は新潟の粟島と秋田のほか,甑島にある。KIITKIIT は東北とはやや離れるが,埼玉に1地点ある。
GIIGHは岩手1地点で, KYA, K:YAA(KYAA),
GYAGYA, GYAA(GYAA)が東北的であることもこ
の一般的傾向を反映している。これらは主として岩手に 分布している。注記によれば,K:YA以下は,雌の鳴き 方というのが多いようである。以上のものとちょっと違ったものとして,KIRIKI−
RIが栃木,山口に各地1点, KWIIKWIIが沖縄本島 に1地点,K:Eが鹿児島, K:EKEが岩手に各1地点,
KEUKEUが伊平屋島に1地点ある。
KAは九州南部に全部で11地点見られるが,これは
すべてYOSIKAとそれに近い語形の一部となってい
るものである。YOSI〜の部分は都合によって,その2 にまわしてある。鳥の名としてのYOSIKA(DORI),
YOSIKODORIは,これらの鳴き声の地点によく一致
している。1(ATは全部で6地点で,愛媛の1地点を除 くと九州に見られるものであるが,8303。47(熊本)だけ がK:Aの地域と重なっているだけで,両者の関連は低 いであろう。KAAは,3地点中,岐阜め1地点を除く とKAの付近にある。 KYAなどとは関係はないであ ろう。KAIは広島に1地点で,あまり以上のものとは 関係ないと思われる。GU(U)(GUU)のうち GUは徳之島だけであるか
ら,これは他のGUUGUUなどとは関係ないであろ う。GUUGUUなどのうち,愛知・岐阜・静岡の計4
地点は互いにそう遠く離れてもいないから,地域的な発 生で,互いに関係があると見てもよかろう。GURUU一(GURUU)は福岡,石垣島に計3地点で,これはGU−
UGUUとは関係なかろう。 GUROOは石垣島に1地点 で,そこに現われるGURUUと関連する。 GUUGUU などはその2の図に示したGOROSUKEなどのG〜
の類とも関係があろう。
GO(0)HEEGO(0)HEEは茨城・栃木にそれぞれ1 地点で,互いに関係があろう(GOO〜と長いのが茨城)。
人名と関係づけることができる。語形の似ているGO−
GEE(福井1地点)は地理的に見て関係なかろう。
GOTGOT, GOOGOO は関東の東部から南部にか
けて点在しており,この地方の古い語形であることを想 像させる。前者は1地点,後者は7地点である。GOI−GOIは滋賀,神奈川に1地点ずつあるが,このうち,
神奈川のものは,これらと関係があろう。滋賀のものは
あるいは近くのKOIと関係があるかも知れない。 GO−
ROGORO は兵庫:の西北端に1地点であるが, KOR−
OKORO のうちの兵庫のものとは,少し離れすぎてい るようである。
GOCUGOCU, GODOGODOはともに秋田に1地
点で,相互に関係があろう。
G(E)AA(G(E)AA)のうち, GAAは淡路にあり,
GAAGAAは徳島でこれは多少離れている。 GEAA−
GEAAは岩手であるが,この表記はエの開いた母.音を あらわすものであろうから,淡路,徳島のものとは関係 ないであろう。GYAA(GYAA)を東北的と上に述べた
が,GYAA 5地点中2地点, GYAAGYAA 12地点
中2地点が東北的な地点でないことを述べておこう。GYAAT も長崎1地点だけで,東北的でない。
草のC〜は九州。琉球がほとんどである。特にC1,
CITは奄美・沖縄に限られている。これらは300図に 示した雀の鳴きF声と比較すべきである。CUは鹿児島,
大分に1地点ずつ,CUU(CUU)はCUUが大分2地 点,CUUCUUが鳥取1地点であるが,もう1地点大
分にあるTUUをここに加えた。 CIIは島根に1地点である。岩手のCYAAは発音上の問題で, KYAAの
変種と認めていいであろう。なお,CYOTは熊本に1.地点ある。
ZU(U), ZO(0)は,KO(0)のあとにつづいた語形で ある場合が圧倒的であり,またほとんどすべて九州に分 布する。例外は,5772.84(茨城)のZUUHOOHOOと,
5604.28(新潟)のKOZOKOEKOZOKOEの2地点2
例だけであった。後者は「小僧来い」と解せるので,その 2にまわすべきものかも知れないが,ZOをここで析出
したので,. アのようになった。以上の2地点は分布も飛
び離れているので,九州のZU(U), ZO(0)とは別と 見るべきであろう。この類の中心勢力の分布は九州中央 部から東北方面にかけて強い領域を持っているが,例外 的なものがわずかにその他の地方に見られるだけなの で,地域発生的な性格のものと考えてよかろう。琉球方 面にはこれらが1地点も見られないところがら,これは そう古いものとは考えられない。九州に多い鳥の名の
KOOZOODORIなどは,もちろんこの鳴き声に関係
があるが,特に福岡では鳥の名の方が多く分布してい て,鳴き声の方が比較的薄くなっている。MIIMIIは対馬を含んだ長崎に見られる。対馬の SIMIISIMIIも無縁ではあるまい。 MIIMII以下
一一
P10一
298膨
◎
NYAUまでは猫の鳴き声に似ている。そしてこれらは
九州北部にまとまり,鳥の名としてのNEKODORI
と関係があるかも知れない。鳥の名MAYA類も猫 に関係あろうから,与論島のMYAUMYAUも関係の
あるものかも知れない。YAAYAAの5586.56(福井)もNEKODORIの地域である。 NYA(A)NYA(A)
は,NYANYAが隠岐に1地点, NYAANYAA が宮城と佐賀に各1地点である。NYAANNYAAN
は五島に1地点である。NYAUも長崎に1地点ある。
YO(0)HEE(YOOHEE)は計4地点見られ,うち
3地点は三重中部である。たぶん人名に擬したものであ ろう。YOGO(YOGO)は千葉に3地点で,どちらも強 固な狭い地域を持っている。ともに近年の地域的に発生 であろうか。YOGO(0)は鳥の名としても千葉の同じ ところに分布しいるが,YOHEEの方は,鳥の名には反映していない。鳥の名としてのYOHEEは兵庫に
1地点あるが,その地点は,鳴き声の三重以外の1地 点,兵庫の6540.16とは近いながら,同一地点ではない。なお,その2の地図にだけその鳴き声を示した地点
(すなわち,その1での鳴き声のないところ)は,総計で 191地点である。目立つのは日本海岸地方と静岡であ る。この烏がいない,または鳴き方を知らないという無 答が,奈良・京都,鳥取を除く全都道府県で計335地点 ある。無答の特に多いのは,石川以北の日本海岸からつ づいて青森の下北半島までの一帯(佐渡を含む)と,東京 を中心とした関東地方,瀬戸内海(中国地方を除く),奄 美・沖縄である。概観すると,この無答の地帯とその2 の地図にだけ鳴き声の現われる地点とは,重なっている ようである。これは,その2の方が,本当は鳴き声を聞 いたことがないにもかかわらず,知識で何と鳴くかを 知っていてそれを答える傾向が強いことを示すのかも知 れない。
.299.ほうほう(乗の鳴き声)一その2
この地図には,ふくろうの鳴き声のうち比較的擬声的 要素が薄くて,ことばで解釈できそうなもの意味のある ものを中心に集めたが,その1の地図の説明の冒頭で述
べたように,この地図の凡例冒頭のDESIからDEE
までは,元来はその1にあるべきだと考えたものであ る。その他,一部にはその1の図で類別できないもの が,その2の図に便宜上のっている。1298・299 111
.HOS(Y)E(E)からTEAGOまでは,凡例の注2)
でも説明したように,凡例には紺で示したが,図の上で はそれと結びついている語形の属している色を使うこと
とした。
まず,北海道,琉球にひとつもこの類(ことばで解釈 できる意味のある鳴き声)のないことが注目される。北 海道にない理由は,このような語形が新しくできにく
く,標準語的な鳴き方を使っているためと説明できよ う。琉球にないこと(石垣島のSUKUはことばで解釈 できない点でその1とすべきものであるが,ここに便宜 上置いたものである)は,佐渡,隠岐,壱岐,対馬,五島
(ここにあるのはその1から回ってきたものぽかりであ る),伊豆諸島など外海に浮かぶ島にもこの類のものがな いこと,青森,九州南半に少ないことなどとともに,こ のような,ことばとなった鳴き声が,極端に古いもので ないこと,ある時代に発生し伝播したものであることを 物語っているようである。また,極端に開発の進んだと ころ(関東,近畿)にも,その種のものが比較的薄いこと は,注目すべきである。
各語形について見ていこう。
高知県東端6足摺岬付近・山中の愛媛との境界という 高知の3地点は,愛媛・大分とつづいて,DESI(計7 地点),DEESI(計3地点), RES工(計3地点)の一連 の地帯となっている。これは種子島のKE(E)SI(4地 点中8393。69だけがKEESIである)とともに,このい くつかの語形の祖形が,この西海方面.の古い言い方で あ.づたことを思わせるものである。KO(0)SI(計10地 点中7391。44だけがKOOSI)はこれらと結合してい
る。多くはDESI 9などの方が前部分となっている。
三重では2地点がDEESIでありながら,後部分が
HO(0)SIとなっている。.この三重のものまでをも上 と関係をつけることは困難であろうが,DESIなどが,
同じような音の反覆を求め,しかもそれが口腔の奥での 発音の子音になっているのは偶然であっても興味深い。
これらは「弟子恋ほし」「弟子欲しい」「弟子法師」などと意 味をつけられている場合もあるから,このように,その
2に持ってきた理由がこの部分に関してはないわけでは ない。
なお,このHO(0)SIは〜SIという語形の類似でこ こに置いたが,色はその1の図のH〜類に合わせて赤と した。また,このその2の図のHOSIIなどHO(0)〜
の語形とも関係づけて考えなければならないが,.四国か