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機能性多核金属錯体の創製

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機能性多核金属錯体の創製

著者 鈴木 正樹

著者別表示 Suzuki Masatatsu

雑誌名 平成13(2001)年度 科学研究費補助金 基盤研究(C)  研究成果報告書

巻 2000‑2001

ページ 17p.

発行年 2002‑03

URL http://doi.org/10.24517/00049376

Creative Commons : 表示 ‑ 非営利 ‑ 改変禁止

http://creativecommons.org/licenses/by‑nc‑nd/3.0/deed.ja

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それら(1.803と2.758(4)A)に比べて

若干長くなっているが銅イオンは2.0 三価状態を取っていることがわか

る。架橋している酸素原子の0.・01,5

距離は2.287(5)Aで,酸素一酸素結:

合は切れている。

g

31.0

< 可 逆 的 酸 素 一 酸 素 結 合 の 生 成 画

と開裂>このbis("‑oxo)Cu(III)20・5 錯体13 d4 CIO4の特徴は,可逆的

に一価錯体12‑d4と相互変換する0.0

‑80。C

・75.C

卵一

℃牙 06 7−の〆

5 0 0 6 0 0 7 0 0 8 0 0 9 0 0 1 0 0 0

こ と で あ る 。 図 6 に 示 し た よ う

wavelngth/nm

に,錯体12‑d4はl気圧の酸素雰囲図6温度変化による錯体12̲d4と13・d4の平衡

気下でアセトン中,‐80℃でゆつく移動を示す電子スペクトル。波線のスペクトル リと,bis("‑oxo)Cu(III)2種13‑d4‑は‑80℃から‑50℃に温度を上げ'再び‑80℃にし

CIO4を生成する。NMRスペクトルた時のスペクトル。

から,この条件では,約70%の12‑d4が13‑d4‑CIO4に変換していることがわかった。

温度を上げると図6に示したように'13 d4 CIO4の生成量が減少し平衡は左に移動 する。再び‑80℃に温度を下げると,もとのスペクトルに戻り,温度により完全な可

逆性を示す。

2 [ C u ( M e 2 ‑ b p p e ‑ f i 4 ) ] + + O 2 睾 全 [ C u ( M ‑ O ) 2 ( M e 2 ‑ b p p e ‑ a 4 ) ] 2 + ( 2 )

様々な温度での平衡定数を測定し,上記平衡の熱力学的パラメータを求めた。そ その結果,エンタルピー変化(AH)は‑54±lkJmol‑',エントロピー変化(AS)は‑190r 3 J K ・ 1 m o l ‑ ' と な っ た 。 こ れ ら の 値 は ( I L ̲ n 2 : n 2 ̲ p e r O X O ) 種 や t r a n s ( I L ‑ 1 , 2 ‑ p e r o x o ) 種 の 酸 素 化平衡のそれらとよく似た値であり,酸素一酸素結合の開裂と生成の自由エネルギ

ー変化は大きくないことがわかった。

この様な一価錯体とbis("‑oxo)Cu(111)2錯体との相互変換は,以前に報告した [Cu2("‑0)2(Me2‑tpa)212+錯体でも観測されたが,本錯体のように温度による可逆的変 換は,初めての例である。このような酸素分子とオキソ基との可逆的4電子酸化還 元は,酸素の還元的活性化及び光合成系での水の四電子酸化による酸素発生の機能 モデルとして非常に重要である。

以上の結果は,適切な配位環境の構築により,銅イオンの酸化状態,立体化学,

さらにそれらの変化に伴う銅イオンの反応性の制御が可能であることを示してい

る。今回用いた三脚型四座配位子であるbppeは,一価錯体では三角錐型構造を取っ て一価状態を安定化することが可能である(図4)。さらに二価,三価錯体では二 つのメチル基の立体的効果によって三方両錐型構造とはならず,上下に伸びた6配

ll

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位構造を取り,二価及び三価状態を安定化することができる。このようにbppeは立 体的に一価二価及び三価のいずれの酸化状態に対しても柔軟に対応することが可 能である。この構造的柔軟性が,銅一酸素及び酸素一酸素結合の両方の結合と開裂 を含む一価錯体1aとbis("‑oxo)Cu(HI)2錯体1bの相互変換を可能にしているものと思 われる。また,特にこのbppeでは,ピリジルエチル基が6員キレート環を形成する ため,ハ化2‑tPa比べて一価状態が安定化され酸素分子との反応性は低くなっている

<Bis("‑oxo)Cu(lll)2錯体のモノオキシゲナーゼ活性>先にも述べたが錯体12は

アセトン中に,‐80℃で非常に不安定であり,自己分解反応により配位子の6‐

methylpyridyl基を二核錯体に対して約80%の収率で脱アルキル化する。その際,6‑

methylpyridine‑2‑carbaldehydeが同時に検出され,さらに配位子のメチレン基の水素を 重水素化することにより分解速度が非常に

遅くなることから,この反応はオキソ基に よるメチレン水素の引き抜きが律速段階で あることがわかる。水素引き抜きに続き生 成したc旧基の再結合によりカルビノール アミンを経て,アルデヒFが生成している も の と 推 定 さ れ る 。 こ の メ チ レ ン 基 か ら の 水素引き抜きは,図7に示したようにオキソ 基 と メ チ レ ン 基 の 水 素 原 子 と の 距 離 が 約

2.43Aと非常に接近しておりこのproximity

効 果によ るものと思われる。ピリジル基の 水素原子は,約2.17入とさらに近い位置にあ るが,これはメチレン基のC‑H結合に比べて 結合が強いことによるものと推定される。

図7錯体13‑d4‑CIO4のbis(/j‑oxo)Cu(III)2 コア近傍の構造

< 二 核 鉄 酸 化 酵 素 の パ ー オ キ ソ 中 間 体 モ デ ル 錯 体 の 合 成 と 物 性 >

生体系には二核鉄(II)錯体により酸素分子を2電子 還元し,生成したパーオキソ基を二つの鉄(111)イオン が安定に結合して,酸素分子の運搬・貯蔵の役割をす るへムエリトリン(Hr)がある。一方,酸素分子をさら に活性化して酸化触媒として作用している鉄含有金 属タンパクが存在する。例えばメタンモノオキシゲナ

ーゼ(MMO)やリボヌクレオチド1jダクターゼ(RNR)等 の酸素分子活性化過程では,まず反応中心に存在する

qn

配位子

二つの鉄(II)イオンと酸素分子が反応してパーオキソ中間体(Fe(111)("‑peroxo)Fe(III)) が生成する。このパーオキソ基はさらに活性化され酸素一酸素結合が開裂して,高

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