7 ME 機器の標識,表示及び文書
8.11 電源部,部品及び配置
8.11.1 *電源(商用)からの切離し
電源(商用)からの切離しは,次による。
a) *ME機器は,その回路を電源(商用)の全ての極から電気的に同時に切り離す手段を備える。
多相電源(商用)に接続する永久設置形ME機器は,国又は地域の設置条件として正常状態におい て中性線の電圧が8.4.2 c)で規定した限度を超えない場合は,中性線を遮断しない装置を備えてもよい。
永久設置形ME機器については,その回路を電気的に電源(商用)から切り離す手段は,次のいず れかの場合は,切り離された位置で固定できるようにする。
- 再接続すると危険状態を生じる。
- サービス要員を含む操作者が,分離の手段を自分の意図した位置から見ることができない。
固定機構は,責任部門によって提供される電源(商用)スイッチに組み込んであってもよい。
分離装置に対する要求事項は,附属文書の中で指定する。
b) 切離し手段は,ME機器に組み込むか,又は切離し手段をME機器の外部に設けた場合は,それを技 術解説(7.9.3.1参照)に記載する。
c) *a)に適合するために使用する電源(商用)のスイッチは,IEC 61058-1:2000で規定した4 kVの電源
過渡電圧の沿面距離及び空間距離に適合する。
注記 IEC 61058-1:2000の中の表22は,“定格インパルス耐電圧”と呼ぶ電源過渡電圧によって異
なる接点間隔の種々の値を規定している。
d) a)に適合するために使用するスイッチは,電源コード又は他の外部の可とうコードに取り付けてはな
らない。
e) a)に適合するために使用する電源(商用)スイッチの操作器は,JIS C 0447に適合する。
f) 電源(商用)スイッチがない非永久設置形ME機器では,ME機器を電源(商用)から切り離すため に使用する適切なプラグは,a)に適合するとみなす。電源接続器又は電源プラグ付き可とうコードを 使用してもよい。
g) ヒューズ又は半導体素子は,この細分箇条の考え方においては,切離し手段として使用してはならな い。
h) *ME機器は,短絡によって過電流保護装置(過電流開放器,ヒューズなど)を作動させてME機器を
電源(商用)から切り離す手段を設けてはならない。
i) *常時接近できる外部のスイッチ又はプラグでは電源から切り離すことのできない交流ピーク 42.4 V
又は直流60 Vを超える回路電圧をもつME機器の外装の内部は,外装を開けても追加のカバーで接
触できないように保護するか,又はそのような部分を空間によって分離して配置し,かつ,接触でき る部分が許容電圧を超えているという明瞭な表示(表D.1の図記号10の表示だけでは,不十分である。)
をする。さらに,警告表示をME機器の外側に追加してもよい。
(試験)
適合性は,調査によって確認する。
常時接近できる外部のスイッチ又はプラグではその電源から切離しできない部分の適合性は,該当する カバー又は警告表示(ある場合は)の調査によって,及び必要な場合は,図6の標準テストフィンガを使
って調べる。
8.11.2 *マルチタップ
ME機器と一体になったマルチタップは,16.2 d)の第2ダッシュ及び16.9.2.1の要求事項に適合する。
(試験)
適合性は,調査によって確認する。
8.11.3 電源コード 8.11.3.1 適用
ME機器の電源プラグには,2本以上の電源コードを取り付けてはならない。
(試験)
適合性は,調査によって確認する。
8.11.3.2 種類
ME機器の電源コードは,一般の硬質ゴム被覆の可とうコード(IEC 60245-1:2003の附属書Aのコード
指定53)又は一般の塩化ビニル被覆の可とうコード(IEC 60227-1:2007の附属書Aのコード指定53)と
同等以上の丈夫さとする。
なお,JIS C 3301のゴムコード又はJIS C 3306のビニルコード及びそれらと同等以上の丈夫さをもつも のでもよい。
塩化ビニル絶縁の電源コードは,75 ℃を超える外部金属部分をもち,正常な使用時にその部分にコー ドが接触する可能性のあるME機器に使用してはならない。ただし,その温度に耐える定格をもつ場合は 除く。表22も参照する。
なお,JIS C 3306のビニルコードは,上記の外部金属部が60 ℃を超える温度になる場合,及び二種ビ ニルコードは,75 ℃を超える温度になる場合は,使用してはならない。
(試験)
適合性は,調査及び測定によって確認する。
8.11.3.3 電源コードの導線の断面積
ME機器の電源コードの導線の公称断面積は,表17に示した値以上とする。
(試験)
適合性は,調査によって確認する。
表17-電源コードの導線の公称断面積
ME機器の定格電流(I)
A
公称断面積 mm2Cu
I≦6 0.75
6<I≦10 1
10<I≦16 1.5
16<I≦25 2.5
25<I≦32 4
32<I≦40 6
40<I≦63 10
8.11.3.4 *電源接続器
IEC 60320-1に適合する電源接続器は,8.11.3.5及び8.11.3.6に適合するとみなす。
(試験)
適合性は,電源接続器がIEC 60320-1の要求事項に適合することを証明する文書の調査によって確認す る。
8.11.3.5 *コード止め
コード止めは,次による。
a) 電源コードの導線は,ねじれを含め,張力を受けないようにし,かつ,その絶縁被覆は,ME 機器又 は電源コネクタに入る箇所で,擦りきずを受けないようにコード止めで保護する。
b) 電源コードの全体的な絶縁不良によって,保護接地していない導電性の接触可能部分が8.4 に規定し た限度を超える可能性のある場合は,電源コードのコード止めは,次のいずれかによる。
- 絶縁材料
- 保護接地していない導電性の接触可能部分から保護手段によって絶縁した金属
- コード止めに固定した絶縁物で裏打ちした金属で,かつ,一つの保護の手段に対する要求事項に適 合する。ただし,8.11.3.6に規定したコードガードの一部を形成する可とうブッシングである場合は 除く。
c) 電源コードのコード止めは,そのコードを絶縁被覆に直接作用するねじによって締め付けない設計と する。
d) 電源コードを交換するときに操作が必要なねじがある場合は,そのねじは,コード止めの部分以外の 部品の固定に使用してはならない。
e) 電源コードの導線は,コード止めが損傷(例えば,緩み,外れ)した場合に,位相線がその端子に接 続されている限り,保護接地線に力が加わらないように配置する。
f) コード止めは,電源コードがME機器又は電源コネクタに押し込まれることを防止する構造とする。
(試験)
適合性は,調査及び次の試験によって確認する。
ME機器が,電源コードを用いる設計をしている場合は,製造業者が供給したコードを用いて試験する。
電源コードの導線は,可能な場合は,端子又は電源コネクタからそれらの接続を外しておく。
コードの絶縁被覆に,表18に示した値の引張り力を25回加える。その引張り力は,急に引っ張ること なく,最も不利な方向に,各回1秒間ずつ加える。
この試験の直後に,表18に示した値のトルクを,コードに1分間加える。
表18-コード止めの試験
ME機器の質量(M)
kg
引張り N
トルク Nm
M≦1 30 0.1
1<M≦4 60 0.25
M>4 100 0.35
コードの絶縁被覆の長手方向のずれが2 mmを超えるか,又は導線の端部が正常な位置から1 mmを超 えて移動するコード止めは,不適合とみなす。
沿面距離及び空間距離が8.9に規定した値未満に減少すれば,不適合とみなす。
コードをME機器又は電源コネクタに押し込む。コード又は内部部品が損傷する程度にME機器又は電 源コネクタにコードを押し込むことができる場合,そのコード止めは,不適合とみなす。
8.11.3.6 *コードガード
据置形 ME 機器以外の電源コードは,機器又は電源コネクタへの入口における極端な曲がりに対して,
絶縁材料のコードガード又はME機器への適切な形状の挿入口で保護する。
(試験)
適合性は,調査によって,かつ,IEC 60335-1:2001の25.14で規定した試験か,又は次の試験によって 確認する。いずれかの試験に適合する構造は,この要求事項にも適合するとみなす。
コードにストレスを加えない状態で,コードがその出口において水平から45°上向くように,コードガ ードの中心軸を定めて,コードガード又は開口をもつME機器を保持する。次いで10 D2 gに等しい質量 のおもりをコードの自由端に取り付ける。Dは,電源コードの外径寸法を,又は平コードの場合は,その 最小外形寸法をミリメートルで表した数値である。
コードガードが温度に影響を受ける材料でできている場合は,23 ℃±2 ℃で試験する。
平コードは,抵抗が最も小さい平面で曲げる。
質量を負荷した直後のコードの曲率半径が,1.5 D未満の部分がある場合,コードガードは,不適合とみ なす。
8.11.4 電源端子盤
8.11.4.1 *電源端子盤に対する一般要求事項
永久設置形ME機器,及びサービス要員によって交換が可能な非着脱電源コードをもつME機器は,確 実な接続を保証する電源端子盤を備える。
導線が外れても,保護手段としての沿面距離及び空間距離が,8.9 に規定した値未満に減少しないよう に隔壁が設けられていない限り,導線をその位置に維持するという信頼性を端子だけに依存してはならな い。8.10.2も参照する。
この細分箇条の要求事項に適合し,かつ,7.3.7に従って正しく表示されている場合は,端子盤以外の部 品の端子を外部導線の端子として使用してもよい。
外部導線を締め付けるねじ及びナットは,その他の部品の固定に使ってはならない。ただし,電源導線 を取り付けるときに内部導線が動かない配置になっている場合は,ねじ及びナットで内部導線も共に締め 付けてもよい。
(試験)
適合性は,調査によって確認する。
8.11.4.2 *電源端子盤の配置
電源端子盤の配置は,次による。
a) *外部のコード又は電源コードの接続用端子を備えた交換可能なコードをもつ ME 機器については,
接続手段の便宜のために,これらの端子と保護接地端子は,近接して一群となるように配置する。
(試験)
適合性は,調査によって確認する。
b) 保護接地線の接続の詳細は,8.6を参照する。
c) 電源端子盤の表示は,7.3を参照する。
d) 電源端子盤は,工具を使わないで接触できてはならない。
(試験)
適合性は,調査によって確認する。
e) 電源端子盤の配置又は遮蔽は,導線を取り付ける場合,素線が,より線から外れても,保護手段を短