<単元の指導の事例>
サイエンス
II 1年学び方を学ぶ 単元テーマ個目) 著作権について考えよう実施学年(中学校1年) 配当時間 (3時間) 実践者 甲 斐 章 義
1 .単元のねらい・目標
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学び方を学ぶJでは,コンビュータのネットワークを有効に活用する学習活動を展開し ている。こうした学習活動の中に,図書館やインターネットを利用した調べ学習を行い,その内容を ホームページの形にまとめて発表していくという取り組みがある。こうした取り組みで避けては通れ ないのが知的所有権,特に著作権の問題である。生徒が図書館の本やインターネットで必要な情報を 見つけ,それを取り上げていく際に気をつけなければならないのが,その本やホームページの内容を そのままとって使用したり,ホームページの画像をそのまま自分の研究発表のページに使うという行 為である。もちろんこれらは違法行為にあたることもあり,こうしたことのないように指導するのは 当然のことであるが,そうするあまりあれはだめJ,r
これもだめ」と禁止するばかりでは著作権 の正しい理解にもつながらないし,サイエンスの取り組みの主題である多面的なものの見方や科学的 な捉え方にもつながらない。著作権の意義をしっかり理解させ正しい認識を持たせることで,図書館 の本やインターネット上にあるさまざまな情報や著作物に対して正しい対応が取れるようになるとと もに,禁止ばかりの消極的な態度ではなく,積極的に著作物に接することができるようになるのでは ないかと思われる。また 6ヵ年の最初のこの時期にこのような学習を行うことで,今後の学習活動 を円滑に進めることができるという意味でも,この著作権についての学習は重要であると思われる。実際,著作権の授業を行うことで,その後の生徒の著作権に対する意識も明らかに変わり,生徒への 指導も大変やりやすくなっている。
2.単元の構成と特色
生 徒 は 著 作 権 を 学 ぶ 前 に 科 学 の ア ル バ ム 」 シ リ ー ズ か ら 興 味 を 持 っ た 本 を 1冊選び,その中の 内容をホームページの形でまとめ公開し,相互評価を行い,さらなる表現力の育成へとつなげると言 う取り組みをしている。その際,著作権の問題があるので本の中で使用されている文章や画像をその まま使わないようにという指導はしているが,著作権について考えるという取り組みはまだしていな いため,著作権の意味や意義を理解して使わないようにしているわけではない。したがって,これか ら本格的に調べ学習を行いその内容をホームページにまとめるという取り組みを始める前に,著作権 について考えるというこの取り組みが必要となってくる。
3.単元計画 ①著作権について考えよう(2時間) 授業展開過程(1時間目)
学習内容および活動 指導上の留意点
導入 会
O
これまでの授業の中で,本の文章をそのまま使用しな ‑なぜそのまま使用とはしなかっ 10分 いようにしたり,図や画像をコピーしたりせずに,自分 たのかについて考えさせる。なりに工夫や解釈を加えた上で,自分で文章や画像を作
っていったことにふれる。 .理屈ではなく,心情的な部分で 0著作権というものの考え方とそれが存在する理由につ 著作権の必要性を感じ取らせるよ いて,具体的な例をあげて説明する。 うに,できるだけ身近な例をあげ
る。
展開
o
~著作権を考える童話j (以下『童話j)を配布し,ま ‑まずは全体を通して読ませるこ 30分 ずはその内容を通して読ませる。 とで,その内容を理解させる。o
~童話』の各節ごとにある「考えるポイント」にした .できるだけ自由に記述させる。がって自分なりに意見や感想、を考えさせ,その内容を「考 ‑後から読んでわかりやすいよう えるポイント」の設問ごとに WORD文書に箇条書さな にまとめさせる。
どでまとめさせる。 . わ か り に く い 設 問 に つ い て は 挙 手 さ せ 解 説 を す る 。
まとめ 0作成途中のWORD文書を保存させる。 ‑ 保 存 す る フ ァ イ ル 名 は 「 著 作 権 10分 0保存した WORD文書を提出用のフォルダに提出させ を 考 え る 童 話**.docJ (**は出席番
る。 号)とさせる。
‑ 全 員 の 作 業 を 一 旦 中 断 さ せ た 上 で , 提 出 用 フ ォ ル ダ の 場 所 を 全 員 で確認する。
授業展開過程 (2時間目)
学習内容および活動 指導上の留意点
導入 0前時の授業で提出された感想や意見の中から代表的な ‑ 感 想 や 意 見 の み を 紹 介 し , 生 徒
10分 ものを取り上げ紹介する。 名などは出さない。
展開
o
~童謡』の各節ごとにある「考えるポイント」にした ‑後から読んでわかりやすいよう 35分 がって自分なりに意見や感想、を考えさせ,その内容を「考 にまとめることを再度喚起する。えるポイント」の設問ごとに WORD文書に箇条書きな . わ か り に く い 設 問 に つ い て は 挙 どでまとめさせる (前時の続き) 手 さ せ 盤 謹 を す る 。
まとめ 0作成途中のWORD文書を保存させる。 ‑ 保 存 す る フ ァ イ ル 名 「 著 作 権 を 5分 0保存した WORD文書を提出用のフオルグ会に提出させ 考える童話料.docJ(料は出席番号)
る。 を確認させる。
‑ 全 員 の 作 業 を ー 且 中 断 さ せ た 上 で , 提 出 用 フ ォ ル ダ の 場 所 を 全 員 で確認する
② 著 作 権 に つ い て 学 ぼ う (1時間)
│ 学習内容および活動 │ 指導上の留意点
導入 │前時で考えた著作権の意義について,生徒の意見を参照│前時において,著作権がなぜ必要 5分 │しながらもう一度復習する。
I
かということについて考えている。生 徒 の 生 の 意 見 を 参 照 す る こ と で 本時の動機付けを行いたい
展開 │実際の著作権について学習する。(以下Power Pointを用│権利の名前などは紹介はするが,
40分 │ し 、 る 権 利 名 を 覚 え る こ と が 目 的 で は な
・
著作権の種類について学ぶ。I
し、ので その内容を簡潔にわかり①知的所有権について ②著作物とは ③著作者人格権│やすく説明することを心がける。
④著作権(財産権)⑤著作隣接権 ⑥その他の権利
・
著作権の正しい使い方について学ぶ。I
今 後 の 学 習 活 動 に お い て 重 要 で あ①日本で保護されているものか ②保護期間内か │ることをおさえる。
③自由に使えるか ④著作者の許諾 │自由に使えるもの,使える場合に
・
著作物が自由に使える場合について学習する。I
つ い て も 著 作 権 が あ る こ と を お さ 私的使用のための複製 引用 学校における複製 │える。・
など さまざまな場合について,その著作物の扱い方を│挙手を求め,生徒の意見を述べさクイズ形式で考える。
I
せる。O
アイデアは著作物かO
名画の複製写真 Oコンビュータプログラム O外国の著作物 O新聞のコピー 0遠足のしおり0学芸会や音楽会の演奏 OMDの作成 0テレビ番組の録画 Oゲームソフトの貸与
0
学習テープのダビングO
漫画のキャラクター O友人のイラスト OWEB上の文や画像まとめ │本時で学んだ著作権についてもう一度簡単にまとめる。
5分
4.指導のポイント
この授業の中で大きな役割を占めているのが,
『著作権を考える童話
j
(以下『童話j )
である。こ れ は 「 著 作 権 の 広 場Jhttp://www.cozylaw.coml copy.htmlというホームページに掲載されているも ので,著作者にプリントの形に変えて授業で使う という許諾を得て,使用させていただいた。この
『童話』は全部で 10節に分かれ,第 1節を除くす べての節に「考えるポイント」として設聞が設置 されており,生徒は物語を読み進めながら著作権 について考えることができるようになっている。
したがって,生徒はこの物語を読み進めながらword 文書に設問に対する意見や感想、を書き進め,著作 権に対する考えを深めることができるのである。
実際,この童話を読んだ生徒の意見や感想、を見 てみると,著作権の意味や存在意義に対する理解 がずいぶん深まっているのが読み取られ,中には
「この童話を読むことができて本当によかったと 思います。もし読んでいなければ,それを作った 人の気持ちなど考えず平気で人の作品を使ってい たかもしれません」という意味の感想、を書いてい る生徒が少なからず見られた。
5.成果と課題
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中学校・高等学校6カ年の学習の第1段階である中学校1年生の総合的な学習「学び方を学ぶjで は,自己学習力の基盤となる「学ぶ方法」を学ぶことと, ["探究的な態度」を育むことを目標として いる。実際の活動内容としては 1学期までにワープロや表計算,作図などの情報リテラシーの育成 と,それらを活用した表現方法の習得を行っている。 1学期末ころにあかね書房の「科学のアルバム」
シリーズから,興味を持った本を 1冊選んで,その題材を中心に据えて,科学的な思考力や表現能力 などを多くの場面で育むことができるように活動を重ねていっている。
まず,最初に情報リテラシーの育成からはいることで,学びや表現の道具としてのコンピュータや ネットワークの活用について,その後の指導やコンビュータ利用についての科学的理解に大変役立つ ているように思われる。さらに,ここに著作権についての指導を加えることによって,学びや表現の 活動において,より自分らしい表現を考えることの必要性を自覚しながら,その内容を工夫していく 態度が以前にも増して見られるようになっている。
「科学のアルバムJシリーズを利用して行く取り組みでは,自分が興味を持ったテーマを中心に据 えて取り組みを進めていくことで,探究に取り組む姿勢がより積極的になることももちろんであるが,
そのテーマに対する科学的な理解もより深まっているように思われる。
まずは,選んだ本の要約を行い,さらにその内容または一部を概念図に表し,その上で「本の紹介J として Webページの形にして校内 LANに公表するのであるが,この要約を行い概念図で表すという 作業をすることで,その本に書いてある内容の科学的な理解を深める効果があり,さらにそれをどう 表現してクラスメートに伝えればよし、かという観点で Webページの作成を考えさせることで,その 理解をもうひとつ深めさせている。
次に,作成した Webページをお互いに閲覧し,わからなかった点や疑問に思った点などを生徒そ れぞれの掲示板に書き込み,各生徒はその内容を整理して,そこから新しい課題を見つけ出し,新た