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第 4 章 実験で用いる装置 38

4.2 NIM/CAMAC モジュール

本実験の同時計測回路およびその読み取りで使用したNIMとCAMACのモジュール について説明する。図4.7、4.8はモジュールを実際に接続している様子である。

図4.7: 使用したNIMモジュール。HVPSは別の場所にある。Gate and Delay Generator は2台用いている。このクレートの下にCAMACのクレート(図4.8)がある。

図 4.8: 使用したCAMACモジュールおよびDelay。このクレートの上にNIMのクレー トがある。ADCは2つ接続されているが使用するのは上の1つだけである。

4.2.1 NIM モジュール

NIMとはNuclear Instrument Modulesの略で原子核・高エネルギー物理のためのモ ジュールの規格である。

High Voltage Power Supply

光電子増倍管に電圧をかけるために高電圧電源(HVPS)を用いた。本実験では、林栄 精器株式会社のRPH-030型、-3.2 kV 4ch高圧電源を用いた。

Gate and Delay Generator

CAMACのADCにGate信号を送るのに用いる。NIM信号の幅を広げたり、信号のタ

イミングを遅らせることができる。本実験で使用したのは、テクノランドコーポレーショ ン社のN-TM 307型 2ch Gate and delayである。

Discriminator

光電子増倍管から出力されたアナログ信号をNIMのデジタル信号に変換するために用 いる。Discriminatorはアナログ信号が設定したスレッショルドを超えたときにデジタル 信号を出力する装置である。本実験ではテクノランドコーポレーション社のN-TM 405 型 8 ch Discriminatorを用いた。

Coincidence

Coincidenceはデジタル信号が同時に入力されたときにデジタル信号を出力する装置で

ある。VETOの機能もあり、VETOに信号が入ると同時に入力されていてもデジタル信 号を出力しない。本実験ではテクノランドコーポレーション社のN-TM 103 3ch 4-Fold 1-VETO Coincidenceを用いた。

Delay

Delayとは入力された信号を一定時間遅らせるモジュールである。本実験では2種類の

Delayを使用した。一つは豊伸電子社製のN009-300 Hoshin 16ch 300 ns fixed delayであ り、電子回路によって信号を遅延させている。TDCに入力するデジタル信号を300 ns遅 らせるために使用した。もう一つはテクノランドコーポレーション製のN-TS 100 100ns

delayである。こちらはケーブルによってdelayしており、ADCへ入力するアナログ信号

を遅らせるために使用した。

Fan in / Fan out

Fan In / Fan Outは入力された信号を減衰させることなく分配するための装置である。

本研究では、Phillips Scientific社のNIM Model 740 quad linear Fan-In/Outを使用した。

4.2.2 CAMAC モジュール

CAMACとはComputer Automated Measurement And Controlの略であり、コンピュー ターを使用してNIMなどからの信号を処理するモジュールである。

Scaler

Scalerとは入力されたデジタル信号のカウント数を測定するモジュールである。本研

究では、テクノランドコーポレーション社のC-SE 113を使用した。

ADC

CAMAC ADC(Analog to Digital Converter)とは入力された信号の電荷を積分してそ

の値を4096 chに分割して出力するモジュールである。入力された信号の積分範囲は別途

Gate信号を入力して指定する。本研究では、テクノランドコーポレーション社のC-QV 715を使用した。

TDC

TDC(Time to Digital Converter)はStart信号とStop信号を入力してそれらの時間差 を測定するモジュールである。本研究では、テクノランドコーポレーション社のC-TS 105を使用した。

CC-USB

CAMACでは一つのクレートをクレートコントローラ(Crate controller、CC)によって 動かす。本研究ではWiener社製のCC-USBを使用した。CC-USBはUSBケーブルでコ ンピューターと接続し、そのコンピューターでデータの処理を行う。

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