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10 10 30 9画素の平均値=18

ドキュメント内 九州大学学術情報リポジトリ (ページ 97-108)

図-5.9 3×3平均化フィルタのイメージ

91 (2) 平均空隙厚さの算出方法

粒子解析5.7)により空隙の面積と座標情報を取得し,アルミ棒下面に相当する面積のみを合計し,ス ライス厚(0.16mm)を乗じることで,アルミ棒下面の空隙の体積を算出した。

以上より得られた空隙体積をアルミ棒下面の表面積(図-5.10ハッチング部,四角: 15mm×80mm,

丸: 15mm×π/2×80mm)で除した値を平均空隙厚さとする。すなわち,この平均空隙厚さは,アル ミ棒下面の単位面積あたりの空隙体積を表したものである。

図-5.10 アルミ棒下面の面積の定義

(3) 平均空隙厚さの算出結果

表-5.3 に平均空隙厚さの算出結果を示す。また,平均空隙厚さを上段,下段ごとに各配合で比較 した結果を図-5.11および図-5.12に示す。

上段のアルミ棒の下面には,1.5~5.0mmの厚さの空隙が形成されることが明らかとなった。また,

水セメント比が大きい程,空隙厚さが大きいことが分かる。表-5.2 に示すように水セメント比が大 きいほどブリーディング量は大きいことから,ブリーディングが上段のアルミ棒下面に形成される空 隙厚さに大きく影響していることが推察される。

一方,下段のアルミ棒の下面には,0.15~0.26mmの空隙が確認された。既報の実験 5.6)では,水セ

メント比 60%のモルタル供試体において,下端から 30mm の位置に配置した鉄筋の下面には,5~

15mm2の空隙が確認されたが,これを平均空隙厚さに換算すると,0.25~0.75mm となる。この結果 と本研究のX線CTによる計測を比較すると,X線CTにより算出した平均空隙厚さは,断面より求 めた空隙厚さと同等もしくは小さい傾向にあった。

また,下段については,本研究の範囲内では,水セメント比の違いにより平均空隙厚さに明確な違 いは認められなかった。

アルミ棒の形状に関して比較すると,上段では,丸の方が小さい傾向にある一方で,下段では,丸 の方が大きくなる結果となり,本研究の範囲内では,アルミ棒の形状に関して一様な関係性は認めら れなかった。

表-5.4 は,鉄筋下面に形成される空隙厚さについて,既往のデータとの比較を示す。なお,表中 の灰色に塗ったデータは,空隙面積の計測結果から空隙厚さに換算した結果であることを示している。

また,図-5.13は,鉄筋位置の底面からの高さと形成される空隙厚さの関係を既往のデータも含め 整理した結果を示している。図より鉄筋位置の高さが高いほど,空隙厚さが大きくなる傾向が認めら れる。また,コンクリートでは,モルタル,セメントペーストに比べ形成される空隙は小さくなるこ とが分かる。

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表-5.3 平均空隙厚さの算出結果 配合名 アルミ棒の

位置

アルミ棒の形状 四角 丸

N40 上 2.08 1.56

下 0.17 0.26

N50 上 2.40 1.85

下 0.20 0.21

N60 上 5.21 4.54

下 0.16 0.26

(mm)

0.00 1.00 2.00 3.00 4.00 5.00 6.00

N40 N50 N60

平均空隙厚さ( mm )

四角 丸 上段

図-5.11 上段のアルミ棒下面の平均空隙厚さ

0.00 0.10 0.20 0.30 0.40 0.50 0.60

N40 N50 N60

平均空隙厚さ( mm )

四角 丸

下段

図-5.12 下段のアルミ棒下面の平均空隙厚さ

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表-5.4 空隙厚さの既往のデータとの比較5.6)5.8)5.9)5.10) 供試体の

種類

水セメ ント比

単位水量 (kg/m3)

ブリー ディング

率(%)

鉄筋位置

(底面からの 高さ,mm)

空隙厚さ(µm) 空隙面積(mm2)

Otsuki et al.5.8) 0.3 485 0 50 373

-150 587

0.5 611 8.12 50 114

-150 381

-0.7 687 19.89 50 158

-150 422

-M., A., Baccay et al.5.9) 0.55 175 0.62 80 0 0.0

720 0 0.0

1420 137 2.8

225 1.08 80 0 0.0

720 0 0.0

1420 152 3.1

275 6.67 80 0 0.0

720 24 0.5

1420 343 7.0

A., Nasser et al.5.10) 0.45 180 - 50 0

155 0

260 100

365 120

470 200

575 260

680 260

785 630

890 600

995 670

濵田ら5.6) モルタル 0.6 269 - 37.5 445 9.1

- 75 516 10.5

- 112.5 749 15.3

本研究 モルタル 0.4 211 0.00 30 260

470 1560

0.5 250 4.48 30 206

470 1850

0.6 286 9.63 30 260

470 4540

セメント ペースト

コンク リート

コンク リート

94 0.0

0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0

0 500 1000 1500

空隙厚さ(×103 µm)

鉄筋の底面からの高さ(mm) Otsuki et al.5.8) M., A., Baccay et al.5.9) A., Nasser et al.5.10) 濵田ら5.6)

本研究

N60 Otsuki et al.5.8) P Baccay et al.5.9) Con Nasser et al.5.10) Con 濵田ら5.6) Mor

本研究 Mor

図-5.13 鉄筋位置と空隙厚さの関係5.6)5.8)5.9)5.10)

(P:セメントペースト,Con:コンクリート,Mor:モルタル)

95 5.5.2 ブリーディングが空隙形成に及ぼす影響

本項では,上段に配置したアルミ棒下面に形成される空隙とブリーディングの関係について考察す る。アルミ棒の下部で生じたブリーディング水が,アルミ棒の下面に捕捉され,モルタルの硬化後に 空隙として形成されると考え,モルタルのブリーディング量(cm3/cm2)(表-5.2)にアルミ棒の下面 の面積(図-5.10中ハッチング部,四角: 15×80mm,丸: 15×π/2×80mm)を乗じた値「ブリーディ ング量×下面の面積」と,X線CTの計測結果より算出した下面空隙の体積との関係を求めた。図-

5.14に「ブリーディング量×下面の面積」と画像解析より求めた空隙体積の関係を示す。

図-5.14よりブリーディング試験では,ブリーディングが確認されなかった N40 においても,空

隙体積が2~3cm3程であり,これは,ブリーディング試験の容器と供試体の高さの違いや沈降の影響

であると考えられる。一方,N50およびN60では,「ブリーディング量×下面の面積」によって求め たブリーディング体積と上段のアルミ棒下面に形成される空隙の体積は,本研究の試験条件において は,ほぼ一致した。ただし,これはブリーディングと沈降の影響の両者を含め,ブリーディング量を 指標にした評価であり,種々のフレッシュ性状をパラメータとした詳細な空隙体積の定式化について は,今後の検討課題としたい。

また,下段に関しては,「ブリーディング量×下面の面積」との相関は認められないことが明らか となった。

0 2 4 6 8 10

0 2 4 6 8 10

下面の空隙体積(cm3

ブリーディング量×下面の面積

(cm3) N40四角 N40丸 N50四角 N50丸 N60四角 N60丸

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

0 2 4 6 8 10

下面の空隙体積(cm3 )

ブリーディング量×下面の面積 (cm3)

N40四角 N40丸 N50四角 N50丸 N60四角 N60丸

図-5.14 「ブリーディング量×下面の面積」と空隙体積の関係

(左:上段,右:下段)

5.5.3 空隙分布の評価

アルミ棒の下面における空隙分布の評価として,アルミ棒下面での空隙厚さの分布を計算した。な お,アルミ棒の形状が丸の場合には,画像処理による計算が困難であるため,四角の場合についての み評価を行った。計算方法のイメージを図-5.15に示す。図のように空隙の2値化像に対し,アルミ 棒の軸方向の鉛直断面図を厚さ1画素で抽出した。これらの断面図は,図-5.15に示すように,0ま たは255で表される2値化像である。なお,ここでは,空隙部分の輝度値が255となっている。

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これらの数値データから,空隙に相当する画素の個数を数え,1画素の1辺の大きさ0.16mmを乗 じることで空隙厚さとなる。すべての鉛直断面図において同様の計算を行うことで,空隙厚さの2次 元的な分布を得ることが可能である。

図-5.16 および図-5.17 は,アルミ棒下面における空隙厚さの分布を示したものである。上段で は,N50の分布が最もばらつきが少なく,1.12~2.72mmの範囲の厚さで空隙が分布しているのに対し,

N40では,0~4.64mm,N60では3.52~7.04mmと広い範囲で空隙厚さが分布しており,上段の空隙分 布に関して,水セメント比との明確な関係性は認められなかった。

一方,下段については,1ピクセル(0.16×0.16mm)未満の空隙量については,水セメント比が大 きいほど多く,一方,0~0.5mm の厚さの空隙は,水セメント比が大きいほど少なくなる傾向にあっ た。すなわち,水セメント比が大きいほど,局所的かつ粗大な空隙が存在する傾向にあるものと考え られる。図-5.18は,下段のアルミ棒の空隙厚さの平面的な分布を示したコンター図を示したもので ある。図-5.18より,水セメント比が大きいほど,局所的に粗大な空隙が存在していることが確認で きる。また,これらの粗大な空隙が平面的に分布することにより,鉄筋軸方向にマクロセルが生成さ れる原因となるものと考えられた。

500枚

1pixel毎にスライス

pixel30

94pixel

500pixel

30pixel 94

255 255 0 0 0 0 ・ ・ 0 255 255 255 0 0 0 ・ ・ 0 255 255 0 0 0 ・ ・ 0 255 0 0 0 0 0 ・ ・ 0 255 0 0 0 0 0 ・ ・ 0

0 0 0 0 0 0 ・ ・ 0

0 0 0 0 0 0 ・ ・ 0

0 0 0 0 0 0 ・ ・ 0

255 255 255 255 0 0 ・ ・ 0 255 255 255 255 0 0 ・ ・ 0 255 255 0 0 0 0 ・ ・ 0 255 0 0 0 0 0 ・ ・ 0

255 255 0 0 0 0 ・ ・ 0 500pixel

30pixel

図-5.15 空隙厚さの分布の算定方法のイメージ

97 0

10 20 30

0.0 2.0 4.0 6.0 8.0

空隙厚さ(mm)

頻度(%)

N40-上-四角 N50-上-四角 N60-上-四角

図-5.16 空隙厚さの頻度分布(上段)

0 20 40 60 80 100

0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 空隙厚さ(mm)

頻度(%)

N40-下-四角 N50-下-四角 N60-下-四角

図-5.17 空隙厚さの頻度分布(下段)

98

N40下

N50下

N60下

mm 図-5.18 下段アルミ棒下面の空隙厚さコンター図

99 5.6 結論

本章では,コンクリート中の鉄筋周囲に形成される空隙の定量評価について検討を行った。本検討 により得られた結論を以下に示す。

(1) 鉄筋周囲の空隙構造の定量評価に対し,X 線 CT スキャナの適用を考え,アルミニウム製の棒を 鉄筋代替材料として用いることを試みた。その結果,X 線CT スキャナの適用が可能であり,鉄 筋周囲に形成される空隙の定量的な評価が可能であることが明らかとなった。

(2) 土木学会コンクリート標準示方書[施工編]に示される打込み高さの上限値を対象として,供試

体高さを500mmと設定した供試体の上端から30mmの位置に配置しアルミニウム棒下面には,2

~4mmの厚さの空隙が形成されることが明らかとなった。

(3) 一方,底面から30mmの位置のアルミニウム棒の下面では,上段に比べて平均的には空隙厚さは

0.2~0.4mmであるが,数mmの厚さの粗大な空隙が局所的に存在すること明らかとなった。また,

これらの粗大な空隙が平面的に分布することにより,鉄筋軸方向にマクロセルが生成される原因 となるものと考えられた。

(4) また,本研究で得られた空隙厚さは,既往の研究で示された値よりも大きく,実構造物において も鉄筋下面にはmmオーダーの空隙が存在しているものと考えられる。

(5) 鉄筋周囲の空隙の定量的な把握により,空隙体積は,ブリーディング量と打設底面からの高さの 関数として推定できることを示した。

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