の 試 製 ワ ク チ ン に よ る 中 和 抗体 価 は8倍を 示 し 、3ある い は4日間 ウ イ ル スを排泄 したが、 耐過・生 残した。 一方、対 照ブタは6日 間ウイルスを排泄し、

耐過 し た 。従 っ て攻撃後の ウイルス 排泄期間 はワクチ ンのHA単位 量に依存 し、

攻撃時の中和抗体価と関連していた。

  試 製 ワク チ ン の妊 娠 ブタ に お ける 繁 殖障 害 防止効果 を検討し た。3頭の 繁殖 用 雌 ブ タ に300,000HA単 位 を 含 むワ ク チン1川 を 交 配1週間 前 まで に3週 間 隔 2回 筋肉 内 に 注射 し た。 ワ ク チン を 注射 し た ブタとワ クチンを 注射しな いブタ を交 配 後28日 (A群) 、54目 (B群 ) およ び85日(C群 )に10゜TCIDヨ 。の強毒 ウイ ル ス で鼻 腔 内攻 撃 し た。 攻 撃 後2週 間 、 ワクチン を注射し たブタは 発熱期 間(39℃以 上)が短 くなる傾 向にあった。高レベルの中和抗体を持ったブタは、

攻撃 後 の 排泄 ウ イルス量が 減少し、 その期間 が短縮さ れた。ワ クチンを 注射し た ブ タ の 攻 撃 時 の 中 和 抗 体 価 はA群 で5.6倍 、B群 で45倍 、C群で13倍で あ っ た。 ま た 、排 泄 ウイ ル ス 量の 最 高 値は 各 群の 対 照 ブタ よ りA群が1/17.8、B 群 が1/1,Oooお よ びC群 が1/178で 、 排泄 期 間は 対 照 ブタ が7〜12日 間 であ った の に 対し 、 ワク チ ン 接種 群 は1へ5日間 で あ った 。 妊娠 期 間 中、 ワ ク チン

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を注射したブタでは死流産が認められなかったが、対照ブタのうち妊娠後期に 攻撃したブタで死流産が認められた。これらの結果から、試製ワクチンはADV による繁殖障害の抑制に有効であると結論された。

  

本研究で得られた結果からgC を主成分とするサブュニットワクチンは幼齢

ブタのウイルス排泄と損耗を抑制するだけでなく、妊娠ブタの繁殖障害を抑制

することが明らかとなった。

(4)

学位論文審査の要旨 主査

副査 副査 副査

教 授   喜 教 授   小 教 授   高 助 教 授  岡

田    宏 沼    操 島 郁 夫 崎 克 則

学 位 論 文 題 名

オーエスキ、ー病ウイルス糖蛋白 gC を主成分とする サブユニットワクチンの開発

  オ ー エ ス キ ー 病(AD)の 糖 蛋 白gCを 主 成 分 と す る サ ブ ュ ニ ッ ト ワ ク チ ン を 開 発 し た 。   異 な る 動 物 種 に 由 来 す る 株 化 細 胞 にADウ イ ル ス(ADV)を 感 染 さ せ 、 赤 血 球 凝 集(HA) 反 応 と イ ム ノ ブ ロ ッ テ ィ ン グ 法 に よ っ て 、gCの 産 生 量 を 検 討 し た 結 果 、 ブ 夕 腎 由 来 株 化 PK―15細 胞 が 最 も 多 く のgCを 産 生 す る こ と が 判 明 し た 。

  ADV感 染PK―15細 胞 を 可 溶 化 し 、 こ れ を ヘ パ リ ン ア フ イ ニ テ ィ ー ク 口 マ ト グ ラ フ イ ー で 分 画 し てgCリ ッ チ 画 分 を 得 た 。 こ れ を オ イ ル ア ジ ュ パ ン トISA70( セ ピ ッ ク 社 、 フ ラ ン ス ) と 混 合 ・ 乳 化 し て 、water−in−oil工 マ ル ジ ョ ン を 調 製 し 、こ れを ワク チン とし た。

  150,OOOHA単 位/mlの ワ ク チ ン を 試 製 し 、 マ ウ ス にO.lml、 モ ル モ ッ 卜 に0.5mlを 筋 肉 内 に 注 射 し 、4ま た は3週 間 後 に 強 毒 ウ イ ル ス で 攻 撃 し た 。 ワ ク チ ン を 接 種 し た マ ウ ス と モ ル モ ッ ト は 何 れ も 中 和 抗 体 を 産 生 し100% 耐 過 ・ 生 残 し た 。 ま た ワ ク チ ン を 注 射 し た Balb/cマ ウ ス の 脾 臓 に 細 胞 障 害 性T細 胞 が 誘 導 さ れ る こ と を ℃rreleaseassayで確 認し た。

  6週 齢 の ブ タ に128,000、12,800或 い は1,280HA単 位 ノ ド ー ス の ワ ク チ ン を2週 間 隔 で 2回 注 射 し 、 最 終 注 射 の1週 後 に 強 毒 ウ イ ル ス で 鼻 腔 内 攻 撃 し た 。 こ の 結 果 、 ワ ク チ ン の 用 量 依 存 性 に 中 和 抗 体 が 産 生 さ れ 、 鼻 汁 中 へ の ウ イ ル ス 排 泄 が 抑 制 さ れ た 。   3群 の 繁 殖 用 雌 ブ タ に300,000HA単 位 ノ ド ー ス の ワ ク チ ン を 交 配1週 前 ま で に3週 間 隔 2回 注 射 し 、 各 群 交 配 後28日 、54日 、85日 目 に 強 毒 ウ イ ル ス で 鼻 腔 内 攻 撃 し た 。 攻 撃 時 の 中 和 抗 体 価 は5.6〜45倍 で 、 鼻 汁 中 へ の ウ イ ル ス 排 泄 量 は 対 照 群 よ り 少 な か っ た 。 対 照

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の ブ 夕

1

頭 に 死 流 産 を 認 め た が 、 ワ ク チ ン 注 射 群 で は 死 流 産 は な か っ た 。

  

以上の成績から、gC を主成分とするAD サブュニットワクチンはADV 感染幼齢ブタの

ウイルス排泄と損耗を抑制するだけでなく、妊娠ブタの繁殖障害を予防することが明らか

になった。本研究によって開発されたサブュニットワクチンは、AD の予防に優れた効果

を発揮するものと期待される。よって、審査員一同は片山茂二氏が博士(獣医学)の学位

を受ける資格を有するものと認めた。

参照

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