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心血管造影所見よりみた心筋梗塞の予後 : 急性期冠状動脈内血栓溶解療法ならびに経皮的冠状動脈拡張術施行前の症例に関する検討

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Academic year: 2021

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186 氏名(生年月日)

本 籍

学位の種類

学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件

学位論文題目

論文審査委員

(76) スズ キ シン

鈴木 紳(昭和27

医学博士 臨書890号 昭和63年2月19日 学位規則第5条第2項該当(博士の学位論文提出者) 心血管造影所見よりみた心筋梗塞の予後

一急性期冠状動脈内血栓溶解療法ならびに経皮的冠状動脈拡張術施行前の

症例に関する検討一 (主査)教授 広沢弘七郎 (副査)教授 高尾 篤良,教授 重田 寄子

論 文 内 容 の 要 旨

目的 心筋梗塞急性期死亡の減少にともない,退院後の管 理が重要な課題となっている.今回,長期管理におけ る一つの方向づけがでぎればと考え,心血管造影所見 と予後との対比検討を行なった. 対象および方法 昭和49年1月から同56年12月までの8年間に,東京女 子医大心研CCUに入院し,左室および冠状動脈造影 検査を受けて退院した228例を対象とした.平均観察期 間は58.3ヵ月であった. 左室造影所見からは梗塞サイズと残余生存心筋の収 縮性を求め,冠状動脈造影所見からは,内径75%以上 の狭窄を有意として,主要冠状動脈の障害枝数で現わ した. 心臓死は,死因を突然心臓死(突然死),再梗塞およ び心不全に分類した. 結果 1.冠状動脈障害記数と予後 死亡例の頻度は多枝障害に多くなっていた。また, 不安定狭心症の発症も3枝障害に多かったが,非致死的. :再梗塞の発症と障害枝数との間には明かな関係は認め られなかった. 2.生死と冠状勤脈障害枝数 死亡例では1枝障害例が35%,2枝35%,3枝31%と, 多枝障害例が66%を占めていたのに対して,生存例で はそれぞれ61%,31%,8%となり,1枝障害例が半数 以上となっていた. 3.冠状動脈障害回数と死因 1枝障害例では,死亡時に再梗塞が確認された症例が 70%を占めていた.一方,2枝障害では,再梗塞40%, 心不全10%,突然死50%となり,3枝ではそれぞれ11%, 33%,56%となって,多枝障害例では死亡時に突然死 のかたちをとる症例の頻度が高くなっていた. 4.梗塞サイズと残余生存心筋の収縮性 死亡例は梗塞サイズが大きく,残余生存心筋の収縮 が悪い群に多くみられた.しかし,非致死的再梗塞や 不安定狭心症の発症などの死亡以外の問題に関して は,梗塞サイズや残余生存心筋の収縮性とは無関係で あった. 考案 急性心筋梗塞の予後の推定には,種々の非観血的方 法が用いられてきたが,冠状動脈造影検査が普及した 今日,この所見に基づいて予後を推定するのが一般的 と思われる.今回の結果では,冠状勤脈病変が重症で, 左心機能が不良な例は生命予後も悪いことがわかっ た.今後はこうした所見を基に,自然歴という立場か ら患者の位置づけをきちんと把握したうえでの経過観 察が必要と思われる. 結論 1.退院後に非致死的再梗塞や不安定狭心症を起こ した症例は,梗塞サイズや残余生存心筋の収縮性とは 無関係に分布していた. 一850一

(2)

187 2.生命予後に関しては,左心機能および冠状動脈病 変の重症度が大きく関与していた, 3.再梗塞による死亡例には,1枝障害例が多数みら れ,冠状動脈病変の進行も, 子の一つと思われた. 予後を規定する重要な因

論 文 審 査 の 要 旨

冠動脈造影は虚血性心疾患の原因となる冠動脈病変を最も詳しく知る検査法であるが,簡易性に欠 け,時には事故の合併もあり得るので頻回に繰り返すわけにはいかない.そのデータは他の臨床事項 と組み合わせて充分に咀噛されなけれぽならないものである.

本研究は,PTCR, PTCA等の冠動脈内病変に対して,直接,手を加える治療法以前の時代に,こ

のような冠動脈造影を行った228例の心筋梗塞例のその後の経過を,長期間にわたり臨床的に追跡し たもので,臨床医学的に価値ある論文である. 主論文公表誌 心血管造影所見よりみた心筋梗塞の予後 一急性期冠状動脈内血栓溶解療法ならびに経皮的 冠状動脈拡張術施行前の症例に関する検討一 東京女子医科大学雑誌 第57巻 第11号 1349~1358頁(昭和62年11月25日発行) 副論文公表誌 1) アソ目腐グラフィーによる心臓の計測 呼吸と循環 29(3)261~273(1981) 2) 心血管造影所見よりみた心筋梗塞の自然歴 呼吸と循環 32(1)65~70(1984) 3)Ioxaglate(ER-60)の使用経験一血管心臓造影一 薬理と治療 13 (5) 315~322 (1985)

4) Improved myocardial inchemia and left

ventricular function during exercise after successful percutaneous transluminal coro-

nary angioplasty(PTCT成功例における運 動負荷時の心筋虚血と左心機能の改善につい て) Jpn Circ J 49 (6) 635~642 (1985)

5)PTCAの長期予後

呼吸と循環 34(2)149~155(1986) 一851一

参照

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