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222 にSR 弁を開くことができなかった。

ドキュメント内 Microsoft Word - 【セット】Ⅳ章(1219).doc (ページ 146-163)

そこで、発電所対策本部復旧班は、

SR

弁制御回路の接続位置を変えたり、

他の複数の

SR

弁を同時に開操作したり、バッテリー合計

10

個の配線を全て外 して再接続したりして試行錯誤しながら、

2

号機原子炉の減圧操作を継続した。

2

号機の原子炉圧力は、原子炉圧力計によれば、同日

16

34

分頃に

6.998MPa gage

を示していたところ、減圧操作を継続していた同日

18

3

分 頃になってもなお、

6.075MPa gage

を示していた。

その後も引き続き、

SR

弁の開操作によって原子炉減圧を試みたが、

SR

弁の 開状態を維持することに手間取った上、

S/C

が高温、高圧状態にあったため、

原子炉圧力容器から抜けた蒸気が

S/C

で凝縮しにくい状況にあり、原子炉圧力 容器が十分減圧されるまでに時間を要した。

結局、原子炉圧力計が

0.630MPa gage

を示した同日

19

3

分頃になって、

ようやく注水可能な程度まで減圧することができた。

その間の同日

18

22

分頃、

2

号機の原子炉水位は、原子炉水位計によれば、

TAF-3,700mm

を示し、同日

18

50

分頃にはダウンスケールにより計測不能 となった。そのため、発電所対策本部及び本店対策本部は、テレビ会議システ ムを通じて、同日

18

22

分頃の時点で

2

号機の原子炉の燃料棒が全部露出し たとの認識を確認し合った。

官邸や

ERC

も、このような

2

号機のプラント状況について、随時報告を受 けていた。

また、その頃、現場の放射線量が高いため、自衛消防隊が交代で消防車の運 転状態の確認を行っていたが、ようやく

2

号機原子炉への注水が可能となった 後、それほど間がない同日

19

20

分頃、

2

号機原子炉への注水に用いていた 千葉火力発電所及び南横浜火力発電所の消防車がいずれも燃料切れのため作 動停止していたことが確認された。

そこで、自衛消防隊は、発電所構内にあったタンクローリーから燃料を運搬 して、これらの消防車に給油を実施した。

結局、同日

19

54

分頃及び

19

57

分頃にそれぞれ消防車を起動させるこ とができ、同日

19

57

分頃になってようやく、

2

号機原子炉への連続注水が 開始された。少なくとも作動停止確認後の

37

分間、

2

号機原子炉への注水は全

223

くなされず、その間も炉心損傷が相当程度進行したものと考えられる。

その後は、発電所対策本部要員が当番体制を組み、数時間ごとに消防車に燃 料補給を実施することとした。

また、北側物揚場からの注水ラインについては、その後、送水先を何度か変 更した。例えば、2 号機原子炉注水ラインへの吐出圧力を高めるため、南横浜 火力発電所の消防車から

3

号機原子炉へ送水する弁を閉じて

2

号機原子炉への 注水を優先的に実施したことがあった。また、

2

号機及び

3

号機双方の注水量 を確保するために、北側物揚場から

3

号機

T/B

前の逆洗弁ピットへ水を補給し て、自衛隊の消防車を利用し、逆洗弁ピットの海水を取水して

2

号機

T/B

送水 口に接続した消防ホースを通じて

2

号機原子炉への注水を実施することもあっ た(資料Ⅳ-29参照)。

2

号機については、

3

14

19

57

分頃、連続注水を開始してからも、繰 り返し、原子炉圧力が上昇して注水できなくなった。

2

号機の原子炉圧力計によれば、

3

14

20

54

分頃から同日

21

18

分頃までの間

1MPa gage

を超え(同日

21

18

分頃には

1.463MPa gage

)、

その後減圧操作によって減圧するも、再び、同日

22

50

分頃から同日

23

40

分頃までの間

1MPa gage

を超え(同日

23

20

分頃及び

23

25

分頃に は

3.150MPa gage)、更に減圧操作によって減圧するも、同月 15

日零時

16

分頃から同日

1

11

分頃までの間

1MPa gage

を超えており(同日

1

2

分頃 には

2.520MPa gage

)、少なくともこれらの間は、

2

号機の原子炉圧力が消防 ポンプの吐出圧力を上回り、

2

号機原子炉への注水がなされなかった可能性が 高かった。

そして、

2

号機の原子炉内の燃料が全部露出していると考えられたのに、減 圧操作に手間取り、満足な注水もできない状態が続いたため、吉田所長は、こ のままでは炉心溶融が進み、核燃料が溶け落ち、その高熱により原子炉圧力容 器や原子炉格納容器の壁も溶けて貫通し、放射性物質が外部に溢れ出す、いわ ゆる「チャイナ・シンドローム」のような最悪な事態になりかねないと考えた。

さらに、吉田所長は、

2

号機がかかる最悪な事態に陥った場合、

1

号機や

3

号 機についても、原子炉注水その他の必要な作業を継続できなくなり、

2

号機と 同様に「チャイナ・シンドローム」のような事態に陥ってしまうと考えた。

224

そして、吉田所長は、かかる最悪な事態を食い止めるため自らの死をも覚悟 したが、他方で、福島第一原発の免震重要棟には、事務系の東京電力社員や協 力企業社員等も多数控えており、その人命を守らなければならないと考えた。

そこで、吉田所長は、本店対策本部とも相談して、

2

号機のプラント状況次第 では、各プラントの制御に必要な人員のみを残し、その余の者を福島第一原発 の外に退避させようと判断した。

吉田所長は、他の人間の動揺を抑えるため、総務班のごく一部の人間に、退 避用のバスを手配するように指示をし、状況次第で迅速に退避できるように準 備を整えた。

結局、

3

15

1

時台から、

2

号機原子炉圧力が

0.6MPa gage

台を安定的 に推移し、継続的に注水可能となったため、同日

6

時頃、爆発音がして、2号 機の

S/C

圧力がゼロになる事態が発生するまで、吉田所長が退避指示を出すこ とはなく、本店対策本部が吉田所長に退避するように助言することもなかっ た。

なお、当委員会の調査の結果、本店対策本部及び発電所対策本部において、

一連の事故対処の過程で、福島第一原発にいる者全員を発電所から撤退させる ことを考えた者については確認できなかった。

1

号機への代替注水実施状況

1

号機については、

3

14

1

10

分頃、

3

号機

T/B

前の逆洗弁ピット内の 海水を取水できなくなって以来、注水を中断していたため、注水を再開する必要 があった。

そこで、同月

14

日夕方以降、自衛消防隊及び南明社員は、福島第一原発に到 着していた袖ヶ浦火力発電所の消防車を北側物揚場に置いて、海水を取水し、直 接

1

号機

T/B

送水口に消防ホースを接続して送水する注水ラインを完成する作業 を実施し、同日

20

30

分頃、1号機への注水を再開した(資料Ⅳ-30参照)。

f 問題点の指摘(

2

号機代替注水の準備・実施上の問題点)

① 発電所対策本部は、

2

号機について、

3

14

13

25

分頃まで

RCIC

が 作動していたと判断していたところ、

RCIC

作動中と判断していた時期に消防

225

車を用いた代替注水を実施できず、同日

19

57

分頃になってようやく代替注 水を実施できるようになった。そこで、

2

号機原子炉への代替注水の準備・実 施上の問題点について検討する。

2

号機については、

3

11

日に全電源喪失以降、

RCIC

が作動していたもの の、電源喪失により制御不能の状態にあった。

さらに、同月

12

4

時頃、当直は、2号機の

RCIC

の水源となっていた復 水貯蔵タンクの水位低下を認め、その枯渇を防ぐため、

S/C

に水源を切り替え た。これにより、

2

号機については、

RHR

が機能していないにもかかわらず、

S/C

を水源として

RCIC

を作動させることになった。そうすると、長時間にわ たり、

RCIC

を作動させ続ければ、原子炉圧力容器と

S/C

との間を循環する蒸 気の温度が上昇し、S/C内の温度、圧力も上昇することは明白であった。つま り、2号機の

RCIC

については、作動しているといっても、冷却機能が減じら れながら作動していたのであり、また、原子炉圧力が上昇していくにつれ、

RCIC

ポンプ吐出圧力との差圧も小さくなり、注水機能も減じられていったと 考えられる

74

そして、当時、

2

号機の

RCIC

が機能しなくなった場合、次の代替注水手段 として考えられるのは、消防車を用いた

FP

系注水、つまり低圧注水系しかな かった。そうすると、代替注水の実施に当たっては、SR 弁による減圧操作が 不可欠であり、原子炉圧力容器内の蒸気を

S/C

内に逃がすことになるため、

S/C

の水温、圧力が上昇しすぎていれば、

SR

弁による減圧操作が困難となる上、

S/C

の健全性を保てなくなるおそれがあった。

したがって、

2

号機については、

RCIC

が作動しているからといって、それ

74

東京電力公表のプラントパラメータによれば、

2

号機の原子炉圧力は、

3

14

9

時頃以降上昇傾向 に転じ、同日

12

30

分頃に

6.188MPa gage、同日 13

時頃に

7.065MPa gage

まで上昇している。こ れに対し、2号機の

RCIC

ポンプ吐出圧力は、同月

12

2

時から同日

2

55

分にかけての頃、当直が 確認した際には

6.0MPa gage

程度であり、その後

RCIC

ポンプ吐出圧力が飛躍的に上昇するような事情 も見当たらない(かえって、東京電力内部資料によれば、同日

21

30

分頃の時点で、RCICポンプ吐 出圧力が

5.3MPa gage

であったことが窺われる記載が認められる。)。そうすると、発電所対策本部は、

原子炉水位が低下傾向にあったことを理由に、同日

13

25

分頃に

2

号機の

RCIC

が停止したと判断し て、国等に対し、原災法第

15

条第

1

項に基づく報告を行っているものの、前記プラントパラメータを見 る限り、同日

9

時頃以降、原子炉圧力が上昇傾向に転じ、次第に

RCIC

の注水機能が失われ(現にこの 頃から原子炉水位は下降傾向を示している。)、同日

12

30

分から同日

13

時にかけての頃までには、

原子炉圧力が

RCIC

ポンプ吐出圧力を上回り、注水機能を喪失した可能性がある。

ドキュメント内 Microsoft Word - 【セット】Ⅳ章(1219).doc (ページ 146-163)