第57回北陸循環器核医学研究会 2012年2月4日
急性心筋梗塞後の経過をみるうえで、予後に関与する 左室リモデリングを正確に評価することは重要である。
左室リモデリングを抑制する方法の一つとして、緊急 冠動脈インターベンションよる早期再灌流療法があげ られる。
早期再灌流に成功した心筋梗塞患者における慢性期
再狭窄病変が左室リモデリングに与える影響は明らか
ではない。
緊急冠動脈インターベンションにて再灌流に成功 した ST 上昇型心筋梗塞( STEMI )患者において、
慢性期の再狭窄病変が左室リモデリングに与える
影響を検討すること。
心エコー図検査 左室造影検査
99m
Tc‐MIBI gated SPECT 心臓 MRI
心臓 CT
心電図同期SPECT(gated SPECT)の普遍化に関するガイドライン
• Gated SPECTは、心筋血流と壁運動の情報とを完全に対応する領域で
精度高く評価できる点が特徴であり、急性心筋梗塞後の心筋血流と 心機能の経過を観察するうえで有用な検査である。
2004 年 10 月から 2010 年 4 月までの期間、発症 12 時間以内に緊急冠動脈インターベンションが施行 された初回 STEMI 患者連続 269 例のうち、再灌流 に成功し、亜急性期(発症 4 週以内)に
99mTc-MIBI シンチグラフィが施行され、かつ慢性期( 6 - 12 ヶ 月)に冠動脈造影検査および
99mTc-MIBI シンチグ ラフィが施行された 109 例を対象とした。
緊急PCI 99mTc-MIBI F/U CAG
99mTc-MIBI
4週以内 6-12カ月
慢性期の冠動脈造影検査にて、標的病変部に 50%
以上の狭窄病変が認められた場合を再狭窄と定義し た。対象症例 109 例を再狭窄群 42 例と非再狭窄群 67 例にわけて、後ろ向きに検討を行った。
左室リモデリングの指標に関しては、全例
99mTc-MIBI シンチグラフィを用いた QGS ( quantitative gated
SPECT) にて評価をおこなった。
0 10 20 30 40 50 60 70
0 20 40 60 80
0 20 40 60 80 100 120 140
LVEDV LVESV LVEF
再狭窄群 非再狭窄群
P=0.698 P=0.994 P=0.578
93.4 96.2
47.4
52.6 53.9 47.4
(ml) (ml) (%)
84 88 92 96 100
亜急性期 慢性期
(ml)
P=0.544 P=0.0003
再狭窄群 非再狭窄群 96.2±36.6
93.4±36.0
91.3±37.2 88.8±35.2
36 40 44 48 52
50 52 54 56 58 60
再狭窄群 非再狭窄群
47.447.4
42.2 41.0
57.757.5
53.9 52.6
亜急性期 慢性期 亜急性期 慢性期
P=0.0003 P=0.0003
P=0.069 P=0.0016
(ml) (%)
0 10 20 30 40 50 60 70
非再狭窄群 再狭窄群
21.4
7.5
(%)
P=0.034
慢性期再狭窄病変
%梗塞サイズ
(
99mTc‐MIBI)
最大CPK‐MB
値左前下行枝病変 病変枝数
発症から来院までの時間 来院から