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授楽モデル設計の基本的考え方

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第1節  授楽モデル設計の基本的考え方

 前章で明らかになったクリティカル・シンキングの因果関係決定方略を用いた授業設計 の視点に基づき,授業を展開するためにはどのような点に留意する必要があるのだろうか。

本節では,授業設計における学習指導案の構成および留意点について,その基本的な考え 方を示す。

11学習指導案の構成

 最初に前章まで述べてきたことを概観すると,次のようになる。

① 平成20年版学習指導要領では言語力の育成が重視され,それに基づき社会科において  は「説明」することが要請されている。

② 中学校社会科地理的分野においては動態的地誌学習が導入され,地理的事象の因果関  係を明らかにするとき,必然的に「説明」することが求められる学習方法であるといえる。.

③社会科において,因果関係を明らかにする検証の過程は具体的に示されていない。そ  ごて,探究学習の検証過程においてクリティカル・シンキングにおける因果関係決定方  略を用いることが,科学的に因果関係を明らかにし,説明的知識を獲得することに有効  である。そして,学習指導要領が求める動態的地誌学習のアプローチにより地理的事象  をr説明」することができるといえる。

④探究学習では,あるプロセスに則って学習者の主体的な学習活動により知識を獲得し  ていく。クリティカル・シンキングの因果関係決定方略を用いた分析フレームワークを  作成し,先行授業実践および授業モデノレを分析した結果,社会事象あるいは地理的事象  の説明的知識を授業者が学習者に与えている事例が多かった。

 これらの点から,探究学習の検証過程においてクリティカル・シンキングの因果関係決 定方略を組み込むことによって,社会事象あるいは地理的事象の因果関係を明らかにし,

学習者が主体的に説明的知識を獲得することができるといえる。

 そこで,概念探究型社会科の授業構成理論の検証過程にクリティカル・シンキングの因 果関係決定方略を組み込み,学習者が主体的に説明的知識を獲得する学習指導案の構成を 検討していく。

(1)概念探究過程の単元設定

 岩日ヨは,概念探究過程は,説明力の大きい概念,法則性を,子どもが探究していく過程 として構成され,「知る」,「わかる」(社会的見方)過程の学習である1とし,「知る」,「わかる」

の過程を以下のように区別している。

「知る」は社会事象の存在を認識することである。

rわかる」は社会事象の関係を認識することである。繧

 また,岩田は,社会事象に関する多様な情報を獲得して,その中で,結果として存在し ている事象に対して,「なぜ」という間いを発して,「原因」を探究していくのが,「わかる」

学習の基本型である3と述べている。このことから,「わかる」過程は「なぜ疑問」による主要 な問いが提示されてから説明的知識を獲得するまでと考えることができる。

 さらに,概念探究の基本的学習過程を次のように示している。

I情報の収集  ■情報の分類・比較  皿学習問題の発見・把握  1V予想の提示  V仮説の設定 VI仮説の根拠となる資料の収集  W検証  V皿まとめ,応用,新しい問いの発見4

 この過程では,I,■が「知る」過程であり,皿以降が「わかる」過程である。社会事象の 因果関係を検証し説明的知識を獲得するにあたり,「わかる」過程だけでは構成できない。

そのため,「知る」過程から「わかる」過程へと進み,学習者が情報を蓄積し社会事象を説明 することのできる展開5が重要である。

(2)単元の指導計画の記述および問いと予想される反応の記述

 岩田は,学習指導案のなかで,単元の指導計画の記述は意外とおざなりにされている6と し,指導計画の改善を次のように主張している。

 単元の指導計画では,単元をつらぬく問いがどのような過程で解かれ,どのような答えを設定している のかがわからなければならない。

 (中略:西沖)指導計画において,基本的な問いとその問いに答えさせたい習得される答えの質(知識の質)

が明示できていることが必要である。7

そして,次のような単元の指導計画の記述の基本形を示している(表W−1)。

表1V−1 「単元の指導計画の記述」の基本型

時 段階 主な間い 目標 資料

1 導  入

2 問題把握

     探究過程の    その時間の    習得させる

@    段階を示す    中核的な    知識内容で

@       問いを示す    記述する 舳〜X 〜、㌧〜舳〜〉WVWへヘベ\V\へ\}、へ榊へV)ヘバヘW

㌧へへ〜V㌧〜 〉VW 〜、

舳 〜、㌧〜舳〜〉WVWへヘベ\V\へ\}V、榊へV)〜v㌔W㌧、へへV〜㌧VW 〜、

(岩田一彦(2001)8より筆者抜粋)

岩岡はこの基本型の有効性について次のように述べている。

 この基本形では「主な問い」の項目を設定し,問いが明示されるようにした。その問いに対する答えの質 は「目標」の項目の申でわかるように計画した。そして,それらの展開にどのような資料が使われているか を示すために「資料」の項目をもうけた。また,単元計画の過程を示すために「段階」という項目をもうけた。

このような形で単元の指導計画を明示しておけば授業後の分析にさいして,仮説的に提案した指導計画が 妥当か否かについて,授業の事実と照合して検討していくことができる。9

また,社会科では教師が授業を設定し,子どもが問題を解いていきたいという意欲を持

つ状況を作っていくのが教師の仕事であるとし,社会科授業は「問いと一答え」の往復運動 の中で展開される1Oと述べている。そして,学習指導案についてもそのような形で書かれる べきであるとし,次のように「本時の学習指導細案」の基本型を提示している(表1V−2)。

図IV−2 r本時の学習指導細案」記述の基本型 段階  主な発間

ノ㌔〃小べ川くへくく朴くくくバ

予想される発言・思考