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 吉水裕也

No.1 単元名 東南アジアー都市国家シンガポールー

筆者 加藤正俊 対象 中学校 第1学年 形式 ■本時指導案

■展開例 現代社会科教育実践講座 第7巻

出典 世界の諸地域と日本との関連学習 編集者 朝倉隆太郎 地理的内容の授業皿

pp.132・137 発行者    研秀出版 発行年 1991年

・ASEAN諸国の中で,奇跡といわれるほどの経済成長をとげ,工業化 において著しい成果をあげつつある都市国家シンガポールを取り上 げて,その工業化の要因を明らかにするとともに,日本とのかかわり に気づかせる。【単元目標】

単元の主な目標 ・シンガポールには,伝統的農業や地場資本がみら・れなかったこと,中 継貿易港としての機能が活用できたこと,政府による強力な工業化政 策などが,東南アジア諸国の中において有数の工業化をなしとげた原 因であることを理解する。また,1968年アジアダラー市場が誕生し,

国際金融センターとしても躍進し,工業化を促進する役割をはたして いることを理解する。【本時のねらい】

a−1 ***

a・2 ***

a・3***

a・4***

a・5***

【視点1】 a・6***

問いの し、 a・7なぜシンガポールが他のアジア諸国とくらべて工業が発達したの 構造 国1学習課題1

b・1***【予想を立てる】

b・2***

b・3***

b・4***

b・5***

a−1一人当たりの国民総生産が7,410ドル(1986年)で,アジアでは日本に 次いで高い(インドネシアの約15倍)。それは主に工業の発展によるも のである。

a 2ジュロン工業地域の写真を見て,港に化学工業などが発達している a−3シンガポールの南西部を中心に工業地域が造成されている。

a−4出荷額は電気,電子,石油精製,同製品が多く,就業者数も電気,電 子,金属製品,非電気電子機械に多い。

a−5電子製品の部品組立工場の写真を通して,高度でしかも多くの技術者 を必要とする労働集約型の工業である。

得 a−6この工業部門での欧米(1960年代後半),日本(1970年代後半)の企業進

・れ 出過程をつかむとともに,出荷額の推移からシンガポール経済を支え

る重要な柱になっている

a−8***

1〕・1***

b・2国士は狭く,インドネシア,マレーシアなどのようにプランテージョ 二/や資源もみられないことが近代工業の受け入れを促進させた。

b−3イギリスの植民地時代より中継貿易港として栄え,商業,情報収集な どの機能を持ち,それが工業化につながった。

b−4政府が積極的に外国企業を導入し,工業を中心にした国づくりをすす

めた。

b−5アジアダラー市場の写真を通して,国際金融センターとしても躍進し,

これが工業化の促進に役立った。

仮説設定者 口授業者      ■学習者 仮説の数 口単数      ■複数

■類似 □対立

口個人の視点 口個人の視点

■社会システムの視点 「仮説(個人の思い,行動)」

「シンガポールの国土はせまく, 口社会システムの視点

【視点2】

仮 プランテーションなどがみられ 「仮説(社会背景)」

仮説の 内説

容の なかったから。」

関係性 の関 質係

「東西海上交通の要地にあり,イ

キリス植民地時代から,中継貿 易として栄えていたから。」

「華僑による商業が発展してい

たから。」

「外国企業をたくさん誘致した

から。」

共 □レベル1  ロレベル2   ■レベル3

関 ・「アジア各国の一人当たりの国民総生産」や「第2次大戦後の政府の工業化

【視点3】 係 政策」を提示することにより,シンガポールが様々な政策により他の東南 アジア諸国と比べて工業が発展していることが把握できる。

規準の

ロレベル1  ロレベル2  ロレベル3

第一段階 的 ・資料に「シンガポールの歩み」,「第2次大戦後の政府の工業化政策」,「電

子・電気機械工業での主な外国企業の進出過程」を提示している。このご 関 とから,シンガポール政府の政策および外国企業の進出とそれらによる 成果が把握できるようになっている。

□なし   ■演線的方法   ロー致法

緯 ・いくつかの予想が立てられ,それを明らかにするために演繹的な検証 他も 一検 が行われている。しかし,同じ原因・結果が生じているシンガポール

【視点4】 のつ 以外の東南アジア諸国が扱われておらず,演線的方法にとどまってい 規準の 原と因も る。

第二段階 のら □なし   ■帰納的方法   □差異法との併用法 排し除い ・東南アジア諸国の地図を提示し,インドネシア,マレーシアなどの

検 ようにプランテーションや資源もみられない国々との比較をするこ 証 とにより,差異法が行われている。しかし,演線的検証において一

致法が行われていないため,帰納的方法に位置づく。

この単元は,ASEAN諸国の中でも経済成長が著しい都市国家シンガポール が事例として取り上げられ,どのように産業の近代化を行い,どのような効果 があったのかを学習している。

本時では,シンガポールにおける近代化を歴史的・地理的・社会的背景から 探り,東南アジア諸国との差異や世界の中の位置づけなどを追究している。学 習課題が設定され,学習者から予想が立てられている。しかし,これは仮説と

して設定されていないため,学習の過程において予想を仮説に高める手立てが 考察 必要である。

また,視点3では,共変関係・時間的順序関係ともにレベル3であり,因果 関係を証明していく過程では質の高い規準となっている。

しかしながら,視点4の帰納的検証では差異法が用いられているが,演繹的 検証において一致法が用いられているが,もっともらしい他の原因の排除が行 われていない。

学習課題を明らかにしていくには,これらの視点を満たし因果関係を証明す ることが必要であると考える。

No.2 単元名 移民を中心につくられた世界の大国アメリカ カリフォルニアの稲作

筆者 陸川晃 対象   中学校 第1学年 形式 ■本時指導案

■展開例 現代社会科教育実践講座 第7巻

出典 世界の諸地域と日本との関連学習 編集者 朝倉隆太郎 地理的内容の授業■

pp.178−185 発行者    研秀出版 発行年 1991年

・世界の国々のリーダー的立場にあるアメリカについて,その広大な国 土や自然,歴史的背景を把握させたうえで,鉱工業や農業の特色や世 単元の主な目標 界に与える影響について日本との関係などから気づかせる。また,ア メリカに潜在する諸問題や,人々の生活に関する特色について,具体 的な事例を通して理解させる。

a−1輸入自由化を求めるアメリカの米は,なぜ安いのだろうか。

【学習課題】

b・1アメリカの米が安くできる要因を知るためにはどのような点を調 べればよいか。

b−2アメリカでは,どのような地域で栽培されているのか,また栽培さ れるようになった理由は何か。

間 b 3アメリカの米はなぜ安いのか,検証の視点を考える。【仮説設定】

し、 b・4カリフォルニアにおける稲作栽培の特色は。

b−5(稲作栽培が大規模経営であることをVTRで確認し)なぜ大規模で あると安くできるのか。

1〕・6***

1〕・7***

b・8***

b・9***

【視点1】 a・1***

問いの b・1***

b・2栽培地域rミシシッピー,テキサス」rカリフォルニア」rフロリダ」

構造 など。栽培されるようになった背景「移民の食料自給のため」「輸出 商品として」など

b・3***

b・4r大規模な農場で大型機械を使用し,少人数で経営」,r自然条件を 得 生かした栽培」など。

b・5労働費や農機具の安さに原因。

b・6「広大な土地に適した作物の栽培」,「少ない労働力での経営の必然 性」

識 b−7カリフォルニアのサクラメントバレーや,サンホアキンバレーの農 業地図をもとに,人々の努力の様子を話し合い,豊かな日射しや肥 沃な大地の他に,豊富な灌激用水など自然を生かす努力がある。そ の背景には日系人をはじめとするアジア系移民の努力があった。

b・8アメリカの農業地域区分図の分布が適地適作である。

b・9アメリカの米の安い要因が大規模経営,適地適作であること,そし てそれがアメリカ農業の特色である。【説明的知識】

仮説設定者 口授業者     ■学習者 仮説の数 □単数      ■複数

【視点2】 ■類似 口対立

仮説の 仮 口個人の視点 口個人の視点

内説

容の 「仮説(個人の思い,行動)」 「仮説(個人の思い,行動)」

関係性 の関 ■社会システムの視点 口社会システムの視点

質係 「広い土地」 「仮説(社会背景)」

「大型機械の使用」

「手間をかけない」

ロレベル1  ロレベル2   ■レベル3 共

・「アメリカの米はなぜ安いのか」を検証する過程で,日本とアメリカの 稲作経営面積や同米における米の生産コストの比較がされ,大きな土

【視点3】 係 地面積を有し生産性も高いアメリカの農業の実態が把握できる資料 規準の の提示がされている。

第一段階 ■レベル1   □レベル2   ロレベル3

・アメリカの大規模経営がいつ頃から始められ,日本への輸出はいつ開

関 始されたのかが確認できる資料の提示が必要である。

□なし   ■演繹的方法   ロー致法 演

緯 ・予想が立てられ,それを検証する過程が見られるため演繹的方法 他も である。しかし,アメリカの農作物の生産と輸出書■1合では他の米

【視点4】 のつ 以外を扱っているが,事例は米のみである。同じ原因・結果であ 原と る他の農作物の事例を取り上げることにより,一致法となり得 規準の 因も

のら る。

第二段階 排し ■なし   □帰納的方法   □差異法との併用法 除い

的 ・大規模経営や適地適作がアメリカ農業の特色であるが,その特色 検 と異なる地域における農業の特色を扱うことによりレベルは最 証 上位に位置づく。

この小単元は,学習者の身近な農産物である米を事例とし,そこから日本と アメリカの農業の違いをとらえさせ,問題となった米の自由化問題を考えさせ る動機づけとして位置づいている。

この探究活動においては,視点1において問いが具体的に明記されておらず,

どのような問いによってどのような知識が習得されているのかが曖昧である。

考察 また,視点2においては仮説ではなく予想レベルに留まっており,後のもつ どもらしい他の原因を排除することが難しくなるのではないかと考える。

さらに,視点3では共変関係がレベル3であるのに対し,時間的順序関係は レベル1であるため第一の規準を満たしていない。

そして,もっともらしい他の原因を排除する規準も満たしていないため,学 習課題に対して科学的な検証を行っていないと考える。