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∆Vdc

Vdc (-V)

-6 -4 -2 0 -2 -4 -6

Distance from wafer center (cm)

250

200 150 100 50 0

N W

E S

Ar, 40 mTorr

N-S E-W N-S E-W

Planar magnet

DRM

∆Vdc

Vdc (-V)

-6 -4 -2 0 -2 -4 -6

Distance from wafer center (cm)

250

200 150 100 50 0

N W

E N S

W E

S

Ar, 40 mTorr

N-S E-W N-S E-W

Planar magnet

DRM

∆Vdc

図3.4.10 プレーナ型磁石、DRMを用いたマグネトロンRIE装置でのVdc分布

Vdcの不均一性が改善された原因は明らかではないが、プレーナ型磁石のミラー磁界が不均一 性の原因ではないかと考えている。すなわち、ミラー磁界によりNorth(N)、South(S)方位から電 子が中央部のE-W軸付近へ集められ、E-W軸上をドリフトする電子が増加する結果、W方向 の電子密度が極めて高くなるような現象が発生している可能性がある。

プレーナ型磁石でミラー閉じ込めの作用があり、それがDRMでは緩和されているのかを調べ るために、低めのガス圧力でミラー効果を促進してエッチング速度の分布を調査した。図 3.4.11(a)、(b)はSiO2をそれぞれの装置でエッチングした時のエッチング速度分布をE-W、N-

SiO

2

et ch rate

(nm/min)

-6 -4 -2 0 -2 -4 -6 Distance from wafer center (cm) 150

100

50

0

N

W E

S wafer E

W

N S

SiO

2

et ch rate

(nm/min)

-6 -4 -2 0 -2 -4 -6 Distance from wafer center (cm) 150

100

50

0

N

W E

S wafer

SiO

2

et ch rate

(nm/min)

-6 -4 -2 0 -2 -4 -6 Distance from wafer center (cm) 150

100

50

0

N

W E

S wafer E

W

N S

SiO

2

etc h rate

(nm/min)

-6 -4 -2 0 -2 -4 -6 Distance from wafer center (cm) 300

200

100

0

CF4: 50 sccm

RF : 200 W (0.5 W/c)m2)

E

W

N S

SiO

2

etc h rate

(nm/min)

-6 -4 -2 0 -2 -4 -6 Distance from wafer center (cm) 300

200

100

0

CF4: 50 sccm

RF : 200 W (0.5 W/c)m2)

E

W

N S

(a) (b)

図3.4.11 SiO2を(a) プレーナ型磁石、(b) DRM をそれぞれの使用した装置でエッチング した時のエッチング速度分布

S軸に沿って計測した結果である。電子ドリフトやミラー閉じ込め作用を助長して観察するため に、ガス圧力を低め5mTorrと設定した。ガスにはCF4を50sccm導入し、RF電力密度を0.5W/cm2 とした。

プレーナ磁石では、N-S軸の中心付近のエッチング速度が高く、周辺の速度が極めて低い。

E-W軸上では、EからWにかけてエッチング速度が単調に増加し、Wで最大となっている。上記 で考えたようにN、S方位の電子が中央へ集められ、E-W軸付近で大きな電子のドリフトが発生 していることがうかがえる。一方、DRMでは(a)のような極端なエッチング速度の不均一は発生

Vdc (-V)

0 20 40 60

Magnetic field (mT)

200

150

100

50

0

Cl2, 40mTorr RF : 0.5 W/cm2 Planar magnet

( )

Vdc (-V)

0 20 40 60

Magnetic field (mT)

200

150

100

50

0

Cl2, 40mTorr RF : 0.5 W/cm2 Planar magnet

( )

(a)

Si e tch rate ( µ m/min)

0 20 40 60

Magnetic field (mT)

3.0

2.5 2.0 1.5 1.0 0.5 0

(9)

(17)

(17.5)

I

is

(mA/cm

2

)

5 4 3 2 1

Si e tch rate ( µ m/min)

0

0 20 40 60

Magnetic field (mT)

3.0

2.5 2.0 1.5 1.0 0.5 0

(9)

(17)

(17.5)

I

is

(mA/cm

2

)

5 4 3 2 1 0

(b)

図3.4.12 (a) 磁界強度に対するVdcの変化、(b) Siのエッチング速度(括弧内の数値はマ

せず、概ね均一な分布が得られたが、N、S方位においてエッチング速度が低下する傾向を示し た。これはウェハ周辺部からチャンバ内壁まで磁力線が平行に延びているため、電子がカソード の外側へ逃げ、N、S部で電子密度が低下したためではないかと考えられる。W方位で電子密度 の上昇が観察されない原因にこのN、S方向への電子の拡散が影響している可能性がある。

Tanabe等[51]はシース領域の2次電子軌道を計算し、30mTorr以下の圧力ではシース電界(E) と平行な磁界(B)成分の影響でN、S方位位置の電子がバルクプラズマへ導入されやすくなること を示している。

実際のプロセス圧力の40mTorrでは、どちらの磁石でも(たとえ磁石を停止した状態でも)こ のような極端なエッチング速度分布の差は発生しない。したがって、低圧力下で電子の平均自由 行程を長くして、拡散、ドリフトの影響が出やすいように加速した実験であるが、磁界の強度と 方向を均一に形成することの重要さを示唆していると言える。

DRMは高磁界を形成できる特長がある。プレーナ型あるいはリング型磁石では磁気回路の外 部に漏れる磁界を利用しており、チャンバの外側に磁石を配置してウェハ表面で20mT程度を超 える磁界強度を形成しようとすると、磁石容積(重量)が極端に増加、さらに漏洩磁界も無視で きなくなる。このため高磁界のプロセスが不可能であった。DRMでは60mT程度までは比較的容 易に高磁界化がはかれる。そこで、Cl2ガスを用いたゲート電極加工のプロセス条件(40mTorr、

0.5W/cm2)でVdcの磁界強度依存性を調べた。

図3.4.12(a)は磁界強度に対するVdcの変化である。60mTまで磁界強度を高めるとVdcは-38V まで下がる。これは高磁界によるプラズマ密度の向上とカソードと平行の磁束による電子の閉じ 込め作用に起因していると考えられる。従来のRF電力、ガス圧力などとは独立に磁界強度によ りVdc値を制御できることがわかり、エッチング対象膜種により最適な磁界強度を用いたプロセ ス設計が可能となることを示唆している。

図3.4.12(b)にはSiのエッチング速度(括弧内の数値はマスクのSiO2との選択比)とダブルプロ

0 20 40 60

Magnetic field (mT)

I is (mA/cm

2

)

CF415 sccm, 40 mTorr, 1350 W

F

2

/ CF

2

1.4 1.2 1.0 0.8 0.6

0 20 40 60

Magnetic field (mT)

I is (mA/cm

2

)

CF415 sccm, 40 mTorr, 1350 W

F

2

/ CF

2

1.4 1.2 1.0 0.8 0.6

図3.4.13 磁界強度に対するプローブを用いて計測したイオン飽和電流密度Iis

とF2/CF2の発光強度比(波長389nm対331nm)

ーブで計測したプラズマ中央部のイオン飽和電流の計測結果である。エッチング条件はCl2

10mTorr、RF:3.5W/cm2とした。磁界強度を高めることでイオン飽和電流が高まり、プラズマ

密度の向上がわかる。これにより、高いエッチング速度と(低いVdcによる)高い選択比が実現 できた。

SiO2のエッチングプロセス用に磁界強度を検討した。図3.4.13は磁界強度に対して、ラングミ ュアプローブを用いて計測したイオン飽和電流密度Iis とF2/CF2の発光強度比(波長389nm対

331nm)である。 また、Vdcと酸化膜のエッチング速度を図3.4.14に示した。

磁界が高いほどプラズマ密度が増加しており、エッチング速度が高まり、Vdcが低下してくる。

さらに磁界を高めるほどF2/CF2比が大きくなることから、ガス分子の解離が進み、F原子濃度が 高まりSiに対する選択比が低下することが予想される。総合的に検討し、SiO2のエッチングには 磁界強度20mT以下が適当であると結論できる。

B. DRM 磁界分布の最適化

上記のように優れたDRM磁石の採用によりφ200mmウェハ向け装置を開発した。DRMは磁石 要素自体は小さいが、エッチングチャンバの外側に配置するため、装置寸法を大きくしかねず、

図3.4.15のように磁石アセンブリの小型化が必要となった。この小型化は前述の磁界均一性を犠 牲とすることになり、結果的にE x Bドリフトに伴う不均一性が再度問題となった。DRMは理想 的には上下に無限に長くすることで、内部の磁界が完全に均一化されるが、特に上下方向の寸法 を小さくしたことにより、ウェハ周辺部での縦方向磁界の発生、磁界強度の低下を招いたことが

V dc (-V)

0 20 40

Magnetic field (mT) Si O

2

etch rate (nm /min)

CF4: 133 sccm, 40 mTorr RF : 2.7 W/cm2

V dc (-V)

0 20 40

Magnetic field (mT) Si O

2

etch rate (nm /min)

CF4: 133 sccm, 40 mTorr RF : 2.7 W/cm2

図3.4.14 Vdcと酸化膜エッチング速度の磁界強度依存性

図3.4.15 φ150mmウェハでの実験用DRM(左)と

φ200mmウェハ用の生産装置搭載のDRM寸法

原因と考えられた。そこで、本節では、磁界分布を均一から あえてE-W軸に沿って変化させる ことでプラズマ密度分布を調整することを試みた結果を述べる。

図3.4.15の右に示したコンパクト型DRMでは小型化したことにより、磁力線がN-S軸の中間 で上下に膨らむように湾曲(φ200mmウェハエッジで磁力線とウェハの角度が4°)し、また中 心に比べてチャンバ周辺部で磁界強度が大きく、φ360mmチャンバ壁で15%増加する。図3.4.16 にこの磁石を用いて生成したArプラズマ(50sccm、40mTorr、RF電力100W)の電子密度とVdc のE-W軸分布である。当初の実験用DRM(図3.4.15左側)では大きな分布が観察されなかった ものの、約50V近くのΔVdcが計測された。

そこで、電子がEからW方位へ向けてドリフトすることによってW側のプラズマ密度が高くな る現象を、W側の磁界強度を弱くすることで相殺する。W側に進むにつれて磁界強度を弱め、閉

Ne (x 10

10

cm

-3

)

-10 -5 0 -5 10 Distance from wafer center (cm) 12

10 8 6 4 2 0

E-W

0.29 W/cm

2

Vdc (-V)

250 200 150 100 50 0 Ne

Vdc

Ne (x 10

10

cm

-3

)

-10 -5 0 -5 10 Distance from wafer center (cm) 12

10 8 6 4 2 0

E-W

0.29 W/cm

2

Vdc (-V)

250 200 150 100 50 0 Ne

Vdc

図3.4.16 φ200mm用DRM装置で生成したArプラズマ(50sccm、

40mTorr、RF電力100W)の電子密度とVdcのE-W軸分布

じ込めの効果を順次、低減するようにしてプラズマ密度の均一化を試みることにした。

図3.4.17にDRMの磁石要素を調整して新規に作製したE-W軸に沿った磁界強度分布を3パタ ーン示す。また、図3.4.18にはこれらの磁界強度分布を用いたときのVdc分布を示す。照射損傷 の実験に使用したMOS構造は図2.5.1(II)に示した容量を使用し、ゲートSiO2膜の厚さを8nm、ア ンテナ比3.3 x 105とした。

その結果、磁界強度に勾配を持たせただけではまだE側Vdc値が大きく、耐圧劣化の容量がE側 に若干あった。type #2の条件ではVdcが均一に近づき、耐圧劣化もない。さらにtype #3では逆 にW側のVdc値が上昇し、W側に劣化が生じた。図3.4.19に上記のtype #2の磁石を用いた装置で プラズマ密度とE-W軸のVdc分布を計測した。適切な勾配磁界強度を与えることでプラズマ密度 が均一化され、その結果としてVdcも均一となり、照射損傷が解消できた。さらに図3.4.20には エッチング速度のウェハ面内分布を示す。エッチング条件は、C4F8/CO/Ar/O2 = 10/50/200/2sccm、

圧力40mTorr、RF電力2kWである。エッチング速度は、磁石を停止した状態で±5%強の範囲に おさまっており、磁界分布最適化の効果が確認された。

Magnetic field (mT)

-10 -5 0 -5 10 Distance from wafer center (cm)

20

15

10

5

#1

#2

# 3

Uniform field DRM

Magnetic field (mT)

-10 -5 0 -5 10 Distance from wafer center (cm)

20

15

10

5

Magnetic field (mT)

-10 -5 0 -5 10 Distance from wafer center (cm)

20

15

10

5

#1

#2

# 3

Uniform field DRM

図3.4.17 DRMの磁石要素を調整して新規に作製した 3種の磁石のE-W軸に沿った磁界強度分布

Vdc (-V)

-100 -50 0 50 100 Position from wafer center (mm)

E -W 3.8 W/cm2

350

300

250

600

550

500

Vdc (-V)

#1

#2

# 3

Uniform field

Vdc (-V)

-100 -50 0 50 100 Position from wafer center (mm)

E -W 3.8 W/cm2

350

300

250

600

550

500

Vdc (-V)

#1

#2

# 3

Uniform field

図3.4.18 図3.4.17の4種の磁石でそれぞれプラズマを生成して 計測したE-W軸に沿ったVdc分布

Distance from wafer center (cm) 12

10 8 6 4 2 0

E-W

0.29 W/cm

2

Vdc (-V)

250 200 150 100 50 0 Ne

Vdc

Ne (x 10

10

cm

-3

)

-10 -5 0 -5 10 Distance from wafer center (cm) 12

10 8 6 4 2 0

E-W

0.29 W/cm

2

Vdc (-V)

250 200 150 100 50 0 Ne

Vdc

Ne (x 10

10

cm

-3

)

-10 -5 0 -5 10

図3.4.19 type #2磁石を用いた装置で計測したプラズマ 密度(Ne) とE-W軸のVdc分布を計測

ドキュメント内 ドライエッチング技術に関する研究 (ページ 97-107)