えてくる,といったことは,多少はあったかも知れな
い。和歌山の HURUCUKO, HUROCUKO はこ のHURUCUKUの変種であろう。
埼玉。東京。神奈川に計5地点ある且0(0)CUKO一
(0),HOOCUKUは,鳥の名のHOOCUK:Uなど
と地域的に一致するか,または近い関係にある。ただし,
新潟のHOCUKUは,鳥の名に関係あるらしいもの
が近くに見あたらない。
桃の GOROK:UTOは,鳥取に8地点あるものと,
大分・宮崎・熊本にあるものとに二大別できる。GO−
ROK:UTOを「五六斗」と考えている地方もあるようで ある。〜KUTOについては,後にも述べる。
GOROCCYO(0)は静岡東半を中心に分布していて,
強固である。山梨にもこの連なりがあり,ちょっと飛んで 長野にも1地点(5674.54)ある。これは212図の鳥の名と 一致している。GOROCCI, GOROSICIは,もちろん
このGOROCCYO(0)と関係があり,領域を接して
静岡・山梨に見られる。いずれも,地点数は鳴き声の方 が少し少ないようである。GOROSUK:Eは,静岡西部を中心に東海方面に多く 分布するとともに,福島にも多少見られる。東海地方そ の他で,志摩,知多,伊豆,三浦,房総の各半島の先端部 に分布が見られるのは,関東の縁辺部である福島に見ら れることとともに,関東から中部南部にかけて,かつて はもっと多く分布していたことを示すのかも知れない。
なお,GUU(GUU)などその1の図に示したG〜と
関係があるものもありそうである。
なお,この図でG〜の類としたものとしては,そのほ
か,GOISUKEが滋賀に1地点, GOROSUTOが鳥 取に1地点,GOROCUKIが岡山に1地点, GORO−
HUTOが鳥取に1地点, GURUTTOが千葉に1地点 などがある。以上のうちのGOROHUTOとGURU−
TTOについては後にも述べる。
空のTERESUKE以下は, T〜, D〜で始まるもの
である。TERESUKEは福島3地点,長野1地点で,
関東のまわりという点ではGOROSUKEと同様であ
る。これは鳥の名とは関係がないようである。
TERECUKEには,最後の〜CUKEの〜Eが〜1
であるものも含まれている。秋田の1地点を除いて,島 根の出雲地方に集中している。このうち1地点だけが HOOSOにつつくのに対して,.
シはHOOS(Y)Eにつ
づく点,興味深い。この点でも固定度が強いといえよう。TERICIKEは出雲に1地点だけであるが,これ
も同じ:ものと認めていいであろう。
2地点見られる福島のTERESUK:0,1地点見られ る長野のTERESUKUは,ともにTERESUKEと
関係があろうが,長野の方は互いにいささか離れてい る。以上のもののTERE部分は動詞「照る」と関係があ るかも知れない。
TERECUKUは長野2地点,福岡1地点である。長
野県に2地点であるが,互いに離れて見出され,関係が あるかどうか不明である。福岡の方は,鳥の名もTE−
RECUI(Uであるが,長野ではこれを鳥の名とはして いない。鹿児島のTEECIKO 1地点は,これまでのも のと語形は似ているが,関係はないのではなかろうか。
これは,すでに述べたDESIと関係があるものかも知 れない。
島根のTORICUK:1は孤例であろうか。福岡のTO−
ROSUKOとTOROSUK:Eとは,互いに近くもあり,
当然関係があろう。TOROSUK:Eと,岩手に3地点の DOROSUK:Eとは,関係なさそうである。
DOROCUI(Eは鳥取4地点,京都1地点であるが,
京都のものも山陰に近いところなので,関係があろうか と思われる。後ろにHOOSO(0)がっくものが多いこ
とでも共通点が多い。長野のDOROCUKUとは直接
の関係はなかろう。岩手と佐賀に1地点ずつのDOROSUKOは直接の
関係はなかろうが,岩手のものはDARASUK:0,佐賀のものは福岡のTOROSUKOと関係があろう。
岩手のDOROZUKIは実際はDOROZUGIである が,これは分布からすると,DOROCUKEではなく DOROSUKEの関係のものかと思おれる。
BORO関係は茶で示してある。この類で一番多いの
はBOROKITEである。このあとにはHOOK:0(0)
が続くものが圧倒的に多い。主として西日本に分布して おり,東EI本では千葉県にあるだけである。広島県を中 心としているが,三重・奈良,淡路島にもあることは,
もと,近畿地方にも幾分か存在したのではないかと思わ せる。山踏西部,大分東部にも見られるので,以前は瀬 戸内海にも,広く分布していたものと思われる。現在も 点在している。
BOROKICIは栃木の1地点は別であるが,広島の 3地点はBOROKITEの地域の近くであるから,関係
あろう。栃木のものは「ぼろ吉」と人名めかしたものでは 114− 299レ
ないかと思われる。鳥の名としてのBOROKICIが 212図にある。これは,鳴き声のBOROKICIと同じ
地点ではないが,近いところにある。鳥の名のBORO−KITEHOOKOOが大分県にあるが,これは鳴き声と
地点が一致している。
BOROKITAも岡山・広島・山口にあり, BORO−
KITEに近いところに分布している。 BOROKICI
と同じことがいえよう。BORO類のうち,ここまではHOOKOOとの結びつきが強固である。
BOROSUKEは岩手,栃木,東京に1地点ずつ見ら れる。千葉のBOROKITE,栃木のBOROKICIと 合わせて,関東にもある程度のBORO類があったも のと思われる。栃木のBOROSUKEは近くにHO−
ROSUKEの地域があり,もちろん関係があろう。
BORUSUKUは,房総半島先端部に見られる。上
のBORO〜類の変化したものかと思われる。ZURUTTOは千葉に8地点ある。「ずっと続けて」
の意味であるとの注記があった。また,HOOI(00 に つづくのが7地点である。この言い方の領域の中心と
なっている千葉県北部には,鳥の名のZUKUの地域
がある。関係があるかも知れない。利根川北岸の茨城県北浦沿いに1地点だけZUROTTOがあるが,おそら
く関係があろう。
ZIROSUKEは伊豆半島先端部にある。 ZURU−
TTO とは関係なさそうで,むしろ近くに3か所ある
GOROSUKEと関係があろう。
HOS(Y)E(E)からTEAGOまでは,このその2
の地図で,鳴き「声の後部分以下になることの多いもので ある。色はそのまえにつく前部分と同じ色を与えること にしたので,符号の色が違っても同じ形のものは,同じ 語形を示すことを注意してほしい。
まず,HOS(Y)E(E)は「干せ」からきているであろ う。以下HOZEまではこの類にはいると見てよいもの が多い。新潟が12地点でもっとも多く,福井,福島が 2地点ずつ,あと秋田,岐阜,兵庫・鳥取に1地点ずつ である。例外はあるものの,日本海岸に圧倒的に多いこ とは,天候がとかく気になる地方だからであろうか。
HOSENは,なんであろうか。「干せん」だとすると 意味がつかみにくい。地点数は少なく,福井・新潟にi 地点ずつである。HOSSYOは新潟に1地点, HOIS−
0は島根に3地点である。
HOOS(Y)E(E)はHOS(Y)E(E)よりも多い。
299 115
擬声語的な色彩を帯びているものかと思われる。地点が 多いだけにH:OS(Y)E(E)よりも広い範囲にわたって 見られる。やはり新潟に20地点と多いが,全体に対す
るウエイトでは下がっている。あとは,秋田17地点,
山形4地点,福島2地点,長野4地点,富山2地点,福 井2地点,岐阜13地点,静岡1地点,滋賀6地点,京 都4地点,三重2地点,兵庫7地点,鳥取5地点,島根 15地点,岡山2地点,広島10地点,山口2地点,愛媛 8地点,大分3地点,熊本・宮崎各1地点ということに なっている。秋田および山陰に目立つが,ずっと南の方 へも領域がひろがっている。中ではHOOSEが圧倒的
に多い。
同様に,HOOS(Y)ENもHOSENよりも多い。
全部で8地点のうち,6地点が鳥取であって,あとは山
.口と新潟とである。
HOOSO(0)は以上のものよりも西に中心を移し,
島根16地点,鳥取5地点を中心としている。あとは兵 庫11地点,京都5地点で,それぞれ日本海岸に分布し 上記のものに連なっている。ほかに岡山1地点,広島2 地点,新潟1地点,福岡1地点があって,上記のものと 関係のあることを示す。ただし,愛媛に3地点あるのは ちょっと飛び地となる。しかし,HOOS(Y)E(E)も 愛媛に相当あったのでそれと関係があろう。あるいは昔 は領域がつづいていたのかとも考えられる。127図「し もやけ(凍傷)」でも,愛媛に日本海岸的な色彩があった。
HOOSOとHOOSOOの地点数の内訳は,だし.・たい
同じである。
HAOOSEは新潟に2地点ある。ここでは,「ハオオ
セ」のように表記してあるが,AOO部分は開いたオで〔hっ:se〕である。HOOSUは鳥取に1地点である。
HWOOS(Y)E(E)が山形に3地点ある。これは,
HO〜のこの地方の方言音HWO〜の残存物と見てい
いであろう。Yが括弧に入れてあるが具体的にはすべて〜SYE〜で,〜EE〜とのびるのは4700.37である。
HOHE(E)は「干せ」などからの変種と考えられる。
秋田・青森に4地点ある。HOOHEも同様で,秋B]・
岩手で3地点である。7図「セナカ(背中)のSE一の 音」,8図「アセ(汗)の一SEの音」などのSEの変化を 参照するといい。これらの図にはSEが、SYEとなる 地方も示されている。
HOSIIは「欲しい」と考えられているのであろうか。
新潟に1地点だけである。
HOETOは,112図「ものもらい」に出た語形で,こ.
こでは福島に1地点だけあらわれる。この地点は「もの もらい」ではHOITOではないし,また近くにもこれら の語形はない。なお,6384.25(山口)は〔hoeto:〕で同じ ようであるが,上に何もついていないので,この図では
2回分に分割してその1の図にHOI+TOOで出して
ある。この方は少し東の島根との県境から東に「ものもらい」のMEBOITOがある。
HOZEは宮崎に1地点だけである。
HOK:00からBOOK:0までは「奉公」類と考えられ
るものである。HOKOOはその変種で千葉に1地点あ る。この類の中ではHOOKOOがもっとも多い。瀬戸
内海の特に北岸を中心として岡山3地点,広島13地点,山口10地点,愛媛1地点とあり,西方,大分4地点,宮 崎1地点などに及ぶ。HOSE類の南側に分布し,比較 的天候を気にしない地方でいわれているようである。東 方では千葉の18地点が中心で,あと静岡に6地点,愛 知1地点,山梨2地点などである。東西にわかれた分布 については,もと1つのつづいたものであったかどうか 議論㊧分かれるところと考えられるが,奈良の1地点,
淡路の1地点は連続説のひとつの根拠となろう。
MUDABOOI(00の2地点(静岡,千葉)は,その前 にHO(0)KOOというものがついており,その繰り返 し表現となっている。「奉公」よりさらに人間のことばに 近く,かつヤユしたものとなっている。
HOOKOOS(Y)EEは広島3地点,岡山1地点で,
岡山のものが〜Y〜である。HOKOOSEEは広島2地
点で,これら命令形のものに対して,HOKOSYO(0)の静岡5地点,HOKOOSYOOの静岡1地点, HOO−
KOOSYO(0)の静岡8地点,愛知1地点は,意志また はさそいかけと見ることができる。
HOKOCCYOは上にGOROCCYOがついており,
これとゴロを合わせたものであろう。静岡に1地点であ
る。HOOGOは茨城で,おそらくHOOKOと同じと
認めるべきものである。BOOK:0(広島)は連濁による ものであろう。
KAESE(E)は京都5地点のほか,福島,福井,岡 山各1地点と,かなり広い地域に散在している。福島
でHOROSUKEが上についているのを別にすれば,
KURUTTO, HOROTTO, GOROTTOなどが上に
ついており,ひつくり返す意味の擬態語が上についた感 じである。なおここで,〜TTO,〜K:UTOなど,お
116
よびそれに類似するものが全国のどこに分布するかを見 ると,大体5か所にまとまっていると言うことがでぎ
る。まず,ZURUTTOを中心としてZUROTTO,
GURUTTO, GOROTTOなどのある茨城・千葉の境
界地方の東部,つぎに京都中央部を中心としたKURU−TTO, HOROTTO, GOROTTOの地帯,それから GOROKUTOを中心としほかにGOROSUTO, HO−
RUKUTO, GOROHUTOなどのある鳥取の中央部 から西部の地帯,さらにKOROTTO, GORUTTO,
KOROKUTO, GOROKUTOなどの大分・熊本とい う九日中央付近,およびGOROKUTOの宮崎南端部
がこれである。最後の2つは,地域の近接,語形の類似 から,相互に何か関係ありそうであるが,その.他は個 別的なものか,古い連続があったのかどうかはわからな い。たとえば,京都は〜TTOが多く,鳥取に〜KUTO が多いし,この中聞には,両者に共通するGO盈0〜は 見あたらないのである。
TOOITTE(香川), TOOKITE(京都,香川),TOO−
SITE(石川,香川)などが,鳴き声の前部分になってい るのに対し,TOOSE(E)(三重4地点)はすべて後部分 になっている。TOO〜の部分は共通であるが,同類の ものと認めていいかどうか疑問である。ただし,両者を つなぐように TOORU が香川と三重に1地点ずつあ り,しかも,香川のは前部分,三重のは後部分と分かれ ているのはおもしろい。三重のTOORUは上がBORO−
KITEだから「通る」と考えられているのであろう。こ
れに対して,三i重のTOOSEは,上がKOHECUKIE
などが多いから,通行させろの意味というより,最後ま でやれ,の意味と考えられているのかも知れない(BO−
ROKITETOORUも通行するの意味かも知れない)。
なお三重では「ふるい」をトオシというから,何か関係が あるかも知れない。
TONTAN, DANDANはT〜の縁でここに置いた が,上のTOOSEなどの類とは関係がうすい。ただ しこのTONTANとDANDANの両者は,ともに福
岡であるという点で関係があろう。
DOOSURU(滋賀), DOOSITA(三重3地点,愛知,
岩手),DOSITAI(三重), DOOSYOO(三重・滋賀,
兵庫)は「どうする」を中心としたもので,兵庫,岩手の 他は,互いに近くにあらわれる。DOOK:AIは熊本で,
これは,遠くはなれている。
DEESYOOは埼玉3地点と岩手1地点であるが,
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