• 検索結果がありません。

O9-5 禁煙治療

ドキュメント内 第10回日本禁煙学会学術総会抄録集PDF版 (ページ 115-137)

当院禁煙外来における喫煙者の心理的特性に関する検討

ひろ

たに

あかね

鳥取市立病院 総合診療科

粟田 香代子2)、安陪 隆明3)、重政 千秋1)

1)鳥取市立病院 総合診療科、2)同 看護部、3)安陪内科医院

【目的】近年喫煙者とうつ症状との間に相関関係があることがわが国の横断研究で認められ、喫煙と精 神的健康についても言及されるようになってきた。当院では、2013年4月に禁煙外来を開設して以来、

喫煙者の心理的特性、禁煙後の心理的特性の変化について把握するために治療前後に日本版BDI-Ⅱ(ベ ック抑うつ指標:以下BDI-Ⅱ)で問診を行っており、その結果について報告する。

【方法】調査対象:2013年4月から2016年3月までに当院禁煙外来を受診した81名(男性72名、女性9名、

平均年齢56.8±12.2歳)。1.初回受診時にBDI-Ⅱによる問診を行い、喫煙者の心理特性について調査し た。2.禁煙外来を5回受診し、禁煙導入に成功した43名に対して5回目受診時に再度BDI-Ⅱによる問診 を行い、禁煙成功者の心理的変化を調査した。

【結果】1.回答が得られた80名のうち、禁煙開始前のBDI-Ⅱの得点は、極軽症(0-13点):60名、軽症(14-19 点):8名、中等症(20-28点):9名、重症(29-63点):1名。項目別の平均値は「性欲減退」が1.01点と 最も高値で、「活力の喪失」0.75点、「疲労感」0.71点、「集中困難」0.61点と続いた。2.禁煙導入 に成功した43名のうち、禁煙前・後に回答が得られた38名について、禁煙前後での総得点数の変化は 増加9名、減少23名、不変6名。総得点の変化は平均-3.42点で、禁煙後にBDI-Ⅱの総得点は低下する傾 向がみられた。項目別得点の変化の平均値はすべての項目で低下し、「疲労感」が-0.37点と最も低下、

次いで「集中困難」-0.29点、「活力喪失」-0.24点、「性欲減退」-0.21点であった。

【考察】当院の禁煙外来受診者において、禁煙により活力や集中力が増し、疲労感が軽減する傾向が示 された。このことから喫煙によって活力や集中力が低下し、疲労感が増していることが推測された。

性欲については加齢とともに低下するため、高得点となることが予測されたが、禁煙後に改善が認め られ、性欲低下に対しても喫煙の影響が疑われた。禁煙成功者では精神的健康全般について改善傾向 がみられた。

【まとめ】禁煙により身体的健康の改善が言われているが、本調査では精神的健康も改善する傾向が示 唆され、喫煙が精神的健康にも悪影響を及ぼしていることが推測された。

O10-1

喫煙心理・動機付け面接法

当院禁煙外来における喫煙者の心理的特性に関する検討

ひろ

たに

あかね

鳥取市立病院 総合診療科

粟田 香代子2)、安陪 隆明3)、重政 千秋1)

1)鳥取市立病院 総合診療科、2)同 看護部、3)安陪内科医院

【目的】近年喫煙者とうつ症状との間に相関関係があることがわが国の横断研究で認められ、喫煙と精 神的健康についても言及されるようになってきた。当院では、2013年4月に禁煙外来を開設して以来、

喫煙者の心理的特性、禁煙後の心理的特性の変化について把握するために治療前後に日本版BDI-Ⅱ(ベ ック抑うつ指標:以下BDI-Ⅱ)で問診を行っており、その結果について報告する。

【方法】調査対象:2013年4月から2016年3月までに当院禁煙外来を受診した81名(男性72名、女性9名、

平均年齢56.8±12.2歳)。1.初回受診時にBDI-Ⅱによる問診を行い、喫煙者の心理特性について調査し た。2.禁煙外来を5回受診し、禁煙導入に成功した43名に対して5回目受診時に再度BDI-Ⅱによる問診 を行い、禁煙成功者の心理的変化を調査した。

【結果】1.回答が得られた80名のうち、禁煙開始前のBDI-Ⅱの得点は、極軽症(0-13点):60名、軽症(14-19 点):8名、中等症(20-28点):9名、重症(29-63点):1名。項目別の平均値は「性欲減退」が1.01点と 最も高値で、「活力の喪失」0.75点、「疲労感」0.71点、「集中困難」0.61点と続いた。2.禁煙導入 に成功した43名のうち、禁煙前・後に回答が得られた38名について、禁煙前後での総得点数の変化は 増加9名、減少23名、不変6名。総得点の変化は平均-3.42点で、禁煙後にBDI-Ⅱの総得点は低下する傾 向がみられた。項目別得点の変化の平均値はすべての項目で低下し、「疲労感」が-0.37点と最も低下、

次いで「集中困難」-0.29点、「活力喪失」-0.24点、「性欲減退」-0.21点であった。

【考察】当院の禁煙外来受診者において、禁煙により活力や集中力が増し、疲労感が軽減する傾向が示 された。このことから喫煙によって活力や集中力が低下し、疲労感が増していることが推測された。

性欲については加齢とともに低下するため、高得点となることが予測されたが、禁煙後に改善が認め られ、性欲低下に対しても喫煙の影響が疑われた。禁煙成功者では精神的健康全般について改善傾向 がみられた。

【まとめ】禁煙により身体的健康の改善が言われているが、本調査では精神的健康も改善する傾向が示 唆され、喫煙が精神的健康にも悪影響を及ぼしていることが推測された。

禁煙外来における動機づけ支援の有用性

~禁煙プログラム開始前の介入について~

日本大学板橋病院 看護部

酒井 厚子1)、梶原 恵理子1)、吉澤 孝之2)3)、植松 昭仁2)、伊藤 玲子2)、丸岡 秀一朗2)、 権 寧博2)、橋本 修2)

1)日本大学板橋病院 看護部 2) 日本大学医学部 呼吸器内科学分野,

3) 医療法人社団愛語会 要町病院

【目的】禁煙成功率を向上させるため、初診時に準備性の低い患者に対してはプログラム開始を延期し、

予めカウンセリングによる動機づけ支援をおこないその有用性について検討した。

【対象】2014年4月~2016年5月までに禁煙外来を受診した患者64名。

【方法】禁煙外来初診時の問診票とカウンセリングで禁煙に対する準備性の評価をおこない、準備性 が低いと考えられた患者にはプログラム開始時期を延期し、準備性を強化する目的でカウンセリン グによる動機づけ支援により準備性の強化をおこなった。禁煙に対する準備性の判断には、離脱症 状とたばこへの渇望、喫煙行為への期待を評価するため、Minnesota Nicotine Withdrawal Scale、

Brief Questionnaire on Smoking Urges の問診票を使用し、モチベーションと自己効力感について は「やる気」と「自信」の強さを 0 から 100%で表現してもらい参考にした。初診時に未だ喫煙本数 の多い患者に対しても準備性が低いと判断し、カウンセリングの中で喫煙本数を減らす働きかけを おこない、20 本未満になるまでプログラム開始を延期した。

プログラム開始前の動機づけ支援を積極的に導入する以前の患者群 34 名と積極的に導入した 2015 年 5 月以降の患者群 30 名とを比較検討し動機づけ支援の有用性について検討した。

【結果】2014 年 4 月~2016 年 5 月までの患者全体の禁煙成功率は 73.4%であった。プログラム開始前 の積極的動機づけ支援を導入する以前の群での禁煙成功率は 67.6%であり、事前に動機付け支援を 行った割合は 3%であった。積極的に動機づけ支援を導入した以降の群での禁煙成功率は 80%で、

動機づけ支援を行った割合は 23%であった。事前の動機づけ支援により外来脱落率も減少した。両 群間に年齢、男女比、TDS、ブリンクマン指数などの患者背景について有意差はみられなかった。

【考察】禁煙に対する準備性の低い患者に対して、禁煙プログラムを開始する前に予め動機づけ支援

O10-2

喫煙心理・動機付け面接法

禁煙専門指導者・禁煙認定指導者における「動機づけ面接」

の認知、及び学習状況に関する要因

-禁煙外来に携わる医師・看護職の調査より-

ざい

いずみ

防衛医科大学校医学教育部看護学科 / 禁煙心理学研究会

加濃 正人1)6)、倉本 剛史2)6)、久保田 聰美3)6)、土井 たかし4)6)、埴岡 隆5)6)

1)新中川病院、2)NPO法人つなぐ、3)高知県立大学共同災害看護学専攻、4)土井内科医院、

5)福岡歯科大学口腔保健学講座、6)禁煙心理学研究会

【目的】禁煙外来に携わる禁煙専門指導者・禁煙認定指導者における「動機づけ面接」(MI)の普及の 現状把握、及び、MIの学習に関連する要因を検討する。

【方法】日本禁煙学会認定禁煙専門指導者と禁煙認定指導者1735名(2015年5月現在)のうち、禁煙外 来のある医療機関所属の医師・看護職1211名の中から無作為抽出した医師・看護職500名を調査対象と した。2015年8月~9月、無記名自記式質問紙調査を郵送法にて実施、回答の得られた251名(回収率 52.1%)の結果を統計的手法にて分析した。調査内容は、「基本属性」「MIの認知及び学習状況」「MI 学習重要度」「禁煙支援困難度」「禁煙支援回避度」「組織内自尊感情」(Matsuda, et al;2011)で ある。

【結果】分析対象者の職種は医師160名、看護職88名、職種不明3名であった。MIを言葉として知ってい る者は81.5%、MIの概要を知っている者は71.0%、半日~1日程度の研修会やワークショップに参加し たことがある者33.9%、2~3日程度の研修会やワークショップに参加したことがある者8.1%、個人的 なコーチやスーパーバイズを受けたことがある者8.9%、定期的な勉強会に参加している者10.1%であ った。医師と看護職では「MI学習重要度」「禁煙支援困難度」「組織内自尊感情」において相違がみ られた。多変量解析の結果、MIの認知や学習状況に関連する要因は「MI学習重要度」及び「禁煙支援 困難度」、「勤務地域」、「認定資格」「禁煙外来に関わる看護職数」において有意であった。

【考察】分析対象者におけるMIの認知は概ね高く、禁煙学会における取組等が反映されていると考える が、データ収集のバイアス効果であることも念頭に置く必要がある。本対象者がMIの学習を継続する ためにはMIを学ぶ重要性以外の要因も考慮しながら、情報の提供や学習環境の整備を行う必要がある ことが示唆された。

*本研究は、第8回(2015年)日本禁煙学会調査研究事業助成を受けたものである。

O10-3

喫煙心理・動機付け面接法

ドキュメント内 第10回日本禁煙学会学術総会抄録集PDF版 (ページ 115-137)