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Console

Console では、IDC エンジンによって追加される遅延量は自動的に行われます。遅延の最低限の量 は、インプットに補正を必要とされるディレイの(セッティングの最大値までの範囲内で)最小限だけを 適用します。そして、いつでももっとも低いレイテンシーによってフェイズ・アライメント調整を維持しま す。

例:IDC の値が短い(デフォルト―100 サンプル)場合、そして実際に補正するために必要な値は 31 サ ンプルとした場合、ディレイに必要な 31 サンプルのみを Console インプットに適用します。

DAW

DAW では、Console の IDC エンジンによって加えられるディレイ量は 静的です。たとえアップサンプリングされたプラグインが動作中でなく ても、余分のサンプルは DAW のすべてのインプットに加えられます。

しかし、この全体的なインプット遅延補正は、Apollo のドライバーによ ってレポートされるので、DAW の ADC によって自動的に補正されま す。

例:IDC の値が短い(デフォルト―100 サンプル)場合、そして実際に補正するために必要な値は 31 サ ンプルとした場合、すべての DAW 内のインプットに 100 サンプルを加えます。DAW を介したソフトウェ アモニタリングを使用する場合は、その余分なディレイを検出することができます。

注: デフォルトでは、Console インプット遅延補正は、ショート値(100 サンプル)で有効になっています。

Console IDC でのソフトウェア・モニタリング

DAW と Console IDC 経由でソフトウェア・モニタリングが有効になっている場合、有効な Console IDC の設定は、モニタリング・レイテンシーを最小にすることをお勧めします。DAW を介したモニタリング、お よびソフトウェア・モニタリングのために Console を使用しない場合、Console がもっとも低い可能性が あるモニタリング・レイテンシーをダイナミックに届けるので IDC の値は重要なものではなくなります。

UAD-2 DSP リソース

Console IDC は、Apollo の UAD DSP を若干使用します。それが必要とされていない場合、UAD プラ グインの DSP リソースの増加のために Console IDC を無効にしてください。

特殊なケース: Precision Multiband、Ampex ATR-102、AKG BX 20

これら 3 種類の UAD プラグインは、Console の IDC エンジンの最大設定の容量を超える余分なディレイ値を 持っています。これらのプラグインは、レイテンシーを考慮しないでミックスダウンの間、DAW のアウトプットに 使用されるよう設計されています。Console でこれらのプラグインを使用している場合、インプット遅延補正機能 を無効にするか無視する必要があるかもしれません。

インプット遅延補正値 セッティング名 追加ディレイ(サンプル)

Off 0

Short 100 Medium 200 Long 1000

Apollo Twin USB Software Manual 157 Latency & Apollo

レイテンシーの基礎

レイテンシー(ディレイ)は、A/D-D/A 変換、DAW 内の I/O バッファリング、プラグインのシグナル・プ ロセッシングやその他の側面のデジタル・オーディオシステム固有の要因により発生します。

レイテンシーを軽減する方法(遅延補正や低レイテンシー・モニタリング)はありますが、アナログ、及 びデジタル・オーディオを組み合わせたシステムで動作させる場合、それはある程度存在します。

オーディオインターフェイス・レイテンシー

すべてのオーディオ・インターフェイスは、A/D - D/A 変換処理を行なう結果としてレイテンシーを誘発 します。この A/D–D/A レイテンシーは、本質的に検出不可能です。

A/D–D/A レイテンシーは、通常はサンプルレートに依存し、高いサンプルレートではレイテンシーは低くなり ます。(高いサンプルレート=変換に必要な時間が短い)

オーディオ・インターフェイスの“アナログ I/O ラウンドトリップ・レイテンシー”の仕様は、アナログシグ ナルがインターフェイスのインプットに入り、A/D と D/A 変換後の再びアナログアウトプットに現れるま でにかかる時間の長さを参照します。Apollo のオーディオインターフェイスのアナログ I/O ラウンドトリッ プ・レイテンシーは、96kHz で 1.1 msec です。

Apollo ミキサー・レイテンシー

Apollo の DSP ミキサー(Console アプリケーションによってコントロール)は、Apollo のアナログインプッ トとデジタルインプットの低レイテンシー・モニタリング(Cue ミックス)に使用します。Apollo のインプット をモニタリングするために Console が固有のアナログ入出力ラウンドトリップ・レイテンシーを増す、増 さないについては、どのようにセッティングするかによって異なります。:

UAD プラグイン無しで Console を使用する – Console は UAD プラグイン無しで使用している場合、

Console 経由で Apollo のインプットをモニタリングしていてもレイテンシーは加えません。このセッテ ィングでは、Apollo のアナログ I/O ラウンドトリップ・レイテンシーは、96kHz で 1.1 msec です。

リアルタイム UAD プロセッシングと Console – Console でアップサンプリングされていない UAD パ ワードプラグインをリアルタイム UAD プロセッシングで使用している場合、Console 経由で Apollo の インプットをモニタリングしていてもレイテンシーは加えません。

このセッティングでは、Apollo のアナログ I/O ラウンドトリップ・レイテンシーは、4 台までのアップサンプ リングされていない UAD プラグインをシリーズやスタックで使用してもまだ 96kHz で 1.1 msec です。

すべての Apollo インプットには DSP リソースの範囲内で最大で 4 台の UAD プラグインを使用すること ができます。このセッティングはレイテンシーを追加しません。

注意: Console や DAW で使用する場合、アップサンプリングした UAD プラグインはレイテンシーを 加えます。詳細については、以下のアップサンプリングした UAD プラグインを参照してください。

Console AUX バス – Console の AUX バスのアウトプットは、32 サンプルの追加レイテンシーを持ちま す。これは可能な限り低いレイテンシーを維持するために必要です。

Apollo Twin USB Software Manual 158 Latency & Apollo

アップサンプリングした UAD プラグイン

一部の UAD パワードプラグインは、音質設計の目標を達成するために内部サンプルレートをアップサ ンプリングしています。セッションのサンプルレートに応じて Console のミキサーや DAW で使用する場 合にさらにレイテンシーを加える事があります。

アップサンプリングした UAD プラグインによって加えられるレイテンシーは、ごくわずか(概ねプラグイ ンやサンプルレートに応じて 0~300 サンプルの間)ですが、この追加されたレイテンシーによってセッ ションのフェイズの一貫性に影響を与える場合があります。しかしフェイズは Console の インプット遅 延補正 とDAW での自動遅延補正によって自動的に管理されます。

注: UAD プラグインのアップサンプリング・レイテンシーの値については、UAD プラグイン・マ ニュアル を参照してください。

DAW レイテンシー

ほとんどの DAW は、オーディオインターフェイスと DAW 間のオーディオデータの往復のために I/O バ ッファーリングを使用しています。この I/O バッファーリングは、(Apollo だけでなく)任意のオーディオ インターフェイスに追加のレイテンシーを誘発します。

I/O バッファーサイズ

DAW レイテンシーの量は、通常 DAW の I/O インターフェイスのバッファーサイズによって決定されま す。低いバッファーサイズは、レイテンシーを減少させますが、ホストコンピューターの CPU の負荷を 増大させます。バッファーサイズが小さすぎるとホストコンピューターのオーバーロードやクリック、歪 みなどのノイズ、ドロップアウトなどが起こる場合があります。

レコーディング中のライブ・パフォーマンスのモニタリング

DAW レイテンシーは、DAW ミキサーによって“ソフトウェア・モニタリング”を行なう時、アーティストは、リ アルタイムにパフォーマンスが聴くことができず、バッファリング・ディレイが邪魔になり、レコーディング する上で問題となります。Apollo でのレコーディング時の DAW レイテンシーは、ライブパフォーマンス・モ ニタリングのために Console ミキサーを使用することによって軽減されます。ここではバッファリング・レ イテンシーは適用されません。

レコーディング済みのトラックと新しくレコーディングしたトラックのタイム・アライメント

レイテンシーの対処は必然的に DAW の I/O バッファー・プロセスによってシフトされるので、新しくレ コーディングしたトラックと以前にレコーディングしたトラックのタイムアライメントのためにも重要です。

解決策は、DAW の機能である自動遅延補正(ADC)を使用することです。Console を含む最近の殆 どの DAW は、自動遅延補正機能を備えています。システム・レイテンシーとその補正に関する詳 細については、Apollo と遅延補正を参照してください。

Apollo Twin USB Software Manual 159 Latency & Apollo

UAD-2 DSP レイテンシー

UAD パワードプラグインは、DAW(Console なし)で使用している場合、I/O バッファーリングは、DAW と Apollo 内部の UAD-2 の間をオーディオ・データが往復する間に使用されます。これによりレイテン シーを加える事になります。

この UAD-2 DSP の”DAW プロセッシングの過程”で起こるレイテンシーは、I/O バッファーサイズの設 定により決定されます。この聞き取りにくいオーディオ・レイテンシーは、I/O のレイテンシーとは無関 係(これらは独立したプロセス)です。

UAD-2 DSP アクセラレイター のトラッキングにおけるレイテンシーに関する問題は、避けられないソフ トウェアモニタリングが影響し、アーティストがリアルタイムに自身の演奏を聴くことができない点にあり ます。

Apollo でレコーディングする際は別です。UAD-2 DSP レイテンシーの問題は、モニタリングに Console ミキサーとリアルタイム UAD プロセッシングを使用することでバッファーリング・レイテンシ ーは適用されず、問題は解消されるからです。

レイテンシーは重要ですか?

Apollo では重要ではありません。パフォーマンスのレイテンシーは、Console が低レイテンシーハード ウェア・モニタリングを可能とするため問題にはなりません。そしてレコーディング、オーバーダビング、

ミックスを行なう間のレコーディング・レイテンシー(トラック・アライメント)は、Apollo のデバイス・ドライ バーと DAW によって自動的に調整されます。

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