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Single Window 化の現状

ドキュメント内 ウズベキスタン国 (ページ 74-82)

5.6 その他の広域物流に関連する取り組み

5.6.1 Single Window 化の現状

西アフリカ地域では Single Window の取り組みとして手続きの電子化が進展しているが、

その効果が得られていないケースが多い。これは、手続きの電子化されたものの、手続き そのものの簡素化が行われていないばかりか、原本(印刷物)の提出も義務付けている場 合が多いためである。西アフリカ主要国における Single Window の取り組みの概要を表 5-15に示す。

表 5-15 西アフリカにおけるSingle Window化の取り組み

国名 Single Window化の現状

ベナン Cotonou 港では全ての関税にあるコンピュータに ASYCUDA++のソフト

がインストールされているが、関税の法規は古いものであり、手続簡素 化がほとんど実施されていない

トーゴ Lome 港では関税局が ASYCUDA 2.0 をインストール済みで本システム

が運用されており、国境関税ポストである Hilla-Condji と通信接続が可 能である。しかし、電子積荷目録に対応できており、輸入業者が電子イ ンターフェースにより、直接申告書を提出しているが、貿易業者は原本 の提出も必要となっている。

ナイジェリア 輸入貨物の手続きは、主に ASYCUDA++で処理されているが、煩雑な手 続きは改善されていない。料金支払いの自動化が実施されていないため に、輸送関係者が自ら銀行に行かねばならない。一方で、民間委託を視 野にいれた、手続きの自動化と簡素化の取り組みが進行中である。

コートジボワール Abidjan 港では手続きの一部に ICT が導入されている。また、APS-Net という港湾局と税関を接続する案件が実施されている。しかし、同港で の輸入手続きは依然として複雑であり、港湾局およびその他の政府機関 間の連携が不十分で、手続きの窓口は一元化されていない。

ガーナ ICT のシステム (GCNet) が導入されているが、原本の提出を義務付け ているため、期待される効果は得られていない。

ブルキナファソ 現時点では Single Window を実施していないが、世界銀行、アフリカ開 発銀行および EU の支援により手続書類の簡素化およびプロセス調整の キャパシティービルディングを実施している。ガーナで導入されている

GC Netシステムをブルキナファソへ導入する計画を検討中である。手続

きは電子化されておらず、手書きで台帳に記載される。

マリ Single Window 導入の動きはない。ガーナ方面からの貨物の通関には英

語だけの書類も含まれるが、主要な書類は ECOWAS が準備した統一書 式 (Log Book) を用いるため、通関時の手続き業務の 1 つの緩和策とな っている。

セネガル Dakar 港での輸入続きの自動化が進展しているが、税関手続きの改善が 遅れているため、貨物の滞留が発生している。コンテナターミナル運営 会社 (DP World) によれば、税関手続きの遅れから、ヤードの処理能力 の60%~70%の貨物しか取り扱えない状況となっている。

ガーナのシステムはまだ改善すべき事項はあるが、成功事例として紹介されることが多 い。ガーナでは、1998年からモーリシャスのTradeNetにならい、Single Windowの取り組 みを開始した。当局の発表によると、GCNet/GCMS の導入により、Tema 港での手続き日 数が2~3週間から1~3日に短縮され、Takoradi港での手続き日数が2日から 1日に短縮 された58。また、実施してから 1 年で税収が50%増加したとの報告もある59。図 5-39には

58 GCNetウェブサイト(http://www.gcnet.com.gh/aboutus/mission_objectives.asp20108月閲覧)より

59 ガーナのシステムの手本となったモーリシャスは、サブサハラアフリカにおけるの最も先端的 Single

Window によるサービスが提供されていると言われている。モーリシャスは 1990 年代の前半から Single

Windowの導入を開始し、自動化と同時に手続の簡素化を実施した。また、数年後にはTradeNetという、

貿易手続きの電子化によるコミュニケーションチャネルの合理化の概念を示す。導入前に は、関連機関が個別に情報のやりとりをしていたが、共有サーバーの導入によりコミュニ ケーションが一元化された。税関事務所内の環境も、大きく変化した(図 5-40参照)。

導入前 導入後

Source: BRIDGES ACROSS BORDERS, Ministry of Communication, Ghana, 2007

5-39 貿易手続きの電子化によるコミュニケーションチャネルの合理化

導入前 導入後

Source: BRIDGES ACROSS BORDERS, Ministry of Communication, Ghana, 2007 図 5-40 貿易手続きの電子化による税関事務所の環境

しかし、ガーナのシステムでは、各種手続きには電子版と原本(印刷物)の両方の提出が 要求されており、Single Window化されていない近隣の港湾との輸入に必要とされる日数に 大きな差がないことも指摘されている。手続きの電子化が港湾滞留日数の減少に結びつい ていない点について、Ghana Shipper’s Council60は以下の要因を挙げている。

• 貨物が港に到着する前に諸手続きを済ませておけば(例えば2週間前)、所定の関 税と取扱料金の支払後24時間以内に貨物は荷受人に引き渡される。しかし、荷受 人の支払いが遅れることが多く滞留日数の増加となっている。

関税システムを管理する官民合同企業Mauritius Network Services Ltdを設立した。

60 Ghana Shipper’s Councilとは、ガーナ運輸省傘下の政府機関であり、ガーナの輸出入業者の権益保守、

振興、改善を任務としている。

• トランジット貨物についての手続きが複雑であり、税関検査の必要がない場合で も実際には税関検査が行われている。

• National Security確保のため、スキャンによるチェックが行われているが、トラン

ジット貨物に対してはさらに目視検査も行われている。

5.6.2 トラッキングシステム

サブサハラアフリカの内陸国向けトランジット輸送における税関エスコートや、チェッ クポイントの問題については、本報告書の第 3 章で記述した。西アフリカでは、こうした 問題に対応するため、リアルタイムで貨物の位置を確認できるGPSを応用したトラッキン グシステムの導入が進められている。トラッキングシステムを導入することにより、スケ ジュールの管理、貨物のセキュリティ向上の効果も期待されている。

西アフリカでは現在、ガーナがGPSトラッキングシステムを導入している。ガーナのト ラッキングシステムは「i-Transit」と呼ばれる e-Bond、輸送業者登録、貨物シールなどを 含めたITシステムのパッケージである。通常、トランジットコンテナはコンテナターミナ

ルから National Security Park に運ばれて、セキュリティ検査を受ける。そこで、トランジ

ットドキュメントを受け取り、税関エスコートと一緒に国境に向かう。しかし、GPS タグ を利用することにより税関エスコートが省略でき、エスコート待ち時間の短縮、費用の削 減の効果がある。図 5-41にはiTransitの導入手順を示す。

出典:Ghana CEPS, 2007, Ghana CEPS i-Transit System, Regional Cooperation in Transit Transport: Solutions for Landlocked and Transit Developing Countries

図 5-41 i-Transitの導入手順

現在、i-Transit はガーナにおいて全てのトランジット貨物を対象とする ICT システムと なっている。主にGCNet との統合、e-Bond、貨物シール、インターネット上のチェックポ イント、IP カメラ、衛星トラッキング等を実施している。現在、同システムの適用はガー

基 盤

i-Transitの実施と GCMSの統合

• 輸入者登録

• 貨物車両登録

• 委託貨物情報

• 安全項目情報

• チェックポイント 定義

• ルート定義

• e-Bond

• オンラインチェック

税関国境警備局の保安 規制との統合

• シール

¾ コンテナ

¾ バルク

• IPカメラ

¾ 入出国地点

¾ チェックポイント

¾ IPネットワーク上

e-Bondと国家保税保 証局の接続

• e-Bond仕組み統合

• 国家保税保証局 システム接続

• 越境に伴い自動 リリース

トランジット貨物の衛 星トラッキング

• GPSベース

• Inmarsatにより報告

• 世界中対象

高 度

関係者の信頼・確信

ナ国内にとどまっているが、ガーナ、ブルキナファソ両国は、国境を越えて、ブルキナフ ァソ国内の目的地までトラッキングが可能とするシステムに拡大することを合意した。ま た、世界銀行はWest Africa Transport and Trade Facilitation Projectというプロジェクトを実施 しており、Dakar – Bamako、Tema – Bamako、Lagos – Abidjan、Accra – Ouagadougou回廊で の、税関システムの近代化やトラッキングシステム導入などを推進している。

5.6.3 物流ターミナルの現状

(1) 西アフリカの物流ターミナルの概要

ドライポートは物流ターミナルの一種であり、複数のモードやルート間の接続の効率化 に役立ち、特に港湾機能を補完するものとして重要である61。通関機能および保税機能を 持つドライポートは、港湾の混雑解消や内陸国への円滑な貨物輸送に寄与する。西アフリ カにおいてドライポートを含む物流ターミナルの整備が進められており、表 5-16 に示す ような物流ターミナルが運営ないし計画されている。

表 5-16 西アフリカにおける物流ターミナル事例

物流ターミナル 国 特徴

Bobo-Dioulasso ブルキナファソ 敷地全体が保税区域、鉄道引き込み線あり、

コンテナ貨物、トラック貨物、税関建物あり

(入居しているかどうかは不明)、保税倉庫 あり

Faladie マリ 敷地は保税区域でないため Bonded Cargo のみ

の 扱 い 、 鉄 道 引 き 込 み 線 な し 、 コ ン テ ナ 貨 物、トラック貨物、税関事務所あり、保税倉 庫計画中

Railway Terminal マリ 鉄道引き込み線あり、コンテナ専用、税関事

務所無し

ENSEMA マリ 鉄道引き込み線あり、一般貨物、税関事務所

無し、保税倉庫(冷凍・冷蔵含む)あり

Farkessedougou コートジボワール 鉄道引き込み線あり、保税倉庫無し

Dakar セネガル 港湾に近く鉄道ヤードに隣接してドライポー

トを建設済み、運営民営化および税関・関連 業者事務所予定

Boankra ガーナ 一部土地収用済み、鉄道・道路アクセスおよ

び税関事務所を計画

(2) Bobo-Dioulasso

Bobo-Dioulassoはブルキナファソの首都Ouagadougouから350 kmの地点にあり、コート ジボワール方面とマリ方面をつなぐ回廊が交わる要衝の地である。ここにあるドライポー

61 インランドデポとも呼ばれる。ドライポートについては3.5節を参照。

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