日本薬剤師会では、日本製薬工業協会、東京医薬品工業協会、大阪医薬品協会に属す る企業等を対象に、企業に勤務する薬剤師の勤務状況や、社業への貢献度および今後の 6年制薬剤師に対する期待に関しアンケート調査を行った。調査は矢野経済研究所に委 託し、2011年10月にアンケート調査票を各社に郵送し、同年12月にかけて回答を返送い ただく形で行った。調査対象は541社で有効回答数は157社、回答率29.0%であった。調 査票は各社の経営者宛に送付しており、回答には各社の経営層あるいは人事部など人事 評価を行う部門の意向が反映していると考えている。なお、今回の調査に回答した企業 に勤務する薬剤師の総数は12,191名であった。
アンケート結果によれば、製薬企業勤務薬剤師の職能に関して「十分発揮している」
が38.9%、「ほぼ発揮している」が50.3%と、約9割の企業が勤務薬剤師の職能を評価し ており、薬剤師は社内において十分に職能を発揮していると評価されていることが伺え る。
設問1:貴社に勤務する薬剤師は、社内において「薬剤師としての職能(知識やスキル)」
を十分に発揮していると思われますか?
次いで、企業内の部門別に勤務薬剤師の貢献度を聞いたところ、「十分貢献している」
あるいは「ほぼ貢献している」への回答は全ての部門で6割強となり、薬剤師は各部門
充分発揮している 38.9%
ほぼ発揮している 50.3%
あまり発揮して いない
8.3%
ほとんど発揮して いない
0.0%
分からない 1.3%
無回答 1.3%
の業務に対する貢献に関しても評価されているとの結果となった。特に、「信頼性保証 部門」(注:会社により呼称が異なる場合もある)では154社中147社(95.5%)が「貢献 している」と評価しており、他の部門を大きく上回っていた。これに対して「貢献して いない」との回答は「管理部門」が17.3%と最も多く、次いで「営業・学術部門」であっ た。なおこの後は、「臨床開発部門」(12.7%)、「創薬研究部門」(11.7%)と続いている。
設問2:部門ごとの勤務薬剤師の貢献度についてお答えください。
各部門における勤務薬剤師の今後の人員計画については、「増やす」との回答は「信 頼性保証部門」が38.2%と最も高く、次いで「技術・製造部門」(29.3%)、「営業・学術 部門」(19.7%)となり、これらの部門では今後、薬剤師の人員数の増加が予想される結 果となった。
0 20 40 60 80 100 (%)
28.6 42.9 7.8 3.9 3.9 13.0
32.9 30.4 7.6 5.1 6.3 17.7
52.6 42.9 2.6 1.9
36.4 45.7 9.3
1.4 4.3 2.9
29.5 47.7 9.1 5.3
1.6 6.8
39.4 33.7 6.7
2.9
4.8 12.5
23.6 44.1 7.9 9.4 8.7 6.3
■十分貢献している ■ほぼ貢献している ■あまり貢献していない
■ほとんど貢献していない ■分からない ■無回答 創薬研究
臨床開発
信頼性保証
技術・製造
営業・学術
コールセンター
管理部門等
設問3:各部門の勤務薬剤師の、今後の人員計画についてお答えください。
6年制薬剤師に対する期待については、「非常に期待している」「やや期待している」
の合計は「信頼性保証部門」で75.8%と最も高く、次いで「技術・製造部門」が65.0%、「営 業・学術部門」が61.2%となり、これら3部門では過半数の会社が6年制薬剤師の活躍 を期待しているとの回答であった。全体の約3/4の会社が「信頼性保証部門」での6年 制薬剤師の活躍を期待していることは特筆に値する。これは、6年制の導入による薬局 実習や病院実習の経験が、「信頼性保証分野」の仕事ではプラスに働くと受け止めてい ることを意味する。
これに対し「管理部門」では「あまり期待していない」「ほとんど期待していない」の 合計が37.6%と、活躍を期待している会社の35.1%より高い結果となった。なお、「創薬研 究部門」「臨床開発部門」の27.4%を筆頭に、6年制薬剤師の活躍について「分からない」
との回答も目立った。「分からない」との回答についてはその理由も聞いているが、6 年制導入によるカリキュラム変更により実際にどのような教育を受けてくるか、あるい は、4年制の薬剤師とどのように違うか分からないため判断できないとの回答もあり、
0 20 40 60 80 100 (%)
9.6 0.6 33.1 56.7
11.5 0 31.2 57.3
38.2 0 59.2 2.5
29.3 1.3 56.7 12.7
19.7 1.9 58.0 20.4
10.8 0 49.7 39.5
6.4 3.2 68.8 21.7
■増加 ■減少 ■現状維持 ■無回答 創薬研究
臨床開発
信頼性保証
技術・製造
営業・学術
コールセンター
管理部門等
今後、6年制の薬剤師が実際に世の中に出てくれば、評価は定まってくるものと期待さ れる。
設問4:6年制薬剤師の活躍を期待する部署についてお答えください。