びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫におけるSOX4発現の臨床的意義
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(2) 論文内容の要旨. 細的】. びまん性大細胞型B細胞性りンパ腫(d近UselargeB・ceⅢymphomがDLBCL)は非ホジキンリンパ腫 の中で最頻のサブタイプである.本疾患に対しては,シクロホスファミド,ドキソルビシン,ビンクリスチン, およびプレドニゾロンの併用療法,いわゆるCHOP療法が長きにわたり標準治療法であった.しかし. 近年, CD を標的としたキメラ1gG1モノクローナル抗体であるりツキシマブがDLBCLに著効すること が示され,これを加えたRCHOPが現在では実質的標準治療となっている.一方SO×4はSO×ファミリー. に属する転写因子である.これはB/Tりンパ球の分化増殖に関わることが知られ,さらに成人T細胞白血病 リンパ腫をはじめとする複数の悪性腫傷においては癌遺伝子として作用する.しかしながらDLBCLと SO×4との関連にっいては未だ不明である.そこで本研究ではDLBCLにおけるSO×4発現と治療応答性 および予後との相関について検証した 【方法】. 近畿大学医学部付属病院および近畿大学医学部堺病院の病理学教室に管理保管されていた例の初発 DLBCLの臨床検体を使用した.まずこれらお例群におけるRCHOPの反応性と従来の予後評価因子で. あるIP1との相関を調ベた。次いでSO×4発現量をタンパクレベルおよびmRNA レベルで測定し,各症 例RCHOP療法応答性,無病生存期間および生存期間との相関性を解析した 【結果】. 我々独自のDLBCL症例群においても四1はRCHOP療法ヘの応答性と相関していた.さらにSO×4mRNA レベルおよびSO×4タンパクレベルでの発現量はともにRCHOP療法ヘの応答性と負の相関を示した また予後解析により, SO×4発現量はDLBCL患者予後との相関が示された 【考察】. 本研究から, SO×4発現量がDLBCL症例のRCHOP治療応答性および治療予後と相関することが 明らかとなった.すなわち, SO×4がDLBCLの予後予測因子として有用である可能性が示唆されたと. 言える.今後の展望として,症例数追加によるDLBCL遺伝子型別サブタイプでのSO×4発現の'忌義 解明が必要と考える.またDLBCLでのSO×4発現の誘導メカニズム,化学療法抵抗性における生物学的 役割の解明なども今後の課題である. ノ\. 月. 年. 出版物の種類及び名称. 日. 出版物名. 平成27年6月公表予定. 近畿大学医学雑誌 容. 博士論文の印刷公表. 表. ノ气、. 表. 第40巻第1.2号. 内. 平成27年6月掲載予定 ,ノ、、. 文. -50-.
(3) 士、. 払、. 査. の. ^. 【背景】びまん性大細胞型 B %醐包陛りンパ腫(diffuse large B-ceⅡ 1Ⅷ血飢ν肌BCD は非ホジキンリンパ腫の中で最頻のサブタイプである 本疾患に対しては,シクロホスファミド,ドキソルビシン,ビンクリスチ. ン,およびプレドニゾロンの併用療法,いわゆるCHOP療法が長きにわたり 標準治療法であった.しかし近年, C呪0を標的としたキメラ 18G1モノク. ローナル抗体であるりツキシマブカ切耶CLに著効することが示され,これを 加えたR-CHOPが現在では実質的標準治療となっている.5年生存率は50%程 度となり現状では予後良好な悪性りンパ腫といえる.しかしいまだ莫倒合性 の症例も多く,その絶対数は他の悪性りンパ腫よりもはるかに多い.そこ. で著者らは,既存の予後予測因子であるlnternationalpr0部Osis lNDEX (1PD以外の予後因子の検索の必要性があると考えた. SO×4はSO×ファミ リーに属する転写因子で、未熟なB/Tりンパ球の分化増殖に関わることが知 られている。また様々な固形がんにおいてSO×4の発現が示されている。さ らに当研究室の先行研究では成人蹄醐包白血病/りンパ腫におけるSO×4の発 現とその発がん遺伝子としての機能が明らかにされている.しかしながら DWCLにおけるSO×4の発現とその意義についてはこれまで不明であった. 【方法】本研究で著者らはD玲CLにおけるSO×4発現レベルと治療応答性およ. び長期予後との関係について検討した.著者らが独自に集めた70症例の D器CLパラフィン包埋検体を使用し,免疫組織染色にてSO×4の蛋白レベルで の発現を,また定量的PCRにてSO×4のmRNAレベルでの発現を定量し, R-CHOP 治療応答性および長期予後との相関を調ベた.. 絲吉果】 SO×4の発現は蛋白レベルおよびmRNAレベルともにR-CHOP療法に対 する治療応答性と有意に負の相関を示した.また無病生存期間(PFS)およ. び全生存期間(OS)を用いた予後解析でも、SO×4の発現レベルはDιBCL患者 の長期予後と有意に負の相関を示した. 【考察】以上の結果より, SO×4の発現レベルはDLBCLの予後予測因子として. 有用である可能性が示された.この研究結果を発展させることでD耶CL患者 の予後予測および治療法の改善に貢献しうる可能性がある.本研究に関す る今後の課題と展望としては,DWCLの個別のサブタイプについて同様の解 析を行うこと、またD器CLでのSO×4の発現誘導メカニズムやその腫傷細胞の. 増殖、生存および治療抵抗性における役割を解明すること、などが重要で ある.. 【評価】本研究により, DWCLのR-CHOP応答性および長期予後とSO×4発現レ ベルとの間に有意な負の相関が示された.本研究の臨床的意義とともに今. 後の課題や展望についても正確に議論されており、将来の発展が大いに期 待される研究成果である.よって本論文は医学博士の学位に値するものと 判定した.. -51-.
(4) 課1 ・論博. 博士学位論文最終試験結果の報告書 平成 27年2月3日. 詣. 義江修. 副主査. 中川和彦. 副主査. 西尾和人. J. \.ーソ. 闇. 主査. Ⅱ.. 員. 番査委. 学位申請者氏名. 三口. 要. 文題目. 1. @. 副査. 和田裕介. びまん性大細胞型 B 細胞性りンパ腫における SO×4 発現の臨床的意義. 旨. 申請者はびまん性大細胞型 B 細胞陛りンパ腫Φiffuse large B ce111ym血oma/肌BCD における SO×4 発現の臨床的意義について臨床検体70例を用いて解析した。その結果、腫傷組織でのSO×4発現は 蛋白レベルおよびmRNAレベルともにR-CHOP治療に対する応答性および長期予後と有意に負の相関を示し た。この結果からSO×4の発現はDLBCLにおける予後予測および治療方針の確立に有用である可能陛が示 された。. 申請者は本研究の背景、結果、今後の課題と展望にっいて明瞭に発表した。副査による審査では以下 一一一. の諸点について質問がなされた。 DWCLの個々のサブタイプとS0刈発現との関係について D脇仇の腫傷細胞でのSO×4蛋白の局在について SO×4の発現は治療応答性と予後とのどちらにより関与しているのか? 腫傷細胞でのSO×4発現とNF-KB活性化との関係について 腫傷細胞でのSO×4発現の誘導メカニズムについて 一一. 一一一. 臨床検体でSO×4の発現レベルを定量する方法として何が最も有用と考えられるか? 固形癌におけるSO×4の役割についてこれまでわかっていることは何か? 予後解析におけるSO×4発現レベルのカットオフ値設定について 肌BCLにおけるSO×4の発現では蛋白とmRNAの間に相関は認められるのか?. 以上の質問に対し、学位申請者は自らの研究と関連する学識に基づき的確な回答を行った。よって学 位授与に値すると評価され、最終試験は合格と判定された。. -52-.
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