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ドキュメント内 著者 国立国語研究所 (ページ 119-123)

えてくる,といったことは,多少はあったかも知れな

い。和歌山の HURUCUKO, HUROCUKO はこ のHURUCUKUの変種であろう。

 埼玉。東京。神奈川に計5地点ある且0(0)CUKO一

(0),HOOCUKUは,鳥の名のHOOCUK:Uなど

と地域的に一致するか,または近い関係にある。ただし,

新潟のHOCUKUは,鳥の名に関係あるらしいもの

が近くに見あたらない。

 桃の GOROK:UTOは,鳥取に8地点あるものと,

大分・宮崎・熊本にあるものとに二大別できる。GO−

ROK:UTOを「五六斗」と考えている地方もあるようで ある。〜KUTOについては,後にも述べる。

 GOROCCYO(0)は静岡東半を中心に分布していて,

強固である。山梨にもこの連なりがあり,ちょっと飛んで 長野にも1地点(5674.54)ある。これは212図の鳥の名と 一致している。GOROCCI, GOROSICIは,もちろん

このGOROCCYO(0)と関係があり,領域を接して

静岡・山梨に見られる。いずれも,地点数は鳴き声の方 が少し少ないようである。

 GOROSUK:Eは,静岡西部を中心に東海方面に多く 分布するとともに,福島にも多少見られる。東海地方そ の他で,志摩,知多,伊豆,三浦,房総の各半島の先端部 に分布が見られるのは,関東の縁辺部である福島に見ら れることとともに,関東から中部南部にかけて,かつて はもっと多く分布していたことを示すのかも知れない。

なお,GUU(GUU)などその1の図に示したG〜と

関係があるものもありそうである。

 なお,この図でG〜の類としたものとしては,そのほ

か,GOISUKEが滋賀に1地点, GOROSUTOが鳥 取に1地点,GOROCUKIが岡山に1地点, GORO−

HUTOが鳥取に1地点, GURUTTOが千葉に1地点 などがある。以上のうちのGOROHUTOとGURU−

TTOについては後にも述べる。

 空のTERESUKE以下は, T〜, D〜で始まるもの

である。TERESUKEは福島3地点,長野1地点で,

関東のまわりという点ではGOROSUKEと同様であ

る。これは鳥の名とは関係がないようである。

 TERECUKEには,最後の〜CUKEの〜Eが〜1

であるものも含まれている。秋田の1地点を除いて,島 根の出雲地方に集中している。このうち1地点だけが HOOSOにつつくのに対して,.

シはHOOS(Y)Eにつ

づく点,興味深い。この点でも固定度が強いといえよ

  う。TERICIKEは出雲に1地点だけであるが,これ

  も同じ:ものと認めていいであろう。

   2地点見られる福島のTERESUK:0,1地点見られ   る長野のTERESUKUは,ともにTERESUKEと

  関係があろうが,長野の方は互いにいささか離れてい   る。以上のもののTERE部分は動詞「照る」と関係があ   るかも知れない。

   TERECUKUは長野2地点,福岡1地点である。長

  野県に2地点であるが,互いに離れて見出され,関係が   あるかどうか不明である。福岡の方は,鳥の名もTE−

  RECUI(Uであるが,長野ではこれを鳥の名とはして   いない。鹿児島のTEECIKO 1地点は,これまでのも   のと語形は似ているが,関係はないのではなかろうか。

  これは,すでに述べたDESIと関係があるものかも知   れない。

   島根のTORICUK:1は孤例であろうか。福岡のTO−

  ROSUKOとTOROSUK:Eとは,互いに近くもあり,

  当然関係があろう。TOROSUK:Eと,岩手に3地点の   DOROSUK:Eとは,関係なさそうである。

   DOROCUI(Eは鳥取4地点,京都1地点であるが,

  京都のものも山陰に近いところなので,関係があろうか   と思われる。後ろにHOOSO(0)がっくものが多いこ

  とでも共通点が多い。長野のDOROCUKUとは直接

  の関係はなかろう。

   岩手と佐賀に1地点ずつのDOROSUKOは直接の

  関係はなかろうが,岩手のものはDARASUK:0,佐賀

  のものは福岡のTOROSUKOと関係があろう。

   岩手のDOROZUKIは実際はDOROZUGIである   が,これは分布からすると,DOROCUKEではなく   DOROSUKEの関係のものかと思おれる。

   BORO関係は茶で示してある。この類で一番多いの

  はBOROKITEである。このあとにはHOOK:0(0)

  が続くものが圧倒的に多い。主として西日本に分布して   おり,東EI本では千葉県にあるだけである。広島県を中   心としているが,三重・奈良,淡路島にもあることは,

  もと,近畿地方にも幾分か存在したのではないかと思わ   せる。山踏西部,大分東部にも見られるので,以前は瀬   戸内海にも,広く分布していたものと思われる。現在も   点在している。

   BOROKICIは栃木の1地点は別であるが,広島の   3地点はBOROKITEの地域の近くであるから,関係

  あろう。栃木のものは「ぼろ吉」と人名めかしたものでは 114−      299

ないかと思われる。鳥の名としてのBOROKICIが 212図にある。これは,鳴き声のBOROKICIと同じ

地点ではないが,近いところにある。鳥の名のBORO−

KITEHOOKOOが大分県にあるが,これは鳴き声と

地点が一致している。

 BOROKITAも岡山・広島・山口にあり, BORO−

KITEに近いところに分布している。 BOROKICI

と同じことがいえよう。BORO類のうち,ここまでは

HOOKOOとの結びつきが強固である。

 BOROSUKEは岩手,栃木,東京に1地点ずつ見ら れる。千葉のBOROKITE,栃木のBOROKICIと 合わせて,関東にもある程度のBORO類があったも のと思われる。栃木のBOROSUKEは近くにHO−

ROSUKEの地域があり,もちろん関係があろう。

 BORUSUKUは,房総半島先端部に見られる。上

のBORO〜類の変化したものかと思われる。

 ZURUTTOは千葉に8地点ある。「ずっと続けて」

の意味であるとの注記があった。また,HOOI(00 に つづくのが7地点である。この言い方の領域の中心と

なっている千葉県北部には,鳥の名のZUKUの地域

がある。関係があるかも知れない。利根川北岸の茨城県

北浦沿いに1地点だけZUROTTOがあるが,おそら

く関係があろう。

 ZIROSUKEは伊豆半島先端部にある。 ZURU−

TTO とは関係なさそうで,むしろ近くに3か所ある

GOROSUKEと関係があろう。

 HOS(Y)E(E)からTEAGOまでは,このその2

の地図で,鳴き「声の後部分以下になることの多いもので ある。色はそのまえにつく前部分と同じ色を与えること にしたので,符号の色が違っても同じ形のものは,同じ 語形を示すことを注意してほしい。

 まず,HOS(Y)E(E)は「干せ」からきているであろ う。以下HOZEまではこの類にはいると見てよいもの が多い。新潟が12地点でもっとも多く,福井,福島が 2地点ずつ,あと秋田,岐阜,兵庫・鳥取に1地点ずつ である。例外はあるものの,日本海岸に圧倒的に多いこ とは,天候がとかく気になる地方だからであろうか。

 HOSENは,なんであろうか。「干せん」だとすると 意味がつかみにくい。地点数は少なく,福井・新潟にi 地点ずつである。HOSSYOは新潟に1地点, HOIS−

0は島根に3地点である。

 HOOS(Y)E(E)はHOS(Y)E(E)よりも多い。

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擬声語的な色彩を帯びているものかと思われる。地点が 多いだけにH:OS(Y)E(E)よりも広い範囲にわたって 見られる。やはり新潟に20地点と多いが,全体に対す

るウエイトでは下がっている。あとは,秋田17地点,

山形4地点,福島2地点,長野4地点,富山2地点,福 井2地点,岐阜13地点,静岡1地点,滋賀6地点,京 都4地点,三重2地点,兵庫7地点,鳥取5地点,島根 15地点,岡山2地点,広島10地点,山口2地点,愛媛 8地点,大分3地点,熊本・宮崎各1地点ということに なっている。秋田および山陰に目立つが,ずっと南の方 へも領域がひろがっている。中ではHOOSEが圧倒的

に多い。

 同様に,HOOS(Y)ENもHOSENよりも多い。

全部で8地点のうち,6地点が鳥取であって,あとは山

.口と新潟とである。

 HOOSO(0)は以上のものよりも西に中心を移し,

島根16地点,鳥取5地点を中心としている。あとは兵 庫11地点,京都5地点で,それぞれ日本海岸に分布し 上記のものに連なっている。ほかに岡山1地点,広島2 地点,新潟1地点,福岡1地点があって,上記のものと 関係のあることを示す。ただし,愛媛に3地点あるのは ちょっと飛び地となる。しかし,HOOS(Y)E(E)も 愛媛に相当あったのでそれと関係があろう。あるいは昔 は領域がつづいていたのかとも考えられる。127図「し もやけ(凍傷)」でも,愛媛に日本海岸的な色彩があった。

HOOSOとHOOSOOの地点数の内訳は,だし.・たい

同じである。

 HAOOSEは新潟に2地点ある。ここでは,「ハオオ

セ」のように表記してあるが,AOO部分は開いたオで

〔hっ:se〕である。HOOSUは鳥取に1地点である。

 HWOOS(Y)E(E)が山形に3地点ある。これは,

HO〜のこの地方の方言音HWO〜の残存物と見てい

いであろう。Yが括弧に入れてあるが具体的にはすべて

〜SYE〜で,〜EE〜とのびるのは4700.37である。

 HOHE(E)は「干せ」などからの変種と考えられる。

秋田・青森に4地点ある。HOOHEも同様で,秋B]・

岩手で3地点である。7図「セナカ(背中)のSE一の 音」,8図「アセ(汗)の一SEの音」などのSEの変化を 参照するといい。これらの図にはSEが、SYEとなる 地方も示されている。

 HOSIIは「欲しい」と考えられているのであろうか。

新潟に1地点だけである。

 HOETOは,112図「ものもらい」に出た語形で,こ.

こでは福島に1地点だけあらわれる。この地点は「もの もらい」ではHOITOではないし,また近くにもこれら の語形はない。なお,6384.25(山口)は〔hoeto:〕で同じ ようであるが,上に何もついていないので,この図では

2回分に分割してその1の図にHOI+TOOで出して

ある。この方は少し東の島根との県境から東に「ものも

らい」のMEBOITOがある。

 HOZEは宮崎に1地点だけである。

 HOK:00からBOOK:0までは「奉公」類と考えられ

るものである。HOKOOはその変種で千葉に1地点あ る。この類の中ではHOOKOOがもっとも多い。瀬戸

内海の特に北岸を中心として岡山3地点,広島13地点,

山口10地点,愛媛1地点とあり,西方,大分4地点,宮 崎1地点などに及ぶ。HOSE類の南側に分布し,比較 的天候を気にしない地方でいわれているようである。東 方では千葉の18地点が中心で,あと静岡に6地点,愛 知1地点,山梨2地点などである。東西にわかれた分布 については,もと1つのつづいたものであったかどうか 議論㊧分かれるところと考えられるが,奈良の1地点,

淡路の1地点は連続説のひとつの根拠となろう。

 MUDABOOI(00の2地点(静岡,千葉)は,その前 にHO(0)KOOというものがついており,その繰り返 し表現となっている。「奉公」よりさらに人間のことばに 近く,かつヤユしたものとなっている。

 HOOKOOS(Y)EEは広島3地点,岡山1地点で,

岡山のものが〜Y〜である。HOKOOSEEは広島2地

点で,これら命令形のものに対して,HOKOSYO(0)

の静岡5地点,HOKOOSYOOの静岡1地点, HOO−

KOOSYO(0)の静岡8地点,愛知1地点は,意志また はさそいかけと見ることができる。

 HOKOCCYOは上にGOROCCYOがついており,

これとゴロを合わせたものであろう。静岡に1地点であ

る。HOOGOは茨城で,おそらくHOOKOと同じと

認めるべきものである。BOOK:0(広島)は連濁による ものであろう。

 KAESE(E)は京都5地点のほか,福島,福井,岡 山各1地点と,かなり広い地域に散在している。福島

でHOROSUKEが上についているのを別にすれば,

KURUTTO, HOROTTO, GOROTTOなどが上に

ついており,ひつくり返す意味の擬態語が上についた感 じである。なおここで,〜TTO,〜K:UTOなど,お

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よびそれに類似するものが全国のどこに分布するかを見 ると,大体5か所にまとまっていると言うことがでぎ

る。まず,ZURUTTOを中心としてZUROTTO,

GURUTTO, GOROTTOなどのある茨城・千葉の境

界地方の東部,つぎに京都中央部を中心としたKURU−

TTO, HOROTTO, GOROTTOの地帯,それから GOROKUTOを中心としほかにGOROSUTO, HO−

RUKUTO, GOROHUTOなどのある鳥取の中央部 から西部の地帯,さらにKOROTTO, GORUTTO,

KOROKUTO, GOROKUTOなどの大分・熊本とい う九日中央付近,およびGOROKUTOの宮崎南端部

がこれである。最後の2つは,地域の近接,語形の類似 から,相互に何か関係ありそうであるが,その.他は個 別的なものか,古い連続があったのかどうかはわからな い。たとえば,京都は〜TTOが多く,鳥取に〜KUTO が多いし,この中聞には,両者に共通するGO盈0〜は 見あたらないのである。

 TOOITTE(香川), TOOKITE(京都,香川),TOO−

SITE(石川,香川)などが,鳴き声の前部分になってい るのに対し,TOOSE(E)(三重4地点)はすべて後部分 になっている。TOO〜の部分は共通であるが,同類の ものと認めていいかどうか疑問である。ただし,両者を つなぐように TOORU が香川と三重に1地点ずつあ り,しかも,香川のは前部分,三重のは後部分と分かれ ているのはおもしろい。三重のTOORUは上がBORO−

KITEだから「通る」と考えられているのであろう。こ

れに対して,三i重のTOOSEは,上がKOHECUKIE

などが多いから,通行させろの意味というより,最後ま でやれ,の意味と考えられているのかも知れない(BO−

ROKITETOORUも通行するの意味かも知れない)。

なお三重では「ふるい」をトオシというから,何か関係が あるかも知れない。

 TONTAN, DANDANはT〜の縁でここに置いた が,上のTOOSEなどの類とは関係がうすい。ただ しこのTONTANとDANDANの両者は,ともに福

岡であるという点で関係があろう。

 DOOSURU(滋賀), DOOSITA(三重3地点,愛知,

岩手),DOSITAI(三重), DOOSYOO(三重・滋賀,

兵庫)は「どうする」を中心としたもので,兵庫,岩手の 他は,互いに近くにあらわれる。DOOK:AIは熊本で,

これは,遠くはなれている。

 DEESYOOは埼玉3地点と岩手1地点であるが,

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