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TRU廃棄物処分技術分野の研究開発計画

ドキュメント内 (ページ 45-49)

参考資料2に整理しているように,HLWとTRU廃棄物とでは,それぞれを処分対象とした地層処分 事業の事業化に向けた研究開発経緯や制度化の手順に違いがあるものの,平成19年6月の特定放 射性廃棄物の最終処分に関する法律(以下,最終処分法という)の改正及び平成20年3月の特定放 射性廃棄物の最終処分に関する計画(以下,最終処分計画という)の改定によって,併置処分の実施 も念頭に,両廃棄物は地層処分事業という統合された計画の中で事業が進められる。このような経緯 のもと,調整会議の活動を経て平成18年12月に初版として整備された全体計画では,TRU廃棄物 を対象とした研究開発計画は,HLW を対象とした研究開発計画の別枠として扱った(その時点では,H LWが事業化段階にあったが,TRU廃棄物は事業化の前段階にあった)。その後,従前の全体計画 の改訂に伴い(参考資料3参照),両計画は徐々に統合されつつある。

このような経緯を経て,TRU廃棄物処分技術分野における研究開発では,1)発生・処理と処分の 視点,2)国の基盤研究開発と事業化技術開発の視点で,廃棄物発生者(電気事業者,再処理事業 者及び MOX 燃料加工事業者をいう)の行う技術開発に位置付けられるものとの役割分担の明確化を 図りつつ展開を進める。具体的には,先行して取り組まれてきた HLW の研究開発との連携や成果活用 も行いつつ,TRU廃棄物処分技術に特化したもの(特有のもの)を中心に,フェーズ2までは,1)併置 処分の評価に係る信頼性向上,2)ジェネリックな評価基盤の拡充(HLW 評価基盤との平仄),3)より幅 広い地質環境への柔軟な対応といった視点で,表5.4-1に示す分類を設定して課題を展開する。こ れらのフェーズ2までの成果として,現象理解にもとづく評価モデルの構築や改良が進捗するとともに,

幅広い地質環境に対応できるデータの整備や高レベル放射性廃棄物処分の評価基盤としてのデータ ベース等の統合化等を予定している。

フェーズ3においては,HLW と同様のフェーズ目標を念頭に,精密調査段階において必要とされる

評価基盤の整備として,概要調査の結果も考慮しつつ補完的データの取得とともに,整備した評価モ

デルの長期適用性検討や確証を行う予定である。なお,TRU廃棄物処分技術分野における設計・工

学技術に関しては,その多くを事業者の行う技術開発として成果移管を行う。また,高レベル放射性廃

棄物地層処分の評価基盤との統合化を更に進めていくことを前提に,本分野の課題の多くは,HLW 及

びTRU廃棄物を包含する形で他の分野への完全統合を図る(表5.4-1に示すフェーズ2の課題はそ

の進捗も踏まえて,フェーズ3では他の分野で統合的に取り組まれる)。

表5.4-1 TRU廃棄物処分技術分野における分類毎の細目構成(フェーズ2)

研究開発要素

分類 細目

(1)廃棄体技術*1

①種類・発生量(データベース整備・拡充) -

②処理・廃棄体化技術 -

③廃棄体の品質管理/検認手法 -

(2)設計・工学技術

①人工バリア材料物性*2 a) セメント材料 b) ベントナイト系材料

②ニアフィールド構造解析*2 -

③処分施設の設計*3

a) 人工バリア設計 b) 坑道設計

c) 処分場の基本概念

④建設・操業・閉鎖等の工学技術*3

a) 建設技術 b) 操業技術 c) 閉鎖技術

d) 管理技術(品質・安全)

e) モニタリング・回収技術

(3)性能評価

①核種移行データ取得・整備*2

a) ソースターム(核種溶解挙動)

b) 金属溶解・核種放出挙動 c) 移行パラメータ(分配係数など)

d) コロイド・微生物影響

②セメント変質 a) 化学的変遷 b) 力学影響

③アルカリ環境下ベントナイト・岩反応

a) ベントナイト系材料 b) 岩盤変質

c) 連成評価モデル

④硝酸塩/有機物影響 -

⑤ガス発生影響 a) ガス発生評価 b) ガス移行評価

⑥システム性能評価

a) シナリオ解析*2 b) 核種移行評価 c) 生物圏評価

d) 総合評価/不確実性解析*2

(4)併置処分に関す る検討*2,3

①相互影響評価 -

②併置処分概念の合理化・最適化 -

(5)代替技術の開発

①放射性ヨウ素固定化 -

②放射性炭素の閉じ込め -

③低アルカリ性セメント*2 -

④硝酸塩分解技術*1 -

⑤アスファルト分解技術*1 -

*1:廃棄物発生者の技術開発((5)④については一部基盤研究)

*2:HLW 処分研究と成果の共有・統合化

*3:実施主体の技術開発((2)④b, (4)①,②については一部基盤研究)

(2) 研究開発内容

本全体計画の計画期間(平成25年度~平成29年度)において,フェーズ2及びフェーズ3の課題

として計画される研究開発内容を,上表の分類毎に概括整理する。以下,フェーズ2及びフェーズ3の

課題として包括的に整理するが,上述したようにフェーズ3以降では,個々の課題は他の分野の枠組

みで統合的に取り組まれる。

① 廃棄体技術

廃棄体技術のうち,種類・発生量に関しては,廃棄体の放射能濃度決定手法の開発や実廃棄 物の実測に基づくデータ取得も含め,すべての廃棄体グループについてのインベントリ情報の継続 的な整備が必要である。また,処理・廃棄体化技術として,ガラス固化体製造後の廃溶融炉解 体に伴う高発熱性廃棄物の廃棄体化技術の検討が必要である。

上記のような取組は,基本的には,廃棄物発生者に帰属するが,それらの基礎情報集約のた め基盤研究側との幅広い協力体制が必要となる。したがって,インベントリ設定等に不可欠な核 種分析(測定方法等の技術開発を含む)や解析データは処分の安全評価の基礎情報となること,

また,処理・廃棄体化技術では,廃棄体自体が処分システムの安全機能の1つを担うことを鑑み,

基盤研究でも必要な取組を行う(具体的には,後述の③性能評価及び⑤代替技術の開発におい て課題展開を行う)。

② 設計・工学技術

本分類では,1)人工バリア材料物性,2)ニアフィールド構造解析,3)処分施設の設計,4)建 設・操業・閉鎖等の工学技術に区分して研究開発を進める。1)については,セメント材料とベントナ イトの物性に関するデータ拡充整備を進める。具体的には後述③の性能評価の枠中で研究開発 を実施し,HLW 処分の人工バリア特性データベースと統合化する。2)についても同様に,③の性 能評価の枠中で開発する力学挙動評価ツール及び力学データを活用して研究開発を進める。3),

4)については,実施主体が行う技術開発課題と位置付けるが,4)の操業技術のうち人工バリア特 性変化評価技術については,③の性能評価研究課題と共通する部分もあるため,これと統合して 進める。

③ 性能評価

研究開発課題の内訳は,1)核種移行データ取得・整備,2)セメント変質,3)アルカリ環境下ベ ントナイト・岩反応,4)硝酸塩/有機物影響,5)ガス発生影響,6)システム性能評価であるが,と くにTRU廃棄物処分施設に固有の特徴として,硝酸塩を含む廃棄体が持ち込まれることと,セメ ント材料が多用される見込みであることが挙げられる。フェーズ2の課題としては,このような条件 下での性能評価基盤の整備を進めることとして,評価ツールのプロトタイプを提示する。このような フェーズ2の進捗を踏まえ,フェーズ3では HLW 処分研究との統合化を進めつつ,モデルの長期 適用性検討や確証を目指した研究開発を展開する。また,処分システム長期挙動評価の信頼 性向上のための補完的データ取得として,硝酸塩等廃棄体由来の化学物質影響下での人工バリ ア挙動(セメント影響との重畳を含む),金属腐食に伴うガス発生・移行,線量支配核種の生物圏 での挙動評価モデルの改良等を行う。さらに,性能評価によって示される施設の長期的な性能,

特にセメント系材料からのアルカリ影響に起因する性能の変化について,その信頼性・説明性を

高めていく目的で,天然での類似事象(ナチュラルアナログ)の活用を図る。

④ 併置処分に関する検討

併置処分に関する課題としてTRU廃棄物から溶出する硝酸塩の処分システムへの影響に着 目し,フェーズ2では,硝酸塩の地層中の化学変遷や核種移行パラメータへの影響を反映できる 併置処分における硝酸塩評価手法の高度化を進める。具体的には,TRU廃棄物から溶出する 硝酸イオンとその地層中での化学的変遷物が存在する条件での核種移行評価を可能とする評 価ツールのプロトタイプを構築し,線量評価とともに,次の⑤に示す代替技術としての処理技術の 選択の要否と併せ,合理的な処理・処分方策の策定において活用する。なお,これらの課題は,

フェーズ2の取組をもって国の基盤研究開発として一区切りさせ,フェーズ3の段階では,実施主 体の技術開発課題として位置付ける。

⑤ 代替技術の開発

TRU廃棄物処分における代替技術の目的は,1)処分における安全裕度の向上と,2)幅広い 地質環境への適用性向上である。特に,線量評価において支配的核種と考えられる I-129(半減 期 1,570 万年)と C-14(同 5,730 年)については,前者が 10 万年に及ぶ放出期間の確保を目指 した固化体の開発,後者は半減期の 10 倍の期間としての 6 万年の閉じ込めを目指した技術開発 がそれぞれ課題である。

フェーズ2後半及びフェーズ3では,I-129 含有廃棄物の固化技術開発については,より大きな 試験規模での実用化に向けた固化処理技術の高度化や合理化に向けて,固化技術の絞り込み を検討するとともに,廃棄物発生者への技術移転の見通しを明らかにするとともに,基礎データと しての固化体の長期浸出データ取得を継続して評価の信頼性向上を図る。C-14 閉じ込め技術 については,候補のコンクリート容器やチタン合金等の金属容器の実用化検討を進め,実施主体 への技術移転の見通しを明らかにする。なお,コンクリート容器に関しては,同じくTRU廃棄物処 分研究として行うセメント系人工バリア材に関する研究成果を確認しつつ,基盤的データを更に拡 充していく。金属材料については高レベル放射性廃棄物処分研究のうちのオーバーパック候補材 料の研究との共通性があるのでこれを活用する。

また,上記③の性能評価において硝酸塩の影響評価を進めるが,硝酸塩の影響を低減するた めの代替措置としてフェーズ2で開発を進めてきた硝酸塩分解技術の適用が必要となった場合は,

廃棄物発生者が技術の実用化に向けた開発の検討を行う。

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