• 検索結果がありません。

11.生涯学習・調査研究が進展・充実

ドキュメント内 cover.indd (ページ 33-37)

①日本薬剤師会が2012年に構築した「薬剤師生涯学習支援システム(JPALS)」を全て の薬剤師が活用し、自己の学習成果を記録している。その学習成果は、個々の薬剤師 の日々の業務を通じて社会に実践・還元されており、薬剤師職能の維持・向上に寄与 するとともに、他の医療関係者や国民からも高く評価されている。また、同時に構築 された「e-ラーニングシステム」も、薬剤師の自己学習を支援するツールとして内 容やシステムが充実し、すべての薬剤師に利用されるとともに、研修会に参加できな

い薬剤師にも、均質なレベルの情報をタイムラグなく提供できるツールとして有効に 活用されている。

②JPALSの次の段階として、日本薬学会など関係学会との連携によるオール薬剤師を 対象とした学会認定制度が目的別に整理・構築され、各種認定薬剤師及び専門薬剤師 制度が確立している。

③地域薬剤師会と大学との交流・連携が活発化しており、薬局や病院をフィールドとし た大学と地域薬剤師会等との共同研究・調査が日常的に行われるなど、実務・臨床を ベースとした、薬剤師によるエビデンスの収集・作成・発信が積極的に行われている。

また、大学には、実務・臨床経験の豊富な薬剤師が教員として多数在籍しており、現 場の薬剤師の日常業務や調査・研究を支援している。

④薬剤師の学会参加、学会発表が積極的に行われている。また、発表された内容は全国 的に共有され、薬剤師全体のレベルアップや医療の質の向上に寄与している。

⑤6年制を卒業した薬剤師が長期実務実習の指導薬剤師となっており、自身の実習経験 を活かした学生指導が行われるなど、より充実した実務実習に発展している。

⑥臨床研修指定病院にあっては、指導者の一員として適切に関与している。

 

 2025年の薬剤師像を考えると、これからの薬剤師には、高い専門性と責任感、行動力、

人間性が求められる。これらの資質を備えた薬剤師は、国民・患者からも、他の医療従事 者からも、受け入れられているであろう。

 薬局薬剤師における将来ビジョン策定の目的は、薬剤師が国民の健全な医療・保健・衛 生に貢献する絵姿を示し、真に国民から支持される医薬分業の実現を目指すことにある。

 医薬分業の本質は、薬のプロフェッションである薬剤師が、全ての医薬品の供給管理に 関する一元的な権利と責任を担い、その独立した職責に基づいて合理的かつ高い水準の薬 剤師サービスを提供する体制を構築することにある。

 その実現には、薬局・薬剤師が国民や地域社会の多様なニーズ、医療や薬物治療水準の 進歩、超高齢社会の到来、社会保険財政の逼迫といった状況に応じ、高い倫理と薬学的専 門性に基づく職能を主体的に発揮し、国民・社会に対し明確な結果を示すことが求められ る。

 わが国における医薬分業の歴史を振り返ると、任意分業制度の下で、処方箋を応需する ことが目標であったことから、調剤=医薬分業という理解がなされてきた。先達の努力に より処方箋の利用率が6割超となり、薬局が医療法上の「医療提供施設」と位置づけられ た今こそ、薬剤師が自らの職能に課せられた社会的な公共性と責務を再確認し、調剤業務、

在宅医療、セルフメディケーション、医療・健康相談、公衆衛生など、薬剤師職能に課せ られた多様な役割に取り組まなければならない。その積み重ねが、地域の患者・生活者か ら信頼を得た「かかりつけ薬局」「かかりつけ薬剤師」の定着につながり、医薬分業を成 熟した確固たる制度とする基盤となる。

 さらに、国および都道府県の医療計画、市町村の介護保険事業計画等における地域の医 薬品供給体制および地域包括ケアシステムを構築するにあたり、全国53,000余の薬局・15 万人余の薬局薬剤師が、地域の医療資源として主体的かつ多職種と連携して活動すること が必須となる。そのためには、地域の薬剤師会が、地域の医療・介護計画の作成に関与す るとともに、個々の薬局・薬剤師の取り組みを基礎として、地域の夜間休日の医薬品供給 体制の整備、在宅医療応需体制及び多職種連携ネットワークへの参加、生涯学習の充実、

地域住民に対する啓発活動などの地域における組織的な活動をより強化していく必要があ る。

 本章では、上記のような基本的考え方を踏まえつつ、薬局薬剤師を取り巻く現状と課題

を整理し、今後の取り組みを検討することにより、わが国における薬剤師職能の確立とさ らなる医薬分業の進展・定着を目指していきたい。

ドキュメント内 cover.indd (ページ 33-37)