FlexCloneボリュームは、通常のFlexVolと同じように管理できますが、いくつかの重要な違いがあ
ります。たとえば、FlexCloneボリューム作成後に親FlexVolに加えられた変更は、FlexCloneボリュ ームには反映されません。
次のリストに、FlexCloneボリュームに関する重要な特性を示します。
注: 特に説明がないかぎり、読み書き可能FlexCloneボリュームとデータ保護FlexCloneボリュー ム両方に該当します。
• FlexCloneボリュームは、親FlexVolの「ある瞬間の」書き込み可能なコピーです。
• FlexCloneボリュームは、その親と同様に完全に機能するFlexVolです。
• FlexCloneボリュームは、常に親と同じアグリゲート内に作成されます。
• FlexCloneボリュームは、常に親と同じStorage Virtual Machine(SVM)内に作成されます。
• Infinite VolumeをFlexCloneボリュームの親として使用することはできません。
• FlexCloneボリュームとその親は共通するデータについて同じディスク スペースを共有するた
め、FlexCloneボリュームの作成は短時間で終了し、(FlexCloneボリュームまたはその親を変更
しないかぎり)追加のディスクスペースは不要です。
• FlexCloneボリュームは、親と同じボリューム ギャランティを継承します。
ボリュームギャランティ設定が新しいFlexCloneボリュームに適用されるのは、包含アグリゲー トに十分なスペースがある場合のみです。
• FlexCloneボリュームは、親と同じスペースリザベーション設定およびフラクショナルリザーブ
設定で作成されます。
• FlexCloneボリュームは、親と同じSnapshotスケジュールで作成されます。
• FlexCloneボリュームは、親と同じ言語設定で作成されます。
• FlexCloneボリュームとその親ボリューム間で共有されている共通のSnapshotコピーは、
FlexCloneボリュームが存在する間は削除できません。
• FlexCloneボリュームが存在する間、親ボリュームの削除など、親ボリュームに対する一部の操
作は実行できません。
• 部分的なギブバック状態にあるストレージシステムのボリュームのクローンは作成できませ ん。
• 親ボリュームと読み書き可能FlexCloneボリューム間の接続を切断できます。
これを、FlexCloneボリュームのスプリットと呼びます。スプリットを行うと親ボリューム上の制約
がすべて解除され、FlexCloneボリュームは親とスペースを共有するのではなく、独自のディス ク スペースを追加で使用するようになります。
注: データ保護FlexCloneボリュームを親ボリュームからスプリットすることはできません。
注意: FlexCloneボリュームを親ボリュームからスプリットすると、FlexCloneボリュームの既存
のSnapshotコピーはすべて削除され、スプリット処理の実行中はSnapshotコピーを新しく作成
することはできません。
FlexCloneボリュームのSnapshotコピーを保持したい場合、volume moveコマンドを使用して、
FlexCloneボリュームを別のアグリゲートに移動できます。 必要に応じて、ボリュームを移動 する操作の間に新しいSnapshotコピーを作成することもできます。
• 親ボリュームに適用されたクォータは、自動的にはFlexCloneボリュームに適用されません。
• FlexCloneボリュームを作成すると、FlexCloneボリュームには親ボリューム内にあるすべての
LUNが継承されますが、マッピングはされておらず、オフラインの状態になります。
関連コンセプト
FlexVolの移動(57ページ)
関連タスク
ボリュームの移動(60ページ)
FlexClone ボリュームと共有 Snapshot コピー
ボリューム ギャランティが有効になっている場合、新しいFlexCloneボリュームでは親とSnapshotコ ピーが共有されて、スペース要件が最小限に押さえられます。共有Snapshotコピーを削除すると、
FlexCloneボリュームのスペース要件が増える可能性があります。
たとえば、100MBのFlexVol(ボリューム ギャランティ にvolumeを指定、70MB使用済み、30MB空 き)があり、このFlexVolを新しいFlexCloneボリュームの親ボリュームとして使用するとします。新し いFlexCloneボリュームには初期ボリューム ギャランティとして volumeが設定されますが、アグリ ゲートの全スペースである100MBが必要なわけではありません(ボリュームを複製した場合には 必要になります)。アグリゲートは、30MB(100MB - 70MB)の空きスペースだけをこのクローンに 割り当てる必要があります。
ここで、FlexCloneボリュームから共有Snapshotコピーを削除したとします。その場合、FlexCloneボ リュームはスペース要件を最適化できなくなり、包含アグリゲートから100MB全量を使用する必要 があります。
注: アグリゲート内に十分なスペースがないことにより、FlexCloneボリュームからSnapshotコピー を削除できない場合があります。これは、そのSnapshotコピーを削除するには、アグリゲートに 現行の使用可能容量よりも多くのスペースを割り当てる必要があることを意味します。アグリゲ ートのサイズを増加するか、FlexCloneボリュームのボリュームギャランティを変更することで対 処できます。
FlexCloneボリューム内の共有Snapshotコピーの識別方法
共有Snapshotコピーを識別するには、volume snapshot showコマンドで-instanceパラメータを 使用して、 親ボリューム内のSnapshotコピー一覧を表示します。親ボリュームでbusyと表示され、
FlexCloneボリュームにも存在するSnapshotコピーが、共有Snapshotコピーです。
Volume SnapMirror レプリケーションと FlexClone ボリュームの併用
Volume SnapMirrorレプリケーションとFlexCloneボリュームは、いずれもSnapshotコピーに依存する ため、この2つの機能の併用には制限事項があります。たとえば、FlexCloneボリュームまたはその 親をソースボリュームとするVolume SnapMirror関係を作成できます。ただし、FlexCloneボリュー ムまたはその親をデスティネーションボリュームとする新しいVolume SnapMirror関係を作成する ことはできません。
SnapMirror のソース ボリュームまたはデスティネーション ボリュームから FlexClone ボリュームを作成する際の考慮事項
既存のVolume SnapMirror関係を構成するソースボリュームまたはデスティネーションボリューム
から、FlexCloneボリュームを作成できます。この操作を行うことで、以降に行うSnapMirrorのレプリ
ケーション処理が正常に完了しないことがあります。
FlexCloneボリュームを作成すると、SnapMirrorによって使用されるSnapshotコピーがロックされるこ とがあり、これによりレプリケーションが正常に実行されない可能性があります。この場合、対象の
FlexCloneボリュームが削除されるか、親ボリュームからスプリットされるまで、SnapMirrorはデステ
ィネーションボリュームへのレプリケーションを停止します。この問題には、次の2つの方法で対処 できます。
• FlexCloneボリュームが一時的に必要で、SnapMirrorレプリケーションが一時的に停止されても
構わない場合は、FlexCloneボリュームを作成し、可能となった時点で削除するか親からスプリ ットします。
FlexCloneボリュームが削除または親からスプリットされた時点で、SnapMirrorレプリケーション
が正常に続行されます。
• SnapMirrorレプリケーションの一時的な停止を許容できない場合は、SnapMirrorソース ボリュ ームでSnapshotコピーを作成し、そのSnapshotコピーを使用してFlexCloneボリュームを作成しま
す(FlexCloneボリュームをデスティネーションボリュームから作成している場合、Snapshotコピ
ーがSnapMirrorデスティネーションボリュームにレプリケートされるまで待機する必要がありま
す)。
この方法でSnapMirrorソースボリュームでSnapshotコピーを作成すると、SnapMirrorによって使 用されているSnapshotコピーをロックすることなくクローンを作成できます。
親ボリュームからのFlexCloneボリュームのスプリットの仕組み
親ボリュームから読み書き可能FlexCloneボリュームをスプリットすると、FlexCloneボリュームで現 在使用されているスペースの最適化がすべて解除されます。 スプリット後、FlexCloneボリュームと 親ボリュームの両方に対して、それぞれのボリューム ギャランティで決められたスペースをすべて 割り当てる必要があります。 FlexCloneボリュームは通常のFlexVolになります。
クローンスプリット処理に関連する次の考慮事項に注意してください。
• スプリットできるのは、読み書き可能FlexCloneボリュームのみです。データ保護FlexCloneボリ ュームは、親ボリュームからスプリットできません。
• 親ボリュームからFlexCloneボリュームをスプリットすると、FlexCloneボリュームの既存の
Snapshotコピーがすべて削除されます。 FlexCloneボリュームのSnapshotコピーを保持したい場
合、volume moveコマンドを使用して、FlexCloneボリュームを別のアグリゲートに移動できま す。必要に応じて、ボリュームを移動する操作の間に新しいSnapshotコピーを作成することもで きます。
• スプリット操作中は、FlexCloneボリュームの新しいSnapshotコピーを作成できません。
• クローンスプリット処理はコピー処理であり、完了までに時間がかかる可能性があるため、Data
ONTAPでは、クローンスプリット処理を停止するための volume clone split stopコマンド
とステータスを確認するためのvolume clone split statusコマンドが用意されています。
• クローンスプリット処理はバックグラウンドで行われるため、親ボリュームまたはクローン ボリュ ームどちらへのデータアクセスも妨げられません。
• FlexCloneボリュームは、スプリット処理の開始時にオンラインになっている必要があります。
• 親ボリュームは、スプリット処理中はオンラインになっている必要があります。
• データ保護または負荷共有ミラーがあるFlexCloneボリュームは親ボリュームからスプリットす ることはできません。
• 重複排除と圧縮が有効なFlexVolからFlexCloneボリュームをスプリットする場合、スプリットされ たボリュームでは重複排除と圧縮は有効になりません。
• スプリットしたFlexCloneボリュームと親ボリュームを再び結合することはできません。