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(1)

筑波大学附属病院再開発に係る

施設整備等事業

要求水準書(案)

平成 19 年 6 月 8 日

(2)

― 目 次 ―

第1章 総則

1. 事業内容に関する事項...1

(1) 事業名称... 1 (2) 事業に供される公共施設等の種類等 ... 1 1) 公共施設等の種類 ... 1 2) 公共施設等の立地 ... 1 (3) 公共施設等の管理者 ... 1 (4) 事業の背景と目的... 1 1) 筑波大学附属病院の現状と再開発の目的 ... 1 2) 再開発の概要 ... 2 (5) PFIの利点を活用した効率的病院運営... 3 (6) 事業範囲... 3 (7) 事業方式... 4 1) 事業者が本事業にて新設する施設 ... 4 2) 事業者が本事業にて改修を行う既存施設 ... 4 (8) 事業期間... 4 (9) 事業スケジュール... 4 (10) 事業に必要と想定される根拠法令等 ... 4

2. 要求水準書の構成...5

(1) 基本的考え方... 5 1) 再開発における位置づけ ... 5 2) 業務概要 ... 5 (2) 要求水準... 5 1) 前提条件 ... 5 2) 遵守事項 ... 5 3) サービスレベル... 5 (3) 業務区分表 ... 6 (4) 費用負担区分表 ... 6

3. 各業務共通 ...7

(1) 要求水準... 7 1) 前提条件 ... 7 2) 遵守事項 ... 7 3) サービスレベル... 11

(3)

(2) 業務区分表 ... 12 (3) 費用負担区分表 ... 13

第2章 統括マネジメント業務

1. 統括マネジメント業務 ...14

(1) 基本的考え方... 14 1) 再開発における位置付け ... 14 2) 業務概要 ... 14 (2) 要求水準... 15 1) 前提条件 ... 15 2) 遵守事項 ... 16 3) サービスレベル ... 17 (3) 業務区分表 ... 19 (4) 費用負担区分表 ... 19

第3章 開設準備・移行支援業務

1. 開設準備・移行支援業務...20

(1) 基本的考え方... 20 1) 再開発における位置付け ... 20 2) 業務概要 ... 20 (2) 要求水準... 20 1) 前提条件 ... 20 2) 遵守事項 ... 21 3) サービスレベル ... 21 (3) 業務区分表 ... 22 (4) 費用負担区分表 ... 23

第4章 施設整備業務

1. 施設整備業務共通 ...24

(1) 基本的考え方... 24 1) 再開発における位置付け ... 24 2) 大学において実施している施設整備計画 ... 25 3) 既存施設の概要 ... 25

(4)

5) 業務範囲 ... 42 (2) 要求水準... 42 1) 前提条件 ... 42 2) 遵守事項 ... 42 (3) 業務区分表 ... 43 (4) 費用負担区分表 ... 44

2. 事前調査業務及びその関連業務...45

(1) 基本的考え方... 45 1) 再開発における位置付け ... 45 2) 業務範囲 ... 45 (2) 要求水準... 45 1) 前提条件 ... 45 2) 遵守事項 ... 45 3) 要求水準 ... 45 (3) 業務区分表 ... 46 (4) 費用負担区分表 ... 46

3. 実施設計業務及びその関連業務...47

(1) 実施設計業務共通(実施設計の見直し業務含む)... 47 1) 基本的考え方 ... 47 2) 要求水準 ... 47 3) 業務区分表 ... 49 4) 費用負担区分表 ... 49 (2) 新棟(新B棟及びホール・渡り廊下)新設工事の実施設計業務 ... 50 1) 基本的考え方 ... 50 2) 要求水準 ... 54 3) 業務区分表 ... 75 4) 費用負担区分表 ... 75 (3) 既存棟改修工事の実施設計の見直し業務... 76 1) 基本的考え方 ... 76 2) 要求水準 ... 81 3) 業務区分表 ... 82 4) 費用負担区分表 ... 82 (4) 基幹整備工事の実施設計... 83 1) 基本的考え方 ... 83 2) 要求水準 ... 85 3) 業務区分表 ... 90 4) 費用負担区分表 ... 90 (5) 外構工事の実施設計 ... 91 1) 基本的考え方 ... 91

(5)

2) 要求水準 ... 91 3) 業務区分表 ... 92 4) 費用負担区分表 ... 93 (6) 実施設計の関連業務 ... 94 1) 基本的考え方 ... 94 2) 要求水準 ... 94 3) 業務区分表 ... 94 4) 費用負担区分表 ... 94

4. 工事業務及びその関連業務(医療機器、備品の一部設置を含む) ...95

(1) 基本的考え方... 95 1) 再開発における位置付け ... 95 2) 業務範囲 ... 95 (2) 要求水準... 96 (3) 業務区分表 ... 98 (4) 費用負担区分表 ... 98

5. 工事監理業務...99

(1) 基本的考え方... 99 1) 再開発における位置付け ... 99 2) 業務範囲 ... 99 (2) 要求水準... 99 (3) 業務区分表 ... 100 (4) 費用負担区分表 ... 100

6. 周辺家屋影響調査・対策業務 ...101

(1) 基本的考え方... 101 1) 再開発における位置付け ... 101 2) 業務範囲 ... 101 (2) 要求水準... 101 (3) 業務区分表 ... 101 (4) 費用負担区分表 ... 101

7. 各種許認可手続等の申請業務 ...102

(1) 基本的考え方... 102 1) 再開発における位置付け ... 102 2) 業務範囲 ... 102 (2) 要求水準... 102 (3) 業務区分表 ... 102 (4) 費用負担区分表 ... 102

(6)

第5章 病院運営支援業務

1. 経営支援業務...103

(1) 基本的考え方... 103 1) 再開発における位置付け ... 103 2) 業務概要 ... 103 (2) 要求水準... 103 1) 前提条件 ... 103 2) 遵守事項 ... 104 3) サービスレベル... 104 (3) 業務区分表 ... 106 (4) 費用負担区分表 ... 107

2. クラーク業務...108

(1) 基本的考え方... 108 1) 再開発における位置付け ... 108 2) 業務概要 ... 108 (2) 要求水準... 108 1) 前提条件 ... 108 2) 遵守事項 ... 109 3) サービスレベル... 110 (3) 業務区分表 ...111 (4) 費用負担区分表 ... 113

3. 診療材料類管理業務... 114

(1) 基本的考え方... 114 1) 再開発における位置付け ... 114 2) 業務概要 ... 114 (2) 要求水準... 114 1) 前提条件 ... 114 2) 遵守事項 ... 115 3) サービスレベル... 115 (3) 業務区分表 ... 116 (4) 費用負担区分表 ... 117

4. 薬品管理業務... 118

(1) 基本的考え方... 118 1) 再開発における位置付け ... 118 2) 業務概要 ... 118 (2) 要求水準... 118 1) 前提条件 ... 118

(7)

2) 遵守事項 ... 119 3) サービスレベル... 119 (3) 業務区分表 ... 120 (4) 費用負担区分表 ... 121

5. 滅菌消毒業務...122

(1) 基本的考え方... 122 1) 再開発における位置付け ... 122 2) 業務概要 ... 122 (2) 要求水準... 122 1) 前提条件 ... 122 2) 遵守事項 ... 123 3) サービスレベル... 123 (3) 業務区分表 ... 124 (4) 費用負担区分表 ... 126

6. 洗濯(リネン管理)業務...127

(1) 基本的考え方... 127 1) 再開発における位置付け ... 127 2) 業務概要 ... 127 (2) 要求水準... 127 1) 前提条件 ... 127 2) 遵守事項 ... 128 3) サービスレベル... 129 (3) 業務区分表 ... 129 (4) 費用負担区分表 ... 130

7. MEセンター業務 ...132

(1) 基本的考え方... 132 1) 再開発における位置付け ... 132 2) 業務概要 ... 132 (2) 要求水準... 132 1) 前提条件 ... 132 2) 遵守事項 ... 133 3) サービスレベル... 133 (3) 業務区分表 ... 135 (4) 費用負担区分表 ... 136

8. 院内搬送業務...137

(1) 要求水準... 137

(8)

3) サービスレベル... 137 (2) 業務区分表 ... 138 (3) 費用負担区分表 ... 138

9. 医療事務業務...139

(1) 基本的考え方... 139 1) 再開発における位置付け ... 139 2) 業務概要 ... 139 (2) 要求水準... 140 1) 前提条件 ... 140 2) 遵守事項 ... 141 3) サービスレベル... 141 (3) 業務区分表 ... 144 (4) 費用負担区分表 ... 146

10. 診療情報管理支援業務 ...147

(1) 基本的考え方... 147 1) 再開発における位置付け ... 147 2) 業務概要 ... 147 (2) 要求水準... 147 1) 前提条件 ... 147 2) 遵守事項 ... 148 3) サービスレベル... 149 (3) 業務区分表 ... 150 (4) 費用負担区分表 ... 151

11. 病院情報システム運用補助業務 ...152

(1) 基本的考え方... 152 1) 再開発における位置付け ... 152 2) 業務概要 ... 152 (2) 要求水準... 152 1) 前提条件 ... 152 2) サービスレベル... 153 (3) 業務区分表 ... 153 (4) 費用負担区分表 ... 154

12. 一般管理支援業務 ...156

(1) 基本的考え方... 156 1) 再開発における位置付け ... 156 2) 業務概要 ... 156 (2) 要求水準... 156 1) 前提条件 ... 156

(9)

2) 遵守事項 ... 157 3) サービスレベル... 157 (3) 業務区分表 ... 158 (4) 費用負担区分表 ... 159

13. 調達業務...160

(1) 要求水準... 160 (2) 業務区分表 ... 160 (3) 費用負担区分表 ... 160

第6章 施設維持管理業務

1. 清掃業務...161

(1) 基本的考え方... 161 1) 再開発における位置付け ... 161 2) 業務概要 ... 161 (2) 要求水準... 161 1) 前提条件 ... 161 2) 遵守事項 ... 162 3) サービスレベル... 163 4) 主な留意点 ... 165 (3) 業務区分表 ... 169 (4) 費用負担区分表 ... 170

2. 施設等管理業務 ...172

(1) 基本的考え方... 172 1) 再開発における位置付け ... 172 2) 業務概要 ... 172 (2) 要求水準... 172 1) 前提条件 ... 172 2) 遵守事項 ... 173 3) サービスレベル... 174 4) 主な留意点 ... 176 (3) 業務区分表 ... 177 (4) 費用負担区分表 ... 179

3. 警備業務...180

(1) 基本的考え方... 180 1) 再開発における位置付け ... 180

(10)

1) 前提条件 ... 180 2) 遵守事項 ... 181 3) サービスレベル... 182 (3) 業務区分表 ... 182 (4) 費用負担区分表 ... 183

4. エネルギーマネジメント業務 ...184

(1) 基本的考え方... 184 1) 再開発における位置付け ... 184 2) 業務概要 ... 184 (2) 要求水準... 184 1) 前提条件 ... 184 2) 遵守事項 ... 185 3) サービスレベル... 185 (3) 業務区分表 ... 185 (4) 費用負担区分表 ... 186

(11)
(12)

本要求水準書は、国立大学法人筑波大学(以下「大学」という。)が筑波大学附属病院再開発 に係る施設整備等事業(以下「本事業」という。)を実施する選定事業者(以下「事業者」という。) を対象に交付する「入札説明書」の一部として位置づけるものであり、本事業の対象となる施設 に要求する性能並びに対象となる病院運営支援業務及び施設維持管理業務等について要求するサ ービス水準を示すものである。

1. 事業内容に関する事項

(1) 事業名称 筑波大学附属病院再開発に係る施設整備等事業 (2) 事業に供される公共施設等の種類等 1) 公共施設等の種類 病院施設及び病院関連施設 2) 公共施設等の立地 茨城県つくば市天久保2丁目1−1他 (3) 公共施設等の管理者 国立大学法人 筑波大学長 岩崎 洋一 (4) 事業の背景と目的 1) 筑波大学附属病院の現状と再開発の目的 筑波大学附属病院(以下「病院」という。)は、筑波大学の前身である東京教育大学が筑波 に移転された 1973 年の開学を機に新たに併設された医学専門学群・医学系の教育・研究病院 として、1976 年 10 月に開院した。以来、30 余年にわたって我が国の医学教育・研究の範とな り、臨床医学及び関連する幅広い領域に携わる多くの医科学専門家を輩出してきた。 しかしながら、近年の医療に求められる社会的なニーズの変化、医科学・医療技術の急速な 進歩、そして診療現場重視の新しい医学教育の改革は診療現場の環境要件を大きく変化させ、 30 年前のコンセプトによる病院環境ではこれらに対応していくことが極めて困難となってき ている。次世代の医療・医科学を担う医師・研究者を育成し、広い視野からの先端的研究を展 開することにより新たな医科学的知見を見出し、先進的な医療技術の開発、臨床医学への応用 等を通じて人々の健康と幸福に貢献していくことは大学病院の使命であり、これらを効果的に 実現していくことが求められている。 筑波大学附属病院再開発(以下「再開発」という。)は、上記の現状を踏まえ、現在支障と なっている従来の環境を刷新・補強し、高度先端医療、先進的医学教育、そして臨床医学の力 となるべき研究を確実に推進・持続発展させるために産・官・学の英知を結集し、病院内・外 の医療資源・知的資源の活用を図り、地域とも密接な連携の元に我が国のモデルとなる医療提 供体制の構築を進めるプロジェクトである。

(13)

2) 再開発の概要 ア 高度先進医療・急性期医療の推進 ・ 高機能手術室・集中治療病床・急性期病棟・救急部等の施設整備 ・ 高度医療の安全と質向上を支援する診断・治療設備の拡充 ・ 重点領域であるがん、生活習慣病関連については特に県内の諸機関と連携を強化し、地 域全体に高度医療の結果が活かせるような継続した疾病管理システムを確立 イ ヒューマニティにあふれ、かつ効果的な治療・疾病管理が可能なシステムの確立 ・ 疾病を人間要素(親子・性差等)や時間軸(健康管理、一次∼三次予防)でとらえ、効果的か つ快適な病室計画、診療科連携、患者教育・指導システム等を構築 ・ 早期回復を実現する療養環境の提供 ・ 患者のセルフケア支援及び地域連携による継続的な疾病管理システムの構築 ・ 外来・入院患者アメニティの向上、市民向けサービスの拡大 ウ 先進的医学教育の提供 ・ 新カリキュラムに基づいた先進的な医学教育を強力に支援するための設備整備 ・ 早期体験学習や少人数グループ学習が可能となる諸室の配置 ・ e-learning・スキルスラボをはじめとした教育支援施設・システムの整備 ・ 学内のみならず、地域全体で医学系学生及び研修生の相互教育支援を実現 エ 臨床医学の力となるべき研究の推進 ・ 学際連携によるプロジェクト展開 ・ 産学連携による病院機能の拡充と新技術・サービス開発を実現するスペースの確保 ・ 教育・診療・研究を通じて得られる成果を蓄積し、産・官・学や地域でシェア オ 地域との密接な連携体制の構築 ・ 総合周産期母子医療センターや難病相談・支援センター、地域がん連携拠点病院として 機能することを目指し、県や自治体との連携事業を展開し、地域医療体制構築を推進 ・ プライマリケア、専門診療の研修を地域と共に展開するために、地域医療研修ステーシ ョンを県・県医師会との連携の元に整備 ・ 地域の中核となるべき統合的な診療センター(がん、循環器、あるいは稀少疾患、難病 等)を、単独あるいは連携の元に設置 カ 病院経営の更なる健全化 ・ 院内各部門の運営や物流システム等のマネジメントを高め、リソースの効果的な利用を 図ることにより高度手術件数増、入院診療への集中等を図り、診療単価の向上を実現 ・ 効率良く、密度の高い外来診療を実現し、患者のトータルな受療時間の短縮とスタッフ

(14)

・ 密度の高い入院診療を安全かつ効率的に行うために必要となる人的資源の確保 (5) PFIの利点を活用した効率的病院運営 PFIの導入により、民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用するとともに、大学と事業 者が共通の理念と医療サービス方針を有するパートナーとして協働することで再開発を効率的 かつ効果的に実施し、あわせ院内外の医療資源・知的財産の有効活用を図る。 (6) 事業範囲 本事業は、「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律」(平成 11 年 法律第 117 号、以下「PFI法」という。)に基づき事業者が病院施設及び病院関連施設(以下 「本施設」という。)を整備し、以下に示すとおり統括マネジメント業務、開設準備・移行支援 業務、病院運営支援業務、維持管理業務を遂行することを事業範囲とする。 ア 統括マネジメント業務 (ア) 統括マネジメント業務 イ 開設準備・移行支援業務 (ア) 開設準備・移行支援業務 ウ 施設整備業務 (ア) 事前調査業務及びその関連業務 (イ) 実施設計業務及びその関連業務 (ウ) 工事業務及びその関連業務(医療機器、備品の一部設置を含む。) (エ) 工事監理業務 (オ) 周辺家屋影響調査・対策業務 (カ) 各種許認可手続等の申請業務 エ 病院運営支援業務 (ア) 経営支援業務 (イ) クラーク業務 (ウ) 診療材料類管理業務(一般消耗備品含む) (エ) 薬品管理業務 (オ) 滅菌消毒業務 (カ) 洗濯(リネン管理)業務 (キ) MEセンター業務 (ク) 院内搬送業務 (ケ) 医療事務業務 (コ) 診療情報管理支援業務 (サ) 病院情報システム運用管理業務

(15)

(シ) 一般管理支援業務 (ス) 調達業務 オ 施設維持管理業務 (ア) 清掃業務 (イ) 施設等管理業務 (ウ) 警備業務 (エ) エネルギーマネジメント業務 (7) 事業方式 1) 事業者が本事業にて新設する施設 事業者がPFI法に基づき、本事業にて新設する施設の整備を行った後に大学に所有権を移 転し、事業契約書に示される内容の業務を行う方式(いわゆるBTO(Build, Transfer, Operate)方式)により実施する。 2) 事業者が本事業にて改修を行う既存施設 事業者がPFI法に基づき大学の所有する施設の改修整備を行った後に、事業契約書に示さ れる内容の業務を行う方式(いわゆるRO(Rehabilitate, Operate)方式)により実施する。 (8) 事業期間 本事業の事業期間は、事業契約締結の日から平成 44 年3月 31 日までの約 23 年間とする。 (9) 事業スケジュール 本事業の事業スケジュールは以下のとおりである。なお、詳細については、入札説明書等にお いて示す。 スケジュール(予定) 内 容 平成 20 年5月 落札者の決定 平成 20 年6月 基本協定の締結 平成 20 年 12 月 事業契約の締結 平成 24 年4月 新棟の開院 平成 27 年3月 既存棟改修工事の完了 平成 44 年3月 31 日 事業の終了 (10) 事業に必要と想定される根拠法令等 事業者は、本事業を実施するにあたり必要とされる関係法令とそれらの関連施行令・規則等並 びに条例を遵守するものとする。

(16)

2. 要求水準書の構成

「要求水準書」は、業務毎に以下の構成を基本とする。ただし、施設整備業務については特に変 則的な構成としている。 区分 提示内容 再開発における位置づけ 各業務に関連する現状課題及び再開発における方 針を示したもの 1 基本的考え方 業務概要 各業務の概要を示したもの 前提条件 事業者が業務を実施するにあたっての前提条件 遵守事項 事業者が業務を実施するにあたっての遵守事項 2 要求水準 サービスレベル 事業者が満たすべき提供サービスの水準を示した もの 3 業務区分表 各サービスの業務範囲と実施者(病院又は事業者) の区分を示したもの 4 費用負担区分表 サービス対価に含まれるコスト要素を示したもの (1) 基本的考え方 1) 再開発における位置づけ 再開発における各業務の位置づけを記載している。 2) 業務概要 事業者が実施する各業務の概要を記載している。 (2) 要求水準 1) 前提条件 事業者が各業務を実施するにあたり、サービスが提供されるべき業務日及び業務時間、整え るべき業務実施体制等を記載している。 なお、業務時間は、始業・終業にかかる準備・片付け時間、整理時間を含まない。また、事 業者が実施すべき業務が時間内に終了しない場合は、終了するまで時間を延長して対応するこ ととする。 また、業務日及び業務時間、配置場所等はあくまで基準であり、要求水準及び業務区分表の 遵守、診療時間や療養環境への十分な配慮が前提であれば、事業者の効率的運用を拘束するも のではない。 2) 遵守事項 事業者が各業務を実施するにあたり、法令遵守、守秘義務、教育研修、安全性の確保等、事 業者が本業務を実施するうえで必ず遵守しなければならない事項を記載している。 3) サービスレベル 事業者が各業務を実施するにあたり、達成しなければならないサービスレベルを満たすべき

(17)

アウトプットとして記載している。事業者はこのアウトプットを達成するために必要な体制を 整え、適切に業務を履行するものとする。 各項目は、「a、b…」に示すサービスレベルと「(a)、(b)…」に示す事項から成っている。 「(a)、(b)…」に示した事項は、各サービスレベルを達成するための主要事項であるが、達 成度合いの評価はあくまでもサービスレベルに対して包括的に実施する。当該事項のみの実施 を以てサービスレベル達成とはならない。事業者は、「(a)、(b)…」に記載されていない事項 についても、サービスレベルを満たすためにはその業務を誠実に遂行しなければならない。 大学は、事業者が実施する業務に関し、その達成度合いを監視(モニタリング)し、満たす べきサービスレベルが達成されていない場合は、改善を求め、場合によってはサービス対価を 減額する。 (3) 業務区分表 病院と事業者との業務区分(分担)を示す。当該業務の主担当(主に業務を実施し、責任を 有する)を「◎」印で表示し、従担当・協力を「○」印で表示している。 なお、事業者には業務再編にかかる能力及び積極的な提案・企画を求めることから、表中に は業務内容によっては重複が生じる作業も含まれている。 (4) 費用負担区分表 業務にかかる費用について、大学と事業者との負担区分を示している。

(18)

3. 各業務共通

施設整備業務を除く各業務に共通する事項は以下のとおりである。事業者は当該事業の実施に あたって、これら要求水準を満たす業務を実施することとする。 (1) 要求水準 1) 前提条件 ア 実施体制 a 業務の実施体制は、指揮命令系統を明確にし、必要な作業指示、監督・指導、業務連絡 等が円滑に行えるものとすること。 (a) 各業務を統括する責任者を定めるものとする。なお、責任者の配置は、業務間で の兼任を妨げるものではない。 (b) 業務にあたり法的に必要な有資格者及び業務に必要な能力・資質・経験を有する 人員を適切に配置すること。 (c) 作業内容等を勘案し、要求水準を達成できる技術を持つ従事者を適正数配置する こと。 b 本業務の従事者は、頻繁な変更を避け、組織の継続性の確保と成熟に努めること。なお、 従事者を変更する場合は、事前に変更予定日と後任予定者を通知するとともに、十分な 引継ぎ期間を設け、業務に支障を生じさせないこと。 2) 遵守事項 ア 法令等遵守 a 法令・規則に従うこと。また茨城県及びつくば市の関係条例を遵守すること。 b 病院が認証取得している品質保証システムISO9001:2000 を遵守し、業務を実施す ること。 c 新しい技術の出現、法令変更等がある場合、事業者は業務計画を更新すること。また、 業務計画は必要に応じ適宜見直すこと。 イ 守秘義務 a 契約期間の内外を問わず、業務に際して扱う患者及び病院職員の個人情報を第三者に漏 洩してはならない。 (a) 病院が別に定める「個人情報保護に関するガイドライン」を遵守すること。 (b) あらかじめ病院が許可した業務以外に、患者及び病院職員の個人情報を使用しては ならない。 (c) 取扱書類等が紛失、漏洩することのないよう、取扱いに注意すること。 (d) 業務に必要な場合を除き、取扱書類等を指定された場所以外に持ち出してはならな い。また、無断で印刷・複写してはならない。

(19)

b 契約期間の内外を問わず、業務上知り得た情報を第三者に漏洩してはならない。 (a) 取扱書類等が紛失、漏洩することのないよう、取扱いに注意すること。 (b) 業務に必要な場合を除き、取扱書類等を指定された場所以外に持ち出さないこと。 また、無断で印刷・複写しないこと。 c 業務の実施に際して作成した電子データが外部に漏洩することのないよう、セキュリテ ィ対策を十分に実施すること。 (a) 病院が許可した場合を除き、病院所有でない情報端末では病院内の情報を扱う作業 を行わないこと。 (b) 病院所有でない情報端末で業務を実施する場合は、ファイル交換ソフトやファイル 共有ソフト等をインストールしたパソコンを使用しないこと。 ウ 教育研修 a 本業務を実施する事業者職員を対象とした研修計画を策定し、適切な教育・研修・訓練 を行うこと。実施した研修については、内容と状況を記録し、病院へ文書報告を行うこ と。 (a) 病院との協議のもと、病院運営に沿った研修計画を策定すること。また必要に応じ て病院の協力を得ること。 (b) 業務遂行において必要な知識・技能のほか、以下を含む病院で働く者として必要な 知識を習得させること。 ・ 再開発及び本事業の意義と概要 ・ 本事業が各業務に求める要求水準、役割及びモニタリングの仕組み ・ 病院の運用と特徴(特に医療安全管理体制に関連する事項) (c) 情報が更新されるものについては臨時研修などを行い、全従事者への周知を徹底す ること。 (d) 研修内容についての理解度を確認し、必要に応じて繰り返し指導すること。 (e) 病院が指定する研修・講習に必要に応じて参加すること。 b 業務上、有益な資格や講習の取得・受講を推進し、支援すること。 エ 院内感染防止 a 衛生管理を徹底すること。 (a) 従事者は、スタンダード・プリコーション等の衛生管理の考え方について、基本的 事項を理解していること。 (b) 定められた場所ではマスク・帽子の着用、手洗い・手指消毒等を徹底すること。

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オ 安全性の確保 a 事故防止への対応を万全にすること。 (a) 事故防止への配慮とともに、防止策に関する手順を示すこと。 (b) 医療事故を未然に予測、防止する視点で業務を遂行すること。 (c) 運用に関わるリスクマネジメントを徹底し、事故の防止に努めること。 b 緊急時への備えを万全にすること。 (a) 業務の専門性や医療安全との関係度に応じて適宜、安全性を確保・推進するための 担当者を設置し、病院のリスクマネジメント委員会と連携して、院内の安全管理に ついて全従事者へ情報の周知徹底を図ること。 (b) 医療事故、犯罪、災害等の発生に備え、病院と協議のうえ、あらかじめ対応方法を 構築しておくこと。 (c) 臨時や緊急のサービス要請に対応可能な連絡体制を整えておくこと。 c 緊急時に適切な対応を取ること。 (a) 業務との関連性の有無を問わず、事故・犯罪、災害、患者の異変など緊急対処が必 要な事態を発見した場合、即時に適切に対応し、かつ被害拡大防止に備えること。 (b) 医療事故、事故・犯罪、災害等が発生した場合、防災関連マニュアルに沿って速や かに必要な対応を行い、患者への影響を最小限にすること。 (c) 病院が必要に応じて行う事後調査等に誠実に協力すること。また問題が認められる 場合は速やかに改善計画を策定し、実施すること。 (d) 災害発生時には、大学や病院の防災関連マニュアルに則って行動し、医療施設とし ての病院の役割に貢献すること。 (e) 院内で災害が発生した場合、即時に適切に対応し、かつ被害の拡大防止に努めるこ と。また患者を避難させることが必要となった場合、病院と協力して適切な避難誘 導を行うこと。 (f) 災害への対応体制についてもあらかじめ整え、災害発生時においても、当該業務に 関連する必要な病院機能を確保すること。 d 従事者の健康状態の把握及び健康管理を徹底すること。 (a) 従事者に伝染性の強い感染症又は、感染性疾患等に罹患し、又は罹患している疑い のある時には、その者を業務に従事させないこと。 (b) 従事者は、以下に示す抗体検査等を必ず行うとともに、適切な処置を行い、病院に 報告すること。 抗体検査 備考 麻疹、水痘、風疹、流行性耳下線炎 抗体陰性あるいは未検査の場合、ワクチンを 接種すること。 B型肝炎 抗体陰性者は3回以上ワクチンを接種する

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こと。 ツベルクリン反応 作業従事開始前までに接種し、判定しておく こと。 インフルエンザ予防接種 当該年の流行期に合わせて柔軟に対応する こと。 e 院内の方針に従い、セキュリティを徹底すること。 (a) 事業者は、氏名等を表記したIDカードを常時携帯表示すること。 (b) 入退室時の施錠管理等が定められた場所では、必要な手順を遵守すること。 カ 業務管理 a 事業者は、以下に示す計画書等をそれぞれ記載の時期に病院に提出すること。なお、変 更が生じた場合は、必要事項を修正し、速やかに病院に提出すること。 (a) 業務計画書 全ての業務について、次年度(4月から翌年3月末日まで)のスケジュール(月 単位で実施予定業務の概要を示したもの)を、毎年 10 月末日(当日が土、日又は祝 日にあたるときは、その翌日)までに病院に提出すること。 なお、開設準備・移行支援業務については、業務開始前までに提出すること。 (b) 費用計画書 全ての業務について、次年度(4月から翌年3月末日まで)の各業務に要する費 用(月単位で実施予定業務の費用を示したもの)を、毎年 10 月末日(当日が土、日 又は祝日にあたるときは、その翌日)までに病院に提出すること。 なお、開設準備・移行支援業務については、業務開始前までに提出すること。 b 事業者は、以下に示す業務仕様書、業務マニュアルを作成すること (a) 業務仕様書 開設準備・移行支援業務を除く全ての業務について、業務範囲、業務内容、業務 時間、業務従事者、遵守事項、衛生管理、使用施設及び経費負担など、業務の仕様 について記載したものを業務開始前までに作成すること。なお、業務内容の改善、 更新に伴い業務仕様書が変更となった場合には最新版を作成すること。 (b) 業務マニュアル 開設準備・移行支援業務を除く全ての業務について、業務の実施方法、実施手順、 管理基準、記録及び報告方法等を具体的に定めたもので、業務実施のマニュアルと なるものを業務開始前までに作成すること。なお、業務内容の改善、更新に伴い業 務仕様書が変更となった場合には最新版を作成すること。 c 事業者は業務計画書の定めに従い、記録の作成、提出及び保管を行うこと。病院が記録 の提示を求めた場合は速やかに提示すること。

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d 事業者自らモニタリングした結果は、毎月又は随時、病院に報告すること。 e 事業者は、本業務の従事者について氏名、年齢、性別等を病院に届け出なければならな い。当該者を変更する場合も同様とする。 f 必要書類の作成・提出・保管を適切に行うこと。 3) サービスレベル 事業者は、業務間の柔軟な連携・協力によって、最終的なアウトプットとして、以下に示す 目標を達成できるよう最善の努力を払うこと。 ア 病院機能の維持 a 筑波大学附属病院の機能及び運用に即した業務を構築し、柔軟かつ臨機応変に業務を遂 行すること。 b 事業者が実施する業務間のスキルミックスを推進し、提供サービスのレベルを一定に保 つこと。 (a) 関連部署、業務間と連携し、隙間業務や連絡ミスを発生させないこと。 (b) 業務間の相互補完により業務時間外の業務においても一定の対応が可能となるよ う工夫すること。 c 病院職員が業務に専念できる環境を提供すること。 (a) 関連諸室内の整理整頓を行い、病院職員が働きやすい良好な状態を保つこと。 (b) 病院職員の負担の最小化につながる業務改善を継続的に行うこと。 (c) 専門技術を要する業務については、必要に応じて技術補助・助言を行うこと。 (d) 医療機器や診療材料、医薬品等に添付しているマニュアルや文章について一元的に 管理するとともに、必要な情報は病院Web(院内LAN)で閲覧できるようにす ること。 イ 協働体制の構築 a 病院職員が状況に応じた的確な判断ができるよう、情報共有を徹底すること。 (a) 病院職員との必要十分な情報共有を可能とする仕組みを構築すること。 (b) 責任者は、日常的・定期的な業務報告を行うこと。 (c) 一体のチームとして病院職員及び事業者間の良好なコミュニケーションに努める こと。 b 事業範囲外も含めた業務改善を継続的に実施し、病院全体の業務の最適化を図ること。 (a) 実務に即したボトムアップ型の意見・提案を可能とする仕組みをとること。 (b) 定期的に病院職員と協議を行い、課題の共有や病院側業務との一体的な業務改善を

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図ること。 ウ 患者満足度の確保 a 患者や来院者の満足するサービスを提供すること。 (a) 患者のプライバシーを尊重すること。 (b) 患者の目線に立ち、明るく礼儀正しい接遇態度をとること。また、必要に応じて正 確かつわかりやすい説明・案内をすること。 (c) 清潔感のある身だしなみを維持すること。 (d) 患者や来院者から聞いた意見や苦情は、病院に速やかに報告し、患者の満足度向上 に寄与すること。 エ 環境変化への対応 a 需要変動、医療制度改革、技術革新等に伴う業務内容の変化について柔軟に対応するこ と。 b 常にその時点における筑波大学附属病院の医療機能に応じた業務が提供できるよう、定 常的に業務の見直しと最適化を図ること。 オ 健全経営への貢献 a 常にコスト意識を持ち業務を効率的に運用すること。 b ライフサイクルコストを意識して創意・工夫を行うこと。 c 事業者自らが病院運営、病院経営という視点に立ち、国立大学附属病院としての機能の 維持発展に貢献すること。 (2) 業務区分表 各業務に共通して実施する基本的な業務を以下に示す。 共通業務区分表 業務主体 業務区分 業務内容 病院 事業者 業務計画 業務計画書、費用計画書、業務仕様書、業務 マニュアルの作成・管理・更新 ◎ 事業者職員に対する研修・訓練計画の策定、 報告 ◎ 事業者職員に対する研修・訓練の実施 ◎ 研修・訓練 事業者職員に対する研修・訓練状況の報告 ◎ 日報・月報・台帳など報告書の作成 ◎ 事業者の業務管理 業務記録 業務分担・職員配置表の作成 ◎ セルフモニタリング実施 ◎ モニタリング モニタリング実施 ◎ 凡例 ◎:当該業務の主担当 ○:従担当・協力

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(3) 費用負担区分表 各業務に共通する費用区分は、以下のとおりである。 共通費用負担区分表 費用項目 大学 事業者 各業務で使用する水道、電気等の光熱水費(感染性医療廃棄物処 理システムの運転にかかる電気代等も含む) ○ 水道光熱費 事業者が執務室で使用する水道、電気等の光熱水費 ○ 労務費 事業者の人件費、再委託費、福利厚生費、教育研修費、保健衛生 費、交通費など ○ 印刷製本費 事業者が業務上作成する報告書等の印刷製本費 ○ 被服費 事業者の職員のユニフォーム、名札など ○ 通信費 事業者が使用する電話料金、インターネット接続料金など ○ 院内PHS機器 事業者が専ら院内で使用するPHS機器購入費 ○ 保険料 事業者が自ら加入する保険料 ○ 帳票類費 事業者が専ら使用する帳票類 ○ 消耗品費 事業者が専ら使用する消耗品費(事務用品など) ○ 行政手数料 当該業務において関係官庁への手続きが必要となる場合の官庁 手数料 ○ 凡例 ○:負担者(事業者負担の場合、入札価格に含める費用)

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1. 統括マネジメント業務

(1) 基本的考え方 1) 再開発における位置付け 再開発においてPFI手法を導入するにあたり、病院は事業者に対して「成長するPFIの 実現」「包括委託による範囲の経済の実現」「民間のノウハウに基づくサービスの実現」を期待 している。 事業者は、その管轄下にある複数の業務のマネジメントを一元化し、調整等を行うことによ り、病院が事業者に期待する事項の効果を最大限に発揮することが可能となる。よって、事業 者は統括マネジメント業務(本事業の目的を達成させるための体系化された実践活動)を実施 する。 また、本事業を成功に導くためには、病院と事業者が、本事業の目的を共有し、信頼関係(相 互信頼、信用、尊敬)やコミュニケーション、相互教育の形成を促進し、発生する様々な問題・ 課題への早期解決などに協働することが重要である。よって、病院と事業者は良好なパートナ ーシップを構築するものとする。 ア 「成長するPFI」の実現 「成長するPFI」の実現とは、長期契約による業務改善効果を期待するものであり、本 事業の病院運営支援及び維持管理運営期間が 20 年間と長期にわたることを踏まえ、計画的な リソースの配置、人材育成、事業者自らが実施するセルフモニタリングを通じたPDCAサ イクルによる業務改善等により、社会状況の変化に呼応した病院が果たすべき使命・役割の 変化に対して、病院と事業者が協働して柔軟に対応することにより、長期にわたり良質なサ ービスの提供を目指すものである。 イ 包括委託による範囲の経済の実現 個別に委託していた各業務を包括的に委託し、事業者が業務内容や業務のプロセス、組織 構造を分析して業務の再設計(BPR)を行い、業務計画に反映させ、安定した効率的かつ 効果的なサービスの提供を目指すものである。 ウ 民間のノウハウに基づくサービスの実現 病院が、性能発注を前提とした要求水準を提示することにより、事業者が有するノウハウ を最大限に活用したサービスの質の維持・向上を目指すものである。 2) 業務概要 事業者は、要求水準書に示す業務を適切に実施し、病院が事業者に期待する事項の効果を最 大限発揮するために、主として以下に示す統括マネジメント業務を行うものとするが、統括マ ネジメント業務を実施する体制は事業者からの提案によるものとする。 事業者は統括マネジメント業務の責任者(以下「統括責任者」という。)としてリーダーシ ップ、コミュニケーション能力、ネゴシエーション能力を持つものを配置するとともに、事業 の各段階に応じて適切なマネジメント体制を構築し、本事業の最終目標を病院と共有し、その 実現のための最適プラン作りを使命とするものとする。

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a 事業全般におけるコスト、スケジュール、品質のマネジメント b 事業者の管轄下にある全ての業務における教育研修等に関する計画立案、実施の確認等 の人的資源のマネジメント c 病院とのコミュニケーションの構築(病院会議等への出席、病院との意見交換、情報交 換、業務等の調整、各種協議など) d 任意協力企業選定時におけるマネジメント e 事業全般における変更要求等のマネジメント f 事業全般における業務の再設計(BPR)の企画・実行のマネジメント g 本事業に存在する数々の技術的・組織的なインターフェイスのマネジメント h 事業者の管轄下にある全ての業務間におけるコミュニケーションマネジメント i 任意協力企業の横断的なマネジメント j 事業者の管轄下にある全ての業務における共有リスクと固有リスク両方に対しての一 元化したマネジメント k セルフモニタリングを通したPDCAサイクルによる継続的業務改善 (2) 要求水準 1) 前提条件 ア 業務日及び業務時間 業務日及び業務時間は、統括マネジメント業務内容を勘案したうえで適切に設定すること。 なお、365 日 24 時間対応可能なヘルプデスク(患者・面会者等の病院利用者及び病院職員 等の病院関係者からの要望や苦情を受付け、情報を一元的に管理するために設置する窓口を いう。)を設置し、運営すること。ただし、必ずしも 365 日 24 時間を通して同一の体制・人 員配置を要するものではない。 イ 配置場所 病院内に整備するSPC事務室とする ウ 実施体制 統括マネジメント業務は、統括責任者及び個別業務の責任者などで構成されるマネジメン トチームにより実施することを求めるが、具体的な実施体制に関しては応募者からの提案に よるものとする。なお、提案する際の条件は以下の通りである。 (ア) マネジメントチームに関する事項 a SPC内に統括マネジメントチームを設置し、施設整備・開設準備・移行支援、病院運 営支援・施設維持管理等の各期間においてそれぞれの要求水準を満足するサービスを確 実に提供出来る実施体制を適宜構築すること。特に、本業務は「居ながら改修」を伴う ことから移行計画のプロジェクトマネジメントに配慮すること。

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b マネジメント協力企業が参画する場合には、マネジメントチームの一員としての位置付 けとすること。 c 個別業務(施設整備業務、病院運営支援業務、施設維持管理業務等)の責任者は病院内 に専任で配置すること。 d SPC内にスケジュール、品質、コミュニケーション、リスク等、統括マネジメントに 必要な管理体制を構築し、円滑に業務を実施すること。 e 統括マネジメントチームの一員を協力企業所属の者が担う場合、SPCの経営及び統括 マネジメント業務がそれら協力企業からの不必要な影響を受けることの無いよう対応 策を講じること。 (イ) 統括責任者に関する事項 a 統括責任者は、代表企業所属の者とし、SPC事務室にて専任・常駐で業務を実施する こと。 b 統括責任者は、リーダーシップ、コミュニケーション能力、ネゴシエーション能力を有 すること。 c 統括責任者は、開院後、本事業が安定するまで継続して業務を実施するものとし、組織 の継続性の確保と成熟に努めること。なお、統括責任者を変更する場合は、事前に変更 予定日と後任予定者を通知するとともに、十分な引継ぎ期間を設け、業務に支障を生じ させないこと。 d 統括責任者は、SPCの管轄下にある個別業務の責任者を兼ねることは出来ない。 2) 遵守事項 ア 教育研修 a SPC職員及び協力企業職員に対してサービスの質の維持、向上のために必要となる教 育のマネジメントを行うこと。 b 全事業期間にわたり、統括マネジメント業務が適切に遂行されるよう、マネジャーの育 成を行うこと。 イ 安全性の確保 a 医療安全の確保のために、安全管理及び危機管理に対応した仕組みを構築すること。 b 病院との連携により、危機管理、医療安全管理及び感染管理に関する各種業務の業務計

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画書、仕様書、マニュアル等の内容の精査を行い、適切に実施されていることを確認す ること。 3) サービスレベル ア 病院機能の維持 a 円滑・安全な診療、教育・研究が実施できる環境を常に維持すること。 (a) 病院の使命・機能・活動状況を常に理解するよう努めること。 (b) 事業者及び病院が行う業務の課題抽出を適切に行い、その整理と解決策の提案・実 施を行うこと。特に、病院が教育研究機能を有していること、「居ながら改修」に かかる運営及び施設整備上の工夫が必要であることに留意すること。 (c) 事業者の行う業務を包括的にマネジメントし、隙間業務を解消し、病院職員がそれ ぞれの専門業務に傾注できる環境を整備すること。 b 施設整備期間及び運営期間中の適切なスケジュール管理を行うこと。 c 個別業務が常に最適化されているよう確認・対応すること。 (a) 事業者の行う業務を確実に履行しうる協力企業の選定を行うこと。 (b) 統括マネジメントチームによるセルフモニタリングを通じ、協力企業が提供するサ ービスの質を監視し、要求水準書を満たしたサービスの継続的提供を実施すること。 (c) 適切なサービスが提供され、病院機能が維持されるよう、協力企業に対して改善を 求め、やむを得ない場合には協力企業の変更を行うこと。 (d) 病院運営支援業務のSPDについて効率的な運用を実施すること。 d 災害発生時など緊急時への対応を図ること (a) 国内外で発生した災害に関する情報を収集し、予めその対策を明確化し、病院と充 分に協議すること。 (b) 災害や障害発生時には、事前に病院と協議の上設定した対応策をとること。 イ 協働体制の構築 a 病院職員とのコミュニケーションや情報共有を密に行い、業務を円滑に推進すること。 (a) 統括責任者は病院の最高意思決定機関である病院会議に必要に応じ出席し、病院経 営や病院運営の視点から本事業に関する意見や提案等を行うものとする。 (b) 統括責任者及び個別業務の責任者は、病院が求めた場合は、病院が主催する各種委 員会及び会議等に出席すること。 (c) 施設整備(設計)、病院運営支援・施設維持管理の業務設計を行うにあたり、病院 の意向を充分に把握したうえで実施すること。 (d) 統括マネジメントチームは、病院職員と良好な関係を構築し、業務運営の円滑化、 効率化を図ること。

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b 病院職員に対する教育研修の提案を行い、必要に応じ実施の支援を行うこと。 c 365 日 24 時間対応可能なヘルプデスクを設置し、運用すること。 (a) 病院職員に対するSPCの窓口として日常的な要望・問い合わせ・意見等を一括し て受付け、各業務従事者等による迅速な対応を回答期限と併せて指示すること。 (b) 各個別業務を実施するうえで生じた緊急事態や事業者が受けた苦情等を集約し、各 業務従事者等より事情を聴取するとともに、事後対応及び今後の業務改善策につい て、病院職員に随時報告を行うこと。 d 病院への情報提供を密に行い、業務を円滑に推進すること。 (a) 統括責任者は、各業務についてモニタリングを実施し、業務内容及び改善事項等を 取りまとめ、病院に報告すること。 (b) 病院職員と日常的な情報交換・意見交換・調整を行い、その結果を適切に業務に反 映させること。 e 病院が認証取得している第三者評価による品質保証システム(ISO9001:2000・病院 機能評価など)の維持・更新に協力すること。 (a) 病院が認証取得しているISO9001:2000・病院機能評価等に従って、院内業務・ 教育研修を行うこと。 (b) 病院が認証取得している品質保証システムISO9001:2000 及び病院機能評価の 継続的認証取得に対する支援を行うこと。(マニュアルの見直しや内部監査、外部 審査など) f 病院が実施する産学連携事業(セントラルキッチン、生涯教育検査ラボ、次世代分子イ メージングセンター、駐車場整備・利便施設運営事業等)との連携を図ること。 (a) 産学連携事業者・病院・事業者との間に隙間業務が生じないよう、三者間の調整・ 協議に参画すること。 ウ 環境変化への対応 a 統括責任者は、業務内容や業務のプロセス、組織構造を分析して業務の再設計(BPR) の企画・堤提案を行うこと。 b 需要変動、医療制度改革、技術革新などに対応すべく、事業開始以降も適宜、再設計(B PR)を行い、変化に対応した、マネジメントを行うこと。また、必要に応じ、病院業 務の改善についても積極的に提案すること。 c 社会状況の変化により、要求水準又は業務仕様の変更が必要な場合は、SPC内におい て、変更の必要性、変更による影響(病院への影響、SPCが実施する他の業務への影 響、コストへの影響等)を検討し、当該変更について病院と協議を行うこと。

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d 医療環境・外部環境の情報収集を行い、事業者の業務範囲外も含め病院が提供すべきサ ービス水準の維持・向上について企画・提案を行うこと。 エ 健全経営への貢献 a 事業者自らが病院運営、病院経営という視点に立ち、積極的に企画・立案を行い、経営 基盤の安定化に資すること。 (3) 業務区分表 事業者は総括マネジメント業務にかかる全ての業務を行う。 (4) 費用負担区分表 事業者は総括マネジメント業務にかかる全ての費用を負担する。ただし、病院が主催する各会 議の開催にかかる費用は大学とする。

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1. 開設準備・移行支援業務

(1) 基本的考え方 1) 再開発における位置付け 本業務は、統括マネジメント業務の一環として実施することを求めるものであるが、本件が 継続的なBPRと「居ながら改修」を伴う複雑な施設整備を含むものであることから、特に個 別業務として要求水準を示す。 再開発にあたり、病院では各部門の機能や運営の再編を行い、質の向上・業務の効率化等を 図る計画としている。また、病院運営に広く事業者を参画させることにより、医療資源の更な る活用につながるBPRの提案・企画を期待している。 さらに、再開発では、病院を稼動させながらの新棟建設及び既存棟改修となることから、医 療安全の確保及び療養環境の質の維持を図り、診療制限等による経営的影響を最小化すること が重要である。特に新棟を円滑に開設させ、安全で合理的な既存棟移行に伴う移転業務を推進 する。また、移転コストの低減を目的として、より効率的な移行計画とする方策を検討する。 2) 業務概要 ア 業務設計支援 再開発で機能・運営の改善を図るにあたり、プロセスの見直し・フローチャート化・マニュ アル化・リハーサルを行うこと等をここでは、「業務設計」という。 病院の各診療部門の業務設計については、原則事業範囲外とし、病院が主体的に実施する。 ただし、病院と事業者が同一エリアで協働する業務など、業務間のインターフェイスが生じる 業務については、事業者の積極的な企画・助言・支援を求める。 イ 開設準備・移行支援 (ア) 移行計画実施支援 病院経営支援業務やその他関連業務と連携し、新棟建設及び既存棟改修が診療に与える影 響を最少化するための移行計画について事業者の企画・助言・支援を求める。 また、移行実施計画の策定に際して必要な調査やスケジュール調整、リハーサル等につい ては、病院と事業者が一体となって実施することで、可能な限り業務間の隙間を未然に防止 する。 (イ) 物品等の移転業務 物品等の移転・患者の搬送等の移転業務については、事業者が調達するものを除き、病院 が自ら別途、引越業者を選定するものとする。ただし、移転計画の立案及び引越業者選定支 援は事業範囲とする。 (2) 要求水準 1) 前提条件

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2) 遵守事項 「統括マネジメント業務」と同様 3) サービスレベル ア 病院機能の維持 a 移行による診療への影響が最小限となる計画とすること。 (a) 経営支援業務と連携し、移行費用とのバランスを考慮しながら、病院が策定する診 療制限計画について助言すること。 (b) 診療業務への影響を考慮した移行計画とすること。 (c) 施設整備業務と連携し、診療や運営支援業務に係る必要な準備行為が滞りなく実施 できるようにスケジュール調整を行うこと。 (d) 新棟開院及び移行時の診療開始予定日に遅滞が生じないようにすること。 b 運用リハーサル、病院職員への説明会等は、病院職員の各職種や配置部門を考慮し、可 能な限り繁忙期・繁忙時間帯を避けること。 c 新棟開設時及び移行後の病棟稼動日に、必要な診療機能が円滑に開始できる状態にする こと。 (a) 医療機器、備品、診療材料等の必要物品が、使用可能な状態で配置されていること。 (b) 各業務が円滑に開始できるよう、十分な教育・トレーニング等を行うこと。 d 新棟開設直後、移行時の病棟稼動直後の診療現場の混乱を最小限に抑えること。 (a) 移行実施計画、移行実施マニュアルは、予め想定されるトラブル等への対応を反映 したものとすること。 (b) 適切な時期に、新棟開院時に開始する他の運営支援業務の従事者を参画させ、病院、 その他関係者と実務レベルにおける連携・調整を十分に行うこと。 (c) 隙間業務が生じないよう、リハーサル等の準備行為を通じて、病院と事業者間及び 業務間の業務分担を入念に確認すること。 (d) 新棟開院後及び移行後も、適切な期間、人員を配置し、病院と事業者間及び業務間 の細かな業務調整を行うこと。 イ 協働体制の構築 a 関係者が十分に準備できる環境を提供すること。 (a) 関連業務や関連部門と連携し、全ての物品や医療機器は、リハーサルやトレーニン グ時に通常通り使用可能であること。 (b) リハーサルやトレーニングは、病院職員及び事業者の必要な関係者が全て参加でき る計画とすること。 (c) 全ての関係者に対し、移行計画やマニュアルなどの周知徹底と確認・調整を確実に 行うこと。

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b 業務設計にあたっては、病院全体の業務の最適化を図ること。 (a) 病院及び事業者が同一領域で行う業務について、安全性、質、効率性を確保した業 務設計を積極的に行うこと。 (b) 施設整備業務、調達業務などと連携し、移転・移設費用が適正となるよう計画する こと。 ウ 患者満足度の確保 a 患者や来院者の快適性への影響を最小限にすること。 (3) 業務区分表 当該業務に係る業務・作業について、以下のとおり病院と事業者とで区分するものとする。 開設準備・移行支援業務 業務主体 業務区分 業務内容 病院 事業者 移行に関する準備組織の立ち上げ ◎ ○ 移行関連組織の立ち上げ 移行に関する準備組織の事務局業務 ◎ ◎ 必要資料の準備・提供、連 絡・調整、書類作成、提出 ◎ 届出等手続き (病院名で実施するもの) 承認 ◎ 計画起案、資料作成、 連絡・調整、取りまとめ等 ◎ 計画の確認 ◎ 運用オリエンテーションの 実施 オリエンテーション参加 ◎ ◎ 計画起案、資料作成、 連絡・調整、取りまとめ等 ◎ 計画の確認 ◎ 運用リハーサルの実施 リハーサル参加 ◎ ◎ 病院側業務 ◎ ○ 病院側業務と事業範囲との インターフェイス部分 ◎ 運用マニュアルの作成 事業範囲の業務 ◎ 業務設計支援 運用マニュアルの職員への周知徹底 ◎ 起案、資料作成、 連絡・調整、取り まとめ等 ◎ 基本スケジュール の策定 承認 ◎ 移設対象品の抽出 ◎ 廃棄対象品の抽出 ◎ 医療機器・什器備 品の調査 調達業務との整合 性確認 ◎ 起案、検討資料作 成 ◎ 診療制限計画の策 定 検討、承認 ◎ 開設・移行計画実施 開設・移行基本計 画の策定 移設・移送費用の調査 ◎

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業務主体 業務区分 業務内容 病院 事業者 起案、資料作成、 連絡・調整、取り まとめ等 ◎ 詳細スケジュール の策定 承認 ◎ 起案、検討資料作 成 ◎ 患者移送計画の作 成 検討、承認 ◎ 移設・廃棄対象品 の確定 ◎ 移設・廃棄計画の 起案、スケジュー ル調整 ◎ 医療機器・什器備 品の移設・廃棄計 画の策定 院内説明会開催 ◎ 起案、検討資料作 成 ◎ 診療制限詳細計画 の策定 検討、承認 ◎ 移行費用の概算算出 ◎ 起案、作成 ◎ 移行実施マニュア ル 承認 ◎ トレーニング計画の策定 ◎ メーカー等との連絡・調整 ◎ 操作等トレーニン グ 操作マニュアルの作成 ◎ 接遇トレーニング トレーニング計画の策定・準備 ◎ 移行計画の院内周知徹底及び確認・調 整 ◎ 診療制限の実施 ◎ ○ 患者移送 ◎ 移設物品の移送 ◎ 開設時・改修時の 移行・移送 監督官公庁への提出書類作成、保管 ◎ 広報計画の作成 ◎ 広報活動費用の算出 ◎ 病院紹介パンフレット、ビデオ、ホームページ等の作成 ◎ 広報活動 広報活動の実施 ◎ 凡例 ◎:当該業務の主担当 ○:従担当・協力 (4) 費用負担区分表 当該業務にかかる費用区分は、共通費用負担区分にて示す項目のほか、下記のとおりとする。 下記以外のものは別途協議のうえ決定するものとする。 開設準備・移行支援業務 費用項目 大学 事業者 各業務で使用する備品費 準備本部に設置する備品 ○ 各業務で使用する消耗品費 移設・移送に係る消耗品(梱包材・養生資材等) ○ 移送費 ○ 各業務の諸経費 広報物の作成費用 ○ 凡例 ○:負担者(事業者負担の場合、入札価格に含める費用)

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1. 施設整備業務共通

(1) 基本的考え方 1) 再開発における位置付け 再開発は、「高度先進医療・急性期医療の推進」、「ヒューマニティにあふれ、かつ効果的な治 療・疾病管理が可能なシステムの確立」、「先進的医学教育の提供」、「臨床医学の力となるべき 研究の推進」、「地域との密接な連携体制の構築」、「病院経営の更なる健全化」をその目標に掲 げている。 本事業における施設整備は、上記の再開発の目標を施設面において具現化することを目的と しているが、運営面とも充分に連携の取れた整備を目指す。 各目標における施設面での重点的な整備項目は以下のとおりである。 ア 高度先進医療・急性期医療の推進 ∙ 高機能手術室、集中治療病床、急性期病棟、救急部等の施設整備 ∙ 高度医療の安全と質向上を支援する診断・治療設備の拡充 イ ヒューマニティにあふれ、かつ効果的な治療・疾病管理が可能なシステムの確立 ∙ 早期回復を実現する療養環境の提供 ∙ 患者のセルフケア支援及び地域連携による継続的な疾病管理システムの構築 ∙ 外来・入院患者アメニティの向上、市民向けサービスの拡大 ウ 先進的医学教育の提供 ∙ 新カリキュラムに基づいた先進的な医学教育を強力に支援するための施設整備 ∙ 早期体験学習や少人数グループ学習が可能となる諸室の配置 ∙ e-learning・スキルスラボをはじめとした教育支援施設・システムの整備 エ 臨床医学の力となるべき研究の推進 ∙ 産学連携による病院機能の拡充と新技術・サービス開発を実現するスペースの確保 オ 地域との密接な連携体制の構築 ∙ 総合周産期母子医療センターや難病相談・支援センター、地域がん連携拠点の整備によ り、県や自治体との連携事業を展開し、地域医療体制構築を推進 ∙ プライマリケア、専門診療の研修を地域と共に展開するために、地域医療研修ステーシ ョンを県・県医師会との連携の元に整備 ∙ 地域の中核となるべき統合的な診療センター(がん、循環器、あるいは稀少疾患、難病 等)を、単独あるいは連携の元に設置 カ 病院経営の更なる健全化 ∙ 効率良く、密度の高い外来診療を実現し、患者のトータルな受療時間の短縮とスタッフ の時間あたり診療密度を向上 ∙ 各種関係法令及び診療報酬上の施設基準を充足するとともに、各種の加算を受けること

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ができる基準を満たす整備を実施することにより病院経営の改善に寄与 以上の重点的な整備項目を実現するために、 ① 急性期病棟や高機能手術室等からなる「新棟の新設」 ② 亜急性期病棟や教育・研究スペース等を整備するための「既存棟の改修」 ③ エネルギーインフラ等の「基幹整備」 ④ 本事業にかかる病院敷地の「外構整備」 を行い、病院機能の補強・刷新を図る。 2) 大学において実施している施設整備計画 ア 再整備基本設計 本事業による施設整備については、整備方針の決定、施設整備計画の立案、院内及び学内 との調整、本事業とは別の事業との整合性の確保等、様々な検討課題や調整事項があり、こ れらを取り纏めた施設整備計画を立案するために、大学において再整備基本設計を実施した。 再整備基本設計では、院内に各部門ワーキンググループを設置し、整備計画について検討を 重ねた上で基本設計図書を作成している。 イ 既存棟改修工事の実施設計 既存棟のうち、A棟、新A棟、B棟、C棟は新しい部門の設置や部門の移動、室の用途変 更等が生じる部分の改修が必要となる。また、A棟、新A棟、B棟は老朽化した設備配管等 の全面的な更新に伴う改修も生じる。このように既存棟の改修は、いわゆるスケルトン改修 とは異なる部分改修となっており、さらに既存病院施設を運営しながらの改修となるため、 性能要求を中心とする要求水準に基づいて事業者が設計を実施する場合、設計上の様々なリ スクの発生が予想される。 さらに、既存棟の改修工事は新棟建設・開院後の平成 24 年 4 月以降に行うため、改修工事 に着手する時点では、激しい変化が予想される医療環境・医療ニーズに対応するため、計画 内容の見直しが必要となる。 そのため、このようなリスクを回避するとともに計画内容を見直す際の基準を設定するた め、既存棟の改修工事については大学において実施設計を行っている。 3) 既存施設の概要 ア 敷地の現状 本事業にかかる病院敷地(以下「事業地」という。)は筑波大学キャンパス南西部の西地区 内に位置する。西地区を南北に貫く構内道路である「ゆりのき通り」の西側部が、病院、医 学専門学群、看護・医療科学類、医学中央機械室等を含めた医学地区の敷地となっており、 病院施設及び病院関連施設は医学地区内の西側に集約して配置されている。医学地区東側に は医学専門学群や看護・医科学類等の医学系教育の施設群が配置されており、医学系学系棟 及び図書館・臨床講義棟はB棟と渡り廊下で接続している。事業地は医学地区の敷地内で病

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究員等宿泊施設、追越生活センター等の宿舎施設群が立地しており、医学中央機械室から熱 源の供給を受けている。また、病院の職員駐車場もこの一角にある。 敷地西側(国道 408 号線)及び南側(市道 1015 号線)の道路境界部は当該地区の指導事項 として接道緑化帯が設定されており、緑地帯に囲まれた良好な自然環境の残る敷地となって いる。また、A棟、B棟南側正面には病院利用者の憩いの場となる広場や池、セラピーガー デンが配置されており、潤いのある外部環境を形成している。 駐車場は外来駐車場として敷地南西部に 631 台分の平面駐車場が確保されている。職員駐 車場は 388 台分確保されている。 敷地の現状は、以下のとおりである。 所在地 茨城県つくば市天久保 2 丁目 1−1 他 用途地域 第二種住居地域 地域地区 市街化区域 防火指定 指定なし 日影規制 5 時間/3 時間(平均地盤面+4m) その他 公害防止地域(大気汚染、騒音、振動、水質汚濁、土壌の汚染、地盤の沈下)、建築基準法 第 22 条指定区域内、第二種文教地区 敷地面積 201,483.84 ㎡(本事業とは別途実施する予定の事業による敷地分割のため、今後変動する可 能性がある。) 建ぺい率 60% 容積率 200% 接道条件 東側 構内道路(ゆりのき通り) 幅員 14m 南側 市道 1015 号線 幅員 18m 西側 国道 408 号線 幅員 34m 北側 市道 51054 号線 幅員 9m 駐車台数 外来駐車場 631 台(一般用:611 台、車イス用:20 台) 職員駐車場(別敷地)388 台 イ 病院施設及び病院関連施設の現状 病院施設のうち主要なものとしては、A棟(外来診療棟)、新A棟(外来診療棟)、B棟(病棟)、 C棟(中央診療棟)、D棟(特殊診療棟)、E棟(病棟)、F棟(MRI-CT 装置棟)がある。 病院関連施設のうち主要なものとしては、医学中央機械室、共同溝、病院サブセンターが ある。医学中央機械室は西地区のエネルギーインフラの拠点として敷地北側中央に位置し、 共同溝及び病院サブセンターを介して、病院、医学学群施設、追越学生宿舎及び平砂学生宿 舎等の西地区全体にエネルギーを供給している。病院サブセンターは医学系学系棟の地下1 階にあって、医学中央機械室から供給されるエネルギーを病院施設と医学施設へ分配する場 所となっている。 病院施設及び病院関連施設の現状は、以下のとおりである。

参照

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