164
165
② その後、
3
号機原子炉の水位が低下し、3
月12
日12
時35
分頃、HPCI
が自動 起動した。そして、当直は、
3/4
号中央制御室において、原子炉水位計やHPCI
流量制御 計等を監視しながら、RCIC
と同様にテストラインを用いて復水貯蔵タンクに戻 し入れるラインも活用するなどして、流量を調整してHPCI
を運転制御した。当時、吉田所長は、各プラントの状態を踏まえ、1 号機への注水及び原子炉格 納容器ベントが最優先課題と認識しており、
3
号機については、当面、HPCI
に よる注水を考えていた。4
1
号機R/B
爆発後、3
号機R/B
爆発まで(3
月12
日15
時36
分頃から同月14
日11
時1
分頃までの間)(1)1号機への海水注入の状況 a
1
号機R/B
爆発後の復旧状況3
月12
日15
時36
分頃、1
号機R/B
において、水素ガスによると思われる爆 発が起こり、作業現場にがれきが散乱し、作業員の一部が負傷し、作業員らは免 震重要棟に退避した。なお、この爆発直前の同日
15
時29
分頃、モニタリングポスト4
付近で500μSv/h
を超える線量(1,015μSv/h)が計測されており、その報告を受けてい た吉田所長は、原災法第15
条第1
項の規定に基づく特定事象(敷地境界放射線 量異常上昇)が発生したと判断し、爆発後の同日16
時27
分頃、官庁等に、その 旨報告した。吉田所長は、作業員等の安否確認をし、
1
号機R/B
の動向を見ながら、同日17
時20
分頃以降、消防車、建屋等の被害状況について現場確認を実施し、引き続 き、海水注入に必要な作業を再開させることを決断した。そこで、自衛消防隊及び南明社員は、放射線管理員とともに、1号機
R/B
付近 の現場付近に行くと、同所には、爆発の影響で、放射性物質で汚染された1
号機R/B
の鉄板等のがれきが散乱しており、放射線量が高くなっていた。また、1
号 機原子炉への海水注入に用いるため直列に配置した消防車3
台については、窓が 割れるなどの被害があったものの、いずれも消防ポンプ自体が正常に作動してい るのは確認できた。166
しかし、消防ホースについては、がれき等が飛散・接触して損傷していること が確認され、引き直しが必要となった。次第に日も暮れ、劣悪な作業環境の下で、
自衛消防隊及び南明社員は、散乱したがれきを移動させ、注水ラインの構成に必 要な場所を確保した上、消火栓に備えられるなどしていた新たな消防ホースを用 意して、3号機
T/B
前の逆洗弁ピットから1
号機T/B
送水口まで数百m
もの距 離を手作業で敷設するなどして復旧に努めた。このため注水再開まで時間を要し、同日
19
時4
分頃、ようやく、1
号機原子炉へ海水を注入することができるように なった(資料Ⅳ-19
参照)。b 本店対策本部及び国の対応
① 本店対策本部は、テレビ会議システムを通じて、1号機
R/B
の爆発前後にお ける海水注入作業の状況について把握していたところ、1
号機R/B
の爆発後も、過酷な作業環境であることを承知で、
1
号機原子炉への海水注入を急がなくて はならないと考えていたため、吉田所長の作業再開に関する判断に何ら異論を 唱えるようなことはなく、その作業状況をERC
に報告していた。しかし、
ERC
や官邸にいた保安院関係者は、断片的な伝聞情報しか入手でき ていなかったため53
、かかる作業の困難性について正確な理解を得ることがで きなかった。② 海江田経産大臣は、
1
号機R/B
が爆発する前の3
月12
日15
時4
分頃、「海 水の注水をいつまでもやらないのであれば命令を出す。」旨発言していたが、同日
17
時55
分頃には、1
号機原子炉内を海水で満たすよう、口頭で原子炉等 規制法第64
条第3
項の措置命令を行うとともに、保安院に対し指示文書を発 出するように指示をした54
。そして、同日
18
時5
分頃までには、本店対策本部及び発電所対策本部も、前記命令があったことを把握した。
③ 遅くとも
3
月12
日19
時15
分頃までに、ERC
は、東京電力から、前記海水 注入開始の報告を受け、官邸地下の緊急参集チームにいた保安院職員に電話を
53
この時点で、既に保安検査官は福島第一原発からオフサイトセンターへ避難していた。167
ドキュメント内
Microsoft Word - 【セット】Ⅳ章(1219).doc
(ページ 88-91)