■技法の応用
ストーリー法を文章作成に用いるときの例を説明する。文章作成には「内容発想」「構想立 案」「文章化」の3つのステップがある。まず「内容発想」のときはカードに思いつきをど んどん書く。この時、まとめについてはいっさい考えないのがコツである。
次の「構想立案」でストーリー法を用いる。記入したカードを机上に広げ、B4用紙を2、
3枚縦長に広げる。文章の流れを考え、カードを用紙に移していく。要領は前述のとおり。
書き足したいものをカードで追加したり、用紙に直接書き込んだりする。
カードを貼り終えたら、執筆配分の枚数を用紙に記入する。あとはその用紙を使って文章 を書くだけである。つまり、文章づくりのステップを細かく分けたので、思考が集中できる のである。これに慣れると、文章を書くのがそれほど苦でなくなるというメリットがある。
講演なども同じことで、このストーリー法の用紙を台本とすれば、安心して話ができる。
このようにストーリー法は、大変単純な技法だが、気楽に使えるという利点がある。
カードPERT法の基本的な作成手順は、次のとおりである。
【カードPERT法のステップ】
(1)プロジェクトの全体計画を立案する(日程、人数など)
(2)全作業をカードに書き出す
カード(3センチ×4センチ)の真ん中に線を引き、上に作業名、下に日数を書く。カー ドは、裏がのり付きの、囲みの線のないものが便利である。
(3)模造紙上にルールに従って、カードをレイアウトする
カードを左から右に作業の流れの順に配置する。主な作業を真ん中に、並行作業は」二下に、
全作業を配置する。
(4)日程計算をし、重点経路や余裕時間を調べる
ルールに従って日程計算をし、余裕作業や無余裕作業を見つけ、時間短縮を考える。
(5)模造紙にカードを貼り、図を完成させる
模造紙にカードを貼り、イベントに日程記入用のθ印などのスタンプを押し、アクティビ ティやダミーを記入して完成となる。
【日程計算の進め方】
PERTの基本ルールに日程計算がある。図表23によって解説する。
①最早開始時間(TEと略す)
図表23の各イベントのθ印がある。これは、日程計算の数字を入れる欄であるが、(∋印 の下欄はTEを入れる欄である。 TEの意味は「最も早ければこの時間までに、その前まで の作業を終了し、この後の作業が開始できる」時間である。計算の仕方は、作業時間を左か
ら右へ順々に足していく。そして作業が2つ以上入る場合は、そのうちの最大値をとる。
②最遅終了時間(TLと略す)
これは、イベントのe印の上欄に入れる数字となる。意味は「この時間までに作業を終え ないと次の作業の開始が遅れる」ということである。計算の仕方は、最後から作業時間を次々 と引き算し、もしそのイベントから出る作業が2本以上ならそのうちの最小値をとる。
③総余裕時間(TFと略す)
このようにTEとTLを出してみると、作業ごとに余裕日数がわかってくる。計算の例を あげる。たとえば「招待客の確認」のTFを計算してみると42−5−14=23となる。この作 業の総余裕時間は23日なのである。
④クリティカル・パス(CPと略す)
このようにして総余裕時間を計算してみると、必ずまったくTFのない経路が出る。これ がクリティカル・パス(CP)である。つまり、 CPとは余裕時間がゼロの経路である。
例では太線で書かれたもので、「会場の選定」なら、TFは12−5−7=0となる。
さて、CPは一日も余裕のない作業ラインであるから、全体作業を減らすにはCP上から
減らすしかない。このようにCFは、遅れると全体にひびく大切なラインだとわかるだろう。
(図表23) カードPERT法の例(運動会の企画)
開催の
検討
璽㌃
会場の
選定
希望種目の アンケート実施
甥螂
運動会の 内容検討
用具の 借り入れ
運動会の 練習①
運動会の
練習②
賞品の
選定
弁当の
手配
会場の 飾り付け
運動会の当 会場の 後片付け
−→0<TF≦5 →CP
−→5<TF
■技法の応用
PERT法はもともとアメリカの海軍で誕生した。まず、政府内で多方面に利用された。
その後、ロッキード社、GE社など民間も続々採用するようになり、アメリカ国防省ではす べてのプロジェクトにPERT法の採用が義務づけられるようになった。
日本では1960年頃から、建設省、道路公団、建設業、造船業などで続々と採用されるよ うになり、テレビ局の番組放送システムなどにも利用された。
カードPERT法は大変手軽な手法で、3時間もあればマスターできる。そして、運動会 の企画から、新製品開発のスケジュール管理など多方面で用いることができる。
特に、何かプロジェクト的な仕事をするときにメンバー全員でPERT図を作成すると、
全員が仕事の全体と自分のパート(部分)を理解でき、チームワークの向上に最適である。
また、ルーティンの仕事、たとえば人事の採用業務などをPERT化し、それに必要な書 類を添付したマニュアルをつくっておく。万一、担当者が変わったとしても、マニュアルさ えあれば大丈夫というわけである。
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