<単元の指導の事例>
その l
「亨マェンス H 身のまわりの事象を数理的にとらえる 単元テーマ(題目) サイコロの目の出方 実施学年(中学校3年) 配当時間 (10時間) その2
『一字才エンス E 身のまわりの事象を数理的にとらえる 単元テーマ(題目) 乱数とモンテカノレロ法 実施学年(中学校3年) 配当時間 (10時間) その3
「
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マェンスE 身のまわりの事象を数理的にとらえる 単元テーマ(題目G
コードと資料の整理 実施学年(中学校3年) 配当時間 (8時間) 1.単元のねらい・目標実践者 後藤俊秀
実践者 岩田耕司
実践者 後藤俊秀
生徒の科学的思考力を育成するための取り組みとして,事柄どうしの関係について考えさせたり,
調べさせたりすることはとても重要であると考える。そもそも科学とは,身のまわりで起きている現 象を解明して,それらの因果関係を合理的に説明しようとする営みだからである。
数学科の授業においては,仮定から結論を演鐸的に導かせたり,与えられた条件のもとで数値を求 めさせたりする過程で,生徒の数学的思考力の育成を図っている。しかし,それらは数や図形の世界 の中だけにとどまっている題材が多く,また,仮定(条件)と結論(答え)とを結びつけている論理 もやはり数学の中のものであるから,生徒にとっては現実からかけ離れた世界で、のものになりがちで ある。
したがって,この単元では,経験的確率を「自分の身のまわりで現実に起きていることJと捉え,
理論的確率を「数学の世界でのこと」と捉えて,それらの関係を調べさせることによって,科学的思 考力の伸長を図るものである。
次に,科学的に問題解決をおこなうにあたって,得られた数値データを統計的に処理して,そこか らある仮説を立てて,その仮説を検証することは,非常に重要な活動である。
これまでの中学校学習指導要領(数学科)でも,統計に関する内容(r資料の整理」など)は取り 扱われていたが,し、くつかの間題点が指摘されていた。それは,例えば,以下のようなものである。
・どの教科書においても章立ての最後に置かれていて,授業時間不足等の理由で,きちんと取り扱 われないことが多かった。
・統計に関する用語の説明や資料の平均(または,およその平均)を求める方法の習得に重点が置 かれ,生徒の発展的な思考活動を伸ばす題材になりにくかった。
・本来は,生徒自身がデータを収集するところから始めたいが,それにはいろいろな意味で問題が あり,結果的に,教科書に掲載されている資料や教師側が与えた資料での授業になることが多 く,生徒の興味や関心を喚起しにくい。
ここでは,上記のような問題点を改善しつつ,さらに,生徒の発展的な思考活動を伸長するために 以下の a,b, cのような活動に取り組む。
a. 実際にサイコロをふるという活動を通して,相対度数や大数の法則などの実験的確率の概念の 理解を深め,実験結果から数学的確率の求め方を考察する。
b .
乱数の作成方法について学習するとともにランダム」という概念について理解を深める。さ らに,ランダムなものとそうでないものとを比較する方法について,いくつかの実験をおこな いながら考察する。c. テレビ番組の Gコード(暗号)を統計的な資料とみなして整理し,その資料が持つ傾向につい て仮説を立て,その仮説を検証する方法について考察する。
2.単元の構成と特色(主題に迫る手だて など)
サイコロを振る回数はできるだけ多い方がよいが,一人だけで振り続けるのは単調な作業になって しまうので,クラス全員や班のメンバーといった複数の人間でデータを共有してデータの数を増やす ようにする。その際,先に確率を計算させて,後から実験をするという手順はとらない。それは,単 なる計算結果の「確かめ」の作業になってしまったり,生徒の意識の中にも,計算して答えが出た時 点、で、すでにその問題は終わってしまう危険性があるからである。
この学習において,最初に3個のサイコロを振ったときの目の和を,次に 1個のサイコロを3回振 ったときの目の最小値を考えさせたのは,まず,左右対称な分布で確率の計算も易しいものを,その 後に,左右非対称な分布で確率の計算も少し難しいものを取り扱うことで,生徒が段階的に難しい内 容へと進めるように意図している。
次に,乱数やランダムという概念について学習するのは,後に,ランダムでない数の集まりとの比 較をするためと,乱数そのものについても生徒に考察させたいという意図からである。乱数は,乱数 さい(正二十面体)を振り続けることで簡単に作れるが,例えば,普通のさいころ(正六面体)だけ を用いて乱数が作れるか, πなどの無理数の小数部分は乱数と見なしてよいのか,乱数では
r o
から 9 までの数字が均等に出現している」と言えるのかといった課題を投げかけて,生徒にランダムである ことの意味を考えさせるものである。Gコードを題材とした学習では,この暗号の仕組みを直接的に探るのではなく, Gコードという数 の集まりをデータの集合とみなして,その桁数に着目して整理し,統計的なアプローチによって,デ ータの持つ性格(すなわち, Gコードの性質)を推測しようとするものである。 Gコードとは,テレ ビ番組の予約録画を簡単におこなうために,ジェムスター社が開発した暗号で,新聞のテレビ欄にも 掲載されており,生徒にとって身近な存在の数であること,データが豊富にあり,しかも手軽に入手 できること,番組の月日,開始時刻,録画時間,チャンネルの情報を暗号化したものなので,コード から逆にそれらの情報を推測するのが困難であるため,今回の学習の題材として適している。
ここでは, Gコードをけた数によって度数分布表に整理し,桁数の分布について調べさせる, Gコ ードのけた数と乱数 (8けた以内)とのランダム具合の比較, Gコードのけた数と録画時間との相関 を調べる等の活動を通して,データを数理的に解析する力の育成を図る。
3.本単元における評価の観点と評価方法 ア.関心・意欲・態度
I)取り扱う題材や活動内容に対して興味や関心を持って意欲的に取り組めたか。(机間指導によ る)
2) グループ内で役割分担を相談したり,お互いに疑問を出し合ったり,議論をするなどのコミュ ニケーションをとりながら活動できたか。(机間指導による)
イ.科学的な見方・考え方
I)新たに課題を提起したり,予想、を検証しようとしたりするなど,活動が探究的なものになって いるか。(机間指導・ワークシートによる)
2)活動において自分なりの工夫ができたか。(机間指導・ワークシートによる)
ウ.表現・処理
I)データを目的に沿った形に加工できたか。(机間指導・ワークシートによる) 2)発表する内容が聞き手に正確に伝えられたか。
エ.知識・理解
・活動の意味や意義が十分に理解できているか。(机間指導・ワークシートによる)
4.生徒の作業シートより
1をまとめの度数分布表を班の中で協力して作成しよう.
官確率分布表
5.単元計画
その1 サイコ口の目の出方(配当時間 計10時間)
午
間一 と 時 一 率 率 当 確 確 別 個 一 的 的 昨 日 一 験 学 制 題 一 実 数 (
学 習 内 容
│
指導上の留意点・評価1 .
3個のサイコロをふる実験‑問 13個のサイコロをふり,出た目の和を
計算するとき,どの値(和)が出やすいの│・4人程度の班に分けておく。
だろうか」
‑実際にサイコロをふり,度数分布表を作成 させ,それぞれの値についての相対度数を 求めさせる。((データ収集・集計の方法》
‑一つの値(例えば,和が7になった割合) に注目させ,試行回数が増えるに従い,そ の値がどのように変化するのか調べさせ る 。 ( ( 大 数 の 法 則 ・ 実 験 的 確 率 》
‑全ての値について,自分の結果と班の結果,
クラス全体の結果を,相対度数で表し つのグラフ用紙上に3つの度数折れ線グラ フで描かせ,比較させる。
《大数の法則・実験的確率》
‑班で協力して作業を行わせる。
・一人あたり約100回程度振らせる。
・この時点では,自分の結果と,班 全体での結果を集計させる。
‑各班の結果を,一枚の紙に集約し,
配布しておく。
・各班の結果を累計していくことで,
試行回数を増やすことの代わりと する。
‑自分の結果,班の結果,クラス全 体 の 結 果 の グ ラ フ は , そ れ ぞ れ 色 を分けて描かせるようにする。
まとめ (2時間)
‑なぜ,そのような実験結果が出たのかを考 えさせ,
3
個のサイコロを同時に振ったと きの目の和を確率変数とする確率分布表を 作 成 さ せ る 。 < < 数 学 的 確 率 》‑実験的確率と数学的確率それぞれをlつの グラフ用紙上に度数折れ線グラフで描か せ,比較させる。
《科学的探究における実験の有用性》
2 .
1個のサイコロを3回振る実験‑問 f1個のサイコロを 3回ふり,出た目の 最小値を考えると,それぞれの値の出 る確率はどのようになるか」
‑実際にサイコロをふり,出る目の最小値の 度数分布表を作成させ,それぞれの値につ いての相対度数を求めさせる。
《データ収集・集計の方法》
‑それぞれの値について,班の結果,クラス 全 体 の 結 果 を つ の グ ラ フ 用 紙 上 に 2つ の度数折れ線グラフで描かせ,比較させる。
《大数の法則・実験的確率》
‑なぜ,そのような実験結果が出たのかを考 え さ せ 個 の サ イ コ ロ を 3回振ったとき の目の最小値を確率変数とする確率分布表 を 作 成 さ せ る 。 < < 数 学 的 確 率 》
‑実験的確率と数学的確率それぞれを1つの グラフ用紙上に度数折れ線グラフで描か せ,比較させる。
《科学的探究における実験の有用性》
3 .
レポートの作成.この学習を通して気づいたことや工夫した こと,疑問に,思ったことをレポートとして 書かせる。
. r
度数分布J,r
相 対 度 数 」 の 用 語 の 説 明 は す る が 確 率 分 布Jと いう用語は用いない。• 2つのグラフを色を分けて描かせる ようにする。
(観点ア,イ,ウ)
. 4
人程度の班に分けておく。‑班で協力して作業を行わせる。
・一人あたり約 100回程度振らせる。
・この時点では, 自分の結果と,班 全体での結果を集計させる。
‑各班の結果を,一枚の紙に集約し,
配布しておく。
‑班の結果とクラスの結果のグラフ はそれぞれ色を分けて描かせるよ
うにする。
‑数学的確率を求めることに困難を 感じているようであれば,ヒント を与える。 (216通り全てを載せた プリントを配布したり簡単な場合 から考えさせたりする)
• 2つのグラフを色を分けて描かせる ようにする。
(観点ア,イ,ウ)
‑素朴な疑問から,今後調べてみた いことまで,できる限り多く書か せるようにする。
(観点イ,エ)