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博 士 ( 医 学 ) 石 川 達 哉

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Academic year: 2021

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(1)

博 士 ( 医 学 ) 石 川 達 哉

学 位 論 文 題 名

Clinical Significance of Striatal DOPA Decarboxylase        Activity in Parkinson's Disease.

( パー キ ンソン 病におけ る線条体 のドパ脱 炭酸酵素活 性の臨床 的意義)

学 位 論 文 内容 の 要 旨

鐘重:パーキンソ ン病は黒質線条体におけるシ ナプス前のドパミンの欠乏によって引き起こされ る 。

Positron Emission Tomography (PET)

とL‑dopa の類 似体 で ある

6‑[18F]fluoro̲L̲dopa (FDOPA)

を用 い て(FDOPA/PET) 、 シナ プス 前 のド パミ ンの 機能 状 態を 生体におい て評価するこ とが 可 能で あり 、パ ーキ ン ソン 病の 重症 度 の評 価な どに 定量 的 な情 報を得るこ とができる。

  

定 量的 なFDOPA/PET の解 析 方法 とし て、 こ れま でい ろい ろな 方 法が 提唱 され てき た 。最 も 簡便な方法として 、線条体と後頭葉の間のカウント比(Striato‑occipital ratio ,SOR) があり、他 にグラフ解法によ るドパミンのinflux constant (KFD) の測定や、コンパートメント分析によるド バ脱炭酸酵素活性

(DDC activity

,k3D) の測定 などが行われてきたが、どの方法が優れているかと い う こ と に 関 し て は 一 定 の 見 解 をみ てい な い。

FDOPA/PET

の デー 夕分 析 にあ たっ ては

FDOPA

の代 謝 産物 であ り、 脳血 液 関門

(BBB)

を 通過 する3 ・ 〇

‑methyl‑FDOPA (30MFD)

の 分画をいかに 取り扱うかが問題となってきた。

尅 基 塾 よ 埜 左 法 : 今 回 我 々 は

30MFD

を 用 い て 、

Dynamic PET study

を 行 い

(30MFD/PED

2

コ ン パ ー ト メ ン ト 分 析 か ら

BBB

を 通 過 す る 速 度 定 数 巛

lM

k

メ ) を 測 定 し 、 そ の 平 均 値

(population KiM

k2M)

FDOPA/PET

6

コ ン バ ー ト メ ン ト分 析 にあ ては め、

DDC activity

俶3DQop ))を算出 し、その臨床的意義につい て考察するとともに従来の方法で算出されたパラメ ーターと比較した。

[GroupA ] バー キン ソン 病 患者

5

名 、正 常者

3

名 に

30MFD

′PET を 行い 、個々の症 例の

KlM

,k2M を 測 定し た。 次 いで

FDOP

剛PET を 行い 、個 々 の症 例に っき 求め ら れた

K1M

,k 屮 をあ て はめ 、

k3D

を算出した。K メ,

k2

.M は個体差が小さいことから、これとは別にpopulationKlM ,k2M (0 .0400 ,

0

.0420 )を用いて、江p @op )を計算した。k3D とk3D ¢op )はr =0 .98 ,p く0 .0001 と強い相関を認め た 。 こ の 事 に よ り 、

popmationKlM

k2M

を 用 い る こ と で

FDOP

PET

の み の デ ー タ で

DDC activi

ぢを計算できることが明らかになった。

GroupB

] 全 く 異 な る パ ー キ ン ソ ン 病 患 者

11

名 、 正 常 者

6

名 に

FDOnVPET8tudy

を 行 い、 そ

kineticdata

に 対 し 、

populationKlM

k2M

を 適 用 し 、

k3D

op

) を 計 算 し た 。

  GrDupA

及 び

B

の 対 象 に 関 し て 、 こ れ と は 別 に

SOR

、 グ ラ フ 解 法 に よ る

KiFD

k3D

M2

uwabara

ら に よ っ て 提 唱 さ れ た コ ン パ ー ト メ ン ト 解 析 に よ る

DDCactivity

biolo

西飽

1     

―101 ―

(2)

constraintと し て 、q=KrMKID23lD: ド パ ミ ン のBBBを 通 過 す る 速 度 定 数 ) 、 前 頭 葉 と 線 条 体 でpartitionvolumeが 等 し い 、 を 用 い て い る ] 、k屮 (M3) [ 血 液 中 の30MFD分 画 を 全 く 無 視 し 、 単 純 化 さ れ た2コ ン パ ー ト メ ン ト モ デ ル を 用 い て 算 出 さ れ たDDCactivity] を 計 算 し 、 各 パ ラ メ ー タ ー の 臨 床 的 な 有 用 性 、 っ ま り (1) 正 常 者 と パ ー キ ン ソ ン 病 と の 鑑 別 能 力 、 (2) パ ー キ ン ソ ン 病 の 重 症 度 と の 相 関 、 に っ き 比 較 検 討 し た 。

結 果 : ( 1) 正 常 者 と パ ー キ ン ソ ン 病 と の 鑑 別 能 力 : di8cdmmantanaly8isに 於 い て KiFDSOR は 最 も 良 く 両 者 を 鑑 別 し た 。kQ0p) ,kCM吃 ) は い ず れ も 有 意 に 両 者 を 鑑 別 で き た が 、k3DM3) は 有 意 な 鑑 別 は で き な か っ た ( 順 にp O00010000100020004009) 。 (2) バ ー キ ン ソ ン 病 の 重 症 度 と の 相 関 :k3Dop) ,k3DM2) ,KiFDは い ず れ も パ ー キ ン ソ ン 病 患 者 の 臨 床 的 重 症 度 ッPDRS8c0門 :UnitedPark80n 8disea8eratinscore) と 有 意 な 相 関 を 示 し たOl頁 にrニ .066p0006rO63p0009r− ― ‐062p001) 。 し か し 、k3DM3) ,SORと の 間 に は 有 意 な 相 関 が 認 め ら れ な か っ た 。

童 塞 : 我 々 の 8tudyか ら 求 め ら れ た K1Mk2Mの 値 は 、 最 近 測 定 さ れ たrhesu8monkeyhuman で の 30MFD暦 ET8tudyで 測 定 さ れ た 値 と 非 常 に 似 通 っ て い た 。 こ れ に 対 し 、 Kuwabaraら の biologicalconstraintqKlMK1D23) を も と に し て 計 算 さ れ たK1M( 〓00759) と は か け は な れ て い た 。 さ ら に こ の 方 法 で 求 め ら れ たDDCacty3D@ セ ) ) は 、 我 々 の 計 算 し たk3D24倍 の 高 値 を 示 し て い た 。 理 想 的 に はk3Dの 計 算 に は そ れ ぞ れ の 対 象 に て 独 自 に 求 め ら れ たKlMk2Mの 値 が 使 わ れ る ぺ き で あ る 。 し か し 、K1Mk屮 は 偏 差 が 小 さ く ( そ れ ぞ れ36% ,30% 冫 、 各 対 象 の 値 を 使 用 し て 求 め ら れ た k3Dpopulationvalueか ら 求 め ら れ たk3DQop) は 強 く 相 関 し て い た 。 こ の こ と よ り 、 popmationKlMkガ の 使 用 は DDCactityの 算 出 に 非 常 に 有 用 な 方 法 で あ る こ と が 明 ら か に な っ た 。

  パ ー キ ン ソ ン 病 患 者 の 早 期 診 断 と い う 観 点 か ら す る とSOR及 びKiFDが 最 も 優 れ た パ ラ メ ー タ ー で あ る こ と が 明 ら か に な っ た 。k3D0p) お よ びk3DM2) が こ れ ら の パ ラ メ ー タ ー に 劣 っ て い た 理 由 と し て 、 そ の 内 存 す る 誤 差 が 大 き い こ と が あ げ ら れ る 。 こ れ に 対 し バ ー キ ン ソ ン 病 患 者 の 臨 床 的 重 症 度 の 評 価 と い う 側 面 か ら は 、KiFDk3DQ0p) お よ びk3DM2) は 患 者 の 臨 床 的 重 症 度 と 有 意 に 相 関 し て い た 。 し か しSORと の 間 に は 有 意 な 相 関 を 認 め な か っ た 。 k3D0p) が 臨 床 的 重 症 度 と 有 意 に 相 関 は し て い る も の の 早 期 診 断 に は SORKiFDに 比 べ て 劣 っ て い る 理 由 と し て 、DDC actiutyは ド パ ミ ン 細 胞 の 欠 落 に し た が っ て 、upregmateさ れ て い る た め と 思 わ れ た 。k3DM2) は 誤 っ た K1Mkガ の 仮 定 に た っ て い る に か か わ ら ずk3DQop) と 同 程 度 の 診 断 能 カ を も っ て い た 。 し か し 単 純 化 さ れ た モ デ ル に て 算 出 さ れ たk屮 (M3) で は 早 期 診 断 能 カ も 臨 床 的 重 症 度 と の 有 意 な 相 関 も な く 、 こ の モ デ ル は 臨 床 的 に 使 用 で き な い こ と が 明 ら か に な っ た 。

繊 盒 : popmationKlMkメ に よ り , FDOP甜 PETの dataか ら 信 頼 の お け る DDCacti吶 tyの 算 出 が 可 能 で あ っ た . し か し , DDCactyの 計 算 は 非 常 に 繁 雑 な こ と を 考 え る と 、 従 来 行 わ れ て き た グ ラ フ 解 法 に よ る KiFDが 最 も 臨 床 的 に 優 れ た パ ラ メ ー タ ー で あ る と 思 わ れ た 。

102 ‑

(3)

学位論文審査の要旨

主査   教授   阿部    弘 副査   教授   玉木長良 副査   教授   田代邦雄      学 位 論 文 題 名

Clinical Significance of Striatal DOPA Decarboxylase        Activity in Parkinson's Disease.

(パーキンソン病における線条体のドパ脱炭酸酵素活性の臨床的意義)

  

パーキ ンソン 病は黒 質線条 体にお けるシ ナプス 前のドパ ミンの 欠乏によって引き起こされる が 、Positron Emission Tomography (PET) と

L‑dopa

の 類 似 体 であ る

6‑[18F]fluoro‑L‑dopa (FDOPA)

を用 い て

(FDOPA/PET)

、シ ナプス 前のド パミン の機能 状態を生 体にお いて評 価する こ と が可 能 で あ る。 定 量 的 なFDOPA/PET の 解析 方 法とし て、線 条体と 後頭葉 の間の カウン ト比

(Striato‑occipitalratio

,SOR) 、グラフ解法によるドパミンのinfhix constant (KFD) 、コンパー トメント分析によるドバ脱炭酸酵素活性(DDC activity ,k3D) の測定などが行われてきた。しかし、

ど の 方 法 が 優 れ て い る か と い う こ と に 関 し て は 一 定 の 見 解 を み て い な か っ た 。

  FDOPNPET

の 解 析 に あ た っ て は

FDOPA

の 代 謝 産 物 で あ り 、 脳 血 液 関 門

(BBB)

を 通 過 す る

3

・ 〇 .methyl‑FDOPA く

30MFD)

の 分 画 をい か に 取 り扱 う か が 問題 で あ る。30MFD を用い て、

Dynamic PET study

を 行 い

(30MFD/PET)

2

コン バ ー ト メン ト 分 析 から

BBB

を 通 過す る 速 度 定数(KiM ,k ガ)を測定し、その平均値(population KiM ,k2M )をFDOPA/PET のコンパートメント分 析にあてはめ、DDC activity (k3DQop ))を算出し、その臨床的意義について考察するとともに従 来の方法で算出されたバラメーターと比較した。

  

ま ず

GroupA

の パ ー キ ン ソ ン 病 患 者

5

名 、 正 常 者3 名に

30MFD

/PET を 行 い 、個 々 の 対 象の

K1M

,k2M を 測 定 した 。 次いでFDOP 甜PET を行 い、各 対象の

KlM

,k2M を あてはめ 、k3D を 算出し

た。さらに、KlM ,k2M は個体差が小さいことから、popmationKlM ,k 屮(0 .0400 ,0 .0420 )を用い

て、k3DQ0p )を計算したところ、k3D とk3DQ0p )は非常に強い相関を認めた。以上より、population

KlM

k2M

の 使 用 は

DDCactivity

の 算 出 に 有 用 な 方 法 で あ る こ と が 明 ら か に な っ た 。

  

次 に

GroupB

と し て 、 別 の パ ー キ ン ソ ン 病 患 者

n

名 、 正 常 者

6

名 に

FDOP

PETstudy

行い、 そのkineticdata に対し 、popmationKlM ,k2M を適 用し、

k3D

@op )を 計算し た。さ らに

GroupA

及 び

B

の 対 象 に 関 し て 、

SOR

KP

k3D

M2

) 区

uwabara

ら に よっ て 提 唱 され た コ ン

パートメント解析によるDDCactiuty :biologicalconstraint として、KlM ′KlD :2 .3 ほlD :ドパミ

ンのBBB を 通過す る速度 定数) などを 用いて いる] を計算 し、各パ ラメー ターの 臨床的 な有用

性にっき比較検討した。

(4)

  (1)

正常 者とパー キンソン病との鑑別能力:KiFD とSOR は最も良く両者を鑑別した。k3DQ0p ),

k3DO

江2 ) はいずれ も有意 に両者 を鑑別 できたが、KiFD とSOR に比べ劣っていた。(2 )パーキン ソン病の重症度との相関:k3DQ0p ),k3D (M2 ),KiFD はいずれもバーキンソン病患者の臨床的重症 度(

UPDRS8core

UmtedParbn80n 8di8ea8eratmg8core

) と 有 意 な相 関を 示した が、SOR と 臨床的重症度の間には有意な相関が認められなかった。

  popmationKlM

k

ず に よ り ,

FDOPA

PET

data

か ら信 頼 の お ける

DDCactivity

の 算 出 が 可能 で あ っ た,

DDCact

y

の 計 算は 非 常 に 繁雑 なこと を考え ると、 従来行 われて きたグ ラフ 解法によるKiFD が最も臨床的に優れたパラメーターである。

  

公開発 表にお いて、 玉木長 良教授 より、k 屮測定値のぱらっきの多い原因、他のp08t8ynaptic

receptor

の評 価との関連にっき質問があった。ついで田代邦雄教授より各バラメーターの加齢に よる影 響をど う評価するか、治療薬の評価をするのに妥当な方法であるか質問があった。さらに 永島雅 文講師 から後頭葉を基準領域とすることの妥当性にっき質問があった。いずれの質問に対 しても 、申請 者は自らの研究に基づく経験や過去の論文の結果を引用し、豊富な知識に基づいて 明解に回答した。

  

本 研 究 によ り 、

30MFD

の 動 態 が明 ら か に なり 、DDCactim ぢ の測定 意義が 明らか になっ た。

今後本 研究の 成果はパーキンソン病の原因探究や治療効果判定のうえで、役立つものと期待され る。

  

審査員 一同は これらの成果を高く評価し、また研究者として誠実かつ熱心であり、申請者が博 士(医学)の学位を受けるのに充分な資格を有するものと判定した。

104 ‑

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