OraDAVは、Oracle9iASユーザーがmod_oradavを通じて使用可能な機能セット全体を指
します。OraDAVには次の固有の用語があります。
■ Apache OraDAV: Apache HTTPサーバーのコード。ファイルベースのDAVアクセスを サポートし、Oracleをコールします。
■ OraDAVドライバドライバドライバドライバAPI(((OraDAV API)( ))): OraDAVドライバでOracleデータベースの内 容を管理するために使用されるストアド・プロシージャ・コールのセット。インター ネット経由でサポートされるWebDAV機能には、ドキュメントの読取り、書込み、
ロックおよびロック解除、情報階層の管理(作成、移入、削除)、ドキュメントに関連 するプロパティの取得、プロパティと特定のドキュメントとの関連付けがあります。
■ OraDAVドライバドライバドライバドライバ: OraDAVドライバAPIのストアド・プロシージャ実装。Oracleを実 行してリポジトリを管理します。
■ OraDAV interMedia ドライバドライバドライバドライバ: OraDAVドライバの軽量のリファレンス実装。
概要
アーキテクチャ アーキテクチャ アーキテクチャ アーキテクチャ
OraDAVが組み込まれたアーキテクチャでは、Oracle HTTP Server内のmod_oradavが、1
つ以上のOracleデータベース内の1つ以上のスキーマの内容へのアクセスを提供します。
図7-1に、単純なアーキテクチャを示します。
図 図 図
図 7-1 OraDAVのアーキテクチャのアーキテクチャのアーキテクチャのアーキテクチャ
図7-1は、Microsoft WebフォルダなどのWebDAVクライアントが、Oracle HTTP Server
にHTTPリクエストを渡しているところを示しています。リクエストが(Oracleデータベー スではなく)ファイル・システムに格納されているコンテンツに対するものである場合、
mod_oradavでアクセスが処理されます。リクエストがOracleデータベースに格納されてい
るコンテンツに対するものである場合、OraDAV APIでアクセスが処理されます。
OraDAV APIには、ファイル・システムにおけるmod_oradavの実行と同じ機能がありま
す。OraDAV APIでは、次のHTTPメソッドがサポートされます。
■ COPY
■ DELETE
■ MOVE
使用方法モデル
mod_oradavの構成と使用 7-5
■ PROPPATCH
■ PUT
■ UNLOCK
OraDAV APIでは、共有ロックと排他ロック、基本的なDAVプロパティの取得、サーバー
定義のライブ・プロパティまたはクライアント定義のデッド・プロパティの定義と取得がサ ポートされます。COPY、MOVE、DELETEなど、集合ベースの演算全体を、OraDAVドラ イバの単一コールで実行できます。
OraDAV ユーザー ユーザー ユーザー ユーザー
OraDAVを直接使用する主なユーザーは、Oracle HTTP Server管理者とOracleデータベー
ス管理者です。エンド・ユーザーは、WebブラウザまたはWebDAVクライアント・ツール を通じて、OraDAVと間接的に対話するのみです。通常、エンド・ユーザーは、WebDAV テクノロジを使用していることや、サーバー上のWebDAV実装の詳細を知ることはありま せん。
OraDAVの管理には、Web管理者およびデータベース管理者としてのタスクが含まれます。
■ Web管理者は、Oracle HTTP Serverの作成、起動および停止方法と、httpd.confファ イルを編集してURLの通信量をOraDAVドライバにダイレクトする方法を理解してい る必要があります。
■ データベース管理者は、Oracle HTTP Serverを実行中のシステムからOracleデータベー スへのクライアント接続をセットアップする方法、OraDAVドライバをインストールし て管理する方法、物理的な記憶特性に基づいてドライバで管理されるコンテンツを チューニングする方法を理解している必要があります。
使用方法モデル 使用方法モデル 使用方法モデル 使用方法モデル
OraDAVの使用方法には、次のアクティビティを任意に組み合せることができます。
■ ブラウズ: WebDAVを使用してOracleデータベースの内容にアクセスする読取り専用ア
クティビティ。その使用方法モデルは、典型的な読取り専用Webサイトと同じです。
■ 再構築: コンテンツの削除、移動およびコピー。通常、再構築が行われることはほとん どなく、実行するのはWebDAVのコンテンツへの書込みアクセス権を持つ限定された ユーザーです。再構築に伴う制限と複雑さは、ファイル・ディレクトリを再構築する場 合と同じです。このディレクトリ階層を所有し、管理するユーザーが1人の場合もあり ます。ディレクトリが共有されている場合、再構築を実行するクライアントには、
WebDAVの排他ロックを通じて階層への単独アクセス権が付与されます。
■ 編集: 階層内の単一のリソースまたは小規模なサブセットを変更する操作。適切に設計
されたWebDAVクライアントは、リソースの共有ロックまたは排他ロックを使用して、
これらのアクティビティを調整します。
OraDAVの構成パラメータ
■ プロパティ管理: プロパティと属性(作成済など)をドキュメントに関連付け、簡単に 参照したり分類できるようにする操作。WebDAVクライアントは、PROPPATCHメ ソッドを使用してドキュメントにプロパティを割り当て、PROPFINDメソッドを使用 してプロパティを取得します。
OraDAV の構成パラメータ の構成パラメータ の構成パラメータ の構成パラメータ
OraDAVの構成には、主に、初期化中にOracle HTTP Serverインスタンスによって使用さ
れるhttpd.confファイル内のパラメータを使用します。構成パラメータには、すべての
OraDAVドライバに必須のものと、ドライバ固有のものがあります。
Oracle9iASをインストールすると、OraDAVのすべての必須パラメータは、Webブラウザ
やWebDAVクライアントからOracleデータベースの内容にアクセスできるように設計され
た値に設定されます。必要な場合は、後で必須パラメータの値を変更し、デフォルト値が要 件を満たしていない場合はオプションのパラメータの値を指定できます。httpd.confで
OraDAV構成のサポートに使用されるパラメータは、DAVとDAVParamで始まります。こ
れらのパラメータは<Location>ディレクティブで指定され、次の機能を提供します。
■ Oracle HTTP Serverからデータベースへの接続方法を構成する手段
■ OraDAV動作のおおまかな制御
DAVパラメータは、URLの位置でDAVが使用可能であることを示します。DAVキーワード の後に、On(mod_oradavが、コンテンツにローカル・ファイル・システムを使用すること を示す値)またはOracle(mod_oradavが、すべてのコンテンツにOraDAVを使用するこ とを示す値)などの単一の値を指定します。
DAVParamパラメータは、名前/値ペアの指定に使用します。必須のペアは、Oracle HTTP
ServerからOracleデータベースに接続できるようにするペアです。これには、名前
OraService、OraUserおよびOraPasswordが含まれます。
例7-1に、ローカル・システム上のファイルにアクセスするための構成を示します。この例 では、Webサーバーのドキュメント・ディレクトリ(デフォルトではhtdocs)のサブディ レクトリmyfilesを、階層内のmyfilesのすべてのサブディレクトリとともに、DAVが 使用可能なディレクトリとして指定しています(myfilesまたはサブディレクトリには、
シンボリック・リンクを定義しないように注意してください)。
例 例 例
例 7-1 構成パラメータ構成パラメータ構成パラメータ構成パラメータ: ファイル・システムへのアクセスファイル・システムへのアクセスファイル・システムへのアクセスファイル・システムへのアクセス
<Location /myfiles>
OraDAVの構成パラメータ
mod_oradavの構成と使用 7-7
例7-2に、Oracle9iAS Portalを通じてコンテンツにアクセスするための構成を示します。
PortalをOracle9iASにインストールした後で、Portalスキーマを指す<Location>ディレク
ティブを使用して、Oracle HTTP Server構成ファイルを移入する必要があります。この例で は、Location /portalを指定することでOraDAVが使用可能になり、(適切な値が移入 されると)Portalスキーマに接続されるため、ユーザーはWebDAVクライアントを使用し
てPortalデータにアクセスできます。
例 例 例
例 7-2 構成パラメータ構成パラメータ構成パラメータ構成パラメータ: Portalへのアクセスへのアクセスへのアクセスへのアクセス
<Location /portal>
DAV Oracle
DAVParam ORACONNECT dbhost:dbport:dbsid DAVParam ORAUSER portal_schema
DAVParam ORAPASSWORD portal_schema_password
DAVParam ORAPACKAGENAME portal_schema.wwdav_api_driver
</Location>
各OraDAVドライバでは、DAVParamメカニズムを使用して、ドライバ固有の設定を作成
できます。すべてのDAVParamの名前/値ペアは、OraDAVドライバに渡されます。
OraDAVパラメータのみでなく、DAVDepthInfinityなど、特定のDAVパラメータを指
定するかどうかも考慮する必要があります。これらのDAVパラメータの詳細は、7-19ペー ジの「DAVパラメータ情報」を参照してください。
表7-1に、各OraDAVパラメータ、そのパラメータが必須であるかどうか、およびそのデ
フォルト値を示します。ORAGetSourceパラメータはファイル・システムへのアクセスにの み適用され、他のパラメータはPortalドライバやその他のシステム(ファイル・システム以 外)へのアクセスにのみ適用されます。
表 表 表
表 7-1 OraDAVのパラメータのパラメータのパラメータのパラメータ 名前
名前 名前
名前 必須必須必須必須/オプションオプションオプションオプション デフォルト値デフォルト値デフォルト値デフォルト値
ORAConnect 必須1 (なし)
ORAService 必須1 (なし)
ORAUser 必須 (なし)
ORAPassword 必須 (なし)
ORAPackageName オプション ORDSYS.DAV_API_DRIVER
ORALockExpirationPad オプション 0(秒)
ORAAllowIndexDetails オプション FALSE
ORAGetSource オプション (なし)
ORACacheDirectory オプション (なし)