こうして見てみると、現実問題として学校 事故の補償制度のよりベターな制度の方向性 は、どうあるべきかである。
民間損害保険会社に委託した場合、どうし ても高い人件費・事務費が必要となるため、
コストが高くなり、年間7,000円は現実
問題として保護者に負担させることは不可能 であり、また民間損害保険会社も「ノーロス
・ノープロッフィト」であれば、積極的に引 き受けることは考えられない。
それでは、補助金であるが、現在日本体育
・学校健康センターに事務費・人件費として
年間50億円補助されている、労災や自賠責
も同様に国から事務費・人件費のみの補助を受けているが補償金は、掛け金をFun.dに
している。
このことから考えて補償金を、国の補助金 に頼ることは非常に難しい。
それならば、神戸市のように互助会を設立 する以外に方法はない。 ・
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全国に約20ほどの自治体がセンターのカ
バーできない部分、また補償が不十分な点を 補うために独自に互助会を設立しているが、それは約3,300ある地方自治体のほんの
一握りにすぎないのである。神戸市のように 大きな都市では可能であっても、小さな市町 村では、児童・生徒の人数が少なく制度とし て成り立たないケースがほとんどである。
そこで考えられるのは、その互助会を全国 的な組織として運営することであるが、仮に それが実現されたとして、その場合に業務を 行なう事務費・人件費を考えた場合に、別な 法人に委託しなければならず、どうしても掛
け金が神戸市のように年間500円というこ とでセンターの300円より高くなり、また
掛け金の割に補償がセンターの半分ほどにし
かならない。
またそれが実現された場合、センターのよ うな組織が、日本に2つできることになり非 常に事務効率が悪くなり無駄が多くなる。
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そうなれば、現在ある日本体育・学校健康 センターのメリットを生かし機能を充実する ことが、より実現可能なことでありベターな
ことである。
センターのメリット
①、人件費・事務費を国が負担し採算は、
度外視している。
②、ある程度国が援助しているため信用性 信頼性があり、審査基準が一定でまた 公平である。
③、地域の連携ができる。センターの事務 所の半数以上が県の教育委員会内にあ るため学校設置者との連携がとれる。
充実するということは、勿論補償を十分に できるようにするということ、つまり「死亡 見舞い金の引き上げ、重度障害の場合その治 療費を年金という形で一生補償すること」を 実現すべきであるということである。
そのためには、やはり補償金は受けとる者 の負担ということで掛け金の引き上げはどう
兵庫教育入学
1即
しても必要になってくる。
文部省の学校健康教育課安全係は、義務教 育の場合できるだけ保護者に負担させたくな
いということであるが、現実問題として、教 材費・遠足代・林間(臨海)学校・修学旅行 等保護者が負担している教育費はかなりの額 になっている。学年によって違うが、小学校 の保護者の場合の教育負担金(給食代を除い
て)は年間10,000円〜3, 0000円
とかなりの額になっている。
だからわずか300円の掛け金を600円
に引き上げても、それによって十分な補償が なされるのであれば、保護者も納得してくれ るものと確信している。現実神戸市の保護者
はセンターの掛け金300円と互助会の掛け 金500円合計800円の負担をしている。
また、生活保護・準要保護の掛け金は、セン ターが負担することになっている。
大切なこどもの命のこと(地球上の生きと し潔いけるものは、みんなその命を全うする
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12、ぎ
権利がある)を考えれば早急に取り組むべき
問題である。
センターの掛け金は昭和63年から6年間
据え置かれている。それは、今現在の掛け金 でなんとかペイできているからである。
文部省も、現在の補償金は妥当な金額では ない。死亡、その時点で、その子の一一生が終 わるのであるから将来的に死亡見舞い金の引 き上げ、また重度の障害に対する十分な補償 を考えているということである。
生命・身体への直接的侵害を内容とする人 身事故は、当然、被害者本人や遺族に精神的 にも強い衝撃の遺恨を残す。まして最愛の子 を失った親、ただ一度の人生を決定的に傷つ けられた被害者にとって、この事故、この人 間の生と死あるいは蹄害を、簡単な給付金で なくより客観的で厳粛な形で意義あらしめ、
しかも個別性にふさわしく正当に評価しても らうことによって、自分にも人にも納得させ
たい。
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日本の精神風土のもとでは、わが子の生命身 体に対する侵害は直接自分自身に対する侵害 の意味さえもちうる。たまたま不慮の事故で その子が死亡したからといって、法律関係を いったん断絶させて遺族本位に物事を考える ドライな扶養構成よりも、むしろ椙続的構成 の方がはるかによく日本人の精神的伝続には 適合しているのかもしれない。逸失利益の逆 相続などは、西欧的感覚からすれば、親が子 をくいものにしそこなった損害とすら受け取 られかねないけれども、むしろ日本人にとっ ては、逸失利益にせよ慰謝料にせよ、わが子 の分まで相続して行使してやることが、子に 対する一つの供養であると同蒔に、そう考え 昏ことによって親の悲しみもいくぶんか慰謝 されるのではなかろうか。
そういう意味からも、日本体育・学校健康セ ンターは、教師の過失責任に関係なく、無過
失で給付されるので、そのFulidの充実を
一日も早く実現してほしいものである。
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Fundを充実するためには、財政的裏付
けがなければならず、そのためには再三述べ ているようにセンターの掛け金を2倍に上げ て、大きな事故例えば死亡事故の場合現在の
見舞い金1, 700万円の倍額3,400万
円、そして障害1級などの…生看護を必要と
する被害者には、第1章第3節の補償の定義
で述べたように「受給者に同じ水準の生活維 持を可能ならしめる」ことから障害一時見舞 い金ではなく、その障害が続く限り労災のよ うに年金の型で給付できるようにすべきであ る。教師の過失責任が明らかで、また損害賠 償が示談で解決する場合はいいがそれはほん のわずかである。過失責任を問わず給付されるシステムであ る日本体育・学校健康センターを十分に機能 させる以外良い方法はないのである。
学校事故の場合、教師の過失責任といって も単純ないたずらやふざけ合いあるいは一方 的な加害行為による傷害でもそのようなこと
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が高じた結果とみられるものがほとんどであ る。また活発な年少の多数の児童生徒が集ま る学校生活の場においては、偶発的に起こる このような傷害は避けがたいところであり、
むしろ学校教育の場に内在しているものとみ ることもでき、このことに関し、故意とか過 失とかいってもはじまらないというべきもの がほとんどであるといえる。
センターの目的が「学校の管理下における 児童生徒の災害に対して給付を行い、もって 学校教育等の円滑な実施に資する」であり、
迅速な給付による被害児童生徒の救:済を旨と するものであることを考えるとき学校教育面 の場で、偶発的、不可避的に起こったものに つ一いてまでも損害賠償の対象案件とすること は、やや問題もあるところであり、このよう な場合にむしろセンターの給付制度が学校等 の教育的配慮による当事者間の円満な解決に 役立っものとなることは、明らかである。
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資料
センターの掛け金の引き上げによって、セ ンター機能を充実してよりよい補償が得られ ると論じてきたが、はたして、どれだけのi掛 け金の引き上げで現在の2倍の補償が得られ
るか試算してみた。
法皇の表一2給付額(平成5年度)のうち
医療費は、保護者が一時的に支払うが後で全額給付されるので約130億円はそのままで
問題はない。
死亡見舞い金に関しては現在の1, 700 万円の倍額3,400万円すると
3,400×166=56億4,400万円
となり約56億円必要となってくる。
障害見i舞い金に関しても現行の1級229
0万円を4580万円とし以下14級まで倍
額にしてこれも次頁の別表7の障害等級別件 数にあるそれぞれの人数を掛けて計算してみ
た。
その計算は、次々頁のとおりである。
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