15 ME 機器の構造
15.4 ME 機器の部品及び組立一般
(試験)
適合性は,構造及び適切で入手可能なデータの調査又は次の試験によって確認する。
完全な ME 機器として構成されているサンプル,又は任意の支持枠に組み付けた外装のサンプルを,
11.1.3の試験中に測定した外装上の最高温度よりも10 ℃高い温度か又は70 ℃のいずれか高い方の温度で,
7時間,恒温加熱槽内に置き,その後に室温に下げる。
注記 相対湿度は,この試験の間,特定の値に維持する必要はない。
外装を完全な状態で試験をすることが困難な大きなME機器は,機械的支持部材を含め,厚さ及び形状 が完全な組立品を代表できる外装の一部を使用してもよい。
受容できないリスクを生じる損傷は,不適合とする。
15.3.7 *環境による影響
ME機器に使用する材料の選択及び処理は,意図する使用,予測耐用期間,輸送条件及び保管条件を考 慮する。
ME機器は,その予測耐用期間の間に,腐食,経年変化,機械的磨耗,又は細菌,植物,動物及び同様 な物の影響による生物材料(天然材料)の劣化によって機械的特性が低下し,受容できないリスクを生じ させることがないような設計及び構造とする。15.2も参照する。
(試験)
適合性は,次の調査によって確認する。
- ME機器,附属文書,製造業者が用いる材料の仕様及びこれらの材料の処理についての仕様。
- 製造業者による関連する試験又は計算結果。
険状態となる場合は,ME機器に使用してはならない。
(試験)
適合性は,設計文書及びリスクマネジメントファイルの調査によって確認する。
b) 作動温度の値に影響するはんだ付け作業によってリセットが必要な安全機能を備えた感熱遮断器は,
ME機器に取り付けてはならない。
(試験)
適合性は,設計文書の調査によって確認する。
c) ME機器においてサーモスタットの故障が13.1で規定した危険状態となる可能性がある場合は,独立 した非自己復帰形感熱遮断器を追加して備える。追加した遮断器の作動温度は,サーモスタットの最 高設定値によって得られる温度よりも高く,かつ,その意図する機能の安全温度限度内とする。
(試験)
適合性は,設計文書及びリスクマネジメントファイルの調査によって確認する。
d) 感熱遮断器又は過電流開放器の作動に起因するME機器の機能の喪失によって,基本性能の喪失又は 13.1で規定したあらゆる危険状態を生じてはならない。
(試験)
適合性は,設計文書及びリスクマネジメントファイルの調査によって確認する。
e) ME機器の感熱遮断器の接点間にコンデンサ又は他のスパーク防止器を接続してはならない。
(試験)
適合性は,調査によって確認する。
f) 感熱遮断器及び過電流開放器の使用は,ME機器の安全性に影響しないように設計する。
(試験)
適合性は,調査によって,及び該当する場合は,次の試験によって確認する。
該当する場合は,正温度特性サーミスタ(PTC)のIEC 60730-1:2010の箇条15,箇条17,J.15及び J.17への適合性を確認する。
感熱遮断器及び過電流開放器は,箇条13で規定した条件で,ME機器を作動して試験する。
自己復帰形感熱遮断器及び自動復帰形の過電流開放器は,同等な機能(PTC以外)を遂行する回路 を含め,該当するIECの部品規格に対して認定されていない限り,200回作動させる。
手動復帰形の感熱遮断器及び過電流開放器が,IEC の部品規格(4.8 参照)に対し認定されていな いで,かつ,製造業者がその安全に関連する機能を遂行するための部品の信頼性を実証する十分なデ ータを提供しない場合は,10回作動させる。
熱保護装置は,技術的判断によって試験結果に影響しないことが示せる場合は,ME 機器と分離し て試験することができる。
g) 加熱手段をもつ液体を満たした容器を組み込んだME機器は,容器が空のときにヒータが作動してし まう場合,過熱に対する保護装置を備える。過熱によって受容できないリスクが発生してはならない。
(試験)
適合性は,ME機器の容器を空にした状態で,その保護装置が働くまで作動させて確認する。
h) 筒形ヒータを組み込んだME機器は,大地への導電接続によって過熱を生じる場合,両方のリード線 に過熱に対する保護を備える。
(試験)
適合性は,設計文書及びリスクマネジメントファイルの調査によって確認する。
15.4.2.2 温度設定
ME機器内にあるサーモスタットが,温度設定を変える手段を備えている場合は,温度設定を明瞭に表 示する。
(試験)
適合性は,調査によって確認する。
15.4.3 *電池 15.4.3.1 容器
ME 機器で,充電中又は放電中にガスが漏出する可能性のある電池を収容する容器は,ガスの充満及び 発火の可能性による受容できないリスクを生じないように換気する。
ME機器の電池収納部は,短絡が13.1で規定した危険状態を生じる可能性がある場合,電池の偶発的な 短絡を防止するように設計する。
(試験)
適合性は,設計文書及び,該当する場合は,リスクマネジメントファイルの調査によって確認する。
15.4.3.2 接続
電池の誤った接続又は交換によって危険状態が発生する可能性がある場合,ME 機器は,誤った極性の 接続を防止する手段を備える。7.3.3及び8.2.2も参照する。
(試験)
適合性は,調査によって確認する。
15.4.3.3 過充電に対する保護
ME機器の電池の過充電が受容できないリスクを生じる場合は,過充電を防止する設計とする。
(試験)
適合性は,設計文書の調査によって確認する。
15.4.3.4 リチウム電池
リチウム一次電池は,IEC 60086-4の要求事項に適合する。リチウム二次電池は,IEC 62133の要求事項 に適合する。7.3.3参照。
注記 電池は,単一のセル及びセルの組立品(すなわち,電池のパッケージ)の両方を含んでいる。
(試験)
適合性は,電池の設計文書の調査によって確認するか,又はリチウム一次電池は,IEC 60086-4 に従っ た試験の結果によって,若しくはリチウム二次電池は,IEC 62133に従った試験の結果によって確認する。
15.4.3.5 *過度の電流及び電圧保護
ME機器の内部電源は,内部配線の断面積及び配置又は接続された部品の定格によって短絡時に過度の 電流に起因して火事を起こす可能性がある場合,火事に対して適切な定格の保護装置を備える。保護装置 は,流れる最大故障電流(短絡電流を含む)を中断するための十分な遮断容量をもつ。
ヒューズ又は過電流開放器を省略する場合は,その根拠を文書化する。
内部電源の出力接点と,その後段の保護装置との間で,内部電源の陽極と陰極とが短絡した状態を模擬 する短絡試験は,二つの操作者保護手段を備える場合は,省略してもよい。また,二つの操作者保護手段 を備えない場合は,短絡試験によって,13.1.2で規定した危険状態をいずれも生じさせない。
(試験)
適合性は,保護手段の有無の検査,及び必要な場合は,設計文書の調査によって確認する。また,短絡 試験を実施した結果,13.1.2で規定した危険状態のいずれも生じないことを確認する。
15.4.4 *表示器
正常な使用のための準備が整ったことが,正常な操作位置にいる操作者に明らかに分からない場合は,
ME機器が準備完了したことを示すための表示灯を備える。7.4.1の表示は,この目的のためには十分では ない。
15秒を超える間隔の待機状態又は準備状態の機能をもち,正常な操作位置にいる操作者にそれらの状態 が明らかに分からない場合は,ME機器に追加の表示灯を備える。
発光しないヒータを組み込んだME機器は,そのヒータが発熱していることが正常な操作位置にいる操 作者に明らかに分からないと危険状態を生じる可能性がある場合は,発熱していることを示す表示灯を備 える。
注記 これは,記録用の熱ペンには適用しない。
出力回路の偶発的な又は長引いた作動が危険状態の要因となる場合は,出力していることを示すための 表示灯をME機器に備える。
表示光の色は,7.8.1による。
内部電源を充電するための手段を組み込んだME機器は,操作者に充電モードが見えるように表示する。
(試験)
適合性は,正常な使用位置から見える表示手段の存在及び機能の調査によって確認する。
15.4.5 プリセット制御
該当する場合は,製造業者は,リスクマネジメントプロセスでプリセット制御に関連するリスクを扱う。
(試験)
適合性は,リスクマネジメントファイルの調査によって確認する。
15.4.6 ME機器の制御器の操作部分
15.4.6.1 固定,誤調整の防止
固定及び誤調整の防止は,次による。
a) ME機器の全ての操作部分は,正常な使用時に抜けたり緩んだりしないように固定する。
b) 制御器は,目盛などの表示が常に制御器の位置と対応するように固定する。
c) 工具を使わないで表示器と関連する部品とが分離できる場合は,適切な構造によって誤接続を防止す る。
(試験)
適合性は,調査及び試験によって確認する。回転式制御器類については,表30に示したトルクを制御ノ ブと軸との間に2秒間以上,各方向に交互に加える。この試験は,10回繰り返す。
軸に対してノブが回転した場合は,不適合とする。
正常な使用で軸方向に引っ張ることが必要な場合の適合性は,電気部品に対しては60 N,また,その他 の部品に対しては,100 Nの軸方向の力を1分間加えて確認する。