テーマ 1 r 科学/技術」と「ものの見方 J ( 全 1 5 時間)
1 .概要 l. f科学的思考の方法やその認識の仕方」の特徴を学ぶ。
週1単位(35時間)
2.現代の諸学問の知見に触れて「科学/技術」をめぐる「ものの見方J(価値観・世界 観)を問題化する。
3. f科学/技術」に関する読書をし、論理的に思考し、論理的に表現する。
①学習者自らが課題を設定し、読書する。
②この単元で思考したことを、論理的な文章としてまとめる。
2.ねらい 学習者の世界認識を深化・拡充させていくことを、「ことば」の学びの面から行う。こ のような意味での「ことば」にかかわる学習のーっとして、「科学/技術j という問題領 域を扱う。
l. fものの見方jの獲得
①「科学/技術jにかかわる「ものの見方」を問題化する活動を通して、自らの世界認識 を変容・深化・拡充する。
2.論理的に「ことばJを使用する能力の獲得
①顕在の論理(文章構成)のみならず潜在の論理(ものの見方)のレベルで、言語テクス トを理解する視点を獲得する。
②諸学問のひらく知の領域の問題を、自らの問いとして論理的に思考する力を身につける。
③産出した思考を論理的に表現する力を身につける。
※「サイエンスプログラム」で育まれる能力や資質・態度のうち、特に次の項目が関連する。
②科学技術への興味・関心・態度
③自然や社会の様々な事象を認知する能力
④課題発見、主体的に判断し解決していく能力
⑤読解力、表現力、コミュニケーション能力
⑦科学と人間・社会との関係を怖敵的・総合的に捉える能力 3.題材設定の理由
人類にとって望ましい未来を志向する主体を育成するという観点から導出される学習者 像は、ものの見方(価値観・世界観)を評価し判断し創造する主体である。
そのような主体を形成するためには、「ものの見方」を問題にする視点(見る力)の獲 得が必要である。その「ものの見方Jは「ことば」としてあると言える。「ことば」が特 定の価値共同体における「ものの見方J(価値観・世界観)を媒介しない価値中立的なも のとして発せられることは、原理的にはあり得ない。「ものの見方」を問題にする視点の 基盤には、このような「ことば」の理解が必要である。
本単元で取り上げたいのは、「科学/技術J領域の「ものの見方jである。地球生態系 の変化の問題や、生命に関わる「科学/技術」の発展による課題を前に、「自然と生命に 対するものの見方Jを評価し判断し創造する主体を育てることが必要であると判断される からである。
4.評価の観点およびその趣旨 評価の観点1 関心・意欲・態度
科学・技術をめぐる問題や論理的な思考のあり方に興味を深め、進んで理解したり表現し ようとする。
評価の観点2 思考・理解力
科学・技術をめぐる問題や論理的な思考について、様々な文章を分析的に読み取ることに よって、自分の「ものの見方」を深めたり発展させようとする。
評価の観点3 表現の能力
科学・技術に関わる問題について、自分の考えを持ち、論理的に説明しようとする。
5.年間指導計画
単 元 計 画 ( 実 施 時 間 : 全15時間)
題目(配当時間)
I
学 l習 内 容│
指 導 上 の 留 意 点1
r
ものの見方J1我々は、ある価値共同体における「も1r
ものの見方Jを問題にするという学習 を問う視点を獲│のの見方J(価値観・世界観)によっ│活動の目標を把握させる。得 す る ( 1 ) て 世 界 を 認 識 し て い る と い う こ と を 知 │ 評 価 :
る。同時に、すべての「ことば」が、
1 1
どのような共同体で、どのような「も そのような「ものの見方Jに沿うもの│のの見方J(価値観・世界観)がなされ として、または「ものの見方」に対す│ているかについて、実例をもって説明す るものとして発せらているということ│ることができるか。を知る。
1 2 r
こ と ば 」 に 「 も の の 見 方J(価値観・世界観)が表れているということを実 例をもって説明することができるか。
ながおまこと
2
r
科学/技術J1長 尾 真 「科学的説明とはJr
推論の不│評価:の思考の方法を│完全生J
(F
わかる」とは何か』岩波新1 1
筆者の述べていることから、「科学/学ぶ (5) 書713岩波書庖2001.02.20) を読んで、「科│技術」的思考の方法の特徴を取り出し、
学/技術Jの思考の方法を学ぶ。 1整理して列挙できるか。
の や し げ き
2
r
ものの見方」と、それを産み出す「科 学/技術」的思考との関係について理解 できているか。3
r
論理的な思│①野矢茂樹『論理トレーニング 101題j l
評 価 :考jの あ り 方 を1(産業図書 2001.05)を読んで、論理的な思11筆者の述べていることから、議論や論 学ぶ (5) 考の方法を学ぶ。
I
証、批判の構造や方法について整理でき②『買ってはいけないj ( r週刊金曜日J1ているか。
別冊ブックレツト)をめぐっての議論か
1 2
論証や批判の内容を具体的に捉え、論 ら、論証や批判のあり方を学ぶ。 1理的に批判しているか。4 この単元で思│①「科学/技術j をめぐる諸問題につ│評価: (学習者の産出した文章による) 考したことを、│いて、課題を自ら選定し、読書する。
1 1
現代の「科学/技術Jをめぐる問題の 言語化する (5) 1②この単元で思考してたことを、テー│具体をとらえているか。マを決めて論理的な文章にまとめる。
1 2
意見を論理的に展開できているか。6.成果と課題
1)
r
科学/技術Jにかかわる「ものの見方jを問題化する学習活動は、国語科で扱う科学的内容 の評論文読解と重なるものでもあるので、内容を深めることができた。2)
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ものの見方Jを問題化する学習活動の前提として、特に言葉そのものの持つ論理性について、取り立てて指導し、理解を深めることができた。
3)対立する意見を分析する際のグループ学習や発表を通して、言説を相対化する態度や自身の主 体を確立する姿勢を、より深めることができた。
4)例えば、単元指導の事例 1、 2における「論理学」的内容や、単元指導の事例 2、 3における 各個別の科学論の内容など、サイエンスで教材として扱う内容が、伝統的な教科内容・学習領域 を超えている場合もあり、指導内容や方法などについての正当性・妥当性をどのように担保する のかという問題がある。
しかし、カリキュラム編成や単元指導に取り組むなかで、より「論理的jに文章を読ませる指 導方法を研究し獲得できたことや、科学論を扱う際に生徒に提示する思考の枠組みの可能性を拡 げたり、またその限界についてもより多くの事例に基づいて提示できるようになるなど、従来の 教科指導の枠を超えての、教師としての指導力向上にも寄与した。