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学校事故の民事上の責任
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第2節 学校事故における責任原因の
法的根拠
学校事故には、教師自身に$る作為的な不 法行為(暴力・体罰)があるが、大部分の場 合は生徒の自招行為かいわゆる生徒聞事故で いわば教師の不作為行為によって生じる。す なわち、教師ら学校側の責任は、教師に与え られている注意義務を尽くさなかったという 不作為行為によって生ずるわけである。
その責任の認定方法としては、次の二つの 潮流があるといえる禦その..つはカロ害者に対 する指導監督義務違反の面からの捉え方で、
他の一つは、被害児童生徒に対する安全保護
(安全配慮)義務違反の面からの捉え方であ る。そこで、教師の作為的不法行為を除き、
両者の義務違反追求の観点から法的規制につ いて述べてみる。
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(1)指導監督義務違反の面から捉えた法的根拠
教師の不法行為(民法709条)とその使
用者である学校設置者の使用者責任(民法715条1項)ならびに使用者に代わって監督
する義務0)ある校長・教頭の使用者代理監督
者責任(民法715条2項)、および国・公
立学校に対して適用される公務員(教員)の 違法の公権力の行使に起因する学校設置者で ある国又は公共団体の賠償責任(国忌法1条
1項)等が挙げられる。
また、園児・児童・生徒ら弁識能力のない 未成年の場合に、教師が親権者代理監督者責
任(民法7!4条2項)を問われることがあ
るが、これも加害児童生徒に対する指導監督 義務の面から捉えたものである。
(2)安全保護義務違反の面から捉えて
幼稚園・保育園と園児の父兄間における幼
児の保育委託契約(準委任一民法656条)
あるいは学校側と児童・生徒もしくはその父
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兄との間の在学契約に基づく債務不履行責任
(民法415条)があり、また、施設・設備
の雨注という点から学校の所有者である学校設置者の土地工作者責任(民法717条1項
・3項)や公の営造物(学校)の設置管理者 である国又は公共団体の賠償責任(国忌法2 条1項)が、これに含まれる。
そして、最:近、学校事故における責任原因 の法的根拠として、加害生徒に対する指導監 督義務としては親権者代理監督者責任(民法
714条2項)が、また、被害生徒に対する
安全配慮義務の面からは保育又は在学契約に
よる債務不履行責任(民法415条)を問う
事例が増えてきているのは注目に値する。
なお、親権者代理監督者責任については、
保育又は在学契約による債務不履行責任とち がって、教師にどうしてこのような監督責任 が生ずるのかという基本的な法的根拠は、現 在必ずしも明らかにされていない。多くの場 合は、その根拠を学校教育法の精神・趣旨に
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第3節 教師の過失責任
前頁の表にあるように、現在、一般教師が 直接その賠償責任を問われる責任としては、
次の責任がある。
①不法行為責任(民法709条)
②親権者代理監督者責任(民法714条2
項) の二つであろう俄
不法行為責任は、教師自らが加害者として 行なった不法行為(暴行・体罰等)と、加害 生徒らの指導監督上の注意義務違反を問われ た、いわば不作為による不法行為と大別でき る。もちろん前者の事例は少なく、後者の事 例が圧倒的に多いわけである。この場合、不 作為による不法行為(いわゆる生徒聞事故や 生徒の自招事故の場合における不法行為)で あるから、教師自身の過失の存否を判断する ことは実際非常に難しいわけである。
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徒の弁識能力のない者が学校の教育活動をし ている間、親権者(両親等)に代わって保護 監督すべきであるとする責任で、その監督義 務を怠った場合に賠償責任を問われるという
ものである。
しかし、不法行為責任といい、親権者代理 監督者責任といい、その義務内容・範囲が問 題であって、無制限に責任を問われるもので
)はない。
一概に、教師の責任といっても、その責任 の内容や範囲は、軌を一にしていない。保育 園の保母と中学校の教諭、あるいは、小学校 の教諭と高校の教諭とではかなり差がある。
それは、責任を負う前提となる注意義務その ものの内容・程度がことなるからにほかなら
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(1)、二つの最高裁学校事故判決
最高裁判所(第二小法廷)は、最近二件の 学校事故に関わる国家賠償請求:事件について 判決した。偶然にも二件とも教師の指導下の 体育授業中に起こった事故例であるが、被害 者救済の面からみると一方の横浜市立中山中
プール飛込み事故(最判昭和62.2.
6)では学校設置者の1億3,000万円余の賠
償義務が、他方の湯河原町立湯河原小サッカ ー事故(最密昭和62. 2. 13)では被害 者の請求棄却が、それぞれ確定するという対 象的な結果となった鯉
中山中事件では、中学校3年生であった原 告が、体育授業の飛込み練習で、体育教師の 指導に従って、助走してスタート台から踏み 切ったが、空中でバランスを失い、水底に頭 部を激突させて全身麻痺となった.原告は、
学校設置者の市に対し、教師の過失などを理
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由に損害賠償を求め、一審、二審とも勝訴し た。最高裁は、学校の教師に「学校における 教育活動に生ずるおそれのある危険から生徒 を保護すべき義務」と一般的な安全義務を認 め、その内容として「危険を伴う技術を指導 する場合」の「事故の発生を防止するために 十分な措置を講じるべき義務」を指摘した。
具体的には、危険な助走つき飛込みを指導す るのに、危険除去のための適切、丁寧な指導 を怠った体育教師に注意義務違反を認めた。
本件は、体育という事故の多い危険教科で、
かっ危険性の高い飛込みの指導時という教師 の専門的安全義務が高度に要請される場面で 教師の指導自体の教育専門的不十分さにより 事故が生じた、いわば典型的学校事故例とい
える。
これに対し、湯河原小事件では、体育i授業 中のサッカー試合で、至近距離から他の児童 が蹴ったボールで右眼部を直撃され、その結 果、外傷性網膜剥離で右目失明に至った。
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②、過失の理論的意義と立証責任
心理状態か行為義務違反か、民法施行後の 多くの学説によれば、過失とは、結果の発生 を予見すべきであるにもかかわらず不注意の ためにこれを予見しないという心理状態(内 心の状態)であると定義されてきた。
このように、過失をもって一つの心理状態罰 すなわち、一種の、意思の緊張の欠如一と理 解することは、近代市民法を貫く個人自治の 原則の不法行為上の表現形式とみられる過失 責任の原則解釈としては、自然なものである
といえよう。また現行民法(明治29年)が
その制定過程において、個人主義的法思想の 色濃くみられた当時のドイツ民法第1草案の 影響を強く受けて「権利侵害」および「損害 の発生」という客観的要件と「故意・過失」という主観的要件とをかなり明瞭に分けて考 えたらしいことからも、このことは理解でき
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