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学 位 論 文 内 容 の 要 旨

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博 士 ( 薬 学 ) 高 橋 昌 哉

学 ′ 位 論 文 題 名

磁気共鳴画像法(1VIRI) を用いたラット脳の      器 質 的 , 機 能 的 変 化 の 解 析

学 位 論 文 内 容 の 要 旨

  1980年 代後 半よ り急 速に 発展 を遂 げた は、 水お よび 脂 肪の 空間 分布 を画 像化する 断層 撮像 法で ある が臨 床画像診断学にお いて、非侵襲性、高いコントラスト等、従来 の画像診断装置に比較し優れた特徴を有している。

  本研究では、様々な磁気共鳴画像法(Magnetic Resonance Imaging; MRI)の撮像法およ びMRI造 影 剤 を 用 い 、 中 枢 神 経 系 の 障 害 モ デ ル 動 物の 脳MRI画 像を 撮像 し、 撮 像断 面 の 詳 細 な 病 理 検 索 結 果 と の 比 較 か ら 、 第I編 で はMRIの 原 理 とMR造 影 剤 の 診 断 的有 用性 を検 討し た。 これ らの 系を 応用 し第II編 では 脳 卒中 下で の脳 の器 質的、機 能的 変化 の解 析を 行い 、そ こか ら得 られ た様 々な 所見を用い第III編では脳卒中発症 に伴 う各 種障 害に 対す る薬 物の 効カ を検 討し た。 最後 に 第IV編と して 中枢 神経系に おけ る髄 鞘形 成過 程の 解析 を試 み、 基礎 研究 にお ける中枢神経系で のMRI検索の診断 的有用性、可能性を検討した。

I.MRIの原理とMR造影剤の診断的有用性

!MRIの原理

  組 織内 のプ ロト ンは 、そ の環 境、 構成 成分 の違 いか ら それ ぞれ 独犧 のT1値、T2値 と呼 ばれ る物 理化 学的 性質 をも って いる 。MRIでは 、撮影パラメータを変えることに より 、通 常Tl瞳、T2臆 の組 織問 の相 対的 な違 いを 強調 し 、コ ント ラス トと して画像 を構 成す る。MRIにお ける 造影剤は、生体組織中の水の緩和時間(Tl,T2値)を変化さ せ組 織問 のコ ント ラス トを増強すること 、および血流や各器官の機能を知ることを目 的として使用され高い評価を得ている。

2.MR造影剤の中枢毒性比較

  本 研 究 で は 、 あ ら か じ め 脳 片 半 球 のBBBを 損 傷 させ たラ ット を用 い4種の 細 胞外 MR造 影 剤 の 巾 枢 毒 性 を 比 較 し た 。 こ の 結 果 、 現 在 の 臨 床 用 量 の30倍 で あ る3mmol Gd/kg用 量 で は 、Gd‑DTPAを 除 い たGdーDTPA‑BMA、 く}d‑D03A‑HPお よ びGd‑D03A‑

butrolの3製 剤群 で全 身の 痙攣が認められ、投与1時間以内に死亡する動物が認められ た。l mmol Gd/kg用量 ではGd‑D03A‑HP群 のみ 上記 症状 を 示す 動物 が確 認さ れたが、

3 mmol Gd/kg Gd‑DTPAとGd‑D03A‑HP投 与 後 の 脳 内Gd濃度 に差 異が ない こと か ら、

これ ら中 枢毒 性の 製剤 問の 相異 はGd錯体 の脳 実質 内移 行 量の 差で はな く、 製剤自身 の化学毒性の差によるものと推察された。

u.脳卒中易発症高lflL圧自然発症ラットを川いた脳卒中の解析

    SHRSPの 起 こ す 脳 卒巾 は、 病理 学的 検索 から もヒ トの それ と酷 似し てい る こと が叨らかにされている。ここでは、SHRSPの脳卒巾発症前後の神経学的観察にカ11え 、 第L部 で 述 べ たMRI于 法 を 統 合 的 に 使 ′Hす る こ と に よ り 、SHRSPの 脳 卒 中 に 伴 う 急rヒ!叨、,lf141‑.期の脳1勺変f匕を非侵襲的に観察し病即学的検索結果と比較検討した。

(2)

  I.脳卒,t|急rI三l9]の脳内変f匕

    脳 卒巾発癌 を示す和I|経症状発症1〜2冂同のMRI検索では、T2‑WI上、皮質、覘床等 の 域 に 異常 高信号 領域が 認められ 、これらI萵 信号領域 は病理 検索L、浮臓、 グリオ ー   シス、歡f匕、膿胞等の浮肺的変化を示すネI|,織領域と・致していた。Tl‑WII:では異常 f鳥 信 号は 認 め られ な か った が 、 造影 削Gd‑DTPAを川 いた造 影T| 強調画像(Gd‑TI‑WI) で は 、T2‑WI.ト高 信号を 示す脳領 域の内8剤の 領域で斑 状の高 信号部位 が造影 検出さ れた。これら造影部r丶は病理検索の結果、mL管壊死やIfIL栓に一致し、BBBの障害と,与 え られた。 さらに 、f可 れの襾像 上にお いても異 常低信 号として 認められた領域は凝血 塊に…亠致しdcoxV hcmoglobinの行作が示唆されたー

以。Iニ、.各種MRJ検索によりSHRSPの脳卒rll発症にf |!う様々な種類の脳血管障害の 検 小 お よび 識 別 診断 が 非 侵襲 的 に 可能 で あ るこ と が 明 らか と な り、本系 が脳血 管障 害 の 発 症 過 程 の 解 明 あ る い は 薬 効 評 価 の た め に 有 川 で あ る こ と が 示 さ れ た 。 2.脳卒巾慢性期の脳内変化と脳機能障害

  近 年、装霞 の改良 により拡 散現象 を強調した画像(拡散強調画像)の撮影が可能とな っ た た め 、In vItroの み なら ずin vivoに お ける 組 織 の 局所 の 見 かけ 上 の 拡散 係 数 (apparent diffusion coefficient; ADC)の測定が、種々の病態の動的、質的解析に応用でき る よ う にな っ た 。拡 散 強 調画 像 を 脳卒 中慢 性期のSHRSPの脳 内変化観 察に応用 し浮腫 組 織 の 識 別 を 試 み た 。 こ の 結 果 、 脳 卒 中 発症I週 から30月経 過 し た 慢性 期 のSHRSP の 脳 内 ではT2‑Wl上 均一に 高f言 号として 描出さ れる領域 が、拡 散強調の 程度を 変える こ とにより 不均一 に低r言号とな ること が確認さ れた。 また、病 理検索結果から同領域 内 に は 進行 程 度 の違 う 浮 腫領 域 が 混在 する ことが確 認された 。ADCの測定で は、病 理 検 索 に より 同 定 され た 正 常部 位 、 浮腫 、グ リオーシ ス、膿胞 のADCは同順で 有意に 増 加 す る こと が 分 かっ た 。 以上 の 結 果、 拡散 強調画像 によるADCの測 定は、脳 卒中発 症 慢 性 期 に 見 ら れ る 浮 腫 領 域 の 質 的 診 断 に 有 用 で あ る こ と が 示 唆 さ れ た 。   脳 卒 中 発 症 に伴 う 神 経症 状 か ら回 復 し たSHRSPを 卒 中群 、 同 週 令の 脳 卒 中非 発 症 SHRSPを 非 卒中 群 と し学 習 獲 得試 験 を 行った 結果、卒 中群で は非卒中 群に比較 し顕著 な 学 習 獲得 能カの 低下が 確認され 、これら 脳障害 と学習獲 得能力 低下の程 度に相 関が 認 められた 。ニの 脳卒叶 後の学習 獲得能 カの低下は、慢性期に臨床で認められる脳血 管 性 痴 呆に 桐 当 する も の と推 察 さ れ、 本系 が脳m管性痴呆 の原因 解明およ び同症 例に 対ずる薬物の効力評tmに適したものと考えられた。

iII.脳卒中に対するアンジオテンシンII変換酵素阻害薬の効力評価

  上 記MR!検 索 を 応 用 し 、SHRSPの 脳 卒 中発 症 後 から 新 規 ア ンジ オ テ ンシ ン 変 換酵 素(angiote s|n converting enzyme: ACE)阻害薬イミダプリルを投与することにより、脳卒 中 に伴.. )脳mL管障害、脳機能障害、神経症状および心、腎障害に対するACE阻害薬の 治療効果について験討した。

  神 経 症 状 を 示 し た 悪 性SHRSP(malignant SHRSP: M‑SHRSP)にMRI検索 を 行 い脳 血 管 障害の確 認され た動物を 非投与群 、イミ ダプリル 投与群 の2群 に分け検索した結果、

投 与 群 では 全 例 、投 与1週間 以 内 に脳 浮 腫 、BBB損 傷の 消 失 とと もに 神経症状 が回復 し そ の 後試 験 終rま で 脳 卒巾 の 再 発は 起こ らなか った。こ のとき 、神経症 状は抑 制さ れ 延命効果 が確認 されたヵ以.亅二の結果より、ACE阻害薬イミダプリルの抗脳浮腫.BBB 修復等の脳If|L管障害への冶療効果がIリ1らかにされ、これらの効果は脳lfIL管への直接効 果 と ア ル ド ス テ ロ ン 分 泌 抑 制 を 介 し た 間 接 効 果 に よ る も の と 推 察 さ れ た 。

|V.成長に「Fうrli.fV+f[I縦系の髄rFii)rDlC過程の解析

  拡散係数の測定は゛拡散強調傾斜磁場(motion probc gradicnt; MPG)を‑兩||方fnllこ付カn し た際、同 方向の 分ナの拡 散速度に 依存しMR信号が減 衰する ことを利 ′nし行われる。

このJF|!を襾f象に応川しネコ()脳r|質あるいは脊髄において、やIl経線維の走f〒を揃111 することができるニとが讎tIチされ、この拡;敝撰J1ーI!の原閃は、やIl経線維にj阿們)jlnlで は水分广r/)勵きが髄弔ぬにより制|弧されるためと号えられているが朱だイ<ゆJ確である。

‑ 313 ‑

(3)

  本研究では、髄輔)rl/iJJ覧過陀の甦なる雄tl: Wistarラットをパ1い、覘神経と三叉,Il経の 神 経 線維 に 平 行方 向 、直 角方向のADCを 測定し拡 散異方性 との関 係を検討 した。 この 結果、斑神経において夲r|経線ネ雎に直角方ImのADCはほとんど変化しないのに対し、平 行方向は週令にrドい増丿Jnし拡散興方性の増強が確認された。親神経横断面の電子顕微 鏡に よる検 索では神 経線維 の髄粥f匕の進 展が増 すこと、縦断而の検索では週令に伴い 神経 線維の 走行性に 直進性 が増すこ とが確認 された 。三叉奉p経 ガADCは 、直角方向で は現 神経同 様週令に よる変 化は認め られず、 平行方 向では、 上昇傾 向は示し たが有意 差は 認めら れなかっ た。電 顕像では 、2週 令です でに大部分の神経線維が髄梺肖化され てお り、週 令による 顕著な 差は確認 されなか った。 以上の結 果から 拡散異方 性の原因 は、 これま で考えら れてい た髄鞘に よる水分 子の動 きの制限 ではな いことが 明らかと なり 、成長 に伴う拡 散異方 性の増強 は神経線 維の空 間的走行 に直進 性が増す ためであ ると考えられた。

  以上 各 種MRIの 手 法、MR造影 剤 の 使用 に よ ルラ ッ ト 脳内 を 非 侵襲 的 に 解 析した結 果 、1)MR造影 剤 の 使用 は、存在 、機能 診断に有 用な情報 を与え るが、そ の製剤 問に は製 剤自身 の化学毒 性によ る中枢毒 性に相異 が見ら れ、造影 剤の選 択には十 分注意す る必 要があ る、2) SHRSPは脳 卒巾発症 急性期 より様々な脳血管障害を起こし、慢性期 にか け障害 は憎悪し 、ある いは脳卒 巾を再発 し致死 すること が明ら かとなっ た。同時 にこれら障害により脳の機能的障害も起こる、3) ACE阻害薬イミダプリルの抗脳浮腫、

BBB修 復 等 の脳 血 管 障害 への治療 効果が 明らかに され、こ れらの 効果は脳 血管へ の直 接効 果とア ルドステ ロン分 泌抑制を 介した間 接効果 によるも のと推 察され、 これらに より 学習獲 得障害等 の脳機 能にも改 善効果が ある、4)拡散強調画像により、神経線維 の髄 鞘化を 定量的に 解析す ることが でき、拡 散異方 性の原因 は、こ れまで考 えられて いた 髄鞘に よる水分 子の動 きの制限 ではなく 、神経 走行の空 間的走 行性に直 進性が増 す た めで あ る 等、MRIに よる検索 が正常 あるいは 病態下で の脳の 組織学的 な変化 およ びそ れらの 障害に対 する薬 物の効果 を評価し 得る重 要な情報 を与え ることが 明らかと なった。

(4)

学位論文審査の要旨 主査

副査 副査 副査

教 授    栗 教 授    野 助教授   三 助教授   徳

原堅三 村靖幸 宅教尚 光幸子

     学位論文 題名

磁気 共鳴画像 法( 1VIRI) を用 いたフ ット脳の      器質的, 機能的 変化の解 析

   申請者は、長年磁気共鳴画像処理法を研究してきたが、このほ ど中枢神経系での磁気共鳴画像法(magnetic resonancelmaging:

MRI) の診断的有用性、可能性を検討した結果をまとめ、学位論文 として提出した.

   臨床使用上効力、副作用とも明らかな差が認められていない細 胞外 MR 造影剤の中枢神経毒性を比較し実験では、現在の臨床用 量の10 ―30 倍である用量では中枢神経毒性に製剤間の明らかな差 が認められ、これら中枢神経毒性の製剤問の相異はガドリニウム (Gd) 錯体の脳実質内移行量の差ではなく、製剤自身の化学毒性の 差によるものと推察している.

   中枢神経毒性の最も低かった MR 造影剤を使用したMRI 検索から 脳卒中易発症ラット(stroke ―prone spontaneously hypertenslve rat: SHRSP) の起こす脳卒中は、急性期 T2 強調画像 (w.eight ed imaging: WI) 上、皮質、視床等の域に異常高信号領域が認められ、

これら高信号領域は病理検索上、浮腫、グリオーシス、軟化、膿

胞等の浮腫的変化を示す組織領域と一致していた .Tl − WI 上では

異常高信号は認められなかったが、造影剤Gd ― DTPA を用いた造影

Tl 強調画像(Gd ―Tl ―WI) では、T2 ―WI 上高信号を示す脳領域の内8

割の領域で斑状の高信号部位が造影検出された.これら造影部位

は 病 理検 索の結 果、血 管壊死 や血栓 に一 致し、 脳―血 液関門

(blood ―brain barrier :BBB) の障害と考えられた.さらに、何れ

の画像上においても異常低信号として認められた領域は凝血塊

(5)

に一致 しデ オキシ ヘモ グロビ ンの 存在を 示唆 した.以上の結果、

各種 MRI 検 索に よ り SHRSP の 脳 卒 中 発 症 に伴 う 様 々 な種 類の 脳血 管障 害 の 検 出 お よ び 識別 診 断 が 非 侵 襲 的に 可 能 で ある こと が明 らかと なり 、本系 が脳 血管障 害の 発症過 程の 解明あるいは薬効評 価のために有用であることを示した.

SHRSP の 脳 卒 中 慢 性 期 の 脳 内 変 化 と 脳 機 能 障 害 の 検 索 に 拡 散 (diffusion : Diff) WI を加え 検索 した結 果、 脳卒中発症1 週から 3 ケ月 経 過 し た 慢 性期 の SHRSP の脳 内で は T2 ― WI 上 均一に 高信 号と して描 出さ れる領 域が 、拡散 強調 の程度 を変 えることにより不均 一に低 信号 となる こと が確認 され た.ま た、 病理検索結果から同 領域 内 に は 進 行 程 度 の違 う 浮 腫 領 域 が 混在 す る こ とが 確認 され た.見カゝけ亅ニの拡散係数(apparent diffusion coefficient: ADC) の測定 では 、病理 検索 により 同定 された 正常 部位、浮腫、グリオ ーシ ス 、 嚢 胞 の ADC は 同順 で有意 に増 加する こと が分か った .以 上の 結 果 、 Diff − WI による ADC の 測定 は、脳 卒中 発症慢 性期 に見 られる浮腫領域の質的診断に有用であることが示唆された.また、

脳卒 中 発 症 に 伴 う神 経症状 から 回復し た SHRSP を 卒中群 、同 週令 の脳卒 中非 発症 SHRSP を非卒中群とし学習獲得試験を行った結果、

卒中 群 で は 非 卒 中 群 に比 較 し 顕 著 な 学 習獲 得 能 カ の低 下が 確認 され、 これ ら脳障 害と 学習獲 得能 力低下 の程 度に相関が認められ た.こ の脳 卒中後 の学 習獲得 能カ の低下 は、 慢性期に臨床で認め られる 脳血 管性痴 呆に 相当す るも のと推 察さ れ、本系が脳血管性 痴呆 の 原 因 解 明 お よ び同 症 例 に 対 す る 薬物 の 効 力 評価 に適 した ものと考えた.

   上 記 MRI 検索 を 応 用 し 、 SHRSP の 脳 卒 中発 症 後 か ら新 規ア ンジ オテンシン変換酉筆素 (angiotensin converting enzyme: ACE) 阻害 薬イミダプリルを投与することにより、脳卒中に伴う脳血管障害、

脳機 能 障 害 、 神 経症 状等に 対す る ACE 阻害薬 の治 療効果 にっ いて 検討 し た 結 果 、 投 与 群で は 全 例 、 投 与 1 週 間 以 内 に脳 浮腫、 BBB 損傷 の 消 失 と と も に 神経 症 状 が 回 復 し その 後 試 験 終了 まで 脳卒 中の再 発は 起こら なか った. この とき、 神経 症状は抑制され延命 効果が 確認 された.以上の結果より、 ACE 阻害薬イミダプリルの抗 脳浮 腫 、 BBB 修 復 等の 脳血 管障害 への 治療効 果が 明らか にさ れ、

これ ら の 効 果 は 脳 血 管へ の 直 接 効 果 と アル ド ス テ ロン 分泌 抑制

(6)

を介した間接効果によるものと推察された.

  Diff ― WI の応用により成長に伴う中枢神経系の髄鞘形成過程の 解析を髄鞘形成過程の異なる雄性 Wistar ラットを用い、視神経 と三叉神経の神経線維に平行方向、直角方向の ADC を測定し拡散 異方性との関係を検討した結果、視神経において神経線維に直角 方向の ADC はほとんど変化しないのに対し、平行方向は週令に伴 い増加し拡散異方性の増強が確認された.視神経横断面の電子顕 微鏡による検索では神経線維の髄鞘化の進展が増すこと、縦断面 の検索では週令に伴い神経線維の走行性に直進性が増すことが 確認された.三叉神経の ADC は、直角方向では視神経同様週令に よる変化は認められず、平行方向では、上昇傾向は示したが有意 差は認められなかった.電顕像では、2 週令ですでに大部分の神経 線維が髄鞘化されて船り、週令による顕著な差は確認されなかっ た.以上の結果から拡散異方性の原因は、これまで考えられてい た髄鞘による水分子の動きの制限ではないことが明らかとなり:

成長に伴う拡散異方性の増強は神経線維の空間的走行に直進性 が増すためであると推論した.

   以上各種MRI の手法、 MR 造影剤の使用によルラット脳内を非侵 襲的に解析した結果、MRI による検索が正常あるいは病態下での 脳の組織学的な変化およびそれらの障害に対する薬物の効果を 評価し得る重要な情報を与えることを明らかにした.このように,

本論文にはMRI の脳に対する適用に関し数多くの新しい知見を含

んでおり、博士(薬学)の学位を与えるにふさわしものと、判定

した,

参照

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