7 ME 機器の標識,表示及び文書
7.9 附属文書
7.9.1 *一般(表C.4も参照)
ME 機器には,少なくとも取扱説明書及び技術解説を記載した文書を附属させる。附属文書は,ME 機 器の一部分とみなす。
注記 附属文書の目的は,ME機器をその予測耐用期間中に安全に使用するためである。
附属文書は,該当する場合は,次の情報を含めることによってME機器を識別する。
- 責任部門が問合せできる連絡先情報,及び製造業者の名称又は商標名
- 形式名称(7.2.2参照)
附属文書を電子的に,例えば,CD-ROMなどの電子媒体で提供してもよい。附属文書を電子的に提供す る場合は,ハードコピーとしても提供する必要がある情報,又はME機器上の表示としても提供する必要 がある情報についてユーザビリティエンジニアリングプロセスで考慮する(12.2参照)。
例 緊急時の操作のために提供する情報。
注記 電子的に提供される附属文書が,全ての規制当局で許容するとは限らない。
附属文書は,意図する操作者又は責任部門に要求する特殊技能,訓練及び知識,並びにME機器を使用 する場所又は環境に対する制限がある場合は,それを記載する。
附属文書は,教育,訓練及び意図する関係者が求めるニーズに合わせて記載する。
(試験)
適合性は,附属文書の調査,又は電子的に提供する場合は,IEC 60601-1-6の規定によって確認する。
7.9.2 取扱説明書(表C.5も参照)
7.9.2.1 *一般
取扱説明書は,次を含める。
- 製造業者が意図するME機器の用途
- 頻繁に用いる機能
- ME機器の使用に対する既知の禁止事項
- 患者に使用中にサービス又は保守をしてはならないME機器の部分
患者が意図する操作者である場合,取扱説明書は,次を含める。
- 患者が意図する操作者であること
- ME機器の使用中のサービス及び保守を禁止する警告
- 患者が安全に使用できる機能,及び必要な場合は,患者が安全に使用できない機能
- 患者が実施してもよい保守(例えば,バッテリの交換)
注記1 その意図する使用に,患者によるME機器の部分的又は全面的な操作が含まれるME機器 の場合,患者は操作者になる。
注記2 患者が限定的な保守作業を行ってもよいME機器の場合,患者がサービス要員である。
取扱説明書は,次を含める。
- 製造業者の名称又は商標名,及び住所
- 形式名称
取扱説明書は,箇条6で規定した該当する全ての分類,7.2で規定した全ての表示,及び安全標識及び記 号(ME機器上に表示したもの)の説明を含む。
注記3 取扱説明書は,操作者及び責任部門を対象にしているので,操作者又は責任部門にとって有 用と思われる情報だけを含めるのがよい。追加の詳細事項は,技術解説に含めることができ る。7.9.3も参照する。
注記4 取扱説明書を作成するための指針は,IEC 62079 [25]に記載されている。ME機器の教育資料 を作成するための指針は,IEC 61258 [24]に記載されている。
取扱説明書は,意図する操作者に受け入れられる言語とする。
注記5 2か国語以上の言語が必要な国もある。
7.9.2.2 *警告及び安全上の注意
取扱説明書は,警告及び安全上の注意を全て含める。
注記 一般的な警告及び安全上の注意は,取扱説明書の中の特に識別したセクションに記載するのが よい。特定の操作又は対処だけに該当する警告若しくは安全上の注意は,操作説明よりも前に 記載することが望ましい。
クラスIのME機器の場合,取扱説明書は,次のような意味の警告文を含める。“警告:電撃の危険を回 避するために,この機器は保護接地を備えた電源(商用)だけに接続すること。”
取扱説明書は,操作者又は責任部門に対し,特定の診断又は治療の間にME機器が存在することによっ て引き起こす相互干渉の著しいリスクがある場合は,その警告文を提供する。
取扱説明書は,ME機器と他の装置との間の,可能性のある電磁気的又は他の干渉に関わる情報を含む。
また,そのような干渉を回避するか最小限にする方法についての助言も含む。
ME機器が一体化したマルチタップを備えている場合は,取扱説明書には“このマルチタップ(MSO)
に電気機器を接続するとMEシステムが構成され,その結果安全性のレベルが低下することがあります。”
という警告文を含める。ME システムに適用可能な要求事項については,責任部門は,この規格を参照す る。
7.9.2.3 別の電源への接続を指定したME機器
ME 機器が別の電源への接続を意図する場合は,電源は,ME 機器の一部として指定するか,又は組み 合わせたものをMEシステムとして指定する。取扱説明書は,これについての仕様を示す。
7.9.2.4 電源
電源(商用)で作動するME機器が,十分に使用可能な状態を自動的には維持しない追加の電源を内蔵 している場合,取扱説明書には,“追加の電源は,定期的な点検又は交換が必要です。”という警告文を含
める。
電池からの漏出が受容できないリスクを生じる場合,取扱説明書には“ME 機器をある期間使用しない 場合は,電池を取り外すこと。”という警告文を含める。
内部電源が交換可能な場合は,取扱説明書には,その仕様を記載する。
電源の低下などが受容できないリスクを生じる場合,取扱説明書には“ME 機器を適切な電源に接続し なければならない。”という警告文を含める。
例 上記の電源としては,内部の電池又は外部の電池,無停電電源装置(UPS)又は施設の予備の発 電機がある。
7.9.2.5 ME機器の説明
取扱説明書には,次を含める。
- そのME機器についての簡潔な説明
- どのようにそのME機器は機能するか。
- そのME機器の重要な物理的特性及び性能特性
該当する場合は,操作者,患者及び他の人が正常な使用時に安全距離を確保するためにME機器の近傍 のどこに位置すればよいか記載する(9.2.2.3参照)。
取扱説明書は,患者又は操作者が材料又は成分にさらされ,それによって受容できないリスクを生じる 場合は,その情報を含める(11.7参照)。
取扱説明書は,信号入出力部を接続する相手の機器又はネットワーク・データ結合(ME システムの一 部を形成するものを除く。)に対し制限がある場合は,それを指定する。
取扱説明書は,装着部がある場合は,それを示す。
7.9.2.6 *設置
ME機器又はその部分の設置が必要な場合,取扱説明書には,次のいずれかを含める。
- 設置指示はどこに(例えば,技術解説)あるか。
- 製造業者が設置を行う資格を与えた要員の連絡先
7.9.2.7 *電源(商用)からの切離し
8.11.1 a)を満たす切離し手段として電源接続器若しくは電源プラグ又は他の分離可能なプラグを使用し ている場合,取扱説明書は,切離し器具(手段)の操作の妨げになる場所にME機器を置いてはならない という指示を含める。
7.9.2.8 始動手順
取扱説明書は,操作者がME機器を始動するのに必要な情報を含むものとする。例えば,初期制御設定,
患者への接続,患者の位置決めなど。
取扱説明書は,ME 機器,その部分又は附属品を使用する前に必要とする処置又は取扱いの詳細を記載 する。
例 使用前の点検表 7.9.2.9 操作説明
取扱説明書は,ME 機器をその仕様に従って操作するのに必要な全ての情報を含める。それは,制御器 の機能,ディスプレイ及び信号,操作の手順,着脱可能部品及び附属品の着脱方法,並びに操作中に消耗 する材料の交換を記載する。
ME機器に使用した数字,記号,警告文,略語及び表示光の意味を取扱説明書の中で記載する。
7.9.2.10 メッセージ
取扱説明書は,発生するシステムメッセージ,エラーメッセージ及び故障メッセージを全て一覧にする。
ただし,これらのメッセージが自明である場合は,この限りでない。
注記1 これらの一覧は,グループ別に特定してもよい。
その一覧は,メッセージを説明し,例えば,重要な原因及びメッセージの示す状況を解決するのに必要 な操作者による可能な処置を記載する。
注記2 警報システムが発するメッセージに対する要求事項及び指針は,JIS T 60601-1-8に記載され ている。
7.9.2.11 停止手順
取扱説明書は,操作者が安全にME機器の作動を終了するのに必要な情報を含む。
7.9.2.12 清掃,消毒及び滅菌
正常な使用中に患者,体液又は呼気との接触によってME機器の部分又は附属品を汚染することがある 場合,取扱説明書には,次を含める。
- 使用してもよい清掃,消毒又は滅菌の方法についての詳細
- ME 機器の部分又は附属品が耐えられる温度,圧力,湿度,時間制限及びサイクル数のような適用で きるパラメータの一覧
11.6.6及び11.6.7も参照する。
この要求事項は,製造業者が材料,部品,附属品又はME機器に使用前の清掃,消毒又は滅菌を指定し た場合を除き,それらを単回使用であると表示した場合は適用しない(7.2.1参照)。
7.9.2.13 保守
取扱説明書は,操作者又は責任部門に対し,実施すべき予防検査,保守及び校正について,それらの頻 度を含めて十分な詳細を記載する。
取扱説明書は,ME 機器の継続的な安全な使用を確保するために必要な日常的保守の安全な実施につい ての情報を提供する。
さらに,取扱説明書は,サービス要員が予防的検査及び保守を行う部分を特定する。これには適用する 期間を含むが,そのような保守の実施要領の詳細を必ずしも含める必要はない。
サービス要員以外の人が保守することを意図する充電可能な電池を内蔵するME機器の場合,取扱説明 書には,適切な保守を確実にする指示を含める。
7.9.2.14 附属品,組合せ機器及び使用材料
取扱説明書は,製造業者がME機器に使用すると指定した附属品,着脱部分及び材料のリストを含む。
ME機器がMEシステムの他の機器から電力を受ける場合,取扱説明書には,この規格の要求事項(例 えば,部品番号,定格電圧,最大又は最小電力,保護分類,間欠的又は連続的な負荷)への適合性を確実 にするために,そのような他の機器を正確に指定する。
注記 この規格では,JIS T 0601-1:1999で規定した“指定の電源”を“別の電源”と表現し,それは,
同じME機器の別の部分であるか,又は MEシステムの中の他の機器の部分である。同様に,
電池の充電器は,ME機器の別の部分であるか,又はMEシステムの中の他の機器の部分であ る。