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ヒトおよびイヌ天疱瘡の病態発症機序の解明

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Academic year: 2021

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Title

ヒトおよびイヌ天疱瘡の病態発症機序の解明( 内容の要旨 )

Author(s)

西藤, 公司

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(獣医学) 甲第102号

Issue Date

2001-03-13

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/2156

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

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氏 名(本籍) 学 位 の 種 類 学 位 記 番 号 学位授与年月 日 学位授与の要件 研究科及び専攻 研究指導を受けた大学

位 論 文 題 目 審 査 委 員 論 西 藤 公 司 (三重県) 博士(獣医学) 獣医博甲第102号 平成13年3月13日 学位規則第4条第1項該当 連合獣医学研究科 獣医学専攻 東京農工大学 ヒトおよびイヌ天癌瘡の病態発症機序の解明 主査 東京農工大学 教 授 岩 崎 利 副査 帯広畜産大学 教 授 山 田 明 副査一 岩 手 大 学 教 授 谷 口 和 副査 東京農工大学 教 授

根 義 副査 岐 阜 大 学 教 授 工 藤 忠 郎夫 之 久 明 文 の 内 容 の 要 旨 天癌瘡はヒトをはじめ、イヌ、ネコ、ウマ、山羊などに認められる自己免疫性皮膚「粘膜 疾患で、しばしば敦死的な経過をたどる。天痘瘡はその病型の違いから、主に尋常性天痘 瘡(PV)、落葉状天痘瘡(PF)の2つに大別される。ヒトや動物わ天痘瘡患者体内には重 層扁平上皮の細胞間を認識する自己抗体が存在し、それが表皮や粘膜上皮の細胞間接着を 障害した結果、それらの臓器に水癌、膿癌あるいはびらんが形成される。ヒト天癌瘡の自 己抗体の標的蛋白の同定が過去に行われ、その結果PV、PFの標的蛋白はデスモソーム構 成蛋白のうちカドヘリン型細胞接着因子、・それぞれデスモグレイン(Dsg)3、Dsglである ことが証明された。しかしこれらの自己抗原がどのようにして抗原特異的なB細胞を活性 化し、抗体産生を促すかとV_ヽう、ヒト天痘瘡の免疫学的な病態発症機序についてはこれま

で十分な検討がされていない。これに対し、イヌ天痘瘡の自己抗体の標的蛋白を免痺プロ

ット法で解析した報告は過去にあるもの甲、その正俸について未だ結論を得るまでには至 っていない。 本研究は、ヒトPVの自己抗体産生機序をEn野me血kedImmサnOSpOt伍uSPOで)法に より解析したと共に、イヌPFの自己抗体め標的蛋白について、■バキュ′ロウイルス発現系で 作成した組換えイヌDsglと血中抗体との反応性を 検討したものである。 第Ⅰ章では、緒論としでヒトや動物の天痘瘡の臨床所見ならびに免疫組織学的所見、ヒト 天痘瘡の自己抗原と病型との関連、およびイヌ天癌瘡の自己抗体の標的蛋白に関する過去

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の報告について記述し、本研究の目的を述べた。 第Ⅱ章では、ヒトDsg3特異的な抗体産生細胞の検出法としてのELISPOT法を開発した。 バキュロウイルス発現系にて作成した組換えヒトDsg3を固相化抗原に用いたところ、ヒト

Dsg3特異的な単クローン抗俸を産生するマウスハイブリドーマ細胞を定量性を持って検出

することが可能となった。またEuSPOT法により、数多くの抗体非産生細胞中に存在す る抗原特異的なハイブリドーマ細胞の検出ならびに定量を試みたところ、プレートに添加 した抗俸非産生細胞の数が各ウニルあたり2Ⅹ105細胞までのとき、抗原特異的な抗体産生細 胞が定量性を持って検出できることが明らかとなった。さらにELISPOT法により、組換 えヒトDsg3免疫マウスの生体内に存在する抗原特異的な抗体産生細胞を検出するととも に、そ_の全単核球中における頻度を算出した。ヒトDsg3特異的な抗体産生細胞は牌臓およ

び骨髄で高率に検出され、その頻度は単核球105細胞あた一りそれぞれ14.6±6.5細胞、10・6

±2.4細胞であった。リンパ節および末梢血から得られた抗原特異的抗体産生細胞の頻度は、 牌臓と骨髄から得られた頻度よりも低値であった。 以上の結果より、組換えヒトDsg3を固相化抗原としたELISPOT法により、生体内に存在 する抗ヒトD$g3抗体産生細胞が定量性を持って検出できることが証明された。 第Ⅲ章では、ELISPOT法により、ヒトPV末梢血単核球(PBMC)中に存在する抗ヒト Dsg3抗体産生細胞およびヒトDsg3特異的な記憶B細胞を検出するとともに、それらのB 細胞の血丹元和における抗原特異的な自己抗体産生機序について検討した。 ヒトPV患者11例から採取したPBMC13検体と、健常人7例から採取したPBMC7検体 についてEuSI〉OT法を行ったところ、3例の重症PV患者から採取したPBMCより抗ヒ トDsg3IgG産生細胞が検出され、その頻度はPBMClO5細胞あたり1.3・2.5細胞であった。 軽症例、寛解例、および健常人の末梢血中からは、これらの細胞は検出されなかった。次

に、ヒトPV患者14例から撃取したPBMC21検体と、健常人10例から採取したPBMClO

検体を血豆なりで刺激したものについてEuSPOT法を行い、寛解例を含む様々な病勢のヒ トPV患者末梢血中から抗原特異的な記憶B細胞を検出した。.さらに3例のヒトPV患者

から採取したPBMCよりCD4陽性丁細胞を除去し、血卸で抗原準異的に刺激したもの

についてEuSPOT法を行い、血血でのヒトDsg3特異的な抗体産生がCD4陽性丁細 胞を除去することによってほぼ完全に阻害されることを証明し-た。さらに血血でのヒト

Dsg3特異的な抗体産生に対する、抗MHCクラスⅠⅠ競体の阻害効果について検討を行い、

抗HLA・DR抗体および抗HLA・DQ抗体のいずれかの存在により、血血でのヒトDsg3 特異的な抗体産生が阻害されることを証明した。 以上の結果より、ヒトPV患者末梢血中の抗ヒトDsがIgG産生細胞は重症例の患者のみに 認められ、またヒトDsg3特異的な記憶B細胞は寛解例を含む様々な重症度の患者末梢血

中に認められることが明らかとなった。またヒトPV患者におけるヒトD$g3特異的な自己

抗体の産生は、MHCクラスⅡに拘束されたで細胞とB細胞の協調により行われろ可能性

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が示唆された。 第Ⅳ章では、培養イヌケラチノサイト細胞株、MCA・Bl細胞を用いたLiving keraLtinocytestaining法によりイヌPF血中自己抗体の検出を試みると共に、その標的蛋白 がイヌDsglであるかを免疫吸着法により検討した。 MCA・Bl細胞を用いたLivingkeratinocytestaining法は、イヌP女血中自己抗体の検出法 として、従来より行われているイヌ口唇を基質とした間接螢光抗体法よりも感度、\ノ特異性

の両方において優れ七いた。またヒトPF血清を用いた解析の結果、MCA・Bl細胞がその

細胞表面にイヌのDsglを発現することを証明した。次に、このMCA・Bl細胞から抽出し たmRNAを元に、イヌDsglの組換え蛋白をバキュロウイルス発現系により作成した。さ らに、ヒトPF、ヒトPV、イヌPF、イヌアトピー性皮膚炎(AD)の症例より採取した血 清と組換えイヌI)sgl・との反応性について、Livingkeratinocytestaining法を併用した免 疫吸着法により検討した。その結果、ヒトPF患者血清のMCA・Bl細胞表面に対する反応 性は、組換えイヌDsglを用いた免疫吸着法により完全に消失したのに対し、ヒトPV、イ ヌPF、お●よびイヌAD血清が示す反応性には変化が認められなかった。 以上の結果より、MCA・Bl細胞を用いたLivingkeraLtinocytestaiming法が、イヌPFの血 中抗体の検出法として有用セあると共に、本法を免疫吸着法と併用することにより、イヌ PFの血中抗体の標的蛋白の同定が可能となることが示された。また組換えイヌDsglを用 いた免疫吸着法の結果から、イヌPF.の自己抗体は少なくともイヌD$glを主要な標的蛋白 としていない可能性が示唆された。 審 査 結 果 の 要 旨 天痘瘡はヒトをはじめ、イヌ、ネコ、ウマ、山羊などに静められる自己免疫性皮膚一粘膜 疾患で、主に尋常性(PV)、落葉状(P別 の2つに大別される。ヒトや動物の天癌瘡患者 体内には重層扁平上皮の細胞間を認識する自己抗体が存在し、それが表皮や粘膜上皮の細 胞間接着を障害した結果、それらの臓器に水痘、膿癌あるいはびらんが形成される。ヒト 天痘瘡の自己抗体の標的蛋白の同定が過去に行われ、その結果PV、PFの標的蛋白はデス モソーム構成蛋白のうちカドヘリン型細胞接着因子、それぞれデスモグレイシ(Dsg)3、 Dsglであることが証明された。しかしこれらの自己抗原がどのようにして抗原特異的なB 細胞を活性化し、抗体産生を促すかという、ヒト天癌瘡の免疫学的な病態発症機序につい

てはこれまで十分な検討がされていない。これに対し、イヌ天痘瘡の自己抗体の標的蛋白

を免疫プロット法で解析した報告は過去にあるものの、未だ結論を得るまでには至ってい ない。 本研究は、ヒトPVの自己抗体産生機序をEnzyme:1inkedlmmuno寧pOt(ELISPOT)法に ょり解析したと共に、イヌPFの自己抗体の標的蛋白について、バキュロウイルス発現系で 作成した組換えイヌDsglと血中抗俸との反応性を検討したものである。

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1・抗ヒトDsg3抗体産生細胞の検出法としてのELISPOT法の開発 ヒトDsg3特異的な抗体産生細胞の検出法としてめELISPOT法を開発した。バキュロウ イルス発現系にて作成した組換えヒトDsg3を固相化抗原に用いたところ、ヒトDsg3特異 的な単クローン抗体を産生するマウスハイブリドーマ細胞を定量性を持って検出すること が可能となった。またELISPOT法により、数多くの抗体非産生細胞中に存在する抗原特

異的なハイブリドーマ細胞の検出ならびに定量を試みた孝ころ、プレートに添加した抗体

非産生細胞の数が各ウェルあたり2Ⅹ105細胞までのとき、抗原特異的な抗体産生細胞が定量 性を持って検出できることが明らかとなった。さらにELISPOT法により、組換えヒトDsg3

免疫マウスの生体内に存在する競原特異的な抗俸産生細胞を検出するとともに、その全単

核球中における頻度を算出した。ヒトDsg3特異的な抗体産生細胞は牌臓および骨髄で高率 に検出され、その頻度は単核球105細胞あたりそれぞれ14.6±6.5細胞、10.6±2.4細胞で あった。リンパ節および末梢血から待られた抗原特異的抗体産生細胞の頻度は、牌臓と骨 髄から得られた頻度よりも低値であった。

以上の結果より、組換えヒトDs由を固相化抗原としたELISI〉OT法により、生体内に存

在する抗ヒトD畠g3抗体産生細胞が定量性を持って検出できることが証明された。 2.写LISPOT法によるヒトPV自己抗体産生細胞の検出ならびに自己抗体産生における CD4陽性丁細胞の役割についての検討 ELISPOT法により、ヒ_トPV末梢血単核球・(PBMC)中に存在する抗ヒトDsg3抗俸産 生細胞およびヒトDsg3特異的な記憶B細胞を検出するとともに、それらのB細胞の血 血における抗原特異的な自己抗体産生機序について検討した。ヒトPV患者11例から採 取したPBMC13検体と、健常人7例から採取したPBMC7検体についてEuSPOT法を 行ったところ、3例の重症PV患者から採取したPBMCより抗ヒトDsg3IgG産生細胞が 検出され、その頻度はPBMClO5細胞あたり1.3・2.5細胞であった。軽症例、寛解例、およ び健常人の末梢血中からは、これらの細胞は検出されなかった。次に、ヒトPV患者14例 から採取したPBMC21検体と、健常人10例から採取したPBMClO検体を血豆加で刺 激したものについてELISPOT法を行い、寛解例を含む様々な病勢のヒトPV患者末梢血中 から抗原特異的な記憶B細胞を検出した。さらに3例のヒトPV患者から採取したPBMC よりCD4陽性丁細胞を除去し、血血で抗原特異的に刺激したものについてELISPOT 法を行い、血血でのヒトDsg3特異的な抗体産生がCD4陽性で細胞を除去することに

よってほぼ完全に阻害されることを証明した。さらた力=虎和でのヒトDsg3特異的な抗体

産生に対する、抗MHCクラスⅠⅠ抗体の阻害効果について検討を行い、抗HLA・DR抗体お

よび抗HIA・DQ抗体のいずれかの存在により、血血でのヒトDsg3特異的な抗体産生

が阻害されることを証明した。

以上の結果より、ヒトPV患者束梢血中の抗ヒトD畠g3IgG産生細胞は重症例の患者のみ

に認められ、またヒトDsg3特異的な記憶B細胞は寛解例を含む様々な重症度の患者末梢

血中iこ認められることが明らかとなった。またヒトPV患者におけるヒトDsg3特異的な自

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己抗体の産生は、MHCクラスⅠⅠに拘束されたで細胞とB細胞の協調により行われる可能 性が示唆された。 3.イヌPF血中自己抗体の検出および抗原特異的免疫吸着法を用いた自己抗体の標的蛋 白についての検討

培華イヌケラチノサイト細胞株、MCA・Bl細胞を用いたLivingkeratinocytestaiming

法によりイヌPF血中自己抗体の検出を試みると共に、その標的蛋白がイヌDsglであるか を免疫吸着法により検討した。MCA・Bl細胞を用いたLivingkeratinocytestaining法は、 イヌPF血中自己抗体の検出法として、従来より行われているイヌ口唇を基質とした間接螢

光抗体法よりも感度、特異畦の両方において優れていた。またヒトPF血清を用いた解析の

結果、MCA・Bl細胞がその細胞表面にイヌのDsglを発現することを証明した。次に、こ のMCA・Bl細胞から抽出したmRNAを元に、イヌDsglの組換え蛋白をバキュロウイルス 発現系により作成した。さらに、ヒトPF、ヒトPV、イヌPF、イヌアトピー性皮膚炎(AD) の症例より採取した血清と組換えイヌDsglとの反応性について、LivingkerAtinocyte staihing法を併用した免疫吸着法により検討した。その結果、ヒトPF患者血清のMCA・Bl 細胞表面に対する反応性は、組換えイヌDsglを用いた免疫吸着法により完全に消失したの に対し、ヒトPV、イヌPF、およびイヌAD血清が示す反応性には変化が認められなかっ た。 以上の結果より、MCA-Bl細胞を用いたLivin6keratinocytestaining法が、イヌPF の血中抗体の検出法として有用であると共に、本法を免疫吸着法と併用することにより、 イヌP万一の血中抗体の標的蛋白の同定が可能となることが示された。また組換えイヌDsgl を用いた免疫吸着法の結果から、イヌPFの自己抗体は少なくともイヌDsglを主要な標的 蛋白としていない可能性が示唆された。

以上について、寧査委員全員一致で本論文が岐阜大学大学院連合獣医学研究科の学位論文

として十分価値のある内容である・ものと認めた。 学位論文の基礎となる学術論文 1.Nisbi軸i,K.,Amagai,M,Kuwana,M.,Iwrasaki,Tland Nishikaふa,Tl(2000)

Detection ofAntigen・Specific B Censin Patients with Pemphigus Vhlgaris by Enzyme・LinkedlmmunOSPOtAssay:Requir寧ment OfT Cen Conaborationfor AntoantibodyProduction・TheJournalofInvestigativeDermatologyl14・88・94・

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既発表学術論文

1.Amagai,M.,Tbunoda,E.,Suzuki,H.,Nishi叫i,E.,Koyasu,S.and Nishikawa,

で(2000)UseofAntoantigen・knockoutMiceinDevelopinganActiveAntoimmune

DiseaseModelforPemphigus.TheJollrnalofClinicalInvestigationlO5,625-631.

2.Futei,Y,Amagai,M.,Sekiguchi,M!Nish血ji,鱒,F可ii,YandNi$hikawa,Tl(2000)

Use of Domain・Swapped Molecule8 for Conformational Epitope Mapping of Desmoglein3inPemphigusⅥユ1gari$.TheJournalofInvestigative Dermatology

l15,829・834.

3.Park,S.,Ohya,Fl,%mashita,K.,Nishifuji,K.andIwa$aki,Tl(2000)Comparisonof

ResponsetolmmunotherapybyIntradermalSkinTb$tand'Antigen・SpeCificIgEin CamineAtopylJournalofⅥterinaryMedicalScience62,983・988.

参照

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