「受動喫煙症外来のための標準手順書」
作成プロジェクト
倉
くら
田
た文
ふみ秋
あき横浜・川崎禁煙外来ネットワーク / 神奈川県保険医協会学術部 / くらた内科クリニック
倉田 文秋1,2,3)、鈴木 悦朗1,2,4)、今野 郁子1,3)、内田 久仁子1,5)、相沢 淳1,6)
湯浅 祥平2)、森 壽生2)
1)横浜・川崎禁煙外来ネットワーク、2)神奈川県保険医協会学術部、3)くらた内科クリニック
4)日横クリニック、5)鎌田クリニック、6)日吉堂薬局
【目的】本プロジェクトは、2015年に実施した受動喫煙症外来設置医療機関への全国調査(横浜・川崎 禁煙外来ネットワークと神奈川県保険医協会学術部での合同調査 第9回日本禁煙学会学術総会で発 表)で得られたアンケート調査結果を検討し「受動喫煙症外来のための標準手順書」を作成すること により受動喫煙症外来活動の活性化および外来受診の標準化、新規外来開設への推進が受動喫煙者
(症)の支援に成ることを目的とする。また横浜市が設置している禁煙支援薬局と連携し受動喫煙・
受動喫煙症の認識を高める。
【方法】平成28年度3月にプロジェクトチームを結成し、横浜・川崎禁煙外来ネットワークの会議及び サイボウズLive(無料のwebサービスで、チャットや掲示板、ファイル共有などが可能なグループウェ ア)を活用し標準手順書の作成を行う。既存の「禁煙治療のための標準手順書」の内容に準拠し、執筆 項目、執筆者については、ネットワークで決定し、専門的知識を有する医療機関関係者、法律家など に参加を依頼し作成を進める。作成した「受動喫煙症のための標準手順書」は公開し随時改訂を行う。
【結果】受動喫煙症外来の方法の項目は 1)受診形態 2)受動喫煙症外来のスタッフ構成 3)受 動喫煙症外来の費用請求の方法 4)受動喫煙症外来受診者数 5)受動喫煙症外来診療に要する時 間 6)受動喫煙の状況把握方法 7)受動喫煙症診断基準 8)診断の検査方法 9)診断書の作 成方法 10)経過観察の方法 11)メンタルケアの方法を記載し、その他に受動喫煙症外来に役立つ 帳票、資料を添付した。(平成28年度の脱稿を目指す)
【考察】一般社会では受動喫煙、受動喫煙症に対する意識はまだ低い状態にある。社会が受動喫煙を環 境権、生存権の問題と認知し、適切な社会環境を早急に整備する事の必要性を感じている。また受動 喫煙者には出来事に対しての自動思考、情動、行動及びその根底にあるスキーマまでの介入が必要と 判断する事例が多く、より専門的アプローチとケアが望まれる。「受動喫煙症外来のための標準手順
O7-1
受動喫煙症と職場の禁煙化受動喫煙症外来の実際と標準手順書作成プロジェクト
今
こん
野
の郁
いく子
こ横浜・川崎禁煙外来ネットワーク / くらた内科クリニック
今野 郁子1,2)、内田 久仁子1,4)、倉田 文秋1,2,5)、鈴木 悦朗1,3,5)
1)横浜・川崎禁煙外来ネットワーク、2)くらた内科クリニック、
3)日横クリニック、4)鎌田クリニック、5)神奈川県保険医協会学術部
【目的】当院で実施している受動喫煙症外来の実態を検討し、この内容が「受動喫煙症のための標準手 順書」(以下標準手順書)作成プロジェクト(以下作成PJ)の内容に反映させることを目的とする。手順 書作成PJは2015年に施行した受動喫煙症外来設置医療機関への全国調査で得られたアンケート結果を 検討し作成する。受動喫煙症外来活動の実際を広く告知することにより受動喫煙症外来の活性化およ び外来受診の標準化、新規外来への推進を図る。
【方法】2006年より2016年8月現在までの受動喫煙症外来受診者37名の実態を検討した。現在使用して いる問診票、環境配置図などの内容を調査結果から見直し受動喫煙症外来に役立つ帳票を作成し、外 来受診者の背景の問題点を受動喫煙症外来に役立つ資料として添付する。手順書PJは、2016年3月にプ ロジェクトチームを結成し標準手順書の作成及び、横浜・川崎禁煙外来ネットワークの会議はサイボ ウズLiveを活用した。既存の「禁煙治療のための標準手順書」の内容に準拠し、執筆項目、執筆者に ついてはネットワークで決定し、専門知識を有する医療関係者、法律家などに参加を依頼し作成を進 める。
【結果】受動喫煙症外来受診者は2016年8月現在で37名が受診している。内訳は平均年齢39.9歳で女性 が3倍以上多かった。受診者は、受動喫煙に対する社会の認知が低いため総じて職場での立場が弱く我 慢を強いられる事が殆どである。個人的に対応を試みても感情論で一蹴されることも多い。そのため 受動喫煙防止に対する有効な対策が取られず問題解決には至っていないのが現状である。受動喫煙症 外来の項目については、外来の構成(内容、時間)、費用の請求方法、診断書の作成方法とし帳票、資 料は添付する。
【考察】2020年東京オリンピック開催に向け禁煙、受動喫煙防止の議論がされてはいるが混沌としてお り、受動喫煙に対する認識は、一般社会においてばかりではなく医療関係者でさえ低い。2015年まで 学会HPに登録された受動喫煙外来数は81施設であったが2016年8月現在は76施設と減少している。また 受動喫煙者には出来事に対しての自動思考、情動、行動及びその根底にあるスキーマまでの介入が必 要と判断する症例が多く、より専門的アプローチとケアが望まれる。この実状を受け昨年度施行した 受動喫煙症外来設置医療機関へのアンケート調査結果、当院の実態を反映させた手順書が作成される ことで、設置医療機関が増え受動喫煙症で苦しむ患者さんへの支援ができることを期待する。
O7-2
受動喫煙症と職場の禁煙化山陽小野田市の事業所における 喫煙に関するアンケート調査
松
まつ
岡
おか彰
あきら医療法人社団松岡整形外科
松島 年宏、原田 美津子、荒川 恵、品川 真由美 医療法人社団松岡整形外科
【目的】山陽小野田市の各事業所の喫煙に関する現状を調査し、職場の喫煙に関する諸問題を明らかに することを目的とした。
【方法】2010年12月に小野田商工会議所に所属する500施設にアンケート用紙を配布し郵送で回答を送 っていただき集計した。
【結果】260施設(52%)から回答を得た。回答した施設の職員総数は6616名であった。敷地内禁煙は 8.1%、建物内禁煙35%、密閉した喫煙室設置14%、開放型喫煙コーナー26%、事務所内分煙8.1%、
時間指定禁煙2%、自由喫煙20%であった。受動喫煙の被害の訴えがあった施設は9%、産業医からの 喫煙に対する指摘があった施設は8.5%であった。職員の喫煙率は鉄工業が49.6%と最も高かった。
【考察】市内の職場環境に関する大規模調査で、禁煙対策がまだ不十分であることが判明した。職場の 禁煙は、労働衛生安全法のガイドラインにも明記されているが、小規模事業者では周知されず受動喫 煙の被害が広がっていることが示された。行政とも連携し職場環境の改善に努力することが必要であ り、罰則付きの法律の制定が望まれる。
O7-3
受動喫煙症と職場の禁煙化精密機械工場労働者におけるアンケートから見た
喫煙者の意識、動向と禁煙対策(続報)
-継続的活動の必要性-
齊
さい
藤
とう道
みち也
やアルプス電気小名浜工場健康管理室/ みちや内科胃腸科/ いわき無煙世代を作る会
江尻 久美1)、吉田 貴子2,3)
1)アルプス電気小名浜工場健康管理室、2)いわき無煙世代を作る会、3)渋谷スキンクリニック、
【目的、方法】いわき市小名浜にあるアルプス電気小名浜工場は、有名スマホ、ゲーム機器をはじめと する多くの精密機器内の重要分野の開発、生産を担う最先端工場であるが、長年タバコ問題において の対策は十分ではなかった。近年社内の禁煙意識の高まりから平成26年9月に屋内全面禁煙となり、屋 外のみ4か所の喫煙エリアとなった。その直後の定期健康診断時のアンケートからの動向、喫煙対策は 昨年第9回学術総会(熊本)で報告した。その後屋外の喫煙エリアも順次縮小され今年秋からは1か所の みとなる予定である。そこで今後の禁煙対策、指導に活かすため平成28年4月の定期健康診断時に前年 喫煙者であった110名(総工場労働者357名)に対しアンケートを実施し動向を分析した。
【まとめと考案】平成26年から28年までの3年間で喫煙者は9名(9,3%)減少し、工場内喫煙率は2%低下し た。現在の喫煙者104名に今後禁煙する意思の有無を尋ねると、42名がやめる意向を持ち、中にはただ ちにやめたいと考えるものも8名いた。現在禁煙する意思のない62名の中でも24名は、過去に禁煙を試 みた経験があることから、やめたい意志を持つ42名と、過去禁煙歴のある24名を合わせた66名(現喫煙 者の64%、工場労働者の19%)は、禁煙可能群であり、今後動機付け、禁煙指導、喫煙エリアのさらなる 縮小で禁煙に導くことができると考えられた。現在やめる意志がなく、過去にも禁煙歴のない38名(現 喫煙者の36%、工場労働者の11%)は禁煙困難群と考えられ、この群を禁煙させるためには教育、支援の 継続に加え喫煙エリアの完全撤廃が必要と考えられた。労働者に対する禁煙動機付けには社内での継 続的禁煙教育、さらに医療者側からの受療時の禁煙指導は重要である。しかしすべての工場内喫煙者 を禁煙に導くためには喫煙エリアの撤廃がカギであるなら、教育活動だけでは不十分である。経営者、
組織管理者のタバコ問題への意識の高さも敷地内喫煙エリアの存続には大きな影響を持つものと考え られる。今後社員へも禁煙可能群に対する積極的支援に加え、経営陣を含む多方面への継続的活動が 必要と考えられた。