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Abidjan – Ouagadougou – Niamey 回廊整備支援プログラム

ドキュメント内 ウズベキスタン国 (ページ 161-185)

第7章 港湾・鉄道を主体とした広域物流回廊整備のモデル支援 プログラム

7.4 Abidjan – Ouagadougou – Niamey 回廊整備支援プログラム

(コートジボワール・ブルキナファソ・ニジェール回廊)

7.4.1 回廊開発とインフラ整備の視点

(1) 回廊沿線地域の概要

コートジボワールはギニア湾岸に位置する人口約2千万人、GDP約230億USドルの中 所得国である(2008年)。同国の経済規模はUEMOA加盟の8カ国GDPの約3分の1に 及ぶ。西アフリカ経済の中心的な位置にあるが、国内の政治的な対立により2002年には事 実上国が二分される事態に至った。西アフリカの中では比較的製造業の発達が見られるが、

基幹産業は農業であり輸出においてはココア、コーヒーが大部分を占める。近年では石油 の産出も盛んである。

ブルキナファソは人口約 1 千5 百万人、GDP 約80 億US ドルを有する内陸国である。

社会主義路線を放棄した90年代以降、おおむね安定した政治状態を保っている。農業主体 の経済で綿花が重要な輸出品目である。また、金などの鉱物資源開発のため外国からの投

資が増加している。西アフリカの中で比較的良好なパフォーマンスと改革努力を示してい る。

同じくサハラ砂漠南縁の内陸国であるニジェールは、人口約 1 千 5 百万人、GDP は約 50億US ドルの国である(2008年)。UNDPが2008年に発表した人間開発指数によると、

同国は 179カ国中 174位であり、特に開発が遅れた国である。クーデターによる政権転覆 が度々起こっており、2010年2月には大統領が拘束された。

ウラン生産と農牧業が経済の柱であるが、天候や資源価格の影響を受けやすく不安定で あり、経済は低迷している。1970 年代から活発化したウランの探査・採掘には、政府から ライセンスを得た外国企業があたっている。

コートジボワールとブルキナファソの結びつきは強く、内陸国であるブルキナファソは 輸出入をコートジボワールに大きく依存している5。また、ブルキナファソ国民の多くがコ ートジボワールのカカオやコーヒー農園に従事するなどしていたが、2002年9月に発生し たコートジボワール危機によりブルキナファソ経済は大きな影響を受けた。他方、ブルキ ナファソは近隣諸国の国内紛争の平和的解決に積極的に介入しており、同国大統領の仲介 により2007年にコートジボワール危機の収束を目指したワガドゥグ政治合意が結ばれた。

ニジェールにとってもコートジボワールは主要な輸入元となっており、貨物はブルキナフ ァソを経由して輸送される。逆に、コートジボワール側としてはUEMOA、ECOWAS圏内 の国々との域内貿易を強化したいという意向がある。

(2) 回廊の概要

回廊の概要は5.2.4節で述べた。この回廊の起点は Abidjan港であり、ブルキナファソ、

マリ、ニジェールへの陸上アクセス手段として道路と鉄道が整備されている。西アフリカ の他の回廊と比較して鉄道と道路の整備水準は高い。コートジボワールの紛争後、鉄道に よる輸送貨物は半分以下となったが、昨年から回復基調にある。限られた資金の中でメン テナンスを実施してはいるが、軌道の老朽化や車両不足から、需要に見合う輸送力の確保 ができていない。

コートジボワールとブルキナファソには Sitarail による Abidjan – Ouagadougou 間 1,145 km の 鉄 道 路 線 ( 貨 物 と 旅 客 ) が あ る 。 コ ー ト ジ ボ ワ ー ル 側 は 、Abidjan – Ouangolodougou – Border間の約660 kmで、ブルキナファソ側はOuagadougou – Niangoloko – Border間の約485 kmとOuagadougou – Kaya間の約103 km(ただし2003年以降は運行停 止中)がある。Kaya – Dori – Niamey間および、Dori – Tambao間はECOWAS(EU資金)

により新線建設のF/Sを実施中である(図 7-3 参照)。Sitarailのインフラの現況と運営状 況の詳細は5.3.3節に示す。

5 コートジボワールからの輸入が約25%を占める(2005年)。

図 7-3 Abidjan – Ouagadougou – Niamey回廊位置図

回廊沿線の主要都市の概要は表 7-7に示す。

7-7 Abidjan – Ouagadougou – Niamey回廊沿線の主要都市と概要

国名 都市名 概要

コートジボワール Abidjan 約360万の人口を持つコートジボワールの最大都市で ある。現首都は Yamoussoukro であるが、現在も行 政・経済の中心であり、事実上の首都機能を果たす。

Abidjan 港を有する港湾都市であり、食品加工、製

材、自動車生産など多様な加工産業が立地する。

Bouake コートジボワール第 2 の都市であり、人口約 80 万人

を有する。Abidjanから300 km足らずにある北部地域

で、標高310 mの高原に位置する。タバコ栽培、綿工

業、金・マンガン採掘等の産業がある。交通の要衝で あるが、現在は北部反政府勢力の本拠地となってい る。

Ferkessedougou コートジボワール北部で Bouake に次ぐ都市であり、

約6万5千人が居住する。ブルキナファソ、マリ方面 へ向かう交通はこの都市の北方で分かれる要衝の地に あるため、鉄道・道路の物流基地が置かれている。周 辺では綿花やサトウキビの栽培が盛んであり、それら の加工拠点としても機能している。

ブルキナファソ Bobo-Dioulasso 人口約 60万人のブルキナファソ第 2の都市である。

農 業 、 繊 維 工 業 が 盛 ん で あ る 。Ouagadougou か ら

350 km 離れ、コートジボワール方面とマリ方面の回

廊が交わっている。地元の商工会議所が中心となって 建設したドライポートがある。

Ouagadougou ブルキナファソの首都であり、約 150 万人が居住す

る。Abidjan および Niamey と接続する重要な位置に ある。主要産業は食品加工業、繊維工業である。現 在、SitarailはOuagadougouまで運行している。

国名 都市名 概要

Kaya Ouagadougou の北東 100 km にあり、鉄道の終着点と

なっている。約 40 万の人口を持ち、繊維・皮革産業 が盛んである。Kaya まで鉄道はあるが、現在は運行 されていない。

Dori Ouagadougou から北東に約 250 km の地点にあり、人

口は約 20 万人である。付近からはマンガンや金が産 出される。

Tambao ブルキナファソの北東部でニジェールとの国境付近に

ある。マンガン鉱が産出され、鉄道の延伸が検討され ている。

ニジェール Tera ブルキナファソとの国境付近、首都 Niamey から北西 175 km にある。人口約 2 万人で、そのほとんどが農 業・牧畜に従事する。

Niamey ニジェール川沿いに立地するニジェールの首都であ

る。人口は約 80 万人で、主要産業はピーナッツや雑 穀の栽培、レンガ・セラミック製造、セメントおよび 繊維の生産である。近辺ではウラン採掘の準備が進行 中である。道路はベナンのCotonouまで伸びている。

(3) 回廊特性と優先支援分野

6.3節で示した回廊特性の分類によると、Abidjan – Ouagadougou – Niamey回廊は、域内 貿易と域外貿易の両方の役割を果たしている。域内貿易としてはブルキナファソからコー トジボワール方面への家畜の輸出が多い。域外貿易としては両国ともに燃料・食料品・軽 工業品を輸入しており、ブルキナファソは綿・黄金を、コートジボワールはココア・コー ヒー・木材・石油・バナナ・パイン・ヤシ油等を輸出している。ブルキナファソの域外輸 出品のうち黄金は航空機で輸出されるが、その他の域外輸出品は内陸輸送距離の面からも 鉄道輸送が好ましい。他方、コートジボワールの域外輸出品のうち、バナナ・パインなど の果物類は道路輸送が特に適したものと言える。また、ブルキナファソ北部でマンガン鉱 の採掘計画がある。域内貿易の観点からは国境周辺地帯での家畜等の交易が多いことを踏 まえ、道路輸送整備とこれに関連したOSBP整備が必要である。

このような背景から内陸輸送モードとしては、道路と鉄道両方の整備が重要となる。ま た、港湾整備の他、Single Windowの導入、トランジット貨物のトラッキングシステムの導 入、OSBP整備などの貿易円滑化施策を優先的に実施する必要がある。

(4) 港湾整備課題

Abidjan港はDakar港と同様に港湾類型Bに属する「広域回廊上に位置するランドロード

型の非近代的コンテナターミナルを有するトランジット港」である。このタイプの港湾は依 然として旧来施設あるいはそれを改良した施設を使用しており、後背地の開発や陸上輸送 網との接続等も考慮したマスタープランの策定、その中の優先プロジェクトに関するフィ ージビリティ調査が必要である。また、旧来施設の劣化が著しいなどの問題がある場合に は、緊急整備やリハビリテーションも必要である。さらに、内陸国への輸送コスト削減の

ため通関や越境手続きの効率化が求められる。このグループでは、①M/P、F/S 実施支援、

②緊急整備、リハビリ支援、③通関手続き効率化支援、を優先する必要がある。

(5) 鉄道整備課題

Sitarailは鉄道類型G2に属する「広域回廊型で輸送量が 1~2百万トン程度の PPP導入済

みの鉄道」である。この程度の輸送量があれば、鉄道施設のリハビリに対してはある程度は 独自に実施することも可能である。独自に実施できない部分に対しては、資金不足を補う 形でのドナー支援が望まれる。資金協力で官側(鉄道管理公社など)がレールを購入して、

コンセッショネアはそのレールを用いて軌道のリハビリを行うような支援も可能と考えら れる。その上で、各ドナーは①車両不足の解消、②コンテナ輸送への対応等の優先施策に 支援を行う。

コートジボワールの鉄道は、フランスにより植民地経営のためブルキナファソの鉄道と 一体で建設された。独立後は両国がそれぞれ国鉄として運営していたが、1994 年 Sitarail をコンセッショネアとする最初のコンセッション契約が合意され、1995年8月よりその鉄 道運営が開始された。この当時の契約では鉄道インフラ、車両とも所有者は両国政府で、

運営のみSitarailが行う運営委託であり、2010年までの15年契約であった。Sitarailの株は、

67%が数社の民間所有となっている。民間資本の内50%以上はフランスのBollore Groupの

出資である。3 回の契約改定を経て、現時点での PPP の形態はRehabilitate, Lease or Rent,

and Transfer (RLT) と呼ばれるコンセッション契約で、2030年の期間満了まであと20年の

契約期間が残されている。

現在、Abidjan – Ouagadougou間 (1,145 km) で旅客・貨物の鉄道経営を行っている。

コンセッション開始直後の 1996年は51 万トンの輸送量であったが、2000年 88万トン、

2001年には 101 万トンの輸送量にまで増加した。2000年には 20 億 CFA フランの利益を 計上した。ところが、2002年からのコートジボワール紛争 (Ivorian Crisis) は当該地域の流 通活動低下と顧客離れ(他路線、他の交通手段選択)を招き、2002 年および 2003 年の輸 送量はそれぞれ 87万トンおよび18万トンまで減少した。2006年(81 万トン)、2007年

(91万トン)と上昇傾向にあったが、2008年の世界経済危機で再び落ち込んだ。現在は再 び上昇し始め2010年は101万トンへの回復を見込んでいる。

政府の資金拠出を含む鉄道インフラ整備基金 (Railway Investment Fund) が設置され、資 金運用管理は 2 国の財務省、交通省で構成される協議会が行い SOPAFER-B(ブルキナフ ァソ政府設立の鉄道資産管理会社)、SIPF(コートジボワール政府設立の鉄道資産管理会 社)は技術的アドバイスを行う。資金運用に関してはSitarailが毎年作成する年間予算内に インフラ、機材整備等の予算を計上し、協議会(年 4 回定例会開催)で実施が決定される。

実施はSitarailに任され、入札による委託業務も行う。インフラ整備基金にアクセス可能な

Sitarail であるが、会社の利益率は依然として低い。公的資金によるインフラ整備、機材更

新が望まれている。近く2国間で政府責任部分を明確にするCommon Visionを示す合意が なされる予定であるが、資金確保は難しい。

コートジボワールおよびブルキナファソの鉄道セクターの課題には以下の点があげられ る。

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