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冠状動脈造影所見の経年的変化と臨床像 : 冠状動脈造影再施工例における検討

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Academic year: 2021

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(1)

112 氏名(生年月日) :本 籍

学位の種類

学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件

学位論文題目

論文審査委員

(20)

タカバヤシワカコ

高林和佳子(昭和2

医学博士 乙第729号

昭和60年7月12日

学位規則第5条第2項該当(博士の学位論文提出者)

冠状動脈造影所見の経年的変化と臨床像 一冠状動脈造影再施行例における検討一 (主査)教授 広沢弘七郎 (副査)教授 重田 駅子,教授 香川 順

論 文 内 容 の 要 旨

研究目的 虚血性心疾患における冠状動脈病変の進行の有無 は,治療方針の決定や予後を推定する上で,きわめて 重要な問題と思われる.現在,進行の有無を確認する ためには冠状動脈造影検査(CAG)をくり返して行な う必要がある.しかし観血的検査法という制約から CAGをくり返すことによって病変の進行の有無をと らえた報告はまれである.今回,1年以上の間隔をお いて,CAGを再施行し得た症例について造影所見の変 化を検討するとともに,病変の進行の有無と種々の臨 床項目との対比検討を行なった, 対象および方法 東京女子医大心研において,昭和45年4月より同58 年3月までの13年間に,1年以上の間隔をおいてCAG を再施行し得た計84例を対象とした.平均年齢は51歳, 平均観察期問は52.5ヵ月であった.初回入院時診断は 狭心症22例,心筋梗塞62例であった.造影所見の記載

および判定はAHA Co㎜ittee Peport縦って幽

した.造影所見の変化と観察期間,病変部位,初回狭 窄度,経過中の症状の変化,初回検査時の臨床診断な らびに冠危険因子とを対比した. 結果 1.造影所見の変化と観察期間.病変進行群が不変・ 改善群に比して長い傾向がみられたが,統計学的有意 差は認められなかった. 2.部位別にみた有意狭窄病変数.初回・再検時とも に左前下行枝(LAD)近位部に多く(初回48%,再検 時56%)みられたが,再検時には右冠状動脈(RCA) 近位部や,左回旋枝にも多くみられた. 3.部位別にみた造影所見の変化.RCA近位部, LAD近位部ならびに対角枝に病変の明らかな進行が 多くみられた. 4.初回狭窄度と冠状動脈病変の進行.初回検査時 25%以上の狭窄性病変をもつ部位に病変の進行が多く みられ,壁不整もなく,正常と思われる部位での進行 は少なかった. 5.症状の変化と冠状動脈病変の進行.経過中症状の 増悪がみられた53例では,44例(83%)と大部分に明 らかな進行がみられた.一方,症状が変らなかった31 例では,進行がみられたのは5例(16%)にすぎなかっ た. 6.初回検査時診断と冠状動脈病変の進行.狭心症群 の22例中13例(59%)に比較して,心筋梗塞群では62 山中51例(82%)と,進行した症例は後者に多くみら れた.また,心筋梗塞群では,経過中に症状が変らな かったにもかかわらず,進行した症例が多かった. 7.冠危険因子と冠状動脈病変の進行.高コレステ ロール血症,高中性脂肪血症,糖代謝異常,高血圧の 既往,1日20本以上の喫煙,肥満および家族歴などの いわゆる冠危険因子の有無と,病変の進行との間には, 明らかな関係は認められなかった. 考察および結論

冠状動脈病変の明らかな進行は,RCA近位部や

LAD近位部に多くみられ,特に初回検査時25%以上の 一734一

(2)

113 狭窄性病変をもつ部位に多かった.経過中症状の増悪 がみられた症例では,冠状動脈病変の進行がみられた ものが多かった.初回検査時診断が心筋梗塞の群では, 狭心症群に比して進行した症例が多く,経過中無症状 にもかかわらず,進行がみられたものが多かった,以 上より,経過中症状の増悪がみられたものではもちろ ん,症状が不変であってもCAG検査の適応となる症 例が存在する可能性があり,注意深い経過観察が必要 であると思われる.冠危険因子と冠状動脈病変の進行 との間には明らかな関係は認められなかったが,この 点に関しては今後とも検討の必要があると考えられ る.

論 文 審 査 の 要 旨

心筋梗塞・狭心症の原因となる冠状動脈の病変を臨床的に最も詳しく知る方法は冠状動脈造影法で ある.しかしながら,この方法はいわゆる“invasive method”であり,かつ,かなりの熟練を要する ものであるために,簡単に繰り返すわけにはいかない. 本研究はこの冠状動脈造影を,84例という多数例について,時間を隔てて2回以上行ない,その所 見の変遷を,他の種々な臨床事項と対比検討したもので,臨床心臓病学的に価値高きものである. 主論文公表誌 冠状動脈造影所見の経年的変化と臨床像 一冠状動脈造影再訴行内における検討一 東京女子業科大学雑誌 第55巻 第3号 258~271頁(昭和60年3月25日発行) 副論文公表論 1)年長者ファロー四徴症の左心機能 呼と循31 (7)775~780(1983) 2)心血管造影所見よりみた心筋梗塞の自然歴 呼と循32(1)65~70(1984) 3)冠状動脈造影 一とくに自然歴における死因の検討一 循環制御 3(2)440~447(1982) 4)冠状動脈病変の進行と予後について Coronary 1 (2) 199~206 (1984) 5)PTCA一方法と評価法について 病態生理 3(7)572~580(1984)

6)PTCA(Percutaneous Transluminal Coronar-

yAngiodasty)一特にPTCA後下狭窄一

綜合臨床 34(1)113~120

参照

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210 (88) 氏名(生年月日) 本 籍 学位の種類 学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件 学位論文題目 論文審査委員 モリ ヒデ