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<単元の指導の事例 4>

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環境と人間

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生活を見つめる」

電化製品の使用電力量を調べよう

配 当 時 間 (3時間) 実 践 者 ( 平賀博之,高橋美与子 )  1 .単元のねらい・目標

この単元では,これまでの学習を基にして,自分の生活を見つめ直していく。例えば,身のまわり の生活の中から課題を見つけ,実態調査や実験を行い,その結果に基づいて生活を変えていくことが 必要かを考え,具体的に自分たちの手で始められることを考え,実践に移すまでの体験を積ませてい

くことが目的となっている。

酸性雨の学習では,酸性雨の原因が化石燃料の燃焼とともに大気中に放出された,硫黄酸化物や窒 素酸化物であることを学習した。これらの汚染物質は大気中を浮遊する聞に太陽光線による光化学反 応を受け,硫酸や硝酸へと変化して行くと考えられている。これらの物質が雨水の中にとけ込み酸性 度が高くなったものが酸性雨である。わたしたちの文化的な生活に化石燃料は欠かすことのできない エネルギー源となっている。しかし,生活の中で利用している例えば電力が,どれだけの化石燃料に

よって作り出されているかといったことを考える機会は皆無である。

この単元で実施する「エコワット」を利用した電力使用量の調査は,使用電力量や電力料金という,

極めて具体的な形で電化製品がどれだけの電力を消費しているかを測定することができる。この測定 を基に,自分の家庭がどれだけの電力を使用し,それによってどれだけの化石燃料を消費しているか を推定させ,わたしたちの生活が環境に大きな負荷を与えていることに気付かせたい。また,身近な ところから生活を変えていくことで,環境への負荷を減らし,また,金銭的にも節約できる方法を考 えさせ,環境に対する行動を継続して行うことのできる態度を育みたいと考える。

その内容を検討していくためには,因果関係に関する論理的な思考力や考察力が必要となる。こう した体験を通して,生徒の科学的な思考力を育むことにもつながると考えている。

2.単元の構成と特色

エコワット(製造元:株式会社エネゲート) は家電製品の消費電力量や電気料金を表示する 測定器で,コンセントに差し込み,家電製品を つなぐと接続された電気機器の消費電力量と電 気料金の目安が表示される。家庭で簡単に誰で も使える電力量の表示器である。

子どもたちが主体的,意欲的に課題研究に取 り組むためには,生徒に自由にエコワットを利 用させ,測定を実施させるとょいと考えた。そ

の際に,課題意識を持たせることが重要である。 図 エコワットと使用法

生徒の活動は,生徒がどれだけ必然性を感じているかにかかっている。自分たちの生活を考える際 にも,これまでに体験したことのない内容に取り組むことは,大きな動機付けとなる。エコワットは その2つの点で,有効な教材であると考えている。

また,測定方法は簡単であるが,どのような電化製品の電力量を測るのか,どのような比較の方法 をとるのかなと測定の中に多様な工夫が考えられ,単純にはかつて終わりにならない内容的な深さ があると考えられる。

こうしたエコワットの教材としての特長を生かし,生徒による活動を中心とした単元構成を考えた。

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3.本単元における評価の観点と評価方法 (1 ) .関心・意欲・態度

電力量をきっかけとして「環境Jと「生活」との関係について関心を持ち,豊かな生活を実現 するために,積極的に測定や考察に取り組むことができる。

(2)  思考・判断

電力量の測定からデータの比較検討まで,課題の解決をめざし,分析的・総合的に考察するこ とができる。

(3) .知識・理解

電力量に関する事項を科学的に理解し, 日常生活の課題解決に生かすことができる知識を身に つけている。

(4) .技能・表現

電力量の測定に関する課題を科学的に追求する方法を身につけるとともに,その結果を的確な 方法で正確に表現することができる。

この単元における評価の基本的な考え方は,学習のねらいや目標を定め,どのような能力を育もう とするのかを明らかにし,それに対して,期待される能力を育むことができたかどうかを,様々な方 法を用いて検討するものである。そのためには,生徒が自らの活動をあとから振り返ることができる ように資料を保存させることに留意し,ポートフォリオを作成させる。生徒の成果物としては,レポ ートを提出させるが,その内容だけでなく,どのような思考を経て考察がなされたかを把握するため にも,途中段階での指導の中で的確なアドバイスを与えるとともに,その内容を生徒に記録させ,ど のような考え方の変化があったかかを記録させる。こうした資料をもとに,生徒が単元終了後に活動 を振り返って,自己評価が可能となるようにする。また,生徒が自分たちの活動を振り返り,自分の 足跡や学習したことの意義を知ることで,あらためて残された課題に気づき学習を発展させる。自己 評価を行うことによって,自己の変容を捉え自分自身を見つめる目,すなわち自己学習力につながる 力・メタ認知力を意識的に育みたいと考えている。

「5.生活を見つめる 電化製品の使用電力量を調べよう J 配当時間計 3時間) 内ノコ容 f ノノ

I

指導上の留意点〆句評価

①電力と環境

I@r

酸性雨」の原因物質の確認

(1時間)

I@

電力は化石燃料から作られる │・エコワットの使い方,使用上の注

。エコワットを使った測定の提案 │意点を理解している など

< 電 力 量 測 定 の 計 画 立 案 > 自 己 評 価 )

②電力量の測│。どのような電化製品の電力量を測定するか 定(1時間

I@

どのような比較を行うか

+課題) 考察のポイントを明らかにしていく

<電力量の測定と考察,追加の測定>

‑家庭での測定を行う。

. 1回目の測定の結果を基に計画を 練り直させる。

(活動のポートフォリオ)

③ 考 察 と ま と

I @

測定結果や考察を基に,生活をどのように│・論理的に考察する。

め(1時間) 1変えることで環境への負荷を減らすことがで│・環境への行動ができるか

きるか考える 思考の過程,根拠,論理性な

<測定データのまとめ,考察のまとめ

>1

どのチェック)

< 環 境 に 対 す る 行 動 > 記 録 分 析 , 自 己 評 価 )

5.指導のポイント

測定にあたっては,できるだけ生徒にいろいろな電化製品を測定してみるように指示した。また,

例えば冷蔵庫について,同じグ、ループの中で共通して測定を行い,どのような違いがあるかを考えさ せるように指導した。測定を基に考察を行い,冷蔵庫の測定であれば,冷蔵庫の性能や使い方と,電 力量にどのような関係があるか考えるために,測定値からどのようなことが判断できるか考えさせ,

その考察を基に,さらに測定データを集めさせるという,繰り返しができるようにした。

測定はグ、ルーフ。で、共同して行わせるが,最終的なレポートは個人で提出させる。そのため,同じデ ータで、書かれたレポートでも,さまざまな考察が考えられている。

右の表1は冷蔵庫の使用電力量について 測定した例で、ある。 5名 の 生 徒 が そ れ ぞ れ の家庭の冷蔵庫について測定を行った。あ わせて,冷蔵庫の容量や使用年数,製造会 社を調べ,それらについて電力使用量との

関係を考察している。

同じグ、ループ。の他の生徒がまとめた測定 結果を表2に示す。

同 じ デ ー タ を 示 す に も , 生 徒 に よ っ て 表 現 が 異 な る こ と は , 指 導 する側カミらもおもしろいが, レポ ー ト を 互 い に 見 せ 合 い な が ら , 他 の 生 徒 が ど の よ う に ま と め て い る か興味津々のようであった。

冷蔵庫の容量と電気使用料金

70  4160

50 HE  40 

30

20 10 

380  400  420 

容量

440  2  3  4  5 

表 1 冷蔵庫の使用電力量(生徒 A) 冷蔵庫の 電気使用料金の平 使用年数 容量[し] (1日あたり圃円)

401  40  4年6ヶ月 2  415  41  5年6ヶ月 3  430  60  4年1ヶ月 4  445  46.7  1年3ヶ月 5  456  29.7  4年

表2 冷蔵庫の使用電力量(生徒B) 1日目

39円/1.59kwh 40円/1.63kwh 59円/2.37kwh 47円/1.91kwh 30円/1.20kwh

460 

型0.16

= ‑

0.14 

0.12 宍 0.1

0.08 G 0.06  2004 

~ 0.02 

2日目 3日目 41円/1.67kwh 40円/1.62kwh 40円/1.60kwh 43円/1.75kwh 60円/2.42.kwh 61円/2.50kwh 48円/1.98kwh 45円/1.82kwh 30円/1.16kwh 29円/1.16kwh

使用年数と使用電力量

20  40  60 

使用月数

製造会社 B  B 

冷蔵庫の 容量[L]

401  415  430  445  456 

80 

図 l ‑ A 生徒によるグラフの違い 図l‑B

図l ‑ Aは,表1を作成した生徒が作った散布図である。横軸には冷蔵庫の容量[リットノレ]を,

縦軸には1日あたりの電気使用料金をとり,冷蔵庫の容量と電気使用料金の関係、を示している。この 生 徒 は 冷 蔵 庫 の 容 量 は 今 回 の 測 定 で は 401リットル'"'‑'456リットルとあまり大きな差がなかった ために,容量と電気使用料金との聞に相聞は見いだ、せなかったJと考察し 1ドアの小型冷蔵庫やも っと大型の冷蔵庫と比較するとおもしろそうだと記している。また, ドアを開ける回数や庫内にどれ だけのものが入っているかといったことが,関係している可能性を考えている。さらに, ドアを開け る角度や,庫内の温度設定,冷蔵庫を置く場所など,いろいろな条件で電気使用料金が変化すると予 想し,条件を統一することの難しさを指摘している。

図l‑Bは,表2を作成した生徒が作った散布図である。横軸には冷蔵庫の使用期間(月数)を,