qtreeを管理および設定するための、特定のData ONTAPコマンドが存在します。
多くのqtreeコマンドは、ボリュームの移動操作中は実行できません。このためにqtreeコマンドを実 行できない場合は、ボリュームの移動が完了するのを待ってからコマンドをもう一度実行してくださ い。
目的 使用するコマンド
qtreeを作成する volume qtree create
フィルタリングされたqtreeリストを表示する volume qtree show
qtreeを削除する volume qtree delete
qtreeのUNIXの権限を変更する volume qtree modify
-unix-permissions
qtreeのCIFS oplock設定を変更する volume qtree oplocks
qtreeのセキュリティ設定を変更する volume qtree security
qtreeの名前を変更する volume qtree rename
qtreeの統計情報を表示する volume qtree statistics
qtreeの統計情報をリセットする volume qtree statistics -reset
クォータを使用したリソース使用量の制限または追跡
クォータを使用すると、ユーザ、グループ、またはqtreeによって使用されるディスクスペースやファ イル数を制限したり、追跡したりできます。クォータは、特定のFlexVolまたはqtreeに適用されます。
クォータの使用目的
クォータは、FlexVol内のリソース使用量を制限したり、リソース使用量が特定のレベルに達したと きに通知したり、リソース使用量を追跡したりするために使用できます。
次のような場合にクォータを指定します。
• ユーザやグループが使用できる、またはqtreeに格納できる、ディスクスペースの容量やファイ ル数を制限する場合
• 制限を適用せずに、ユーザ、グループ、またはqtreeによって使用されるディスクスペースの容 量やファイル数を追跡する場合
• ユーザが使用するディスク容量やファイル数が多いときにユーザに警告する場合 関連コンセプト
クォータ設定の例(112ページ)
関連タスク
FlexVolを備えたSVMでのクォータの設定 (116ページ)
クォータ プロセスの概要
クォータには、ソフトクォータとハードクォータがあります。ソフトクォータでは、指定されたしきい値 を超過するとData ONTAPによって通知が送信されますが、ハード クォータでは、指定されたしきい 値を超過すると書き込み処理が失敗します。
Data ONTAPでは、FlexVolへの書き込み要求を受け取ると、そのボリュームでクォータが有効にな っているかどうかを確認します。クォータが有効な場合は、書き込み処理を実行して、対象のボリ
ューム(qtreeへの書き込みの場合は対象のqtree)について超過するクォータがないかどうかを判
断します。ハード クォータを超過する場合は、書き込み処理は失敗し、クォータ通知が送信されま す。ソフトクォータを超過する場合は、書き込み処理は成功し、クォータ通知が送信されます。
関連コンセプト
クォータの適用方法(94ページ)
ハード クォータ、ソフト クォータ、およびしきい値クォータの違い
ハードクォータは処理を阻止し、ソフトクォータは通知をトリガーします。
ハード クォータを設定すると、システム リソースにハード リミットが適用されます。実行すると制限 値を超えてしまう処理は、すべて失敗します。以下の設定でハードクォータを作成します。
• Disk Limitパラメータ
• Files Limitパラメータ
ソフト クォータを設定すると、リソース使用量が特定のレベルに達したときに警告メッセージが送信 されますが、データアクセス処理には影響しません。そのため、クォータを超過する前に必要な措 置を講じることができます。以下の設定でソフトクォータを作成します。
• Disk Limitパラメータのしきい値
• Soft Disk Limitパラメータ
• Soft Files Limitパラメータ
しきい値クォータとソフト ディスク クォータを使用すると、管理者はクォータについての通知を複数 受け取ることができます。通常、書き込みが失敗し始める前にしきい値により「最終警告」が出され るようにするため、管理者は、Disk LimitのThresholdをDisk Limitよりもわずかに小さい値に設定 します。
クォータ通知の概要
クォータ通知はEvent Management System(EMS;イベント管理システム)に送信されるメッセージで あり、SNMPトラップとしても設定されます。
通知は次のイベントに対応して送信されます。
• ハード クォータに達した(つまり、ハード クォータを超過する処理が試行された)
• ソフトクォータを超過した
• ソフトクォータを超過しなくなった
しきい値は他のソフト クォータとは若干異なります。通知はしきい値を超過したときにのみトリガー され、超過しなくなったときにはトリガーされません。
ハードクォータ通知はvolume quota modifyコマンドを使用して設定できます。不必要なメッセ ージが送信されるのを防ぐため、通知を完全に無効にしたり、頻度を変更したりすることもできま す。
ソフト クォータ通知は不必要なメッセージが生成される可能性が低く、通知が唯一の目的であるた め、設定できません。
次の表に、クォータがEMSシステムに送信するイベントを示します。
状況 EMSに送信されるイベント
ツリークォータのハードリミットに達した wafl.quota.qtree.exceeded ボリューム上のユーザ クォータのハード リミッ
トに達した
wafl.quota.user.exceeded(UNIXユーザ の場合)
wafl.quota.user.exceeded.win(Windows ユーザの場合)
qtree上のユーザクォータのハードリミットに達
した
wafl.quota.userQtree.exceeded(UNIX ユーザの場合)
wafl.quota.userQtree.exceeded.win
(Windowsユーザの場合)
ボリューム上のグループクォータのハードリミ ットに達した
wafl.quota.group.exceeded
qtree上のグループクォータのハードリミットに
達した
wafl.quota.groupQtree.exceeded
ソフトリミットを超過した(しきい値の場合を含 む)
quota.softlimit.exceeded
ソフトリミットを超過しなくなった quota.softlimit.normal 次の表に、クォータが生成するSNMPトラップを示します。
状況 送信されるSNMPトラップ
ハードリミットに達した quotaExceeded ソフトリミットを超過した(しきい値の
場合を含む)
quotaExceededおよびsoftQuotaExceeded ソフトリミットを超過しなくなった quotaNormalおよびsoftQuotaNormal
イベントおよびSNMPトラップの表示および管理に関する詳細については、『clustered Data ONTAP システム アドミニストレーション ガイド(クラスタ管理)』を参照してください。
注: 通知には、qtree名ではなくqtreeのID番号が含まれます。volume qtree show -idコマンド を使用すると、qtree名とID番号を関連付けることができます。
クォータ ルール、クォータ ポリシー、およびクォータとは
クォータは、FlexVolに固有のクォータルールで定義されます。これらのクォータルールはStorage Virtual Machine(SVM)のクォータ ポリシーにまとめられ、SVM上の各ボリュームでアクティブ化さ れます。
クォータルールは常にボリュームに固有です。クォータルールは、クォータルールに定義されて いるボリュームでクォータがアクティブ化されるまで作用しません。
クォータポリシーは、SVMのすべてのボリュームに対するクォータルールの集まりです。クォータ ポリシーはSVM間で共有されません。1つのSVMに最大5つのクォータ ポリシーを保持できるた め、クォータポリシーのバックアップコピーを保持できます。 1つのSVMに割り当てられるクォータ ポリシーは常に1つです。
クォータは、Data ONTAPで適用される実際の制限、またはData ONTAPで実行される実際の追跡 処理です。クォータ ルールからは少なくとも1つのクォータが必ず作成され、そのほかに多数の派
生クォータが作成されることもあります。適用クォータの一覧は、クォータ レポートでのみ表示でき ます。
アクティブ化とは、割り当てられたクォータ ポリシーの現在のクォータ ルール セットから適用クォー タを作成するよう、Data ONTAPをトリガーするプロセスです。アクティブ化はボリューム単位で実施 されます。あるボリュームでのクォータの最初のアクティブ化を初期化と呼びます。以降のアクティ ブ化は、変更の範囲に応じて再初期化またはサイズ変更と呼びます。
注: ボリューム上のクォータを初期化またはサイズ変更すると、そのSVMに現在割り当てられて いるクォータ ポリシー内のクォータ ルールがアクティブ化されます。
クォータのターゲットと種類
クォータにはタイプがあり、ユーザ、グループ、またはツリーのいずれかになります。クォータター ゲットでは、クォータ制限が適用されるユーザ、グループ、またはツリーを指定します。
次の表に、クォータターゲットの種類、各クォータターゲットに関連付けられているクォータのタイ プ、および各クォータ ターゲットの指定方法を示します。
クォータターゲット クォータタイプ ターゲットの指定方法 注記 ユーザ ユーザクォータ UNIXユーザ名
UNIX UID
UIDがユーザと一致 しているファイルまた はディレクトリ Windows 2000より前 の形式のWindowsユ ーザ名
Windows SID
ユーザのSIDによって 所有されているACL を持つファイルまたは ディレクトリ
ユーザクォータは、特 定のボリュームまた はqtreeに適用できま す
グループ グループクォータ UNIXグループ名 UNIX GID
GIDがグループと一 致しているファイルま たはディレクトリ
グループクォータは、
特定のボリュームま たはqtreeに適用でき ます
注: Data ONTAPで は、Windows IDに 基づいたグループ クォータは適用しま せん。
qtree ツリークォータ qtree名 ツリークォータは特定
のボリュームに適用さ れ、他のボリューム内 のqtreeには影響しま せん