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修 士 論 文 概 要 書

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修 士 論 文 概 要 書

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2008年2月提出 学籍番号 3606u045-9

専攻名(専門 情報・ネットワーク 氏 名 菅井 友之 指 導 印

分野) 村岡 洋一

研究指導名 情報構造研究 教 員

研 究 バイオパスウェイオントロジーの拡張 題 目

生物学という学問は,既存の知識を元に新たな知 種類としてProcessOntologyの語を持つ.2)生命 識を獲得するという事例ベースの学問であり,知識 現 象 に 関 与 す る 物 質 と し て

というものが非常に重要視されている.さらに近 MoleculeRoleOntology の語を持つ.3)特に,生 年,ヒトゲノム計画が完了し,ヒトをはじめとする 命 現 象 を 駆 動 す る 物 質 と し て 様々な生物種の全ゲノムマップが次々に解明され MoleculeRoleOntology の語を持つ.4)生命現象 ている.一方で,個々のゲノムやタンパクの役割を が起こる局在としてLocationOntology の語を持 解明するという研究は進んでいるが,生体を大局的 つ.などの表現されていない意味的な関係が幾つ に捉え,タンパクやゲノムの相互作用によるシステ もある.このような,明示されていない意味的な ムとしての生命現象の解明へと研究のフォーカス 情報の付加をする手法について考察した.

が移ってきている. 次に,INOH ではパスウェイのデータも これまで実験により得られた情報というのは,基 BioPAXの形式にして公開している.BioPAXと 本的に自然言語による論文,ないしは専門家の頭の は,パスウェイ情報のデータベース間での交換を 中にある構造化されていないような知識として存 目的とした標準フォーマットであり,Webのオン 在している.勿論,電子データベース化も進んでき トロジー言語標準である OWL に則って定義さ てはいるが,それは基本的には「情報(データ)を れている.

電子的に集積したもの」であって,飽くまでも人間 この BioPAX-level2 によるパスウェイ表現の が使うためのものである.これを計算機が適切に利 オントロジーで,INOHなどのシグナル伝達パス 用できるようにしたい,というニーズがある. ウェイのデータを表現するには制約が多く,たと そのニーズを満足するために,オントロジー技術 えば本来プロパティとして表現すれば表記として を利用しよう,という動きがあり,実際にいくつか もすっきりし,検索可能性の向上など,知識表現 のオントロジーがバイオインフォマティクスの世 としても洗練されたものになるはずだが,それが 界でも構築・利用されている.これらのオントロジ 出来ないために乏しい表現力による歪んだ表現を ーは利用のされ方,知識としての豊かさの面から見 せざるを得なくなってしまっている.

て2種類に分類できる.ひとつは,構造化された統 これを克服し,より豊かな表現力をBioPAXに 制語彙として定義され,知識としては貧弱だが,ア よるパスウェイ表現にもたせる手法について考察 ノテーションに用いられる用語集合としてのオン した.

トロジー,もう一つは生命現象を体系的・構造的に BioPAXのオントロジーを利用するに当って,

格納した知識的に豊かなオントロジーである. 考慮すべき点として,BioPAX標準を大幅に変更 独立行政法人産業技術総合研究所生命情報工学 してしまっては意味がないということがある.こ 研究センターで開発されているINOHパスウェイ のため,標準の形式を残したまま,規則に従い拡 データベースでは,この 2 種類のオントロジーが 張したオントロジーをマージするという方法を取

どちらも用いられている. る.

本論文では,INOH で用いられているオントロ この手法では,これまではコメントとしてしか ジーを例に挙げ,その利用目的などに合わせ,拡張 表現が出来ないでいた MolecularVariation や することでよりより厳密で情報量の多いオントロ HomologousEvent などの属性をプロパティとし ジーへと拡張する手法について述べる. て記述することができ,今後のオントロジーの拡 はじめに注目するのは,アノテーションに用いら 張の指針や,BioPAX-level3へともつなげていく れ る オ ン ト ロ ジ ー で あ る .INOH に は ことが出来ると考えられる.

EventOntology や MoleculeRoleOntology,

LocationOntology や ProcessOntology などのオ ントロジーが用いられているが,このうち,

EventOntology の語は構造を持っており,他のオ ントロジーの語を語中に含んでいる.そしてそれは 自然言語的に語を読めば多くの場合1)生命現象の

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