• 検索結果がありません。

AWG Agilent 33220A における等価的サンプリング周波数低減手法

第 3 章 AWG 由来の 3 次高調波測定

3.2 AWG による ADC テスト信号の生成

3.2.2 AWG Agilent 33220A における等価的サンプリング周波数低減手法

49

図3.6 位相アミュムレータ回路

50

以上より、今回AWGのサンプリング周波数fsを等価的に10MHzとなるように設定を 行う。そうするとこのサンプリングによるfsのスプリアスはAWG内部フィルタの影響は 受けない。当然fs/2-finに関しても5MHz近傍に発生するためAWG内部フィルタの影響を 受けない。このスプリアスの低減に関してはAWG出力にフィルタを自作し低減をする。

AWGのサンプリング周波数は図3.1に示すようにAWG内部のクロック周波数で決まり、

この値は固定値となっている。そのため、本来はAWGのサンプリング周波数を変更するこ とはできない。そこで、今回AWGのサンプリング周波数の変更を波形メモリに書き込むサ ンプル点数を変更することで等価的にサンプリング周波数の変更を行う。4.2.1でAWG内 部波形メモリに書き込む点数が規定の16,384に不足する場合は間のデータが補間されるこ とを説明した。この特徴を利用することで等価的にAWGのサンプリング周波数を等価的に 落とす。

下図3.7にfsでサンプリングした従来信号の波形について数値シミュレーションした結 果とそのスペクトルを示す。図3.7について、正弦波自身の周波数finの他にサンプリング したことによる信号成分fs-finが発生している。なお、厳密にはfsでサンプリングするFFT 解析では横軸のf/fs=0.5~1の範囲はスペクトルのレプリカであり本質的な意味はないが、

今回この範囲の成分も考えるとサンプリングの議論が分かりやすくなるためこの部分に関 しても扱うことにする。

図3.7 fsでサンプリングした時の従来信号波形とそのスペクトル

更に、同様のサンプリング周波数fsで信号をサンプリングし、同じサンプル点を5点ホ ールドした時の従来信号の時間波形とスペクトルを下図3.8に示す。

0 25 50 75 100 125

-1 -0.6 -0.2 0.2 0.6 1

Sample Number

Voltage [V]

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

-300 -200 -100 0

Normalized Frequency f/fs

Power [dB]

51

図3.8 fsでサンプリングし、サンプルポイントを5点保持した時の従来信号波形と そのスペクトル

図3.7と図3.8ではサンプリング周波数はfsで同じある。しかし、サンプリングポイン トをホールドすることにより等価的にサンプリング周波数が低下していることが図 3.8 の スペクトルから確認ができる。図3.8では5点ホールドしているため、サンプリング周期が 図3.7の時に対して5倍長くなったように見えている。更に、等価的にサンプリング周波数 が1/5倍されたことによりサンプリングによるスプリアスがfs/5-finのところに発生してい ることが確認できる。これは、時間波形が fs/5 のサンプリングクロックでサンプリングさ れていることを示している。

この原理を用いて、AWG内部のサンプリングクロックの周波数fsは図3.1で示すように

50MHzで固定であるが、等価的にサンプリング周波数を10MHzに落とし、テスト信号を

発生させる。

同様に位相差切り替え信号に関しても数値シミュレーションによりホールド効果が有効 であるか検討を行う。下図3.9にfs でサンプリングした時の位相差切り替え信号を示す。

第2章で紹介したようにこの条件では位相差が異なる2波の正弦波を1サンプルポイント 毎に切り替えているため等価的に 1 波形あたりのサンプルポイント数が半分になるため

0 25 50 75 100 125

-1 -0.6 -0.2 0.2 0.6 1

Sample Number

Voltage [V]

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

-300 -200 -100 0

Normalized Frequency f/fs

Power [dB]

0 25 50 75 100 125

-1 -0.6 -0.2 0.2 0.6 1

Sample Number

Voltage [V]

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

-300 -200 -100 0

Normalized Frequency f/fs

Power [dB]

等価的なサンプリングポイントを 表示

52 fs/2近傍のスプリアスが発生する。

図3.9 fsでサンプリングした時の位相差切り替え信号波形とそのスペクトル

一方、図3.9と同様にfsで信号をサンプリングし、そのポイントを5点ホールドした時 の信号とスペクトルを下図3.10に示す。図3.10からスペクトルを確認するとfs/2-finのス プリアスが(fs/2)/5-finに発生している。このことから実際にサンプルポイントをホールドし たことにより、等価的にサンプリング周期が5倍になり、サンプリング周波数が1/5に低下 していることが位相差切り替え信号でも確認できる。

0 25 50 75 100 125

-1 -0.6 -0.2 0.2 0.6 1

Sample Number

Voltage [V]

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

-300 -200 -100 0

Normalized Frequency f/fs

Power [dB]

53

図3.10 fsでサンプリングし、サンプルポイントを5点保持した時の位相差切り替え信号

波形とそのスペクトル

以上より、Agilent33220A で等価的にサンプリング周波数を 10MHz に低減させるため には下図 3.11 のような流れで実現をする。図 3.11 からメモリにフルで書き込んだ場合は AWGのサンプリング周波数通りに50MHzにサンプリングされる。しかし、そのメモリに 書き込む点数を等価的に 10MHz でサンプリングされるように減少させることで実現をす る。

0 25 50 75 100 125

-1 -0.6 -0.2 0.2 0.6 1

Sample Number

Voltage [V]

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

-300 -200 -100 0

Normalized Frequency f/fs

Power [dB]

等価的なサンプリングポイントを 表示

0 25 50 75 100 125

-1 -0.6 -0.2 0.2 0.6 1

Sample Number

Voltage [V]

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

-300 -200 -100 0

Normalized Frequency f/fs

Power [dB]

54

図3.11 Agilent33220Aにおけるサンプリング周波数の低減手法