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1. は じ め に

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全文

(1)

特殊的要素,産業連関および比較優位 特殊的要素,産業連関 および比較優位

田中一芳*

目次 1.はじめに 2.モデル

3.分析一関税賦課と特殊的要素の産業間移動 4.比較優位のパターン

5.むすび

1. は じ め に

国際貿易の純粋理論分析において重要な役割を演じているHeckscher̲

Ohlin‑Samuelsonモデルは,その基本的な形として, 2回・ 2財・ 2要素 から成る一般均衡モデルである。こゝでの本源的要素は国内の産業間で白山 に移動することが可能であると仮定されている。

しかしながら,短期的な観点のもとでは,各産業に特有な要素(特殊的要 素)存在すると考えることが出来る。この点を考慮に入れたモデルでは,各 財それぞれが産業間を自由に移動することが出来る要素(労働)と各産業に とって特有である要素(資本)とによって生産される。このようなモデルの もとで・多くの学者が貿易政策の所得分配への影響を分析してきた1)。さら に,このモデルに,各産業の産出量のある部分が他産業の投入物として使用 されるという面を考慮に入れて貿易政策の所得分配への影響を分析すること は重要である。また,中間財の存在のために,粗産出量と純産出量を区別す ることによって,純産出量に関する変形曲線の形状分析や純産出量に対する

*絶えず御教示・御鞭槌を頂いております神戸商科大学・上河泰男先生に心から感謝申し上げます。もちろん,本稿に有うべき過誤は私の芸である。

1. Amano (1977). Jones (1971, 1975), Mayer (1974)およびMussa (1974)

を参照されたい。

(2)

経 営 と 経 済 需要を考慮に入れる乙とによって比較優位のパターンの分析を行なうことも 重要である

O

本稿の目的は,

interindustry 

f 1

0ws

を 合 む

2

財・

3

要系モデルの枠組 みで,主として,貿易政策の所得分配に及ぼす影響分析,純産出量に関す る形状分析および比較優位のパターン分析を行ない, これらの結果が,

interindustry 

f 1

0ws

を含まない場合,あるいは

interindustry

f 1

0ws

を合 む通常の

2

財・

2

要采モデルの場合の分析結果とくらべて異なるかどうか,

あるいは制約されるかと、うかを探ることである

O

2

節では,本稿で取り扱かうモデノレを設定する

O

3

節では,特殊的要 素の存在のために短期的観点と長期的観点とに分け,前者には,関税賦訟に よる所得分配と産出量反応および純産出量に関する変形曲線の形状について 分析し,後者では,特殊的要素の産業間移動によってもたらされる所得分配 への影響.を分析する。第

4

節では,市要条件を導入することによって比較優 位のパターンを考察する。第

5

節では,本稿で得られた結果を纏めると共 に,残された課題を述べる。

2.

モ ア

j

2

貿易可能財を生産する小国経済を考える

D

各財のある部分はまた他財の 生産のための中間財として投入されると仮定する。このとき,各財は労働,

特殊的要素(資本

2)

および中間財によって生産される

O

i

財の粗産出量:

は次の生産関数によって決定される

o

Xi =:=Fi  (Li

, 

Ki

, 

Xji) 

, 

i

j=1

2

パチ

j. (1) 

但し,

Xi

は第

i

財の粗産出量,

Li

は第

i

産 業 に 雇 用 さ れ る 労 働 量,

Ki

は 第

i

産業にとって特有である資本量,および

Xji

は 第

i

産業使用される第

j

財の量である

O

生産関数

Fi

2

回微分可能,厳密に準凹および一次同次 であると仮定される。更に各要素の限界生産力は任意の正の投入ベクトルに 対して正であり,且っ逓減すると仮定される。

2. 

本稿での,資本は,そ α物的性質が同じであるが,短期では産業問を移動しない

という意味での特殊的要素を指している。

(3)

特殊的要来,産業連関および比較優位

また,すべての要素は完全に雇用されると仮定される。このことは,資本 がそれぞれの産業で完全に利用され,労働が次の方程式を満たすように完全 に雇用される,ということを怠味する。

L

L2=L.

( 2 )  

但し ,Lは外生的に与えられた労働の賦存量である。

n

およびPをそれぞれ賃金率,第 i資本のレンタjレおよび第1Jはで訓1J られた第 2財の価格としょうO このとき,完全競争の仮定のもとでは,各要 素価格および中間財価格はそれらの価値限界生産力に等しい。すなわち,

w =  F~ =pF

  i '

(3) 

‑K 

一 一

( 4 )  

r2=

ρ

Fk  (5) 

p=F~ (6) 

pF'i 

( 7 )  

である。但し ,F~ δFi/θI である (I=Li Ki Xji) 第 i産業の純;m出量を Yiとすると,

Yi=Xi‑Xij,  i

j= l 2;

チj

. (8) 

であるO

上記方程式体系(1

(8)11本 の 方 程 式 か ら 成 り , こ れ は ,KiLおよび

ρ

が与えられると ,Xi, Li, w, 

n

, Yiおよび Xijの 値 を 決 定 す る こ と が 出来る (i

j=1

2;i

チj

)

3.

分 析

(1)  式を全微分すると,

/ ¥ / ¥ / ¥ / ヘ

Xi=fhiLi+()KiKi+ ()XiXji,  ij=12;i

l.

( 9 )  

を得るD 但し ,

O

iは第i産 業 に お け る 第

I

投 入 物 へ の 分 配 シ ェ ア で あ り

( I

=Li, Ki, Xji;ij=12;i

j),イモ13.の変数zに対して ,/¥ z==dz/zであ

(4)

杯~ I:~~ と経済

(2)式ー (7)式を全微分すると,

dL1+dL2=dL  (10) 

dw=F

' L

LdL1+F

' L

KdK1+F

' L

XdX2 U   (11) 

dωp(F2LLdL2+F lKdK2+F

' i

xdXI2) +Ftdp

, 

1(

2 )  

drl=Fl}( LdLl+F

' K

KdKl+F

' K

xdX21'  (1

3 )  

dr2=P(FkLdL2+FkKdK2+FkxdXI2) +Fkdp,  1(

4 )  

dp=F'xLdL1+F'xKdK1+F'xXdX211  (1

0= P(F);LdL2+F);KdK2+F);XdXI2) 

F);dp,  1(

6 )  

となるO 但し ,F~J =a2FijθJθIである (1 J=Li, Ki, Xji;i, j=l, 2;i

j)。そして, F:J 

=F~J であり ,

I=J 

に対して F~J

<0, 1

J!こ対してF}J

>0であるO 乙のことは,

f j I j

者について限界生産力が逓減することと,後者 について任志の投入物の増加が他の投入物の限界生産力を増加させる,とい

うことを意味する。

(

1日式や (16)式それぞれから ,dX21dX21を求めると,

dX21= (F'xx)1(dp‑F'xLdL1‑F 'xKdK1),  (1

仏 =

(pF);x)1 ( 

-Fldρ -P(F~LdL2+F をKdK

2

) J ω  

である。(叩式を (11)式と (13)式に, (18)式を(12)式と(14)式に代入し,それぞれに(10) を加味すると,行列形式で,

(5)

特殊的要京,

pn

業述関および比較優位

‑A'  1  0  0 11 dL, 

A

1  0  0 

1 1   d 切

‑B'  0  1  0 11 dr

, 

B 0  0  1 11 dr

B'dK

+ F  Lx(F

' x

x)'dp

B2dK2(FlFix 

(F~x) -'F~ J

A2dL

( 1 9 )  

C'dK, 

F

' x

x(F xx )'dp 

C2dK2+ (Fk -F~x(F~x )-'F~

dp+B2dL 

を得る。但し,

Ai= Pi (F~L -F~x(F~x )-'F~L

J  ' 

Bi= Pi (F~K -F~x (F~x) ー叫KJ およひ、 CiPi (FkK -Fkx(F~x)-' F~KJ であり,日に対して, Pi=l

, 

i= 

(こ対して,

P2=ρ

である,そ

して,

AiLi+BiKi=O,  BiLi+

C i

Ki=O, 

で ,

Ai<O Bi>O

および

Ci<O

である口

i=l

, 

2.  i= l 2. 

( 1 9 ) 式 よ り ,

dL"  dw

, 

dr

,および

dr2

を求めると,

dL

, = す(

(B'dK

,  ‑

B2dK2+

‑ A2dL

J  ' 

d

切=です

((A2B'dK;+A'B2dK2

{(A'

A2)(Fl 

‑Flx (F~x) ー 'F~

+ A2a}  dp+A'A2dL 

J  ' 

b

ムん

1戸 =コ才~

α ( 仔

ι{

( μ

Al+

A

切 + 引

σ(Blり 叩 )

( 2 0 )   ( 2

ω 

(2~

+ { 

(Al+A2

ザ ' x

x(F

μ ' x X ρ

x

) γ 叫

I+B

仇 叫 サ

l

αa

}

ρ 

A2B

1d

L 寸 J ' 

(2~

(6)

6  経 営 と 経 済

drz=

一才

(BIB2dK1+{(Al+AZ)C2‑(B2/}dK2 

{(Al+A2) 

(Fk-Fkx(F~x) ー lF~J

+Bh} dp+AIB J

伺 である。{旦し, . . d = ー

(Al+A2)

0

であり,

α=F~x (F~x) ー l-F}.

+Flx(F~x)-IF~< 0

である

O

以上の準備のもとで,まず関税賦認による所得分配および〕宝出量に及ぼす 影響を考察しよう

o

ω

式一同式より ,Ki

L

を一定にしておくと,実質要来価格は,それぞれ,

/ ¥ 〆 ヘ

A / ¥

w-p= ーす|ー (Al+Aザ }.x(F~x) ー円 +A αI

p, 

2=

((Al+AZ)(Fk ‑Ftx (F~x) ー円J +B

J

p

, 

二ーらーす〔一

(AI+A2)Fb(FLx)‑IF;+BOI ω 

/ ¥ / ¥ / ¥  

となる

o

もし関税構造の変化が

pO

であるならば,的と

ω

より ,r

1::

p

/ ¥ / ¥  

よび九三三Pを得る。このことは,相対的に保護された産業の資本にとって有 利になり,また相対的に保護されない産業の資本にとって不利になる,とい うことを意味する口しかも,

ω

式と制式を考慮に入れると,関税構造の変化 と資本レンタルの上昇率との関係は,

又は,

/ ¥ / ¥ / ¥  

r2>O>r / ¥ / ¥ / ¥  

r1>O>p>r

ω 

となる

O

しかしながら,例式より,実質賃金率が上昇するか,或いは下落す るかは不確定である口この点は

interindustry

f 1

0wsを 含 ま な い 場 合 と 異

なっている

3)

ところで,倒式において,第 2産業で中間財が使用されてい

/ ¥  

ないならば ,p> 

C<) 0に応じて,実質合金率は下落(上昇)し,第1J

/ ¥  

業で中間財が使用されていないならば,

ρ>(<) 

に応じて実質賃金率は 上昇(下落)するということになる

D

3.  Amano (1977)

, 

Jones (197

  , 1

1975)

, 

Mayer (1974)

,および

Massa(1974) 

を参照されたい。また,

Burgess (1980)

は,実質要素価格のランキングを明確

にするために代替の弾力性問の相互関係を用いている。

(7)

特殊的要素,産業連関および比較優位

労働の移行については, ω式と (10)式により

可 ノ ¥

dLi= (̲1)i+1

α pp

i=l, 2. 

。 。

であるから,保護産業への労働の流入があるということを知るD また, (1 (1

8 )

式とにおいて, ω式を考慮に入れると,

(T't T:'

~

dXij = ( 

-l) j(F~x)

‑1 

LF~

F~L A ‑

ψJρi,j=12;i

j.ω

を得るのであるから,保護産業の中間財使用量も増加するD 従って, ω式と

Ó~式を考慮に入れると,第 i 産業の粗産出量反応は,

dXi=

ー去{( ‑l)

i+IBLi L~A ap 

+(‑l)jBxi X~i (F~X)-I CF~-Fいす ψJ

} 三

i,j=12;i

j Ó~

となるのであるから,保護産業の粗産出量は増加する。また,純産出量につ いては, (8)式を全微分すると

dYi=dXi‑dXij,  i

j=1

2;

チj

. Ó~

であるから, (32)式と帥式を考慮に入れると,保護産業の純産出量も増加す o

l 乙 ,

すべての外生変数で表わされた相対的純産出量反応を求めようo

これは, (10)式, (1, (18)式およびω式を考慮に入れると,

/ ¥ / ¥ / ¥ / ¥ / ¥ / ¥ / ¥  

Y1‑ Y2=βLILIβL2L2+βKIKIβK2K2+βpp

=才 {(βB βK1A)(‑G(βB2K2+βKJ)(

‑G

+βαρ+βpA

か )

(3~

となる4)o但し,

βri三三i... Bri ー(三i... BXi+ 豆~)

Yi 

J

(F

xy‑1F

IIi>O

‑.1"  Yj  / Xji 

βp 三 ( 主

BX2+主!!..)土

Y

(F

r :

x)1FM5LOX1

X

12 

, ‑

.<l.1/  .

,    : )

X..  ' ¥

~1.}1 )一一一 (F i-x) ・ lF~<O,Y

X

21 

, ‑

.1.1"  ‑ . 1  

4.  邸)式に対応する相対的組産出呈反応については,数学註の第, (i)式を参照された

(8)

経 営 と 経 済

および

β三 ~(βLh/Lh)>

h=l 

である

( I

= KL; i, j=l, 2; iチj)口ところで βIiは,第i産 業 に お け る 純 産 出 量 の う ち , 第

I

要素への直接的な分配シェアと中間財を通じての間接的 な分配シェアの和であると解釈され,また, βLh/Lhは,第

h

産 業 に お け 総 産出量のうち,一人当りの直接・間接的分配シェアと解釈される。

また,

lh EJ

︿

L

︿

K L  A  + 

︿MMα 

r E d t k  

l

ω

︿ 凡

一 一

︿ ム

/ ¥ / ¥ 可 / ¥ / ¥ / ¥ 、

L

2

-K

2

= 言~t 一柳 +A1L(K-L)   , }

であるから,

~$,式は,

1‑iLi(EιA  ¥ .Ll  ‑A2‑ ~L2 L A1)(K‑L)+

(l+ 

~12

/ ¥ / ¥ ヘ

十 予 守 ? ? ) 川 ( ば 何

K

1K

ι2ρ)+

(

βαψρ

+リ

βι

バ凶

μd

心似)

ωP

/ ' 戸 ¥ / ¥ ¥ / ¥

と書きかえる乙とが出来る5幻 但 し ,^i =Li/Lと す る と ,K=lKl+λ2K2 である。ところで,各産業の特殊的要素を加えることは出来ないのであるけ

れども,乙れを特殊的要素の変化率の加重平均であると定義し,~$式の第 l lJ'i

の(£2)を 経 済 全 体 に 亘 る 資 本 一 労 働 比 率 の 比 例 的 変 化 と し て 取 り 扱 か

o

/ ヘ / ¥ / ¥

さて,

~$式または~$式において , L と Ki を一定にしよう。このとき ,

p 係数は相対価格が変化するときの

Y

1

Y

2と の 聞 の 代 替 の 弾 力 性 を 表 わ し ている,そして,この係数の符号は負である7)。したがって,純産生量に関 する変形曲線は原点に対して凹である。

5.  ,羽)式に対応する相対的粗産出量反応については,数学註の第(ii)式を参照された 6.  との点については.Amano 0977.  134)を参照されたい。

7.  interindustry flousを含んだ2財・ 2要素モデルでは,この符号は陽表的には 判定されない,乙の点については.Chang and Mayer (1973, 452.

および

453

‑4日)を参照されたい。

(9)

特殊的喪主,産業連関および比政優位 これまでの議論では,関税構造の変化による各変数に及ぼす影符を考察し てきたのであるが,この議論は,特殊的要宗が産業問を移動することが出来 ない,という志味で一つの短期的考察に基づ、いているO そこで,関税構造の 変化の結果,特殊的要素が産業聞を移動することが可能になった

j

見合の各変 数に及ぼす影響を考察しよう。

特殊的要素の産業問移動のための指標として,この要来へのレンタノレのラ ンキングを取る。いま初期において ,

r

1=ηであったとし,関税椛造の変化

/¥ 

によってp>oになったとしようO 乙のとき,

(2~式より ,

r2r1を越える ことになり,第l産業の特殊的要来を第2産業のそれに変換することが有利 になるであろう。すなわら,

d K2= ‑dK1

~~

である8)。このとき, ω式一帥式において, ρ

L

を一定

l

こし, O9)式をJ5・

b去に入れると,それぞれは, ( ω式を用いて,

dL1=

ー す

(s1+ s2)dK2'

A

ん 性

dw=

sIs2(んl‑k

2'

。 。

dr1=

B

引す‑

)dK2

, 

dr;~ す ßIß2(1ーす)dK2

ct?) 

4~

となる。{旦し,ん=Ki/Liである(i=l,2)

特殊的要素の再配分過程を通じて,第1産業でもl!.用される労働は第2産業 に流入することが分かる。また,要素価格は,両産業にかける資本集約性の 相対的関係、に依存して,資本の再配分に反応する。もし第 1産業が資本集約 的であるならば,賃金率は騰貴し,両産業の資本レンタノレは下落するD l乙,もし第2産業が資本集約的であるならば,賃金率は下落し,両産業の資

本レンタノレは ÆD~立する 9) 。このように賃金率と資本レンタノレは, 資本集約性 8.  乙の観点については, ones (1975)および Mayer(1974)を参照されたい。

9.  乙の結果は, interindustry flousを合まない場合と同じである。 Mayer(1974,  962‑963)を参照されたい。

(10)

10 

経 営 と 経 済 の相対的関係に依存して,資本の再配分に対して反対の反応を示す。ところ で,資本の再配分が生ずるための誘因は各産業における資本レンタノレの差異 にあった。したがって,資本の再配分が生じたために,資本レンタノレの差異 がどのようになるかを調べよう。

ω

式と

ω

式より,

d(r2‑r1) 

=

一三五yBIB2(

‑k1)2dK2 ~~

を得る。乙れは,いずれの産業が資本集約的であるとしても,両資本レンタ ノレが,資本の再配分過程を通じて,次第に等しくなっていくことを明らか l 乙

している

o

4.

比 較 優 位

前節では,開放経済のもとで財の相対価格をパラメーターとして取り扱っ た場合の要素所得と生産形態に対する反応を考察してきた。本節では,これ までのモデノレに需要条件を導入することによって,封鎖経済における比較優 位について考察する

D

封鎖経済において,需要される財の比率は財の相対価格にのみ依存するも のと仮定する

D

すなわち,これは

Y2/Yl=H(p)

で表わされるものとする

10) o

但し , H はこの経済の需要条件を表わし,

dH/dp< 0

と仮定する。

帥式を全微分し,これに{3$式,または{3$式を用いて,

2

について解くと,

L

((βB

βKJ)(

‑G(βB2K2+βK2J)

‑L)

'制

ま T こは

トォァ

[L(~~\ L¥ ‑A2‑ ~~2 L Al)(K

ーか.J(

+ ぞ

ノ ヘ ヘ ノ ¥ 

~:\ )(K¥‑K2

) J

を得る口但し .J'=ー

{o

. J

+(βαp+βp

. J ) } > 

0

で あ り , ま た

8は消費にお

ける代替の弾力性を示す。

10. 

乙れは.

Amano 0964.  395;1977.  136)による。

(11)

特殊的要素,産業連関および比較優位 1 1   帥式と例式は,要素の供給量が変化するとき,第

2

財の相対価格がどのよ うに影響を受けるかを表わす口

制式において ,

KI/L

が増加すると, ρが上昇し ,

K2/L

が増加すると,

P が下落することが分かる。すなわち,労働の供給量と比較して特殊的要素 の供給量が相対的に増加すれば,乙の特殊的要素を使用する産業に比較優位 が強められることになる

o

また,特殊的要素問での供給量の相対的増加でみ

/ ¥   ノ ヘ

ると,例式の第

2

項において ,

K‑L= 0

のとき ,

K/K2

が増加(または減 少)すると,第

l

産業(または第

2

産業)に比較優位を持つ傾向がある。

ノ ヘ / ¥  

最後に,例式において ,K

1‑ K2=O

,すなわち,特殊的要素の供給量の増 加率に差異がないとしょう

o

このとき,比較優位の位置は,経済全体に亘る

, へ / ¥

資本一労働比率の比例的変化 ,

K‑L

,各産業における純産出量のうち,一 人当りの直接・間接的分配シェア, β

Li/Li

,および各産業における直接・間 接的な労働の限界生産力逓減の度合 ,Ai ,によって決定される。いま,納 式において,公

2>0

とするならば,

A2j( 

~ι)ミAlj(

L syLI 

)に応じて,

~ . 

/ ¥  

1

り 三 三0 となる。このことは,労働と比較して特殊的要系が相対的に増加する ならば,一人当りの直接・間接的分配シェアの逆数で評価された直接・間接 的な労働の限界生産力逓減の度合の絶対値が大きい産業に比較優位が生ずる

ことになるということを意味する

O

5.

む す

本稿で得られた結果は次の如くであった。

短期的観点に立ったとき,関税賦課は保護産業の特殊的要采に有利に働ら

き,保護されない産業の特殊的要素に不利に働らくことが明らかになったの

であるが,労働については明確なことが言えない。このことは

interindu stry 

f 1

0ws

を含まない場合の分析結果と異なる

D

また,関税賦課による産

出量反応は通常の結果と同じであり,純産出量l 乙関する変形曲線は分析手続

の過程から明示的に原点に対して凹となる

o

この点は,特殊的要素を考慮l 乙

入れていないモデルとは異なる

o

また,長期的観点に立ったとき,特殊的要

(12)

経 常 と 経 済

12 

来の産業間移動によってもたらされる所得分配への影智は,

interindustry 

f 1

0ws

を含まない場合と同じであり,要来集約性に依存する。

最後に比較優位のパターンについては,経済全体に豆る資本一労働比率の

したがって,

比例的変化に共なって,いずれの産業が比較優位を持っかという点における

βc.

決定因に関して ,

Ai/C 

"

L

> '

i

  )の経済学的計義が不明確である。

品 、

この決定因のより経済的怠義を探ること, あるいは経済学的立義を持った代 替的決定因を導出することが重要である

O

註 学 数

/ ¥ / ¥ 可 / ¥ / ヘ / ¥ / ¥

X

1

‑ X

2=

HγB

附 川 (K

1L)(γB2K2

十 川

(K2‑L)

︑ ︑ ︑ ' ノ . 唱 '

/

+(γαρ+γp.

1 )

ρL 

え一九=+(そ十A2

ー t f A I 〉(食ーら+(£‑乙)

/ ¥

1(γαp+γp

仰, ︑ ︐

j1

・唱

E z

r

︑ ︑

' レ

H

141 

γli 三 OIi-OIiJ7ナ (F~x)- 同 11

i>O

, 

I=K

, 

L;i=

  , l

.II.) 

, 

γAlt7

円 x)

1FL+012tγ

(Fkx 川

L0

, および

γ=~ (γLJLi)>O 

である。

Amano

, 

A.

, 

1964

, 

Determinants of  Comparative Costs  A The retical  Approach

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参照

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 昭和 38 ( 1963