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NPO法人  監獄人権センター

東京都・新宿区

受刑者が社会の一員として、誇りをもって生きるために

その他

プログ その他

ラム1

受刑者が抱える処遇上の問題や社会復帰の障害について、手紙で相談を受け付け、 「プリズンライ フ・アドバイザー養成講座」などで学んだボランティア相談員が返信する。

相談は無料(ただし、手紙を送るのに必要な便箋・封筒代や送料、資料などの実費がかかる)

費 用

事務局に相談の手紙を郵送(郵便送付先は下記「連絡先」を参照)

➡よくある内容の場合には、必要とされる情報と参考のためのハンドブックが返信される

➡個別に対応が必要な場合は、毎月開催される相談検討会を通して、ボランティア相談員より回答が送付 される

申し込み方法

相談は随時受け付け(個別対応が必要な手紙の場合は、回答に数か月間かかる)

スケジュール

【対象年齢】不問

現時点で全国の刑務所・拘置所に収容されている人。

収容先の刑務所・拘置所でトラブルや問題を抱え、解決のために相談したい人。

※ただし訴訟は扱わない

出所後の生活を見据え、情報を得て不安を軽減したい人。

こんな方に

手紙での回答だけでなく、実用的なハンドブック(被収容者のための不服申立マニュアル、医療問題 の手引き、昼夜間独居問題の手引き、社会復帰のためのハンドブック、外部交通問題の手引きなど)

も同封。

相談してくる受刑者を一人の人間として対応し、少しでも不安を減らして出所できるように全力で サポート。

ポイント

NPO法人

 監獄人権センター

活動概要

刑務所、拘置所の被収容者の人権問題に関心をもった弁護士が中心となっ て設立した団体。受刑者からの相談対応のほか情報の提供、根本的な制 度改善のための調査・政策提言活動などを行っている。

特徴

服役中で世間から隔絶されている受刑者の人に、利用可能な更生保護制 度や福祉サービスなどをまとめた冊子を作成・配布。スムーズな社会復帰を、

少しでも円滑に進めていけるように支援する。

連絡先

郵便送付先:〒160-0022 東京都新宿区新宿1-36-5

ラフィネ新宿902 アミカス法律事務所気付 電話:03-5379-5055 

メール:cpr@cpr.jca.apc.org HP:http://www.cpr.jca.apc.org/

手紙での相談対応

刑務所内でのトラブルや出所後の生活不安に 対応

習支

自立 準備

住ま

路上

不安 定住 シェ ルタ

児童 養護 DV

障害 者就

就労

その 居場

出所後、頼る先がない受刑者の不安

 「天涯孤独で出所後の生活が不安で仕方ない。ど うすればよいかわからない」「病気(障害)があり、頼れ る人もいない。このままでは、路上生活しかない」 

 2012年の夏ごろから、こうした手紙が受刑中の方 からビッグイシュー基金に届くようになった。きっかけ は、NPO法人監獄人権センター発行の『社会復帰の ためのハンドブック』に、ビッグイシュー基金が作成し ている『路上脱出ガイド』(※1)が紹介されたことだ。

 2014年1月までに届いた手紙の数は200通を超え る。路上脱出ガイド請求の手紙を受け取ると、ビッグイ シュー基金は当該ガイドの他に、民間支援団体の窓 口リストや生活保護の申請ガイド等を同封し、発送し ている。多くの人が「出所したら路上生活になるかもし れない」という不安を抱え、活用できる社会リソースも 知らないまま受刑期間を終えること、また、障害や病 気のため社会復帰が難しいと書かれた手紙の多さ に、私は驚いた。

(※1)『路上脱出ガイド』は、路上生活から抜け出すための情報を一冊 にまとめた小冊子(ビッグイシュー基金のHPからもダウンロード可能)。

社会的排除による負の連鎖

 犯罪に至る背景を見てみたい。法務省の「矯正統 計年報」によれば、2012年に新たに刑務所へ服役し た受刑者は24,780人。そのうち知的障害者と認定さ れる知能指数70未満の人たちは、5,214人で21.0%

を占める。測定不能の人(839人)を入れると24.4%に も上る。障害の疑いがある層(知能指数70‑85程度。

知的障害者とは認定されない)を含めると、受刑者の うちおよそ半数が知的障害、もしくはその疑いがある層 ということになる。

 元衆議院議員で服役経験もある山本譲司氏は、知 的障害者のほかにも「各種の身体障害および精神障 害を持つ受刑者が多数存在し、彼らは劣悪な生育歴 の中でほとんど福祉と結びつくことがなく、万引きや無 銭飲食・無賃乗車等の微罪で、繰り返し刑務所に入る ことによって生き延びている」と指摘している。

 受刑者の学歴を同年報で見てみると2012年の受 刑者のうち、41.6%(10,320人)が中卒以下(不就学 含む)で、高校中退を含めると全体の7割近くに上る。

再犯を防ぐ福祉・司法・地域の連携─

出所者の社会復帰支援

瀬名波雅子

家庭の経済状況と密接に関連しているといわれる学 歴。低学歴の割合が高く、貧困家庭で育った人が多 いことが推測できる。

 また調査結果から、帰住先がない人ほど再犯率が 高く、再犯までの期間が短いことがわかる。『2012年 版犯罪白書』では、一般刑法犯の再犯率は1997年 以降15年連続で悪化しており、その要因のひとつに、

出所後の不安定な生活基盤が挙げられている。

出所者の社会復帰支援

 日本の福祉は、申請主義が原則だ。どんなに生活 に困っても、申請しなければ福祉制度につながらな い。出所後、行き場がない人たちに活用できる福祉制 度を教え、申請を手伝い、共に生活基盤を立て直す 支援が必要とされている。そのためには福祉・司法・

医療・地域との連携も不可欠となる。

 取り組みはすでに始まっている。東京地検は、高齢 者や知的障害者などの再犯防止のため、釈放された 被告らを介護・福祉施設に橋渡しする「社会復帰支援 室」を2013年4月に設置した。出所者の社会復帰に 向けた処遇を検事、社会福祉士などで協議し、必要 に応じて受け入れ先となる施設を紹介する。また、仙 台地検でも非常勤の「社会福祉アドバイザー」を迎え ている。このような処遇は、初犯で模範的とされる人 に限られてしまう側面もあるようだが、福祉と司法の連 携がすすんだことは大きな前進だ。

 地域との連携は、全都道府県に設置された地域生 活定着支援センターを窓口に、退所後ただちに福祉 サービスなど(障害者手帳の発給、社会福祉施設へ の入所など)につなげるための準備が行われている。

また、2009年度からは全刑務所と一部の少年院に社 会福祉士が配置されている。面談などで出所後の支 援が必要な受刑者を見つけ、地域生活定着支援セン ターにつなげるという。

 私たちは、ホームレス支援の現場で何ができるのだ ろうか。困難を抱えた末、犯罪に至った当事者が、出 所後さらなる社会的排除の対象となることを防止する ため、出所後に利用できる機関や制度の情報、自団 体でできることも、しっかりと把握・整理しておきたい。

せなは・のりこ

NPO法人 ビッグイシュー基金 チーフコーディネーター。

少年院を出た若者たちを、

ありのまま で支える交流会

「NPO法人セカンドチャンス!」は、“まっとうに生きたい少年院出院者の全国ネットワーク”。20〜30代 の当事者メンバーが中心となり、全国11か所で交流会を運営する。 「対等な関係」を意識した集まりが、

出院後、居場所のなさから再犯へと陥りがちな若者たちの心の拠りどころとなっている。

参考プ ログラム

全国11か所で自主的に活動

 「NPO法人セカンドチャンス!」(以下SC)は、少 年院出院者が経験と希望を分かち合い、仲間として ともに成長することを目的に2008年に活動をスター ト。設立にあたっては、スウェーデンにある刑務所出 所者による自助グループ『KRIS』 の活動を参考にし ている。

 当初は出院者とサポーターが集まる定期的な交 流会を東京だけで開催していたが、現在は全国11 か所にまで活動が広がっている。地域ごとに活動内 容や開催頻度は任されているが、当事者、サポー ター、地域の人をつなぐ交流会(ミーティング・スポー ツ・BBQ)を月1回程度のペースで行うほか、合同

合宿なども開催している。  

 また、SCではメンバーが少年院を訪れて、自身の ライフストーリーを語り、活動を紹介する講演会も積極 的に行ってきた。少年院の子どもたちも身近な存在で あるメンバーの講演には熱心に耳を傾けるという。

 運営は当事者主体で行っているが、社会人や学 生など当事者以外のサポーターも活動を支えてい る。当事者メンバーの参加のきっかけは、少年院に いるときに講演を聞いた人、インターネットで検索し て見つけてくる人、親を通じて紹介されてきた人、友 人・知人・サポーターの口コミで知った人などさまざ まだ。

ありのままでいられる居場所

 メンバー同士は、普段はML(メーリングリスト)や SNSを通じてゆるやかにつながっており、支援団体 ではなく、あくまで“サークルのような”対等な仲間と しての活動を意識しているという。それは、いつでも 心地よく集まれる場所の存在が大切だと考えている からだ。

 「出院者って、仕事場で真面目ぶってみたり、友達 に悪ぶってみたりと、なかなか本音を出せる場がな い。だから、同じ立場の仲間と、上下関係やしがら

みなく、ありのままでいられる場所が必要なのです」

と話すのはSC理事長の才門辰史さん。特定の考え をおしつけたり、「支援する/される」という関係にな らないように気をつけているという。  

 「フラットな関係でいられることが、彼らにとっては とても大事なんですよ」と、SC設立者の一人である 静岡県立大学教授の津富宏さんも話す。津富さん は、法務教官として少年院に収容された少年たちの 更生に関わったあと、静岡で「青少年就労支援ネッ トワーク静岡」を設立。その後、才門さんとともにSC を立ち上げた。青少年就労支援ネットワーク静岡で は、地域の支援者とともに生きづらさを抱える若者 の就労支援に取り組む一方で、若者にとっては、SC が大切にする「ありのまま、対等に支え合える」場所 が必要であることも強く感じている。

 「出院後に再犯する者(※)のなかには、ほかに居 場所がないために、もといた非行グループに戻って しまうケースも多い。SCの存在でそういう人を減らし たい。だれでも間違うことがあるかもしれないけれど、

『まっとうに生きたい』と願う限り、みんなで応援でき る“でっかいファミリー”みたいなグループでありたい と思っています」(才門さん)

※「平成25年版 犯罪白書(法務省)」によると、平成15〜24年まで の少年院出院者中、再入院した割合は14.5〜16.4%、出院後5 年以内に刑事施設に入所した者の割合は7.7〜9.4%となっている。

NPO法人 セカンドチャンス

少年院を出院して、「まっとうに生きたい」という願いを持って いる人が対象。全国11か所(東京、大阪、名古屋、福岡、広島、

長野、横浜、静岡、京都、仙台、北海道)にて交流会などを開 催。現在メンバーとして、10〜50代まで約80人が参加。

HP:http://secondchance-tokyo.jimdo.com/

メール:secondchance234@gmail.com

ブログ:http://secondchance1.blog37.fc2.com/